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食品ECの成功事例10選!市場動向や成功のポイントも紹介

食品ECとは、食品を販売するECサイトのことです。

もし食品ECを始めるなら成功させたいと誰もが思うでしょう。
そこでこの記事は、それぞれ独自のアプローチで顧客を獲得し、食品ECを成功させた事例を紹介します。

また、現状の食品EC市場や課題、課題を乗り越えて成功させるためのポイントも解説します。
これから食品ECに参入を検討している方や、既存事業の成長を目指す方は必見です。

ツクルくん
ツクルくん

食品ECに興味があるけど、成功するのかな?

カラミちゃん
カラミちゃん

そんなツクルくんのために成功事例をご紹介しますよ!

食品ECは成功しやすい?市場の動向は

そもそも食品ECは成功しやすいジャンルといえるのでしょうか?
下記は経済産業省が毎年発表している「電子商取引に関する市場調査」に掲載されている、日本国内のBtoC ECにおける「食品・飲料・酒類」ジャンルのEC化率の推移です。

EC化率(%)
2014 1.89%
2015 2.03%
2016 2.25%
2017 2.41%
2018 2.64%
2019 2.89%
2020 3.31%
2021 3.77%
2022 4.16%
2023 4.29%

日本の食品・飲料・酒類分野におけるEC化率は、2014年の1.89%から2023年には4.29%へと着実に拡大しており、特に2020年以降はコロナ禍の影響で生活必需品のオンライン購入が定着し、食品ECの利用が広がりました。

確かにEC化が進んでいる「生活家電・PC」や「書籍・映像ソフト」のジャンルのEC化率は2023年の時点で40~50%台なので、食品ジャンルのEC化率はかなり低いことがわかります。
ですが裏を返せば、食品ジャンルは大きな成長の余地が残されているといえます。

実際に、今後は高齢化が進むことで、買い物に出なくても商品が手に入るECの利便性への需要は高まるでしょう。
また、共働き・単身世帯の時短ニーズにより、ミールキットや冷凍総菜などのサービスも続々と登場しています。

そのため、食品分野のEC化率は、物販分野全体と比較するとまだ低い水準にありますが、今後も確実に市場は拡大していくと考えられます。

日本のEC化率についてさらに詳しくは、「日本のEC化率は?」の記事をぜひご覧ください。

食品ECが抱える課題

食品ECのEC化率が進まないのには理由があります。
ここでは、食品ECが抱える主な課題について解説します。

生鮮食品の品質管理や配送が難しい

食品ECにおいて、生鮮食品の品質管理と配送は特に難しい課題です。

まず、生鮮食品は温度管理が非常に重要です。
配送中のわずかな温度変化でも、商品の鮮度が大きく損なわれる可能性があります。

そのため、厳格な温度管理が可能な配送システムが不可欠ですが、こうした専門的な配送はコストが高く、事業者にとっては大きな負担となりがちです。

また、消費期限が短い商品が多いため、在庫管理も大きな課題といえます。
需要予測を適切に行わないと、廃棄ロスが発生しやすくなります。

このように、品質管理、高コストな配送、複雑な在庫管理などは事業者にとって大きなハードルとなっています。
こうした課題により食品ECへの参入が難しく、EC化率がなかなか進まない要因と考えられています。

食品は実店舗で購入されやすい

食品ECが抱える課題のもう1つは、「実店舗との競争」が挙げられます。
特に生鮮食品は、鮮度や品質を直接確認したいというニーズが根強く、多くの消費者が実店舗での購入を選びがちです。

