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営業許可のいらない食品とは?具体的な品目や食品販売に関する届出・規制などもまとめて紹介!

食品や添加物の製造や加工・販売などを行う営業者で、要許可業種に該当する場合は営業許可が必要です。
これから食品を扱う事業を始めようとしている人にとっては、営業許可が必要かどうかというのは、重要なポイントになるかと思います。

営業許可が必要な食品、あるいは営業許可が必要ない食品とはどのようなものなのでしょうか。今回は食品販売で知っておきたい営業許可や届出、規制などをわかりやすく解説していきます。

ツクルくん
ツクルくん

食品の販売をするためには必ず営業許可って必要なの?許可のいらない食品は無いの?

カラミちゃん
カラミちゃん

基本的に食品を販売する際に許可は必要です。どのような許可なのかは各自治体(都道府県)によって多少の違いがありますが、今回は東京都で食品販売する場合を例に、許可や届出、条例などについて解説します。

営業許可のいらない食品とは?

営業許可のいらない食品の話をする前に、営業許可制度のパターンを整理しましょう。
まず、食品販売(製造)に関する許可には以下の3パターンがあります。

  • ①「営業許可も届出も不要」な食品
  • ②販売や製造にあたり「営業許可が必要」な食品
  • ③営業許可の代わりに「届出が必要」な食品

3つのパターンのうち、「営業許可(届出含む)がいらない食品」に該当するのは①の食品です。
ではどのような食品がそれぞれのパターンに該当するのか、詳しく見ていきましょう。

①営業許可(届出)のいらない食品は具体的にどんなもの?

食品衛生上のリスクが低い食品を扱う場合は、営業許可も届出も必要ない、「届出対象外」の業種に分類されます。
届出対象外になるのは、以下のいずれかに該当するときです。

  • 1.食品や添加物の輸入業
  • 2.冷凍又は冷蔵倉庫業に該当しない食品や添加物の貯蔵や運搬のみを行う営業
  • 3.常温で長期保存しても食品衛生上問題のない包装食品や添加物の販売業
  • 4.合成樹脂を除く器具や容器包装の製造業
  • 5.1回あたりの提供が20食程度未満の集団給食施設
  • 6.農業や水産業の採取業

届出対象外の1~6の業種のうち、食品販売に大きく関係しているのが3の「常温で長期保存できる食品の販売業」です。
常温で長期保存ができ、かつ食品衛生上問題がない食品とは具体的に、包装されたスナック菓子、カップ麺、ペットボトル飲料、缶飲料、密閉されたジャムなどがあります。
注意点としては「販売業」とあるので、ジャムなどを自分で製造して販売する場合は許可が必要になる可能性があります。
あくまで他社で製造した商品を仕入れて販売のみを行う場合のみ、許可や届出がいらないということです。

また6の「農業や水産業の採取業」については、生産者であることを前提に、未加工の農業生産物の直販や通信販売、生乳の販売、未加工の採卵した卵の直販や通信販売などを行うときは採取業と判断され、営業許可や届出を必要としません。

②「営業許可が必要」な食品とは?

では今後は反対に、営業許可が必須の食品販売について見ていきましょう。

営業許可制度については、1972年(昭和47年)以降見直されておらず、実態に沿わないものとなっていたため新たに整備が行われ、2021年(令和3年)6月1日から新制度が実施されています。

新たな制度の施行により、要許可業種は34業種から以下の表のような32業種に再編されました。
以下の32業種に該当する場合は、必ず営業許可を申請し、許可が下りないと営業を行うことはできません。

調理業

1.飲食店営業
2.調理機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業

販売業

3.食肉販売業
4.魚介類販売業
5.魚介類競り売り営業

処理業

6.集乳業
7.乳処理業
8.特別牛乳搾取処理業
9.食肉処理業
10.食品の放射線照射業

製造業

11.菓子製造業
12.アイスクリーム類製造業
13.乳製品製造業
14.清涼飲料水製造業
15.食肉製品製造業
16.水産製品製造業
17.氷雪製造業
18.液卵製造業
19.食用油脂製造業
20.みそ又はしょうゆ製造業
21.酒類製造業
22.豆腐製造業
23.納豆製造業
24.麺類製造業
25.そうざい製造業(そうざい半製品を含む)
26.複合型そうざい製造業
27.冷凍食品製造業
28.複合型冷凍食品製造業
29.漬物製造業
30.密封包装食品製造業
31.食品の小分け業
32.添加物製造業

