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食品販売許可は自宅でも取得できる?販売可能な場合や営業許可を得るための条件を解説!

ネットショップを誰でも気軽に作成できるサービスが増えたことで、副業として自宅で食品の販売を始めてみたいと考えている人も多いと思います。

そこでこの記事では、食品販売許可を自宅でも得られるのかということや、食品の販売にあたって知っておきたい許可や届出、そのほかの点などについて解説していきます。

ツクルくん
ツクルくん

個人でネットショップをやってる人も増えたから僕も食品の販売に挑戦してみたいけど、自宅を使って作ったり売ったりできるのかな?

カラミちゃん
カラミちゃん

食品販売を自宅でできるかどうかは、その食品販売に対してどのような許可や届出が必要になるかで変わるので、一概にできないとはいえません。詳しく解説していきます。

自宅で食品販売するには2つの方法がある

「自宅で食品販売する」といってもその方法は、次の二通りあります。

  • 1.自分で製造、または加工した食品を販売する
  • 2.他社(メーカーなど)から食品を仕入れて販売する

1の方法は、自家製のジャムやお菓子、手作りパンなどの販売に該当します。
2の方法は、メーカーや卸売業者などから既製品を仕入れて販売する方法です。
では1の方法と2の方法、それぞれ自宅でも食品販売の許可を得られるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

食品の製造販売や仕入れ販売が自宅で可能かは扱う食品や業態による

結論からお伝えすると自宅で可能かどうかは、自分で食品を製造・加工して販売するか、既製品を販売するかということも関係してきますが、このような業態だけでなく、どのような食品を扱うかでも許可が下りるかどうかは異なります。

次の章で、業態や食品の種類で必要な手続きがどう変わるのかを見ていきましょう。

そもそも食品販売をするにはどのような許可が必要?

「どの食品にどのような許可が必要なのか」の前に、そもそも食品を販売する際の許可制度は下記の3パターンに分けられることを知っておきましょう。

  • ① 営業許可も届出も不要で自由に販売できるパターン
  • ② 営業許可が必要なパターン
  • ③ 営業許可ではなく「届出」が必要なパターン

それぞれ、詳しく解説していきます。

①営業許可も届出も不要で自由に販売できるパターン(食品・業態)

まず、次の業種は営業許可も届出も不要とされているので、自由に営業ができるパターンです。

  • ・食品や添加物の輸入業
  • ・食品や添加物の貯蔵や運搬のみを行う業種(冷蔵や冷凍倉庫業は届出が必要)
  • ・常温で長期間保存しても食品衛生上問題ない食品や添加物の販売業
  • ・合成樹脂を除く器具や容器包装の製造業
  • ・1回あたりの提供が20食程度未満の集団給食施設(学校や病院等除く)
  • ・農作物や水産物の採取業

常温で長期間保存しても食品衛生上のリスクがほとんどない食品とは、ペットボトル飲料やカップ麺、スナック菓子などの密閉された食品です。
このような食品を仕入れて販売のみをするような場合は、営業許可も届出も必要ありません。

また、食品の販売は行わず食品の輸入だけを行う場合、常温で保管できる食品を貯蔵または運搬する営業のみを行う場合にも、営業許可や届出は必要ないです。

ただし、上記のほか、営業許可や届出が必要な業種をあわせて行うときは、それぞれ申請が必要になりますので注意しましょう。

②営業許可が必要なパターン(食品・業態)

食品の製造や販売を行う業態のうち、次の32業種のいずれかに該当する場合は、取得するための条件が厳しい「営業許可」が必要です。

調理業

1.飲食店営業
2.調理機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業

販売業

3.食肉販売業
4.魚介類販売業
5.魚介類競り売り営業

処理業

6.集乳業
7.乳処理業
8.特別牛乳搾取処理業
9.食肉処理業
10.食品の放射線照射業

製造業

11.菓子製造業
12.アイスクリーム類製造業
13.乳製品製造業
14.清涼飲料水製造業
15.食肉製品製造業
16.水産製品製造業
17.氷雪製造業
18.液卵製造業
19.食用油脂製造業
20.みそ又はしょうゆ製造業
21.酒類製造業
22.豆腐製造業
23.納豆製造業
24.麺類製造業
25.そうざい製造業(そうざい半製品を含む)
26.複合型そうざい製造業
27.冷凍食品製造業
28.複合型冷凍食品製造業
29.漬物製造業
30.密封包装食品製造業
31.食品の小分け業
32.添加物製造業

