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ネットショップ開設から8か月で6,500個のマフィンを販売! 三重の山奥でコツコツとファンを増やした「カフェヒコ」が法人化の先に見つめる夢

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
三重県津市白山町にある「カフェヒコ(cafe ffee-co)」。「眺めのいいカフェ」をコンセプトに、築90年の建物を店主自らリフォームした店内は、窓の外からお皿の上まで、眺めにこだわった居心地のいい空間を楽しむことができます。
ネットショップは、オープンから8か月で6,500個のマフィンを販売。短期間で急成長を遂げたショップ運営について、店主の光岡 知彦さん、真由美さんご夫妻に伺いました。

正夢がきっかけでオープンしたカフェヒコ(cafe ffee-co)

まずは、実店舗のカフェを始めようと思ったきっかけを教えてください。

光岡 知彦さん、真由美さんご夫妻

知彦さん(以下/彦):父方の祖父母の家にある築90年の離れを使って、人を呼べる場所を作りたいと思ったのが最初です。
ここは車がないとどこにも行けないような田舎なのですが、逆に来てもらえるような空間が作れたらすごくすてきだなと思って。スタートはそこからですね。

それはいつごろのお話ですか?

:東京の大学を卒業後、そのまま就職して1、2年経ったころです。「自分って、これから何ができるんやろう?」と考えていたら、その離れで自分が仕事をしている夢を見たんです。あまり足を踏み入れることもない場所だったのに、不思議でしょう?

不思議です。まるでお告げがあったかのようですね。

:そうです。それでね、僕って寂しがり屋なんですよ。

真由美さん(以下/ 真):(笑)

:この場所には祖父母もいるし、先祖代々のお墓も近くて自分たちを見守ってくれるようで嬉しくて、寂しくないというのもありました。

三重に戻られたのはいつごろですか?

:30歳を過ぎてからです。それまでは、自分なりにイメージして将来役立ちそうな仕事に就いていました。三重に戻ってからは、離れを思い通りの空間にするためにCADを勉強して自分で図面を引いてカフェの設計をしました。
仲間の力も借りて、解体から壁の塗りから全部自分たちでやりましたよ。

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テーブルは解体で出た廃材を利用しました。ちょっとずつ、ちょっとずつ、1年近くかけてようやく完成して、2016年の11月26日にオープンしました。

夢に出てきた風景と、実際に完成したお店って同じなんですか?

:同じなんです。大きな窓の外から店内を見た夢で、ズバンと広がったカウンターでみんながコーヒーを淹れたり調理をしているという風景だったんですけど、まさに今そうなっています。

ちょっと鳥肌が立ちました! 店内のインテリアや食器は何風になるんでしょうか、すてきですよね。

:これは…ヒコ風ですね(笑)。築90年の平屋の雰囲気を生かしつつ、一番いい形にしようとすると自然と今のような形になりました。だから、例えば違う箱があってそこに作っていくとなったら、もしかしたらまったく違う雰囲気のものができたかもしれないですし。今の箱にベストなものを考えて作った結果です。

みなさん、ちょっと非日常を経験したくてカフェに来られていると思うので、普段お家では使い慣れないような食器だとより嬉しいんじゃないかって、そういうところも考えて器は決めました。
男の人も来やすいお店にしたかったのもあって、店構えもお菓子もあんまりごちゃごちゃ作り過ぎないよう、シンプルにしています。

:あとは、どの席からも山々や緑がちょうどいい高さに見えるように、窓は計算して配置しました。商品よりもまずはお客さまの気持ちですよね。お客さまがゆっくりと落ち着ける空間じゃないと、何度も来ていただけないので。

景色も一緒に味わえるカフェなんですね。最初からお二人でやると決めていたんですか?