また、ほとんどの人は生活圏内にスーパーやコンビニがあり、欲しい時にすぐ商品を手に入れられるので、食品は他のジャンルの商品に比べECが利用されにくいともいえます。

そのため食品ECがこの課題を克服するには、実店舗にはない付加価値を提供し、選ばれる理由を明確に打ち出す必要があります。

食品ECだからこその強みやメリット

課題もある食品ECですが、実店舗にはないメリットや強みももちろんあります。
主なものをお伝えします。

商品のストーリーを伝えやすい

実店舗ではスペースに限りがありますが、ECサイトなら生産者の想いや産地の魅力、商品の特徴を詳細に伝えられます。

例えば、商品開発のきっかけとなった出来事や生産工程のこだわり、おすすめの食べ方などを紹介することで、消費者は商品への理解を深め共感を覚えるでしょう。

消費者に単なる「モノ」ではなく「物語」として商品を捉えてもらうことは、購買意欲を高め、顧客が商品やブランドに対して愛着を育む効果も期待できます。

価格競争に陥りがちな食品ECにおいて、ストーリーは他社との差別化を図る強力な武器となります。

販路を拡大できる

実店舗のみの場合、店舗周辺の限られた人または観光客しか購入できず、顧客を増やすことはなかなか難しいです。

ですが、食品ECを立ち上げれば地理的な制約はなくなるため日本全国、さらには越境ECとして海外の消費者にも自社の商品を販売することが可能になります。

また、ECサイトは24時間365日稼働しており実店舗の営業時間外でも注文を受け付けられるため、販売機会の損失を防げます。

このように、食品ECを開設すれば、販路拡大および購買数の向上を通じて、事業を大きく成長させることができるでしょう。

利益率アップが期待できる

食品ECでは、これまでの販売チャネルと比較して利益率アップが期待できます。
その大きな理由の1つが、中間マージンの削減です。

もし食品メーカーが卸売業者を介した流通を行っていた場合、流通の各段階で手数料が発生し、利益を圧迫してしまうこともあります。

一方、生産者やメーカーが消費者に直接商品を販売する食品D2C(Direct to Consumer)モデルを構築すれば、これまで卸売業者や小売業者に支払っていた手数料を削減し、自社の利益として確保しやすくなるでしょう。

また、自社ECなら定価を自分たちで決められるため、値崩れを避けてブランド価値を維持し、利益を最大化できます。

削減できたコストを商品の品質向上やECマーケティングに再投資することで、さらなる事業成長も期待できるでしょう。

食品ECの成功事例10

それでは実際に、食品ECの課題を乗り越えて成功しているカラーミーショップのさまざまなジャンルのショップをご紹介します。

乃し梅本舗 佐藤屋

山形の伝統銘菓「のし梅」を実店舗で販売していた佐藤屋さんは、Twitterでの声をきっかけにコロナ禍でネットショップを開設。オープン後は1時間で100件以上の注文が入るなど、大成功を収めています。
食品ECで商圏が広がった、食品ロスが減ったなど嬉しい成果もお話ししてくださいました。

カフェヒコ

三重県の山奥のカフェから、マフィンをはじめとしたカフェフードを全国へ届けるためにネットショップをオープン。
運営を始めて半年ほどでカフェヒコさんの売上全体の約20%を占めるほど、食品ECで確かな手ごたえを感じているそうです。

かごしまぐるり

鹿児島の特産品に特化した産直ECモール「かごしまぐるり」は、出品料・手数料を一切取らない成果報酬型モデルを採用し、生産者の負担を最小限に抑えた運営で注目を集めています。
2025年5月現在は約260の生産者が参加。
ECサイトを通じて生産者を応援するだけでなく、鹿児島の地域ブランディングにも貢献しています。

自然派きくち村

誰の手でどのように作られたのかわかる、安心・安全な食品だけを取り扱う熊本発のECサイト「自然派きくち村」は、オーガニック食品を求める幅広い層から支持を集めています。
生産のこだわりが伝わる商品ページや迅速な発送体制などにより顧客の心をつかみ、購入者の約7割がリピーターと、顧客との良好な関係を築いている成功例です。

服部製糖所

徳島県の老舗和三盆製糖所「服部製糖所」は、コロナ禍で主要な取引先が休業し売上ゼロという危機を打開策するため、和三盆を使用した華やかな「おはぎ」を開発しました。
美しいおはぎはECサイトで販売後、SNSがきっかけで一気に人気となり、販売開始わずか1分で完売する日もあるそうです。
食品ECにより新たな販路を開拓した好例でしょう。

じゅんさいときりたんぽ安藤食品

秋田県三種町のじゅんさい農家「安藤食品」は、認知度の低い食品”じゅんさい”を扱っているECのサイトです。
オンラインでじゅんさいを販売するため独学でECサイトを開設後、サイト上のコンテンツやSNSで積極的に写真や動画を発信し、じゅんさいの魅力を伝えています。
今では全国から注文が入るなど、マイナー食材だからこそECを活用して商品の魅力を発信することで、全国にファンが広がったのでしょう。

江の浦海苔本舗

福岡県みやま市の「江の浦海苔本舗」は元海苔漁師による海苔ブランドです。
地元行政のプロジェクトで出会ったデザイナーとともにECサイトを立ち上げ、ブランド・パッケージを一新。
パッケージが洗練されたことで他社との差別化にも成功し、商品の単価を上げても購入されるようになったそうです。
食品ECがブランド価値の向上に貢献した事例といえます。

