働き方や生き方が変化しつつある近年、従業員の副業・兼業を認める企業も増えてきています。
「自分のスキルを生かして収入を増やしたい!」
「周りの友人や同僚が副業をしているので自分もいずれ始めてみたい」と考えている会社員の方もきっと多いのではないでしょうか?
僕も空いた時間で何か始めてみたいな。どんな仕事がいいんだろう?
それなら「ネットショップ運営」はいかがですか? ここではネットショップ運営のメリット・デメリットや5つのポイントを解説するので、一緒に考えてみましょう!
目次
副業でネットショップを始めるメリット・問題点を解説
メリット
(1) 空いた時間で収入が得られる
テレワークの普及により在宅時間が増え、副業を始める人が増えている昨今。ネットショップ運営なら、出勤前や退勤後、昼休み、休日の空いた時間などを有効活用することで、兼業の方でも着実に収益を上げることができます。
たとえば、始業前の1時間で梱包・発送業務、昼休みにはSNS投稿、夜は売上分析やショップ改善……といったように、運営業務を生活の一部に組み込んでみてもよいでしょう。
(2) 趣味・スキルに合ったショップが作れる
「本業とは毛色の異なる仕事をしたい」という方にもネットショップ運営がおすすめです。
あなたの趣味・スキルにまつわるグッズや、地元の人だけが知る名物をセレクトしたり、自分でデザインしたTシャツ、イラストや音楽データなどを販売したりと、あなたの“好き”や“得意”を仕事にできるチャンスかもしれません。
(3) スキルアップに役立つ
ネットショップ運営は、業務を通じて写真撮影や文章・画像作成、マーケティング、データ分析など、さまざまな知識をマルチに磨けるのが特徴です。副業で得たスキルを本業に持ち帰ることで、さらなるキャリア形成を図ることも夢ではありません。
(4) 規模が拡大すれば独立も
副業での業務量が増え、収入が本業を上回れば、いずれは脱サラしてネットショップ運営だけで生活することも可能になります。会社勤めからのセミリタイアを果たし、「家族との時間を優先したい」「好きなものに囲まれて暮らしたい」といった夢を叶えた方も多数います。
「NETSEA」などの仕入れサイトを利用したり、ドロップシッピング(在庫を持たずに運営し、注文が入ったら提携のメーカーや卸業者が発送するシステム)を活用することで、仕入れ業務を最小限にしたり、自宅に在庫を抱えることなく運営することもできます。
▼どんな副業があるのか知りたい方はこちら
問題点
(1) 心身の健康を崩しやすい
会社員が兼業をするには、生活リズムの維持や長時間労働の削減など、労働時間や健康状態の管理がこれまで以上に求められます。
働き詰めで心身の健康を害したり、本業に支障をきたしてしまわないよう生活にメリハリをつけ、まずは業務と休暇のバランスがとれる範囲でマイペースに運営しましょう。
(2) 最初は売上が立たない
個人で開業してもすぐに売上が伸びることはほとんどなく、ネットショップが軌道に乗るまでには数ヵ月かかると言われています。
SNSや広告運用による集客、リピーター集客、客単価アップ施策、デザインの改善などを繰り返して、コツコツと粘り強く売上をアップさせる必要があります。
最初からすべてこなそうとしなくても、月々低コストで運営できるネットショップ作成サービスを選んで少しずつブラッシュアップを重ねていくのがおすすめです。
(3) モチベーション維持が難しい
ショップオーナーさんのモチベーション維持も、ショップ運営における大きな課題です。
ネットショップ運営はとにかく地道な作業の連続。先輩ショップオーナーさんの間でも「孤独な戦い」とよく言われており、たった一人で運営する中でいかにモチベーションを高く、または一定に保てるかが成功への鍵となります。
ショップオーナーさん同士の交流会やセミナーに参加して悩みを共有し合ったり、ノウハウ記事や動画に触れておくことで、課題・トラブルへの対処がしやすくなります。
日頃の運営はもちろん、モチベーション維持の面でもサポート体制の充実したネットショップ作成サービスを選ぶことをおすすめします。
(4) 本業の職場にバレる?