:いえ、三重に帰ってきたときは1人でするつもりでした。今は飲みますが、当時はコーヒーが得意ではなかったので、カフェというより何か人が集まれる場所にできたらいいなと思っていたんです。
2年ぐらいはそう思っていたんですけど、カフェで働いている妻に出会って「こういうことをやるんだけど、一緒にやってくれるか?」と聞いたら「ぜひ、お手伝いします」と言ってくれたので、覚悟を決めました。

:私もカフェをやりたいと思ったことはなかったんですけど、行くのは好きだったので。10年ほどスターバックス コーヒーで働いていたこともあってカフェになりました。

:僕が客だったんですよね。2年間、抹茶ティーラテを飲み続けていました。決まったカスタマイズで頼んでいたので、なんか「抹茶の人」として店員さんの間で覚えられやすかったのかな。東京にいたころからそのカスタマイズだったから、飲んでいたのは2年どころじゃないんですけど。

出会いのきっかけは抹茶ティーラテだったんですね。ちなみに、どんなカスタマイズですか?

お二人:トールのお湯なし低脂肪のシロップ少なめ、パウダー多めオールミルクです(笑)。

オープンから8か月で6,500個のマフィンを販売したネットショップ

ネットショップを始めようと思った経緯をお伺いしてもいいですか?

:カフェをオープンして2年目ぐらいから、脇役メニューとして始めたマフィンが口コミで広がってたくさんの方が来てくれるようになりました。とはいえ、田舎の山奥のカフェなので「来るのは難しいけど食べたい」という声も増えてきて、全国の方に届けるために始めました。

カラーミーショップを選んでいただいたのはなぜですか?

カラーミーショップならショッピングモールではなくて路面店のようなお店が作れると思ったんです。ネットショップも2号店のようなイメージで、実際にお店で商品を見ているような雰囲気にしたかったので。

ありがとうございます。実店舗のような世界観は表現しやすかったですか?

:しやすかったですね。言葉で接客ができないぶん、洗練された写真と文章でひとつひとつの商品をしっかり説明できたのがすごく大きかったです。ただ単に商品写真と名前と値段があるよりも、購入に繋がると感じました。

カスタマーサクセスチームからネットショップ運営に関するご提案もさせていただきましたが、印象に残っているアドバイスはありますか?

:一つの商品の説明文を400字以上にするというアドバイスです。最初は大変だと思ったんですけど、ひとつひとつ丁寧に説明をすることで、お客さまと一対一でやりとりをしている雰囲気に近づきました。ネットショップにボリュームが出たことで信頼感も増したと思います。
かなり時間はかかりましたが、今の数字を見るとやっておいてよかったなと。カスタマーサクセスチームには感謝しています。ありがとうございます。

そう言っていただけて担当者もとても喜ぶと思います。
数字のお話が出ましたが、マフィンの売り上げは昨年と比べてどのように変わりましたか?

:昨年は実店舗が3万5,000個、ネットショップはまだなかったので0です。
今年は実店舗が10月末までで3万6,000個ほど、それに加えて2月から始めたネットショップが6,500個です。半年でネットショップが全体の売り上げの18%を占めるところまできたので、正直びっくりしています。

すごい数ですよね。

本当にありがたいことです。もともとは、コンビニのレジ横にあるガムのようなイメージで1日に20個ほどだけ置いていたんです。せっかくこんな田舎まで足を運んでいただいたのだから、何かお土産があったらいいなと思って。それが、あれよあれよと売れていって3年ほどでここまできました。…あれ、自慢話でしかない!?

大丈夫です(笑)。短期間でそこまで成長した要因って何だと思いますか?

お客さま一人ひとりにとにかく楽しんでもらえる、ワクワクするような商品作りと、その商品をどのタイミングでどういった形で出すかまで徹底的に考えて分析をしていることかなと思います。

眺めのいいカフェ」がコンセプトなので、食べ物の見た目も「眺め」のひとつとして考えました。こういうビジュアルのマフィンが作りたい、じゃあそこに辿り着くためのレシピを考えようっていう感じです。

:店内から見える窓の外の眺めはもちろん最高のものでないといけないし、器に盛ったマフィンが四角いテーブルの中に置かれている、その眺めへのこだわりも空間づくりには絶対に必要だと思ったんです。そういったこだわりを重ねていくことで、「なんだか居心地がいいな」と感じていただけることを目指しています。

実店舗は三重の方からの注目の場所となっていると感じます。
ネットショップの売り上げもすごく成長されてますが、その辺りの要因は?

