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ECサイトの業務フロー図とは?メリットや作り方のポイントを紹介!

ECサイト運営ではさまざまな業務が絡み合い、担当者も多岐にわたります。
そのような複雑な業務の全体像を可視化し、効率化を図るツールが業務フロー図です。
この記事では、ECサイトにおける業務フロー図の重要性やメリット、作成の具体的な手順やポイントなどについて、わかりやすく解説していきます。

ツクルくん
ツクルくん

業務フロー図って何?ECサイトをやってるなら、作ったほうがいいのかな。

カラミちゃん
カラミちゃん

ECサイト運営における業務を可視化できるのが業務フロー図です。これからメリットや作り方をレクチャーしますね。

業務フロー図とは?

業務フロー図とは、ある業務の手順や流れを表した図のことです。
四角形や矢印などの記号を用いて作成されることが多いでしょう。

ECサイト運営でも、顧客が商品を購入してから商品を受け取るまでの一連の流れや、受注管理や在庫管理、発送などのバックオフィス業務を可視化した業務フロー図が使われることがあります。

業務フロー図を作成することで、業務の全体像や各担当者の役割分担が明確になり、業務の効率化などさまざまなことに役立つといわれています。

近年では、作成するための専用ツールも多く登場しており、業務フロー図はビジネスシーンでの活用が増えています。

業務フロー図を作る目的とメリット

業務フロー図は何のために作成し、活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
主な目的やメリットをご紹介します。

業務の全体像を把握しやすくなる

例えばECサイトの運営においては、顧客の目に触れる部分だけでなく、在庫管理や発送、顧客対応など、さまざまな業務が発生します。

そしてこれらの業務はそれぞれが独立しているのではなく、複雑に絡み合いながらサイト全体の運営を成り立たせています。
そのため業務フロー図を作成することで、これらの業務全体を可視化し、それぞれの関係性や流れを明確に把握できるようになります。

全体像を把握することで、各々の業務の重要性を再認識できたり、引継ぎなどでスタッフ同士が業務を確認し合う際にも役立ったりするでしょう。

業務の属人化を防げる

属人化とは、特定の担当者しか業務内容を把握していない状態のことです。
もし業務が属人化してしまっていると、その担当者が異動や退職してしまった場合、業務が滞ってしまうというリスクがあります。

ですが業務フロー図によって業務内容が可視化されていれば、特定の担当者がいなくなった場合でも、他の担当者がフロー図を参照し、スムーズに業務を行えるでしょう。

つまり業務フロー図を作成することは、安定的なECサイト運営につながるといえます。

業務の課題抽出・改善に役立つ

業務フロー図は、業務の流れを可視化することで、それぞれの業務における問題点や非効率な部分を明確にできるというメリットがあります。

つまり、ECサイトの業務フロー図を作成すると、業務上の問題点や改善点を見つけやすくなるのです。

業務全体の流れをフロー図で可視化すると、「特定の担当者や部署に業務が集中している」「同じような作業が繰り返されている」「担当者しかわからない属人的な作業がある」といった課題に気づけます。

こうした課題が明確になれば、「担当者を増やす」「業務を標準化する」といった改善策も検討できるでしょう。

業務フロー図は、現状を把握し、より良いECサイト運営を目指すための改善策を考える有効なツールの1つです。

ECサイトの業務内容をおさらい

ではECサイトの業務フロー図を作る前に、ECサイト運営ではどのような業務があるのかを振り返ってみましょう。
大きくは、下記の図のようにフロント業務とバックエンド業務の2つに分けられます。

フロント業務

ECサイトのフロント業務とは、顧客の獲得と商品の販売促進などECマーケティングを中心とした業務のことです。

具体的には、商品の企画立案や仕入れ・製造、ECサイトの制作・更新、そして効果的なマーケティング戦略の立案と実行(プロモーション)などを行います。

フロント業務は顧客をECサイトに呼び込み購買意欲を高め、最終的に商品購入へと導くために不可欠であり、売上に直結する業務でしょう。

バックエンド業務

バックエンド業務とは、顧客の目に触れることはありませんが、ECサイトを裏側から支える大切な業務です。

具体的には「受注処理」「出荷・配送」「アフターフォロー」「在庫管理」などが挙げられます。
日頃から商品の在庫管理を行い、注文を受けたら出荷・発送し、商品が届いた後もアフターフォローといったカスタマーサポートを行います。