勤務先での無用なトラブルを避ける意味でも、副業を始める前には会社側で定められている「就業規則」をかならず確認しておきましょう。
厚生労働省は2018年1月に「モデル就業規則」を改正し、同時に副業・兼業の促進に関するガイドラインを策定しました。これを踏まえて、各企業でも副業・兼業が容認される流れが生まれてきていますが、まだ就業規定が改訂されていない場合もあります。
また、公務員は副業・兼業禁止が法律で定められているので注意してください。
本業の会社で副業が認められている場合も、「なるべくバレないように副業したい」という方がいるかもしれません。副業でネットショップ運営をする場合、主に以下の点に注意が必要です。
確定申告の際に「住民税の徴収方法」を「自分で納付」にする
個人でネットショップ運営をする場合、副業による所得が20万円以上を上回ったら確定申告をする必要があります。
その際、確定申告書内にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目で「特別徴収(給料天引き)」ではなく「自分で納付」を選択しましょう。こうすることにより、本業の給与から住民税を天引きされることがなくなるため、ネットショップ運営で収入がアップしても住民税の増額で副業がバレるのを防げます。
「特定商取引法に基づく表記」では氏名・住所の記載が必須
ネットショップ運営に欠かせない「特定商取引法に基づく表記」では、あなたの氏名・住所をかならず記載することが法律で義務付けられています。
記載がない場合、お客さまの信頼を損ねるだけでなく、クレジットカードをはじめとした決済手段の審査が滞るおそれがあります。
ただし最近では、個人でネットショップを始める方が増えていることから、個人の住所や電話番号を非公開にすることもできるようになりました。
カラーミーショップでもフリープランをお使いの個人・個人事業主の方であれば、住所や電話番号を非公開にすることができます。
サービスによっては、個人情報を非公開設定にできないネットショップ作成サービスもあるので、非公開設定が可能かどうか、サービスを申し込む前に確認が必要です。
ちなみに、住所についてはバーチャルオフィスを利用する先輩ショップオーナーさんも多いようです。自宅住所の公開に不安がある方は検討してみてはいかがでしょうか?
▼副業を始める前におすすめできない副業を知りたい方はこちら
副業でネットショップを開業・始める前にやっておくべき5つのポイント
1. 取扱商品のジャンルを選ぶ
ネットショップを始める上でまず重要なのは「何を売りたいのか?」です。
これから副業でネットショップを運営していく場合、何を売るかによって仕入れの方法や販売計画などが決まってくるので、慎重かつ入念に考えておきましょう。また、仕入れ商品かオリジナル商品かによっても商品販売までの流れが変わります。
特にオリジナル商品の場合は、ハンドメイドのほかにもオリジナルグッズ作成サービスの利用や、メーカーへの発注などさまざまな方法があるので、やりやすい方法でトライしましょう。
▼ネットショップの仕入れ方法・おすすめサービスはこちら
2. ショップ名を考える
取扱商品の選定や販売戦略などに気を取られ、意外とおろそかにしがちなのが「ショップ名」と「コンセプト」です。
ショップの世界観を表現する手段としても、お客さまに覚えてもらうための手段としても有効なので、しっかりと考えておく必要があります。今時は「覚えやすさ」だけでなく「検索されやすさ」まで考慮しなくてはなりません。
さらに、以下の点に注意してショップ名を決めるのがよいでしょう。
(1) 独自性・オリジナリティがあるか
たとえば「りんご」「アップル」などのように、すでに一般化した単語をショップ名にしてしまうと、あなたのショップの印象は薄まってしまいます。
また、他のブランド・ショップで使われている単語では、お客さまが検索してショップにたどり着くことが困難なだけでなく、あなた自身もショップの評判をエゴサーチしにくくなるので、避けたほうがよいでしょう。
(2) シンプルで短い名前か
ショップ名を覚えてもらうなら、やはりシンプルで短いものがベター。ひとことで言えるような文字数なら覚えられやすいので、実際に口に出して考えてみましょう。
(3) ショップ名に記号を入れない
「!」や「★」「♪」などの記号は、ショップのイメージが軽くなってしまうだけでなく、Googleの検索結果に表示されなくなるなど、SEO的にも推奨されていません。
よほどのこだわりがない限り入れないことをおすすめします。
▼ショップ名を付ける際の大事なポイント・コツはこちら
3. コンセプトを決める
ネットショップを成功させるには、コンセプトを決めることが非常に重要です。
“コンセプトを決める”とは、簡単に言うと「誰に対して」「どんなものを売り」「どんな価値を提供する(ニーズを満たす)」お店なのかを明確にすることです。
たとえば、あなたが石鹸やキャンドルをネットショップで販売する場合、
「主に女性」に「石鹸やキャンドルを販売する」ネット通販のセレクトショップ
と打ち出しただけでは特徴が掴めません。他店ではなくあなたのショップで商品を買う理由がなければお客さまは付きにくいのです。