表を確認すると主に調理業、販売業、処理業、製造業に分類されていることがわかります。

調理業は、飲食店の営業(調理したものを提供するような営業)や調理機能のある自動販売機で食品を販売するような業態です。
自宅をカフェに改装したり弁当屋に改装したりして、その場で調理を行って提供するときは、調理業のうち「飲食店営業」の許可が必要です。

次に食品の販売業ですが、営業許可が必要な販売業は、食肉や魚介類関係に限られています。
どちらも、包装されていない食品(食肉や鮮魚類)を販売するときには営業許可が必要です。

処理業に分類されるのは、生乳の収集や生乳を飲用に処理する業種、家畜のと殺や解体・内臓の処理を行う食肉処理業、食品に放射線を照射するような業種です。
食品の処理でも衛生的な注意を必要とする業種であるため、営業が許可制になっています。

製造業に分類される業種は22種です。
このうち、菓子製造業はパンやあん類、焼菓子、生菓子などの完成品の菓子を製造するような業種をいいます。
そのため、営業許可を取らずに自分で作ったクッキーを販売するというのはNGです。

お菓子の製造だけでなく、何かを製造または加工して販売するような場合は、営業許可が必要な製造業に分類される可能性が高いので、よく確認しておきましょう。

また、食品を製造しない場合であっても、営業許可が必要な食品を小分けして容器包装するときは「食品の小分け業」の許可が必要です。
(ただし食品の製造もあわせて行う場合は、別途食品の小分け業の許可を新たに取得する必要はありません)

③営業許可ではなく届出が必要なパターン(食品・業態)

① の営業許可も届出も不要で自由に販売できるパターンに該当せず、さらに②の営業許可が必要な業種にも当てはまらないときは、消去法で、③営業するための「届出」の提出が必要なパターンになります。
具体的には、表のような業種が届出を必要とする業種です。

業種 概要
魚介類販売業(※) ※包装済みの魚介類を販売する場合に限る
食肉販売業(※) ※包装済みの食肉を販売する場合に限る
乳類販売業 牛乳、山羊乳、乳飲料、乳を主原料としたクリームなどの販売
氷雪販売業 氷雪を仕入れて販売する業
コップ式自動販売機(※) ※自動洗浄機能のある屋内設置のものに限る
弁当販売業 調理をともなわない弁当の小売業
野菜果物販売業 果物卸売業、果物小売業、野菜卸売業、野菜小売業
米穀類販売業 雑穀・豆類卸売業、米穀類小売業、米麦卸売業
通信販売・訪問販売 無店舗の飲食料品小売業
コンビニエンスストア(※) ※飲食料品の販売を中心としたコンビニエンスストア
百貨店、総合スーパー 各種商品を販売する小売業
自動販売機による販売業(※) コップ式除き自動販売機で食品を販売する業
その他の食料・飲料販売業 菓子・パン類卸売業、菓子小売業、パン小売業、飲料卸売業、飲料小売業、乾物卸売業、乾物小売業、茶類卸売業、茶類小売業、酒類卸売業、酒類行為®行、乳製品販売業、豆腐・かまぼこ等加工食品小売業、料理品小売業(製造された総菜など)、卵販売業、砂糖・みそ・しょう油卸売業、その他の食料・飲料卸売業、各種食料品小売業、他に分類されない飲食料品小売業、その他の農畜産物・水産物卸売業
添加物製造・加工業(※) ※法第13条第1項の規定を除いた添加物の製造や加工
いわゆる健康食品の製造・加工業 いわゆる健康食品の製造や加工
コーヒー製造・加工業 コーヒー生豆を焙煎、粉砕して荒びきコーヒーなどを製造・加工する業
農産保存食料品製造・加工業 果実や野菜を原料に保存食品を製造・加工する業
調味料製造・加工業 食酢製造業、その他の調味料製造業
糖類製造・加工業 ぶどう糖・水あめ・異性化糖製造業、砂糖精製業、砂糖製造業(砂糖精製業除く)
精穀・製粉業 小麦粉製造業、精米・精麦業、その他の精穀・製粉業
製茶業 購入した茶生葉、荒茶を加工する業
海藻製造・加工業 寒天を含む海藻の製造・加工業
卵選別包装業 卵の選別や卵の包装を行う業
その他の食料品製造・加工業 でんぷん製造業、蒟蒻原料(蒟蒻粉)製造業、他に分類されない食料品製造業
行商 菓子、アイスクリーム、魚介類などの加工品、弁当、総菜、豆腐などの販売を、店舗を持たず移動して販売する業
集団給食施設(※) ※学校や病院などの施設で不特定多数に継続して食品を提供する施設のうち、届出対象外に該当しない施設
器具、容器包装の製造・加工業(※) ※合成樹脂を使用した器具や容器包装の製造・加工に限る
露店や仮設店舗などの飲食の提供(※) ※飲食を提供する露店や仮設店舗のうち営業に該当しないものに限る
その他 その他

