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冷凍食品を通販するにはどんな許可が必要?製造・販売の許可を得るための条件や注意点も紹介!

インターネット上で気軽に買い物ができるプラットフォームやECサイト、ネットショップが増えたことにより、消費者がネットで食品を購入するのは当たり前になりました。

そのため、実店舗や飲食店で販売している商品を冷凍してネット販売したいと思う方も増えていると思います。

では冷凍食品をネットで販売するにあたり、どのような許可が必要になるのでしょうか?
今回は冷凍食品の製造や販売に関わる許可、注意点について取り上げていきます。

ツクルくん
ツクルくん

冷凍食品の販売や製造には許可が必要って聞いたけど、どんな手続きをすればいいのかな?

カラミちゃん
カラミちゃん

食品衛生法で定められているように、冷凍食品を製造する場合は営業許可が必要です。今回は、冷凍食品に関する許可や届出、製造や販売における注意点について詳しく説明していきます。

そもそも冷凍食品とは?定義や種類を紹介

冷凍食品の通販に関わる許可について知る前に、そもそも対象になる冷凍食品とは何か、冷凍食品の定義について押さえておきましょう。

この記事で取り上げる「冷凍食品」は、以下の4つの要素を満たす食品のことをいいます。

  • ・前処理されている(すぐに調理できるよう食べられない部分の処理がされているなど)
  • ・急速凍結されている
  • ・適切に包装されている
  • ・マイナス18℃以下で保管されている

さらに冷凍食品は、食品衛生法によって規格基準が設けられており、生食用冷凍鮮魚介類、無加熱摂取冷凍食品、加熱後摂取冷凍食品の3つに区分されます。

生食用冷凍鮮魚介類

生食用冷凍鮮魚介類とは、生食用に凍結させた切り身やむき身に加工した鮮魚介類をいいます。生食用冷凍魚介類は、原料には鮮度の良いものを選ぶなど、ほかの区分とは異なる厳格な加工基準が定められています。

無加熱摂取冷凍食品

無加熱摂取冷凍食品とは、食品を製造・加工し凍結させたもののうち、食品を食べるときに加熱しなくても良いものをいいます。
たとえば冷蔵庫で解凍してそのまま食べられるケーキ類などが、これにあたります。

加熱後摂取冷凍食品

加熱後摂取冷凍食品とは、食品を製造・加工し凍結させたもののうち、食品を食べるときに加熱が必要な食品をいいます。
加熱して食べる冷凍の揚げ物や肉の加工品などがあります。

冷凍食品に関する許可・届出には何がある?

冷凍食品とは何かという定義がわかったところで、冷凍食品に関する許可や届出について確認していきましょう。

まず、冷凍食品の許可などを定めている食品衛生法という法律は、ここ数年で大きな改正がありました。
それまでは、冷凍食品の販売や製造には「食品の冷凍又は冷蔵業」という営業許可が必要でしたが、2021年6月1日に施行された改正食品衛生法によってこの許可制度が再編され、以下の3つに分けられました。

  • ・冷凍食品製造業の営業許可
  • ・複合型冷凍食品製造業の営業許可
  • ・冷凍・冷蔵倉庫業の届出

では、それぞれについて詳しく説明していきます。

冷凍食品製造業の営業許可

冷凍食品製造業は、食品や添加物等の規格基準に定められた食品を冷凍品として製造するときに必要な営業許可です。
一般的に、そうざい製造に該当する冷凍食品の製造がこれにあたります。

そうざいとは、食品衛生法によって定義された、煮物や焼き物、揚げ物、蒸し物、酢の物、あえ物のほか、米やパンと組み合わせた食品や半加工品のことです。

唐揚げやコロッケなどの肉加工品や、魚のフライや干物などを専門に製造するときは、この「冷凍食品製造業の許可」が必要になります。

複合型冷凍食品製造業の営業許可

複合型冷凍食品製造業は、冷凍食品の製造だけでなく食肉処理業、菓子製造業(菓子やパンなどの製造業)、水産製品製造業(魚介類やその卵を主原料にした食品の製造業)、麺類製造業に関する食品を製造したい場合の営業許可です。