2021年の新制度では、主に以下のような変更が行われています。

  • ・食中毒リスクを考慮し、「水産製品製造業」など新たな許可業種を設定
  • ・「飲食店営業」など原料や製造工程が同じ業種を統合
  • ・食中毒リスクの低い「乳類販売業」などの一部は届出に移行
  • ・1つの許可業種で扱える食品範囲が拡大

これまで複数の営業許可が必要だったものが統合されたり、許可の範囲が拡大したりしたことによって、より利用しやすく、わかりやすい制度になりました。

営業許可を得るために必要な要素

上記の表にある営業許可を取る際、書類を書いて出せば誰にでも許可が下りる、というわけではありません。
営業許可を得るには書類の提出と共に、「資格」「施設整備」「HACCPによる衛生管理」の3つの要素において、定められた基準を満たす必要があります。
では、それぞれの要素についてどのような規定があるのか、見てみましょう。

1.食品衛生責任者の資格

法律により、食品や添加物の採取・製造・輸入・加工・調理・貯蔵・運搬・販売、容器包装の製造・輸入・販売を行う営業者は、「食品衛生責任者」を選任し、設置することが定められています。

食品衛生責任者とは、営業者の指示の下で衛生管理を行う責任者のことです。
営業者(会社の代表者や個人事業者)が自ら衛生管理責任者になっても良いですし、従業員の中から食品衛生責任者を選任しても問題ありません。

食品衛生責任者になるには、通常6時間ほどの養成講習会を受講し、営業許可を受ける保健所に届け出なければなりません。
ただし、栄養士や調理師など、特定の資格がある人を食品衛生責任者にするときは講習会の受講は免除され、届出だけで済みます。

食品関係の事業を行う場合、食品衛生責任者の資格は必須となりますので必ず取得しましょう。

2.基準を満たした営業施設の整備

たとえば自分で作ったお菓子を販売したいと思った場合、自宅のキッチンで作って販売しようと考えがちですが、事業として製造・販売するには、自宅のキッチンでは設備の基準を満たせないので許可は下りません。
食品に関する営業を行う場合は、基準を満たした施設に改装する必要があるのです。

施設の基準については、改正食品衛生法施行規則により、すべての施設で共通する基準(共通基準)、営業ごとに定められた基準(特定基準)、生食用食肉やふぐを取り扱う基準(特定基準)が設けられています。

具体的な基準は都道府県の条例で異なりますが、東京都の場合以下のような基準が条例で定められています。

  • (共通する基準の例)
  • ・汚染を防ぎ衛生的に作業を継続するのに必要な構造や設備、機械器具の配置、取扱量に応じた広さがあること
  • ・作業区分に応じた必要な区画があり、設備が適切に配置され、空気の流れを管理する設備があること
  • ・床面、内壁、天井は、清掃や消毒などを簡単にできる材料や構造であること など

東京都の営業施設の基準は、こちらのページで確認できますので、さらに詳しく知りたい方は見てみてくださいね。

3.HACCPに沿った衛生管理

2021年(令和3年)6月の営業許可制度の変更にともない、食品の営業許可を得るにはHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理に取り組むことが制度化されました。

HACCPとは、食品等事業者が食中毒や異物混入の危険を把握し、入荷から出荷までの全工程でリスクを低減するための管理を行い、製品の安全性を確保することをいいます。
国連のFAOとWHOの合同機関により発表され、国際的に認められた手法です。

そして食品営業許可を受ける食品製造者や加工者、貯蔵者、販売者などは、HACCPに沿った衛生管理(小規模営業者はHACCPの考えを取り入れた衛生管理)が求められます。

HACCPに沿った製造方法では、検査や記録、監視するための計画書の作成や管理が求められるため、内容をよく確認しましょう。(小規模の営業者は、簡易的なアプローチによるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が認められています。)

HACCPについては、厚生労働省が公表しているHACCPに沿った衛生管理の制度化という資料を参考にしてください。

③営業許可の代わりに「届出が必要」な食品とは?