つまりバックエンド業務は、ECサイトを正常に運営していくために無くてはならない業務です。
また、迅速かつ正確に行われる必要があり、ECサイトの信頼性に大きく影響するといえます。

ECサイト業務フロー図の基本な書き方

ECサイトの業務フロー図では、必ず記載しなければいけない内容や、守らなければならないフォーマットがあるわけではありません。

ですが、業務の流れを可視化するために「誰が」「いつ・何をきっかけにして」「どんなシーンで」「どのような作業を行うのか」といったことを時系列で書いていくのが一般的です。

また、業務フロー図を作る際は、以下のような記号(図)が使われることが多いでしょう。

無料で使える業務フロー図のテンプレートもたくさんあるので、参考にしながら自社に合った形を探していくのがおすすめです。

ECサイト業務フロー図の作成手順・流れ

ECサイトの業務フロー図は、大まかに以下の6つの工程を進めて完成させます。

ここから、それぞれのステップについて説明していきます。

1.作成する目的を明確にする

業務フロー図を作成する目的をきちんと定めることで、フロー図に盛り込むべき内容や方向性を明確にできます。

目的が曖昧なまま作成を進めてしまうと、本当に必要な情報が不足していたり、関係者間で認識のズレが発生したりする可能性があります。
なお、ECサイトの業務フロー図を作成する目的としては、例えば下記のようなものが挙げられます。

  • ・顧客対応の質を高めたい
  • ・新人スタッフの業務理解を促進したい
  • ・業務の属人化をなくしたい など

業務フロー図の作成目的によって完成図も変わってくるので、まずは目的を考えましょう。

2.関係者をリストアップする

目的が決まったら実際の作成に取り掛かります。
まずは関係部署・担当者を洗い出しましょう。

先述したように、業務フロー図は基本的に「誰が」「どんな業務をするのか」という要素が必須です。
そのためまずは、「誰が」にあたる、全ての関係者をリストアップする必要があるのです。

関係者を明確にすることで、「誰が見るのか」「誰のためのフロー図なのか」を意識した、よりわかりやすく実用的なフロー図を作成することができます。

関係者を洗い出す際は、商品企画部、営業部、物流部、カスタマーサポート部など、ECサイト運営に関わる部署だけでなく、社外の業務委託先や顧客なども忘れないようにしましょう。

3.業務内容を洗い出す

関係者をリストアップして「誰が」の部分が明確になったら次に、「どんな業務をするのか」を把握するために業務内容を洗い出します。

業務フロー図の関係者にそれぞれどのような業務を行っているか、具体的にヒアリングしていきましょう。
ヒアリングする際は、業務内容を詳しく聞くことがポイントです。

例えば、ECサイトにおいて「受注処理」という業務があったとしても、一言でまとめてしまうのではなく、「注文受付」「在庫確認」「決済処理」「発送準備」「発送完了」といったように、より具体的な業務に細分化します。