山下商店

鹿児島県甑島(こしきしま)の「山下商店」は、地元で水揚げされた新鮮な魚を使った干物や加工品を販売するECサイトです。
日常の食卓に自然となじむ「食卓から逆算した商品づくり」をテーマとした商品を販売することで、全国の食卓にじわじわと商品が広まっています。
「普段は手に入りにくい希少性」というECならではの強みを生かした成功事例といえるでしょう。

ひとくちウイスキー

実店舗を持たない「ひとくちウイスキー」は、バーのようにお酒を楽しんでほしいという想いから、ウイスキーを一30mlサイズに小分けしてEC販売をしています。
ギフト向け商品や初心者向けの飲み比べセットなど、さまざまな切り口の商品を展開し、初心者からコアな層まで幅広いユーザーから支持されている人気の食品ECです。

ヨーグルト専門店モーニング

福島県の地元民から愛される旬のフルーツを使ったヨーグルトを販売するヨーグルト専門店モーニング。
スマートフォンでの買いやすさにこだわったリニューアルを行ったことで売上が前年比140%になったそうです。
ECサイトのリニューアルを成功させた模範的な例といえます。

>>>ヨーグルト専門店モーニングさんの事例はこちら

食品ECを成功させるポイント

食品ECを成功させるには、実店舗以上の付加価値を提供し、ユーザーに「ここでしか買えない理由」を示すことが重要です。
ネット限定商品や地域の名産品、レシピ付き食材セットなどは、購入の動機づけに効果的です。

また、ECサイトではスペースの制限がないため、商品のこだわりや生産者の想い、誕生ストーリーなどを詳しく伝えられます。
商品を理解できることで消費者は安心し、共感してくれるでしょう。

このような地道な工夫を丁寧に実行することで、価格や利便性だけではない、ECならではの魅力を訴求できるでしょう。

食品ECの成功のためにおすすめの機能

ここでは、食品ECを成功させるために備えておきたいECサイトの機能をご紹介します。

三温度帯

三温度帯とは、常温(おおよそ10~20℃)、冷蔵・チルド(5℃~-5℃)、冷凍・フローズン(-15℃以下)の3つの異なる温度帯での配送方法のことです。

ECサイトに三温度帯に分けて配送できる機能があれば、缶詰から生鮮品、冷凍食品まで、幅広い商品を最適な状態で配送できます。

食品ECサイトにとって、商品の品質を維持した状態で顧客に届けることは非常に重要です。
そのため、さまざまな温度帯の商品を扱う食品ECにとって欠かせない機能といえるでしょう。

定期販売

特定の商品を定期的にお届けする販売モデルも、食品ECにおすすめの機能です。
例えばコーヒーやお米など、食品は日常的に消費されるものが多く、定期的な購入ニーズと合致しやすいでしょう。

また、ショップにとっても定期販売を行えれば、安定的な売上が得られる、販売予測に基づき在庫管理がしやすくなる、顧客との関係が構築しやすいなどのメリットがあります。

一方、定期購入は顧客にとってハードルが高いため、送料無料や限定特典などを用意し、継続利用を促す工夫が必要です。

ギフト対応

お中元やお歳暮、母の日や誕生日などの風習やイベントにおいて、「消え物であるため気軽に贈りやすい」という特性から食品ギフトは非常に人気があります。

そのため、食品ECでギフト対応を行うことは競合との差別化を図り、顧客の購買意欲を高めることにつながるでしょう。

具体的には、のしやラッピングの選択、メッセージカードの同梱、複数配送先への対応といった機能が求められます。
近年ではLINEやSNSで手軽にギフトを贈れるソーシャルギフトも人気です。

また、ギフトに対応できる機能だけでなく、贈る側が選びやすいようなギフト向け商品を充実させることも重要です。

なお、上記で紹介した機能について、カラーミーショップにはすべてそろっています。
食品事業者の方にも多く利用されているEC構築サービス・カラーミーショップの食品EC向けサービスについて詳しくは、下記をご覧ください。

>>>カラーミーショップの食品ECプランを見てみる

まとめ

食品EC市場は着実に成長しており、大きな可能性を秘めています。

成功している企業は、商品のストーリー性や希少性、地域性など独自の価値を提供し、実店舗にはない魅力で顧客を獲得しています。

食品ECには課題もありますが、三温度帯配送や定期販売、ギフト対応などの機能を活用し、食品ECならではの顧客ニーズに応えることで成功へとつながるでしょう。

なお、ECサイト構築サービスカラーミーショップには、食品ECに必要な機能が充実しています。
食品ECを検討している方はぜひチェックしてみてください。

>>>カラーミーショップの食品ECプランを見てみる

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実店舗にはない付加価値を付ける、商品情報を充実させて商品理解を深めてもらうといったことが挙げられます。詳しくはこちらの章をご覧ください。