②の営業許可が必要な32業種に該当せず、①の届出対象外の業種でもない場合は、消去法で「届出が必要な業種」に該当します。

具体的には、以下の表にある食品の販売や製造にかかわる場合は届出を提出しましょう。

業種 概要
魚介類販売業(※) ※包装済みの魚介類を販売する場合に限る
食肉販売業(※) ※包装済みの食肉を販売する場合に限る
乳類販売業 牛乳、山羊乳、乳飲料、乳を主原料としたクリームなどの販売
氷雪販売業 氷雪を仕入れて販売する業
コップ式自動販売機(※) ※自動洗浄機能のある屋内設置のものに限る
弁当販売業 調理をともなわない弁当の小売業
野菜果物販売業 果物卸売業、果物小売業、野菜卸売業、野菜小売業
米穀類販売業 雑穀・豆類卸売業、米穀類小売業、米麦卸売業
通信販売・訪問販売 無店舗の飲食料品小売業
コンビニエンスストア(※) ※飲食料品の販売を中心としたコンビニエンスストア
百貨店、総合スーパー 各種商品を販売する小売業
自動販売機による販売業(※) コップ式除き自動販売機で食品を販売する業
その他の食料・飲料販売業 菓子・パン類卸売業、菓子小売業、パン小売業、飲料卸売業、飲料小売業、乾物卸売業、乾物小売業、茶類卸売業、茶類小売業、酒類卸売業、酒類行為®行、乳製品販売業、豆腐・かまぼこ等加工食品小売業、料理品小売業(製造された総菜など)、卵販売業、砂糖・みそ・しょう油卸売業、その他の食料・飲料卸売業、各種食料品小売業、他に分類されない飲食料品小売業、その他の農畜産物・水産物卸売業
添加物製造・加工業(※) ※法第13条第1項の規定を除いた添加物の製造や加工
いわゆる健康食品の製造・加工業 いわゆる健康食品の製造や加工
コーヒー製造・加工業 コーヒー生豆を焙煎、粉砕して荒びきコーヒーなどを製造・加工する業
農産保存食料品製造・加工業 果実や野菜を原料に保存食品を製造・加工する業
調味料製造・加工業 食酢製造業、その他の調味料製造業
糖類製造・加工業 ぶどう糖・水あめ・異性化糖製造業、砂糖精製業、砂糖製造業(砂糖精製業除く)
精穀・製粉業 小麦粉製造業、精米・精麦業、その他の精穀・製粉業
製茶業 購入した茶生葉、荒茶を加工する業
海藻製造・加工業 寒天を含む海藻の製造・加工業
卵選別包装業 卵の選別や卵の包装を行う業
その他の食料品製造・加工業 でんぷん製造業、蒟蒻原料(蒟蒻粉)製造業、他に分類されない食料品製造業
行商 菓子、アイスクリーム、魚介類などの加工品、弁当、総菜、豆腐などの販売を、店舗を持たず移動して販売する業
集団給食施設(※) ※学校や病院などの施設で不特定多数に継続して食品を提供する施設のうち、届出対象外に該当しない施設
器具、容器包装の製造・加工業(※) ※合成樹脂を使用した器具や容器包装の製造・加工に限る
露店や仮設店舗などの飲食の提供(※) ※飲食を提供する露店や仮設店舗のうち営業に該当しないものに限る
その他 その他

「薬生食監発0331第2号」(厚生労働省)をもとに作成

上記にない場合や、自分が扱う食品は許可が必要なのか、それとも届出で良いのかわからない場合は管轄の保健所で聞いてみましょう。

届出の際にはどんな準備が必要?

②の営業許可が必要な業種と同様に、届出の対象となる上記表の業種でも「食品衛生責任者の設置」「HACCPに沿った衛生管理」の実施が義務付けられています。

食品衛生責任者とHACCPに沿った衛生管理については、②の「営業許可を得るために必要な要素」で詳しく説明していますので、そちらの内容を参考にしてみてくださいね。

なお、ネットショップで食品販売する時に必要な許可や資格・手続き・法律などについては下記記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

営業許可の申請や届出を行わないと罰則も

食品衛生法では守られなかった場合のため、罰則が記載されています。

たとえば、食品衛生法には以下のような規定があります。

“前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。”

この条文に違反し、営業許可を受けずに許可が必要な営業を行うと、2年以下の懲役、または200万円以下の罰金刑に処されます。

また、営業許可は更新が必要です。
都道府県知事による有効期間内の更新や必要な条件を満たさなかったときも、1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑に処されます。

営業の届出を行わなかった場合についても、罰則により50万円以下の罰金刑が設けられています。

ほかに、法人の代表者などについては、違反すると1億円以下の罰金刑に処されることもありますので注意が必要です。

営業前には必ず営業許可や営業の届出が必要かどうかを確認し、必要な許可や届出を済ませてから営業を開始してください。

食品の販売では食品表示法によるラベル貼付が必須

食品を販売する際には、販売する側の営業許可や届出以外に、販売する商品の内容などの表示を義務付けている法律もあります。

食品の表示については、食品衛生法で以下のような規定があるほか、食品表示法も遵守しなければなりません。

“食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。”

それでは詳しく見ていきましょう。

食品表示法とは?