これまでは冷凍食品の製造に加えて、食肉処理業、菓子製造業、水産製品製造業、麺類製造業を行う場合は、それぞれの営業許可を追加で取得する必要がありました。
ですが複合型冷凍食品製造業の営業許可を取得すれば、(HACCPに基づく衛生管理を行うことを条件に)、上記4種の営業許可に関しては追加取得が免除されます。

食品衛生法の改正により営業許可制度がシンプルになり、複合型冷凍食品製造業の営業許可のみで冷凍食品の製造、食肉処理業、菓子製造業、水産製品製造業、麺類製造業と複数営業することが可能となったのです。

冷凍・冷蔵倉庫業の届出

先ほどお伝えしたように、もともとあった「食品の冷凍又は冷蔵業」という営業許可は、食品衛生法の改正により3つに分けられています。

そのため、製造は行わず冷凍食品の販売や保管・輸送だけを行う営業形態の場合は、営業許可の取得ではなく「届出の提出」の対象になりました。
届出の場合、営業許可の取得手続きとは異なり、基準を満たした営業施設の整備や更新手続きは不要ですので、営業許可が必要だった時代よりも冷凍事業に参入しやすくなったといえます。

冷凍食品を扱う場合どんな許可・届出が必要?

冷凍食品の許可や届出についての概要の章で説明したように、冷凍食品を扱う場合でも営業許可が必ずしも必要になるわけではありません。
そもそも「冷凍食品を扱う事業」といった場合も、実は以下の2つのパターンに分けられます。

・【パターン1】冷凍食品を自身で製造し販売する
・【パターン2】冷凍食品を他社から仕入れて販売する

それぞれのパターンについて、許可や届出の関係を見ていきましょう。

【パターン1】冷凍食品を製造し販売する場合の許可・届出

冷凍食品を自社で製造して販売する場合は、冷凍食品製造業の営業許可、または複合型冷凍食品製造業の営業許可が必要です。

冷凍食品製造業は、主にそうざいに該当するような冷凍食品を製造する場合の許可になります。

ただし、そうざいのカテゴリ含まれない食品で、かつ食品や添加物等の規格基準が定められていない冷凍食品を製造するときは、すでに取得している営業許可のみで済む場合もあります。

新規で営業許可の取得が必要かどうかは、管轄の保健所に確認するのが確実でしょう。

また、先ほどもお伝えしたように、冷凍食品の製造と併せて食肉処理業、菓子製造業、水産製品製造業、麺類製造業を行う場合は、複合型冷凍食品製造業の許可が必要です。
こちらも、自社の場合は該当するのかどうかについては、管轄の保健所に具体的な説明をして確認することをおすすめします。

【パターン2】冷凍食品を他社から仕入れて販売する場合の許可

以前は冷凍食品の販売も(旧許可制度の)「食品の冷凍又は冷蔵業の許可」が必要でしたが、食品衛生法の改正により、冷凍食品の製造を行わない場合は、届出の提出のみでよくなりました。

そのため冷凍食品を製造せずに他社から仕入れて販売する場合は、保管や保存が必然となるため、冷凍・冷蔵倉庫業の届出を行うことになります。

また、先ほどお伝えしたように、冷凍食品の輸送だけを事業にする場合でも届出が必要になるので、注意しましょう。

冷凍食品を通販で販売するのに許可は必要?