:本当にわからないんですよね。実店舗ではそこまでマフィンを推しているわけでもなくて、他の部分にもしっかりと力を注いでいるので。お客さまはマフィン屋さんって言うんですけど。

ネットショップの主軸商品がマフィンなので、マフィン屋さんという印象が強いのかなとは思いますが、購入されてる方は実店舗のファンの方が多いのかもしれませんね。

:ファンの方は多いと思います。実店舗にはマフィンじゃなくてチーズケーキを食べる方や、コーヒーだけ飲みにきましたっていう方もいらっしゃいます。そういった方が増えることで、ついでにマフィンを買って帰るとか、せっかく来たから友達のぶんもお土産に買うとかで全体的な底上げになっているのかな。マフィン単体がどうこうという問題じゃない気がしますね。

結局はお2人の実店舗へのこだわりなんですよね。

:もうそこですよね。来ていただいて満足して、そこにマフィンがあったっていう流れですね。

では、ネットショップの運営で苦労したことはありますか?

:実は、IT導入補助金の審査に通らなくて1年かけて1人でネットショップを作ったので、スタートで一番苦労したんです。その苦労に比べたら、オープンしてからは管理がとてもしやすくてほとんどないですね。

逆に、嬉しかったエピソードはありますか?

:「おいしかった、また頼みたいです」というようなお葉書をいろんな方からいただくので、実店舗でお会いできないぶん、そういうふうにわざわざ送っていただけることが本当に嬉しいです。

:そうそう。ネットショップを始めたきっかけは、もちろん遠方の方に食べていただきたいというのもあるんですが、最終的には実店舗に来ていただきたいという思いもあるので「お店に行きたいです」という手紙は嬉しかったですね。すごく丁寧なメールをいただくことも多いです。

おいしいものを食べたときって、作っている人に伝えたくなっちゃうんですよね。

:そういうことですよね。そこまで我々に時間を費やしてくれたっていうことが幸せで、まさにそのためにやっているような感じです。

リピーターの方も多いですか?

:そうですね。三重県にお住まいのある方は、17回もリピートしてくださって、すごく嬉しかったです。そういった方に向けて、12月にコーヒ、ケーキ、マフィンの定期便も始める予定です。

定期便の開始を心待ちにされている方も多いかと思います。ネットショップのお客さまは三重県の方が多いですか?

:全体の25%ぐらいは県内の方ですね。

:時間的な問題やコロナウイルスの影響もあって、近くてもネットショップをご利用いただけるんだなということがわかりました。

実店舗とネットショップで違いってありますか?

:そんなに大きな違いはないです。さっきもお話しましたが、ネットショップは2号店のイメージで作りたかったので、実店舗の延長のような形が理想なんです。実店舗では直接お客さまとお話もできるし、感謝の気持ちも伝えられるんですけど、ネットショップではお会いすることができないので課題はありますが。私たちからの手紙で気持ちを伝えていくような感じで、より近いものにしていく努力をしています。

Instagramは自分たちらしさを大切に毎日更新

お店をオープンする前からInstagramを更新されていたんですね。

:自分たちで建物を解体するところから知ってもらいたくて、オープン前から載せるようにしました。

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:だから、オープン前の写真を振り返るとおもしろいです。よくやったなって。

食器が届いた日などのことも書かれていたので、私も見ていると一緒に進んでいったような気持ちになりました。フォロワー数もかなり多いですが、何か施策をされたんですか?

施策みたいなものは特にないんですが、どこかと同じことをやってもつまらないし、真剣に見てもらえないかなという思いはあったので、お店と同じく何かしら私たちらしい投稿を心がけました。
解体前から投稿を始めたのも一つですし、経過やお菓子の試作を載せて開店準備の疑似体験をしてもらったり、私たちのことを知っていただくために子どものことを載せたり。

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それもあるんですけど、いろいろなお客さまから言われるのは妻の文章力です。Instagramでみんなが写真を載せているなかで他と違う投稿をするってかなり難しいと思うんですけど、僕から見てもいい文章を書くな、すごいなと思います。

お子さまたちに対する愛情や、お店の温かい雰囲気がすごく伝わってくる文章ですよね。

そう思います。喋っていてわかると思うんですけど、僕は思ったことをパッパパッパ言っちゃうタイプなので、絶対に投稿させてもらえないんですよ。僕の投稿は0ですからね(笑)。

あと、これはたまたまなんですけど、もともとは土日だけ始めたお店なんですね。始めて1年後ぐらいから土日月になって、少ししたら今度は子どもの休みに合わせて日月がお休みになって。営業日がコロコロ変わったせいで定休日にご来店いただくことが続いてしまったので、営業日を知っていただくために、毎日Instagramに投稿するようになったんです。そうすると、毎日の投稿を楽しみにしてくださる方が増えてきて、それがフォロワーの集客に繋がったのかなと思います。

毎日更新するのは大変じゃないですか?