「薬生食監発0331第2号」(厚生労働省)をもとに作成

表を見ると、食品の販売のほとんどで営業の届出が必要なことがわかります。
たとえば、ネットショップで既製品を販売(通信販売・訪問販売に該当)するようなときも、果物や野菜を販売(野菜果物販売業に該当)するようなときも届出が必要です。

届出制の場合は、営業許可の取得で必要な、基準に沿った施設への改装が求められていないほか、更新手続きがありません。
ただし、営業許可と同じように、基準に沿った衛生管理は求められますので、その点に注意しましょう(衛生管理の基準であるHACCPについては別の章で詳しく説明します)。

ここまで説明してきたように、営業許可も届出も必要ないのか、営業許可が必要なのか、届出が必要なのかは、「どの営業形態」で「どの食品を取り扱うか」によって変わってきます。

なお、営業許可のいらない食品や食品の届出や規制などについて、下記の記事でより詳しく紹介しています。

どのパターンなら自宅で販売許可が下りるの?

ここまで、食品販売の許可や制度について説明しました。
では、①~③のそれぞれのパターンで自宅でも食品販売の許可が下りるのでしょうか。

まず①の許可も届出もいらないパターンについては、とくに制約もありませんので、基本的に自宅で販売を始めることに大きな注意点はありません。
ただし、販売を始めた当初は許可や届出が必要なくても、取り扱う商品の種類を増やすことで許可や届出が必要になることもあります。
許可が必要になったときは、下記で説明するように自宅をリフォームしなければ営業できなくなることもありますので、注意しましょう。

次に②の営業許可が必要なパターンを見てみます。

営業許可を得るには、都道府県ごとに定められた施設基準のうち、(自動販売機を除く)すべての業種に共通する共通基準と、業種ごとに定められた特定基準の両方を満たした施設の整備が必要です。

自宅で営業すること自体は禁止されていませんので、いずれの施設基準も満たすことができれば、自宅でも食品の製造や販売ができます。
ただし、家庭用の自宅キッチンはそのままでは施設の基準を満たせていないので、ほとんどの場合で改装やリフォームが必要です。

自宅のキッチンの改装やリフォームなしに、そのままの状態で営業許可を得ることはできないと考えたほうが良いでしょう。

まとめると、②の場合、改装やリフォームして自宅を基準に合った施設にすることができれば、自宅でも食品販売(製造)の許可が下りると考えられます。

最後に③の届出が必要なパターンです。
届出は営業許可の申請に必要な基準に合った施設の整備が設けられていませんので、自宅での食品の販売(製造)許可は下りると考えられます。
たとえば、コーヒー豆を焙煎して自身でコーヒーを製造して販売するなどは、自宅でもできるでしょう。

ただし自治体によって届出に必要なものが異なり、場合によっては施設の図面提出を求められることもあります。
そのため、届出が必要な業種を自宅で行うときは可能かどうか、管轄の保健所に確認しておくと安心です。

また、自宅で食品を販売するためには、許可や届出以外にも必要な条件があります。
条件については、このあと説明する「そのほかの食品販売を始めるために必要な要件」の項目をチェックしてみてください。

営業許可を得るための基準に沿った設備とは?

先ほど、②自宅で食品に関する営業許可を得るには、共通基準と特定基準の両方の施設基準を満たさなくてはならないと説明しました。
では、どのような基準があるのでしょうか。
たとえば東京都の場合、共通基準にある営業施設だけでも、以下の基準を満たす必要があります。

場所 清潔な場所
建物 十分な耐久性がある構造
区画 使用目的に応じて区画する
面積 取扱量に応じた広さがある
耐水性材料で排水が良く清掃しやすい構造
内壁 床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造
天井 清掃しやすい構造
明るさ 50ルクス以上
換気 排除施設(換気扇など)
周囲の構造 地面は耐水性材料で舗装し排水が良く清掃しやすい構造
ねずみ族、昆虫等の防除 防除設備がある
洗浄施設 流水式洗浄設備、従事者専用の手洗い設備と消毒
更衣室 作業場外に清潔な更衣室または更衣箱がある

