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コロナ禍で3ヶ月間売上0のなかから始める。加賀温泉郷フェスの仕掛け人たちが新たに挑む、ネットショップの可能性と未来とは「かいねや加賀」

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
旅館の宿泊や飲食店の前売りチケット、名産品のお取り寄せ、伝統工芸品など、加賀温泉郷の魅力溢れる商品を販売するオンラインのセレクトショップ。コロナ禍にネットショップを立ち上げた経緯について、合同会社加賀温泉の萬谷浩幸さんとクリエイティブディレクターの大久保浩秀さんにお話を伺いました。

コロナ禍に立ち上げたネットショップ

まずは、かいねや加賀を運営されている合同会社加賀温泉の萬谷さんに、ネットショップ立ち上げの経緯を伺います。

合同会社加賀温泉の萬谷浩幸さん(右)とクリエイティブディレクターの大久保浩秀さん(左)

「かいねや加賀」とはどういったショップですか?

石川県にある加賀温泉郷というエリアの宿泊券や飲食券、名産品、伝統工芸品などを販売して地域を支援するネットショップで、合同会社加賀温泉が運営しています。
10年ほど前に「レディー・カガ」という観光PRプロジェクトを行った際に、地域を応援し、盛り上げる会社として立ち上げました。

ネットショップを立ち上げた経緯を教えてください。

もともと加賀温泉郷の認知拡大や、名産品の販路拡大のためにネットでセレクトショップをやりたいと思ってはいたんです。今回、コロナウイルスで地域のいろんな方が影響を受ける事態となり、自粛が始まった5月ごろに、レディー・カガを手がけていただいた大久保さんに相談しました。もう遅いかなとも言ってたんですが「たぶん影響は長く続くので遅くない」とのことで立ち上げました。

では、相談してからオープンまでかなり短い期間だったんですね。

2ヶ月ぐらいですね。始めるのは遅かったんですが、短期間で立ち上げたっていうのはそうだと思います。

萬谷さんも旅館の経営をされていらっしゃいますが、どのような影響がありましたか?

4月から6月いっぱいぐらいまで休業して、その間は売り上げがないという状況でした。

大変な状況のなかネットショップを立ち上げられたんですね。セレクトショップということですが、複数の店舗の商品をどのように扱っているのでしょうか?

かいねや加賀では店舗や商品のセレクト、受注から決済までの取り次ぎを担っています。発送は各店舗からで、例えば2店舗の商品を1度に買った場合はそれぞれバラバラに発送されます。

なるほど、ショッピングモールみたいな感じなんですね。
「みらい宿泊券」や「みらい飲食券」の販売というのは斬新なアイデアですよね。

未来に利用できる商品券を販売するというアイデア自体は、オリジナルのものではなく全国で興っているんです。うちの旅館・エリアも、どこかの企画に相乗りするという選択肢もあったんですが、独自でネットショップを立ち上げることにしました。
もともと、加賀四湯博という観光キャンペーンがあって、加賀温泉郷の観光大使をモーニング娘。’20の加賀楓さんに務めていただいて、ファンの方がたくさん来てくれたんです。今年の春に4つの温泉地でやっていた加賀四湯博は、6温泉にエリアが広がって発展的解消をしました。さらにコロナウイルスの影響でファンの方たちも来られなくなってしまって、そういったお客さまに楽しんでお金を使っていただけるような受け皿を作りたいと思っていました。
ですので、オンラインで受け皿を作りたいとか、名産品の販路を拡大したいとか、いろんな思いが混ざり合って、独自のネットショップを作る形になったのかなと。きっかけはコロナウイルスですが、収束したら終わりということではなくて、地域に貢献できる仕組みをずっと作りたかったというのが直接の契機です。

「かいねや」は方言で「買ってみて」という意味だそうですが、ネーミングはどんな発想から生まれたのですか?

僕は方言だったり、ちょっと粗野な言葉の方が心に刺さると思うんです。「かいねや」はプレスリリースだと「買ってね」にしているんですけど、本当はもうちょっと野蛮な「買えよ」というニュアンスの方言です。

弊社の石川出身のスタッフも「買いなよ」っていう意味じゃないかな?と言っていました(笑)。

そうです(笑)。でも、方言の言葉の響きがかわいらしいのと、語尾が「や」なので○○屋のような響きもあって名付けました。

「画面いっぱいに」かいねや加賀のネットショップ作成のこだわり

今回、ネットショップの作成を大久保さんに依頼されたんですね。

はい、サイト構築のディレクションを大久保さんがしています。

デザインや販売の仕方は、最初に萬谷さんの方で決めたことを大久保さんにお伝えした感じですか?