食品表示法によると、製造や加工した食品を販売する場合、原則的に食品表示法に沿ったラベルの貼り付けが必須です。
ただし、バイキング形式で消費者自身が容器に食品を詰める場合、消費者の注文に応じて食品を容器に詰める場合などは、ラベルの省略が認められています。

食品表示法は、食品摂取の安全性や消費者の自主的で合理的な食品選択の機会を確保することを目的に定められている法律です。
食品衛生法、JAS法、健康増進法における食品の表示に関わる規定の3つを統合して設けられました。

食品表示法では、食品表示の基準や表示基準の遵守、表示事項の指示や命令、違反調査のための立ち入り検査、罰則などが定められています。

ラベルで表示しなければならない内容

食品表示法にのっとり、食品の販売者は消費者が理解しやすい日本語で、容器包装の見やすい場所に以下のような項目を表示する必要があります。
※以下の項目は加工食品のラベル表示を想定したもので、食品によって少し表示の仕方が変わります

  • ・名称
  • ・原材料名
  • ・添加物
  • ・内容量
  • ・賞味期限
  • ・保存方法
  • ・製造者(※輸入した食品は原産国名と輸入者を記載)

上記の項目のほか、食品によっては「栄養成分表示」を表示します。
栄養成分表示が必要な食品は、菓子、総菜、弁当、缶詰、瓶詰、調味料などの加工された食品や添加物です。
ただし、条件次第では栄養成分表示を省略できることもあります。
栄養成分表示を記載するかどうかの判定は、以下のページを参照ください。
※参照:食品の表示に「栄養成分表示」を忘れていませんか?(東京都福祉保健局)

なお酒類については、酒類の品目やアルコール分の表示が必要など、ほかの食品表示と項目が異なるほか、酒類の区分によっても必要な表示内容が変わってきます。
酒類の表示方法チェックシートもありますので、酒類のラベル表示についは、国税庁の「酒類の表示」のサイトをご参考ください。

営業の許可や届出を得るとともに、商品に貼り付けるラベルの準備も進めていきましょう。

食品表示法以外に気を付ける法律・条例

上記で紹介した法律や規制以外にも、食品を販売する際に考慮しなければならない法律や条例などがあります。

米殻業者の場合は、米トレーサビリティ法についても注意する必要があります。
米トレーサビリティ法の対象になるのは、米穀(玄米、精米など)、米粉や米こうじ、もち、米菓、清酒、みりんなどを扱う米殻の生産者や製造者、卸売業者、販売者、外食業者です。

いずれかの業種に該当するときは、品名、産地、数量、年月日、取引先、搬出入場所を記録し、保存しておかなくてはなりません。

また、食品表示法や米トレーサビリティ法などの個別の法律のほかにも、食品の表示について都道府県で独自に条例が定められていることもあります。

東京都の場合、食品表示で確認しておきたいのが、「東京都消費生活条例に基づく食品の品質表示」です。
この条例によると、調理冷凍食品、かまぼこ類、はちみつ類、カット野菜およびカットフルーツを扱うときは条例の基準に合った表示を行うよう義務付けられています。

たとえば調理冷凍食品なら食品表示法規定の表示のほかに、原材料配合割合、原料原産地名の表示が必要です。

許可や届出を行う都道府県の条例に食品表示に関わる条例がないかも、管轄の保健所などに相談して確認しておくと良いですね。

まとめ

食品を販売する場合、営業許可や届出が必要になることがあります。

届出対象外で、許可も届出も必要ない食品もありますが、カップ麺やペットボトル飲料など、長期保存をしても食品衛生上問題ない食品に限られます。
そのため食品を販売するときは、ほとんどの場合、許可や届出が必要になると考えた方が良いでしょう。
都道府県ごとに営業許可や届出が必要かどうかは多少異なりますので、販売を始める前に管轄の保健所で相談するのがおすすです。

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よくある質問

営業許可のいらない食品には何がありますか?

常温で長期保存ができ、かつ食品衛生上問題がない食品は、営業許可や届出をせずに販売できます。具体的には、包装されたスナック菓子、カップ麺、ペットボトル飲料などです。詳しくはこちらの章をご覧ください。

営業許可を得るにはどんなことが必要ですか?

営業許可を得るには書類の提出と共に、「食品衛生責任者の資格」「施設整備」「HACCPによる衛生管理」の3つの要素において、定められた基準を満たす必要があります。詳しくはこちらの章で解説しています。