では、冷凍食品を通販(ネット販売)するのためには何か許可が必要なのでしょうか。
結論からお伝えすると、通販やネット販売に対して改めて許可の取得は不要です。

ここまで紹介してきた場合と同じで、冷凍食品を製造するときは「冷凍食品製造業の営業許可」、冷凍食品以外に菓子製造業などを行うときは「複合型冷凍食品製造業の営業許可」が必要です。

そして、製造はせずに冷凍食品を仕入れて販売するときは、許可ではなく「冷凍・冷蔵倉庫業の届出」が必須となります。

冷凍食品に関する営業許可を得るのに必要な要素

では、冷凍食品の製造を行うための営業許可を得るにはどのような条件なのでしょうか。
具体的には以下の3つの要素を満たす必要があります。

  • ・①食品衛生責任者の資格
  • ・②基準に沿った施設の整備
  • ・③HACCPに基づいた衛生管理

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①食品衛生責任者の資格

食品衛生法に定める営業許可を受けるためには、食品衛生責任者の資格が必要になります。

食品衛生責任者とは、食品関係営業を行う場合の食品衛生における責任者のことです。
営業許可が必要な業種を含め、食品衛生法に規定された営業を行うときは、原則的に食品衛生責任者を定めることが義務付けられています。

食品衛生責任者の資格は、保健所の実施する指定の養成講習(約6時間程度)を受講して終了証を取得し、保健所に届け出ることで取得できます。
ただし、以下に挙げる資格がある場合は、すでに食品衛生責任者と同等の知識があるとみなされるので、養成講習を受講する必要はありません。

  • ・調理師
  • ・製菓衛生士
  • ・栄養士
  • ・船舶料理士
  • ・と畜場法に規定する衛生管理責任者
  • ・と畜場法に規定する作業衛生責任者
  • ・食鳥処理衛生管理者
  • ・食品衛生管理者又は食品衛生監視員の資格要件を満たす者

以上の資格保持者は、保健所に届け出ることで食品衛生責任者の資格を取得できます。

②基準に沿った施設の整備

食品衛生法では、厚生労働省令の基準を参考に、都道府県ごとに営業施設に必要な基準を条例で定めなければならないと規定されています。
公衆衛生への影響を最小限に抑えるために、食品を扱う施設には一定の基準が設けられているのです

この基準のことを施設基準といい、営業許可を取得したい場合は、施設基準を満たした施設(調理場)に整備したうえで許可の申請をしなくてはなりません。

そして各都道府県の定める施設基準には、共通基準と特定基準の2種類の基準があります。
共通基準は、(調理機能のある自動販売機や集乳業を除く)すべての営業許可を受ける施設に適用される基準です。

施設の広さ、適切な区画の設置、床や内装の材料、昆虫やねずみの侵入を防ぐ設備の設置など、構造や設備などに関して複数の基準が設けられています。

特定基準は、営業許可ごとに設けられている特別な基準です。
冷凍食品製造業と複合型冷凍食品製造業については、以下のような特定基準が設けられています。

  • ・原材料の保管、前処理、製品の製造、冷凍、包装、保管の場所があり作業に応じて区画されていること
  • ・原材料の保管場所に冷蔵や冷凍設備があること
  • ・製造をする場所では品目に応じ加熱、殺菌、放冷、冷却に必要な設備があること
  • ・マイナス15℃以下で管理できる冷凍室や保管室があること

施設の共通基準と特定基準についても、最寄りの保健所で確認してみましょう。

③HACCPに基づいた衛生管理

2021年6月1日から施行された改正食品衛生法によって、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が制度化されました。
HACCPとは世界基準の衛生管理の方法です。
食中毒などの危害要因を把握し、原料受け入れから出荷に至るまでの全工程の中から、危害要因を低減するために重要な工程をピックアップして衛生管理をする手法をいいます。

これまでは出荷前の商品を抜き打ちで検査をする手法が採られていましたが、衛生管理の観点から、複数の工程で衛生状況を管理するHACCPが適用されることになりました。

HACCPに沿った衛生管理は、食品の製造や加工、調理、販売などに携わるすべての食品等業者に原則として義務付けられています。

複合型冷凍食品製造業の概要欄でも触れましたが、菓子製造業などの営業許可の免除を受けるにはHACCPに基づく衛生管理が必須になりますので、あわせて押さえておきましょう。
HACCPについて具体的に何をするのかや、対象の事業者など重要点について下記の記事で詳しく取り上げています。

届出の場合に必要な要素とは?