大変ですね。バタバタのときは本当に「まだ載せてない! どうしよう、どうしよう!」って言っています。

店は日月のお休み以外、槍が降っても開けると決めているので、同じようにInstagramも大きなことがない限り必ず更新していこうと妻の中で決まっていたんじゃないかなぁ。コツコツと積み上げてきた結果ですよね。

今後の目標と展望

今年は法人化して「株式会社いつもの」を設立されましたが、何か理由やメリットがあってのことですか?

:思った以上にたくさんの方に来ていただけて、子どもも小さいので、どうしても2人だけでは足りなくなってきたと感じ始めたのがカフェのオープンから3年目ぐらいでした。ネットショップを始めてより幅広くヒコを見れるようになったときに、いろいろな能力をもった方たちの力を借りれば、さらに魅力的なお店作りができるんじゃないかと考えたのが始まりです。
そして、社会に関わっている以上、雇用するということも社会貢献の一環ですので、安心して働いてもらえる充実した雇用環境を作るために法人化したというのが一番の理由です。

5年後10年後の目標や展望について教えてください。

今年はコロナウイルスという大きな問題があって県外に行くのに制限がかかったので、まずは三重県の方に、地元でもこんなに魅力的な場所があるんだと感じていただけるようなお店にしていきたいです。
ネットショップでも実店舗に足を運んでみたいという方を増やしたいと思っています。

全国的な知名度もまだまだですし、ネットショップもまだまだなので。

知名度が上がったら、ネットショップの売り上げは倍どころじゃなくなる予感がします。

ネットショップにはこれからかなり力を注いでいくつもりです。むしろ倍にしていかなきゃいけない。店舗のマフィンの売り上げを5年以内には超えるという目標がありますね。

ネットショップの受注件数が安定して増えたら、一つの部署にできるかなと。そうすると、また1人雇用ができるという利点があるなってよく考えています。

全国にマフィンが届いて、仲間が増えて、それが社会貢献にもなる。これからのご活躍が楽しみです!

おまけ:ご夫妻おすすめのマフィン

お2人がおすすめのマフィンを一つずつ教えてください!

:僕はつぶあんことホワイトチョコ」がイチオシです。なぜなら、今まで何十種類と作ってきたなかで唯一、僕が考案したマフィンだからです。あれ、他に何もしてないみたいだ(笑)。ほぼオープン当初からある、思い出深いマフィンです。

私はやっぱり「安納芋のスイートポテト」です。決まった時期にだけ出す根強い人気のマフィンです。私たちもお芋を育てるところからやるというこだわりがあって、毎年おじいちゃんの畑に100株の苗を植えています。ちょうど今が(10月)が収穫どきなので、この時期を心待ちにしてくださる方も多いです。

:芋を掘って洗ってとにかく皮を剥いて、スイートポテトのフィリング作りからするので、作るのはすごく大変なんですよ。本当に大変なので「またこの時期がきた…」って、たかだかマフィンでスタッフみんながズン…っとなるっていう(笑)。

それだけ喜んでくださる方が多いマフィンですね。

:ヒコのマフィンが有名になるきっかけの商品でもあるし、この土地の土と水と空気でできているマフィンだから、ご先祖さまに感謝ですよね。お客さまを呼んでもらっているような気がする大切なマフィンです。僕もこっちを挙げれば良かったな!

カフェヒコの定期便

月に1度、定期的に商品をお届けする「いつものサブスク」が始まりました。
コースはマフィンのみの「lookingセット」と「goodセット」、マフィンと一緒にコーヒーとチーズケーキが楽しめる「lifeセット」の3種類から選べます。



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