「新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ」(東京都福祉保健局)をもとに作成

ほかにも共通基準だけで食品取扱設備や給水・汚物処理などについての基準が設けられており、それぞれの基準を満たさなくてはなりません。

上の表を見るだけでも、耐水性材質に対応するために床をコンクリートやタイル張りにしたり、キッチンの洗浄設備とは別に、従事者用の手洗い設備を設置したりしなければならないことがわかります。

すでにお伝えしたとおり、基準に沿ったリフォームをすれば自宅でも営業許可は得られると考えられますが、はじめから営業許可を得る前提で自宅を建てない限り、自宅の工事はかなり大規模なものとなるでしょう。

食品販売を始めるために必要なそのほかの要件

営業許可や届出をする以外にも、食品販売を始める際に必要な条件をご紹介します。
許可の申請や届出と並行して、下記の要素も準備を進めましょう。

食品衛生責任者の資格

食品の製造や加工、輸入、運搬、販売など食品を扱う場合は、本人が食品衛生責任者の資格を取得するか、誰か1名を選任して責任者を設置しなければなりません。

食品衛生責任者は、営業者の指示のもと衛生管理を行ったり、必要に応じて営業者に対して衛生管理にかかわる意見をいったりする役割があります。

そして食品衛生責任者は、調理師や栄養士などの特定の資格がある人か、自治体の定める養成講習会(6時間程度)を受講して資格を取得した人でないと務められません。
選任したら、所轄の保健所に届出を行います。

食品衛生責任者は、営業許可制の業種でも、届出制の業種でも食品や食品に係る容器包装を取り扱うときは必須の資格になりますので、必ず取得してください。
※①の許可や届出が不要なパターンの場合は、取得する必要はありません

HACCPによる衛生管理

食品衛生法が改正されたことで、2021年(令和3年)6月1日より、原則としてすべての食品事業者に対してHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が求められることになりました。

HACCPとは、国際基準の衛生管理方法です。
原材料の受入から製品の出荷までの全工程において、危害要因を除去・低減させるための衛生管理が求められます。

これまでの衛生管理は、出荷前の商品を抜き打ち検査する方法が主流でしたが、それだと実際に衛生状態が悪い商品でも検査をすり抜けて出荷されてしまう可能性がありました。

ですがHACCPは製造や包装などの各工程において、衛生状態が悪化しないように重点的な管理が行われるのです。

① 営業許可も届出もいらない業種のみの営業を行うときは、HACCPに沿った衛生管理は求められませんが、②営業許可や③届出が必要な業種ではHACCPに沿った衛生管理が義務付けられています。

たとえば製造業では、加熱、冷却、加工などの危害要因が予測されるそれぞれの過程で監視や記録を行わなくてはなりません。

従事者が50人未満など小規模な営業者では簡易的なアプローチが認められていますが、許可や届出が必要な業種では、HACCPに沿った衛生管理にも気を付けなければならない点に注意しましょう。

HACCPについては、具体的に何をするのかや対象の事業者など重要点について下記の記事で詳しく解説しています。

食品衛生法による商品ラベルの貼付

食品表示法といって、食品を販売するには商品へのラベルの貼り付けが義務付けられています。(バイキング形式など消費者注文で食品を詰めるときは省略可)

食品表示法に基づき、食品の名称や原材料名、添加物、内容量、賞味期限、保存方法、製造者などについて明確に記載しなければなりません。
食品によって表示の内容などが変わってきますので、食品販売を始めるときは、各食品ごとにどのようなラベル表示が必要なのかについても、よく確認しておきましょう。

食品表示の判断や基本的なルールについては、消費者庁の「食品表示実践マニュアル」が参考になります。

まとめ

食品販売の許可を自宅で得られるかどうかは、どのような業態で営業するか、どのような食品を扱うかなどで変わってきます。
自宅で食品販売をしたい場合は、扱う食品や業態を明確にすることから始めましょう。
営業許可が必要なものについては施設基準を満たす必要がありますので、自宅をそのまま使用しての営業は難しいでしょう。

ルールは各都道府県ごとに多少異なるので、食品の製造や販売を行う際は、まず管轄の保健所に相談されることをおすすめします。

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よくある質問

食品の販売や製造を行うことは可能ですか?

自宅で可能かどうかは、自分で食品を製造・加工して販売するか、既製品を販売するかということも関係してきますが、このような業態だけでなく、どのような食品を扱うかでも変わってきます。まずは食品を扱う際の許可や届出の種類をこちらの章で確認してください。

許可や届出以外に、食品を製造・販売するための決まりはありますか?

「HACCPに基づいた衛生管理」や「食品衛生法による商品ラベルの貼付」などが義務付けられています。くわしくはこちらの章をご覧ください。