そこで、以下のように言い換えてみたらどうでしょうか。
「仕事と家庭を両立する都市部の30~40代女性」に「贅沢な気分でリラックスできる、ヨーロッパ輸入の石鹸やキャンドルを販売する」ネット通販のセレクトショップ
ターゲットを絞って具体化することで、どのようなデザインのショップでどのような商品を売るのかがより明確になり、イメージが湧きやすくなりました。
自分と似たようなショップが数多く存在する中で、どうすれば選んでもらえるのか。
競合他店との差別化を図るためにも、ショップのコンセプトは徹底的に作り込む必要があるのです。
▼コンセプトを考える際に押さえておきたいポイント・コツはこちら
4. 出店方法を選ぶ
商品やショップ名、コンセプトがある程度決まったら、次はいよいよネットショップの開設です。ネットでお店を開設するには、大きく分けて3つの方法があります。
(1) ECモールに出店する
まず挙げられるのは、Amazonや楽天市場などに代表されるECモールへの出店です。
ECモール(モール型)のメリットと強みは「集客力」。目当ての商品やお店は特に決めていなくても、なんとなく大型商業施設に足を運んでみた経験は誰にでもあるのではないでしょうか? 「何かいいものがあれば買う」感覚は、ネットのECモールでも同じです。
デメリットとしては、同業他店との価格競争に巻き込まれやすいうえ出店費用が割高なこと。売上規模によっては月に数十万以上かかるケースもあり、個人の副業で運営するネットショップというよりは、比較的中~大規模事業者向けのサービスとなっています。
また、ECモールで購入したお客さまが個別のショップ名まで覚えてくれることは非常に稀です。「ショップのファンを作りたい」という狙いがある場合もECモールは不向きでしょう。
(2) 自分で作る
こちらはサーバーを借りてWebサイトを制作し、そこにカート機能などを搭載する方法です。
一から十まで自分でショップをつくるという作業は、実店舗に例えるなら「建物の設計から工事、設備導入や実際の販売まですべて自分で行う」ことを意味し、幅広く高度な知識や時間が必要とされます。こちらも、自社独自の販売システムを設計したい大規模ショップ向けの方法と言えるでしょう。
(3) ネットショップ作成サービスを利用して開業する
おすすめは、カラーミーショップをはじめとした「ネットショップ作成サービス」を利用することです。
機能の追加・更新やメンテナンスは自動で行われるうえ、初期投資や月額費用、運用面でのコストなど全体的な出費をおさえてスタートできます。月商が最初から大きくは見込めない方にこそおすすめです。
先ほど解説したECモールとは異なり、こちらは「街の路面店」をイメージしてみてください。ECモールと比較すると集客面に弱く、そのぶんさまざまな工夫が必要となりますが、ショップのデザインや訴求方法はすべてあなた好みにカスタマイズ可能です。
独自ドメインという自分だけのURLを持つこともでき、カラーミーショップであれば独自ドメインの取得・利用が無料なので、ランニングコストを抑えたい方におすすめです。
▼ネットショップ作成サービスはどこがおすすめ? おすすめサービスを比較紹介
▼ネットショップ開設に必要な手順についてはこちら
5. 開業届を提出する
新規にネットショップを開設したら、運営規模にかかわらず、1カ月以内に「開業届」を所轄の税務署に提出しなくてはなりません。
もちろん、副業でネットショップを始める場合も提出が必要です。
開業届は個人事業を行う際の証明になるので、屋号での銀行口座開設、給付金の申請、小規模企業共済への加入など、さまざまな場面で写しの提出を求められます。また「青色申告承認申請書」も合わせて提出しておくと、節税効果を大きくすることができます。
副業でネットショップを始めるなら無料のネットショップ作成サービスがおすすめ
初めての副業は、なるべく低リスクで始めたいところ。「カラーミーショップ」なら、初期費用・月額費用0円で手軽にネットショップを始められます。
メールサポートのほかYouTube動画を使った解説も充実しているので、運営知識がなくても安心です。
ネットショップを副業から本業に。先輩ショップオーナーさんのインタビュー
1. イロドリ
鹿児島県で作家さんのうつわや生活雑貨を販売。看護師として働く傍らネットショップ運営を始めて数年後に独立。現在は夫婦でショップ運営に取り組み、全国40,000店以上のネットショップの中から最も優れたショップを表彰する「カラーミーショップ大賞2020」では、上位10店舗にあたる「優秀賞」を受賞しました。
2. KEY MEMORY
“鎌倉の特別な時間”をコンセプトに、日々の生活をリラックスして過ごせるアイテムを展開するファッションブランド。フリーマーケットやネットショップで洋服を販売し、新卒3年目にして独立。2018年に実店舗をオープン後、百貨店でのポップアップストア出店にも成功しています。
まとめ
今回は副業でネットショップを始める前に知っておきたいメリットと問題点、重要な5つのポイントをご紹介しました。
いざ開業してから収益の見込みが大きく外れてしまうことがないよう、まずは始める前にしっかりと計画を立て、リスクを最小限に抑えて副業にトライしてみましょう。