クリエイティブ面はこちらが細かく決めてしまうと主体性がなくなってしまうので、できる限り任せられる人と組みたくて大久保さんにお願いしています。宿泊券や飲食券を売るサイトを作りたいとオーダーして、「これこれを決める必要があります」と言われたら決めるぐらいで、ある程度はクリエイターの方にお任せするようにしています。

大久保さんはネットショップ作成のオーダーを受けて、いちばんこだわった部分はどこですか?

デザインの部分はアートディレクターに任せたんですけど、どんな大きいモニターで見ても画面いっぱいに表示されるようにして欲しいっていうのはしつこく言いました。ほとんどの人がスマホで見ているとは思うんですけど、画面いっぱいってなんか気持ちいいじゃないですか。おそらくネットショップ作成のセオリーからしたらぜんぜん違う作り方をしてるような気がしますけど。

最初にネットショップを見たとき、画面いっぱいに広がったのれんを実際にくぐってお店に入るような印象を受けました。

リアルなお店感みたいなものが出ればなと、ああいったものにしました。

かいねや加賀を通じて実現したかったのが、観光業界の応援であったり、加賀温泉郷にお金を使っていただく受け皿作りであったり、ということですが、効果はいかがですか?

売上については僕が判断できるものではないですが、ただ、萬谷さんもおっしゃってましたけど、10年近く加賀四湯博っていう観光キャンペーンをずっとやってきていたのが、今年ちょっと途切れちゃったんです。今まで2、3年来てくれていた加賀楓さんのファンの方たちとの繋がりを継続して、コロナが落ち着いたときに新しい観光キャンペーンができるように情報発信を続けていく。それができているので、そういう意味では成功というか情報発信の場が得られたというふうに思っています。

カラーミーショップを選んでいただいた理由をうかがってもいいですか?

本当は無料のサービスで作ろうかなと思っていたんですが、コーダーに「それだと自由度が低くてデザインを再現できない、カラーミーショップの方が自由が利きます」と言われて、それで決めました。

ありがとうございます!

地域を盛り上げることで回り回って自分たちに返ってくる

以前は東京でお仕事をされていたそうですね。石川県に戻られたのはいつごろですか。

2000年から東京で1年半ぐらい大阪で1年半ぐらい働いて、戻ったのは2003年ごろです。

レディー・カガや「加賀温泉郷フェス」といった、新しい取り組みをされていますが、周りの方の反対などはありませんでしたか?

加賀温泉郷フェス 大宴会場ステージ

そうですね。働き始めてから10年ぐらいは教わった通りのことを大人しくやっていたんですが、2011年の東日本大震災がきっかけに考え方が変わりました。加賀温泉郷に直接の被害はなかったものの、当時も旅行の自粛が起こったんです。
2000年代以降はデフレや地方の衰退などもあって、このままやっていたらちょっと厳しいと感じていました。そんななかでレディー・カガのプロモーションをして、もうできるだけ周りの意見を聞かず、直感で今までとは違うことをしようと考えるようになりました。

新しい取り組みのアイデアは何をきっかけに生まれるのですか?

加賀温泉郷フェスは、震災の年に「風とロック」という福島のフェスに行ったことです。実行委員長である箭内道彦さんが「広告することは、応援すること」だとおっしゃっていて感銘を受けました。
新しい取り組みをするときは、加賀温泉郷の魅力を広めたいという思いで動画などを活用して、できるだけ「加賀温泉郷」というワードが露出するようにしています。

2011年の震災がきっかけで、第1回目の加賀温泉郷フェスの開催が2012年と、約1年でフェスを開催するっていうのはものすごい短期間ですよね。

当時はレディー・カガがあらゆるメディアの取材を受けて、いろんな新聞の一面をとっていた状況でした。そういった話題性をリアルのイベントに繋げたい一心だったので、今では計り知れないほどのテンションでした。

フェスというと空の下大きい広場でっていうイメージだったんですけど、旅館の中でフェスをされている写真を見て圧倒されました。なぜ旅館の中で開催しようとなったんですか。