業務を細分化しすぎるとフロー図が複雑になってしまいますが、ほどよく業務の詳細を書くことで、業務の全体像をより正確に把握することができます。

4.記載する際のルールを決める

誰にとっても見やすく、わかりやすいECサイトの業務フロー図を作成するために、あらかじめ記載ルールを決めておきましょう。

ルールが曖昧だと、作成者によって業務フロー図の表現方法が異なってしまい誤解や混乱が生じ、実用的ではないものになってしまいます。

例えば「用語は統一する」、「担当者を必ず明記する」といった項目も決めておくことで、理解しやすい業務フロー図になります。

5.タスクを時系列に並べてフロー図を作成していく

ECサイトの業務フロー図を作成するにあたり、洗い出した業務内容を時系列に整理し、図として可視化していきます。

その際、細部まで一気に書こうとせず、まずは大きな流れを捉え、その後それぞれのフローに含まれる細かいタスクを書き込んでいきます。

そして、書き出したタスクを矢印でつなぐことで、業務の流れを表したフロー図が完成します。

6.完成したら関係者に確認してもらう

ECサイトの業務フロー図が完成したら、実際にその業務に携わっている人に必ず確認してもらいましょう。

誤りや抜け漏れがないか、改善点はないかなど、色々な視点からチェックしてもらうことで、より正確でわかりやすく、実用的な業務フロー図を作ることができます。

レビューをしてもらった結果、修正点が見つかったら修正後に再度関係者へ共有し、全員の合意が取れたら、業務フロー図は完成となります。

完成した業務フロー図は、ファイルサーバーや社内ポータルなど、関係者全員がいつでも確認できる場所に保管しておきましょう。

ECサイトの業務フロー図を作成する際のポイント

実用的なECサイトの業務フロー図にするには、作成時に知っておきたいポイントがあります。
ここからは主なものをご紹介します。

細かく書きすぎない

ECサイトの業務フロー図を作成する際にやりがちなのが、詳細な作業まで記載してしまい、図全体が複雑になってしまうことです。

業務フロー図は、業務の全体像を把握するために作成するものですが、もし細かすぎて図が見づらいと、誰にも活用されなくなってしまいます。

だからといって、工程があまりにも大まかすぎると業務内容の詳細がわからず、フロー図としての役割を果たせません。

業務の全体像を把握できる程度に、各工程を適切な粒度でまとめるのがポイントです。
また、テキスト量も多いと見づらさにつながるので、書き込みすぎにも注意しましょう。

使う記号は最低限にとどめる

先ほど紹介したようなワークフロー図で使う記号は、できる限り最低限にとどめましょう。
記号が多すぎると、見る側が理解しにくい複雑なフロー図になってしまいます。

ECサイトのワークフロー図は、業務に関する知識量も異なるさまざまな人が利用するものです。

むやみに記号を増やすのではなく、使用する記号を厳選し、図を見た人が誰でも直感的に理解できるよう工夫することが大切です。

作成~確認まで1人で完結させない

ECサイトの業務フロー図の作成から確認までを1人で完結させてしまうと、誤った認識や抜け漏れに気付かず実際とは異なるフロー図になってしまうリスクがあります。

業務フロー図は、関係者全員で業務内容を共有し、認識を一致させるための重要なツールなので、作成段階から関係者に積極的に参加してもらうのがおすすめです。

他の人からの客観的な視点を取り入れることで誤りの早期発見や修正が可能になり、さまざまな人が確認することで抜け漏れを防げます。

また、完成後も関係者と共有し、意見交換しながらブラッシュアップすることで、チーム全体で納得のいく、より質の高い業務フロー図を作り上げることができるでしょう。

ワークフロー図を作成できるおすすめのツール

ワークフロー図を作成する事業者も増えているため、簡単に作れるさまざまなツールが登場しています。
ここでは、おすすめのツールをご紹介します。

Canva

デザイナーではない人でも簡単に画像の作成や編集ができる無料のオンラインデザインツールが、Canvaです。
直観的な操作が可能なので、デザインの専門知識は不要です。

61万点以上のテンプレートの中から気に入ったものを選択してアレンジするだけで、目的の画像や図が作成できます。

豊富なフロー図のテンプレートの中から自社の業務に合ったものを選択すれば、理想的な業務フロー図を作れるでしょう。

Visio

VisioはMicrosoftが開発した図表作成に特化したツールです。
業務フロー図はもちろん、組織図やネットワークの構成を表現した図など、さまざまな図を作成できます。
Microsoft社のツールのため、Excelなどのデータを取り込んで図表を自動生成も可能です。

料金は、Microsoftアカウントのプランによっては追加料金無しで使えますが、よりさまざまな機能を使いたい場合は有料プランがおすすめです。

まとめ

ECサイト運営には、商品企画・受注処理・発送・顧客対応など、多くの業務があります。

これらの業務の担当者や関連性を可視化したECサイトの業務フロー図は、業務の全体像や流れを把握しやすくする効果があります。
また、業務の改善や効率化、属人化の防止にも役立つでしょう。

なお、フロー図を作成する際は1人で完結させないことが重要です。
関係者の意見を積極的に取り入れながら作成することで、業務の抜け漏れや認識の誤り、実態とのズレを防ぐことができます。

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