冷凍・冷蔵倉庫業の届出については、営業許可のような施設基準は設けられていません。
ですが状況によっては施設の状況を確認される場合もありますので、冷凍食品を適切な温度で保管できる設備を備えた上で、衛生的に管理できるように整備しておきましょう。

また届出では、営業許可のように施設基準や更新手続きまでは求められないものの、食品衛生責任者の設置やHACCPに基づく衛生管理は必要です。

HACCPは営業許可の対象となる事業者と同様、事業内容や小規模な営業者等に該当するか否かでより厳しいHACCPに基づく衛生管理が必要かどうかが決まりますので、事業を始める前に管轄の保健所で確認しておきましょう。

冷凍食品の製造や販売許可を得る際の注意点

冷凍食品を製造・販売するときに気を付けたいポイントを3つ紹介します。

どのような許可が必要なのかは食品や業種で異なる

冷凍食品を製造する場合は許可が必要だと説明しましたが、ほかに扱っている食品や営業許可を得ている業種によっては許可が必要ないケースもあります。
たとえば、麺類製造業や菓子製造業などの営業許可を受けていて、一部を冷凍食品にしたいときは改めて冷凍食品に関する営業許可を取得せずに済みます。

このように、すでに扱っている商品や営業形態などによって必要な許可は変わってきますので、各自治体の保健所で必要な許可について確認を取るのが確実です。

営業許可は取得後も更新が必要

営業許可は一度取得したら永久に許可をもらえるものではないため、更新の手続きが必要です。業種や都道府県で異なりますが、おおよそ5~8年で営業許可の更新をすることになります。

更新時には更新料や許可申請書が必要になるほか、設備の衛生状態などに問題がないか実地調査が行われます。
許可を得るときにだけ設備などに気を配れば良いというわけでなく、営業を続ける以上、次の更新に向けて常に基準に沿った設備を保ち、適切な衛生管理が必要でしょう。

冷凍食品の製造・販売にはラベル貼付が必須

食品の安全性の確保と消費者の選択の機会を確保するために、食品表示法によって表示すべき事項など一定のルールが定められています。

取り扱う食品の種類にもよって異なりますが、名称や原材料名、原産地、内容量、賞味・消費期限、保存方法、製造者または加工者などを表示したラベルを商品に貼りましょう。
冷凍食品の場合は、凍結前の過熱の有無、加熱調理の必要性などの表示も求められます。

さらに、自治体によっても扱いが異なるため注意が必要です。
たとえば、東京都では調理冷凍食品を含む4品目について表示内容に独自の規定を定めています。このように、独自のルールを置いている都道府県もありますので、営業前に各自治体の保健所に相談しておきましょう。

まとめ

冷凍食品の通販を始めるにあたり、営業許可が必要になるケースと、届出だけで済むケースの2つのケースがあります。
営業許可が必要になるケースでは、冷凍食品に関する許可が必要なケース、既存の営業許可だけで済むケースなど、扱う食品や許可を得ている業種で異なりますので、各自治体の保健所に相談しながら営業に向けて準備を進めると良いでしょう。

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よくある質問

冷凍食品を扱う場合、どのような許可がありますか?

これまでは「食品の冷凍又は冷蔵業」という営業許可が必要でしたが、改正された食品衛生法によって2021年6月から「冷凍食品製造業の営業許可」「複合型冷凍食品製造業の営業許可」「冷凍・冷蔵倉庫業の届出」の3つに再編されました。
詳しくはこちらの章で解説しています。

冷凍食品を販売するのに許可は必要ですか?

冷凍食品を扱う場合でも営業許可が必ずしも必要になるわけではありません。
営業許可ではなく、届出の提出だけで済む場合もあります。詳しくはこちらの章をご確認ください。