加賀温泉郷フェス クラブステージ

最初は温泉地の公園でやっていた野外フェスだったんです。でも、それだと普通にしかならないというか、温泉フェスと謳っているのに温泉じゃないって言われていて。野外の騒音問題などもあって続けられなくなったときに、旅館でやるべきじゃないかという意見をもらったんです。宴会場でやっている事例は全国にあったんですけど、旅館内にステージをいっぱい作って大規模にやるっていうのはなかったので、日本にないということは世界中にない、世界でオンリーワンのイベントができると思ったのがきっかけです。

社員の方は驚かれたんじゃないですか?

古くからいる社員からすると、なんでこんなことをやらないといけないのかっていうのはもちろんあります。しかし、会社としてそれをやる合理性という面で考えたときに、そういうイベントをする楽しい会社だというイメージを打ち出すことで若い方がたくさん入社しました。今はそういったメンバーが会社の中核を担っているので、ある程度理解されてきているのかなとは思います。

社員の理解もですが、地域の協力も必要ですよね。仲間集めといいますか、いろんな人を巻き込むために心がけていることはありますか。

僕がやってることは必ずしも直接的に経済的利益を還元できることばかりではないので、ボランティア的に関わっていただくことが多いんです。そのときに大事なのは、地域を盛り上げることで回り回って自分たちに返ってくるんだよっていうことをいかに伝えるかということ。本当は楽しいのが一番いいんですけど、大掛かりになればなるほど楽しそうに見えるけど結構大変だというのが実態です。そこにどれほど関わっていただけるかというのは気をつけています。

かいねや加賀が考える今後の展望とは

これからネットショップで取り組んでいこうと思っていることはありますか?

商品数と出店店舗数が少ないので、まずはそれらを増やすための営業活動を早急に強化していきたいのと、かいねや加賀は合同会社加賀温泉の中心事業として社運をかけてやっているものなので、先ほどもお話した加賀楓さんのファンの方に喜んでいただけるようなものを考えたりと、ネットショップを通じて加賀温泉郷に注目していただけるような話題作りをしていきたいです。

今後、加賀楓さんがネットショップに登場される可能性もあるということですか?

それを目指して頑張っているところです。

(※)取材後に加賀楓さんが加賀市から加賀温泉郷観光大使に任名され、「かいねや加賀」のキャラクターとして登場されることが決まりました!

Instagramにかいねや加賀の商品と一緒に加賀楓さんのアクリルキーホルダーを載せていらっしゃる方がいて、ファンの方がたくさん買われているんだなというのが見受けられました。

おそらく、ただ単に加賀温泉郷のネットショップを立ち上げましたって言ってもなかなか厳しかったと思うんです。加賀楓さんのファンの方が応援してくださったからある程度成り立っているとも思っているので、ファンの方に喜んでいただきつつ、そういった話題で加賀温泉郷の認知を拡大していきたいと思っています。

今後ECに参入しようと思っている方に、何かアドバイスやメッセージがあったらお伺いしたいです!

かいねや加賀の売り上げは決して多いわけではありませんが、我々のような旅館業の場合、お客さまに来ていただかないとお金を使ってもらえなかったのが、来なくても売り上げが立つようになったというのはやはり画期的なことです。ECというのは今後まだまだ可能性、将来性があると感じます。
世の中にやったことのない人はものすごく多いでしょうし、大変だとは思うんですけど、毛嫌いせずにぜひ挑戦してみてください。いろんなものがネットで買えるようになって、社会が豊かになるといいなと思います。

心強いアドバイスをありがとうございました。

加賀楓さんにメッセージをいただきました

ネットショップ「かいねや加賀」の顔となる意気込みを教えてください。

ネットショップに自分の顔が載るということは責任重大ですし緊張しますが、今はその場所に来れなかったりとネットを使うタイミングが多い時期だと思うので、この機会に通販で加賀温泉郷を楽しんでいただきたいです。

かいねや加賀のお客さまにメッセージをお願いします。

加賀温泉郷を訪れなくても加賀温泉郷を楽しめるという画期的なサービスです。私ももちろん、いろいろな商品をアピールしていけるようにがんばりますので、ぜひかいねや加賀を楽しんでいただけたらなと思います!