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世界を飛び回るライターからの転職! 鮭専門店で27年働くしゃけこさんに聞いた築地の魅力

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
東京・築地にある天然鮭専門店「昭和食品」さん。全国からこだわりの鮭を求めてお客さんが訪れる人気のお店です。その店長・佐藤友美子さん(通称:しゃけこさん)は、元・ライターから鮭専門店の店長になった、少し変わった経歴の持ち主。今回は、気になるしゃけこさんとお店のこれまでに迫ります

世界を飛び回るライターが、なぜ「しゃけこさん」に…?

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おはようございます。

アッ、いらっしゃい〜!

今日はよろしくおねがいします!

よろしくおねがいしますー。

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ここらへんを歩いて回ってみたんですが、小さなお店がたくさん集まっているんですね。

わたしたちのお店がある築地市場外ってそれぞれ専門がありまして。ワカメのお店はワカメで、こんぶのお店はこんぶ、カニのお店はカニってかんじで。

鮭の専門店も多いんですか?

昔は多かったんですよ〜。今ほどみんなそんなに魚の種類を食べてなかったんで、わたしが働き始めた25年くらい前はけっこうあったんですね。でも昔ながらのスタイルで、ウチみたいに一本モノを売るところは、もうすごく少なくなっちゃって。

鮭を捌きながら質問に答えてくれるしゃけこさん。

鮭を捌きながら質問に答えるしゃけこさん。

昭和食品さんは、築地にお店を開いて何年になるんでしょう。

50年以上続いてます。わたしが2年前に店長になって、今で三代目ですね。

しゃけこさんは、いつから築地で働かれているんですか。

わたしが築地で働き始めたのは…27年くらい前かな〜、けっこう長いのよ。

しゃけこさんは、もともとライターだったとお伺いしました。

そうそう! 若い頃ちょうどバブルだったのね。それで海外へ行くようなライター業をしてたの。

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どんなところでお仕事をされていたんですか。

東南アジアが好きだったから、まずアジアに行ったかな。 海外に拠点を持ってる人たちのお仕事をやっていたら、ヨーロッパとかいろんなところへ行けちゃって。それでおもしろくなって、今度は自分の企画で南米とか行ったりして!

すごい!世界を飛び回っていたんですね。

フフフフッ。短い期間だったんだけどね!

そのあとなぜ築地へ?

たまたま年末に友だちの買い出しに付き合って、築地へやってきたんです。そのとき「ここおもしろいな!」って感激して…。

世界中のどこよりも、ですか。

「南米アマゾンへ行きたい!」ってなったのも、そもそも「人の暮らしの原点的なものを見たいな」と思って行ったんだけど築地に初めて来たとき「ここにあるじゃないか!」って気づいちゃったのよねー。

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瞬く間に魅了されちゃったんですね、築地に。

そう。売人の町でもあり職人の町でもあるでしょう、築地って。全部覚えようにも覚えられないくらいたくさんモノと知恵が溢れてて、すんごくおもしろいのよ。それで「ココにいる人たちから、もっと話を聞き出そう!」と思って、あちこち話を聞いて回っていったのね。そしたらミイラ取りがミイラになっちゃったってわけ!(笑)

それで魚屋さんになろうと。

そうそうそう! 「魚とか捌けるようになったらカッコいいな〜」と思って、それで魚を切り始めたらやめられなくなっちゃって。お料理はそれなりに好きではあったけど、初めてここに来たときは、アジの三枚下ろしすらできなかったんですよ。

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そんなに好きになってしまった理由は、やっぱり築地の「人」の魅力があったんでしょうか。

う〜〜〜ん…でも鮭かな!

鮭、ですか。

その次に人かなぁ。(笑)

一に鮭、二に人と語るしゃけこさん。

一に「鮭」二に「人」と語るしゃけこさん。

でもなんで鮭だったんですか?

うーん。買い物に行ったのがたまたま鮭のお店だったから!フフフッ。

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たまたま!ということは、お買い物しに訪れたとき昭和食品さんに声をかけたのですか。

そうそう「ここで働かせてください」って言って。バイトから始めて。

築地のお店は、親子で引き継いでいるようなイメージがありました。

大きいお店なんかだとそういう経営も多いけど、お店で働いてる人が引き継ぐ場合もあるのよ、けっこう。

どうやって仕事を覚えていったんですか。

最初は呼び込みとか梱包をしたりして、ちょっとずつ勉強して切らせてもらえるようになって…。

前店主の金井モトさん。しゃけこさんは2年前に店長を引き継いだ。

前店主の金井モトさん。しゃけこさんは2年前に店長を引き継いだ。

市場での買い付けの仕方とかは、教えてもらったのですか?

ううん。分からないことは、周りのおじさんたちに嫌がられながらも聞いて学んでいくのね。

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おじさんたちに嫌な顔されるの、辛くなかったんですか?

そうねー。でもほら、どこのおじさんも厳しいけど、マジメに働く人には冷たくしないのよ。「こんなこともしらねぇのかよォ!」って言いながら教えてくれたり。まあ、おじさんたちは若い女の子が好きだからね!(笑)

25年以上、築地で働かれていると、まわりにどんどん仲間も増えていきますよね。

うん、ココのお店って壁とか扉がないから、全員がひとつの教室みたいなんだよね。クラスメイトみたいなかんじ。

しゃけこさんのお店があるのは「場外」。

すてき。築地だからこそのつながりですね。

いろんな年齢の人がいるし、別に自分の店じゃないからって線を引くこともなくて、周りに支えられてるなーと感じることばかりよ。本当に。

 

学芸大から築地までチャリ通!? 気になるしゃけこさんの1日

しゃけこさん、毎日何時に起きて何時に寝ているんですか?

えっとねぇ、たいてい3時半に起きて18時に寝てるかな。

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あれ…すごく寝てるような。

けっこう睡眠時間長いのよね。でもほら、飲みに行ったりすると遅くなるから、ね。まちまちよ?(笑)

じゃあ、お店の鮭はいつ仕入れているんですか?

市場は24時間眠らないんですけど、わたしたちが買う場所っていうのは、だいたい3時くらいから開いているんです。お店は6時くらいから始めるんで、その前にだいたい仕入れてますね。

鮭を捌く合間にパソコンを開くしゃけこさん。

鮭を捌く合間にパソコンを開くしゃけこさん。

仕入れた鮭はどうするんですか?

6時くらいから切って売り始めるんですね、ちょうど今みたいに。そうするとだんだんお客さんの来る時間になって。

始発前に市場は動き出すんですね。しゃけこさんは、この近所にお住まいなんですか?

うん、今は勝どき橋のあたりに住んでるの。

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あ。そういえば、しゃけこさん自転車お乗りになられるんですよね。サイトで拝見しました。

そうなんですよー。わたし若い頃はよく自転車に乗ってたんです。学芸大学ってあるじゃないですか、昔はあそこに住んでたのね。あそこからここまで、自転車で通ってたのよ。

けっこうな距離じゃないですか。

そーね。けっこう遠いんだけど、楽しいんだよね! いろーんなところ通って行けるんだよねぇ。坂さえ厭わなければ、青山のほうも通れるし表参道のほうも通れるし、代官山通って中目黒通って行くから、すごく楽しかったねぇ。うん。

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なんとパワフルな…!

いろんな服屋さんとか見て、帰りにね。古着屋とか好きだったから。それが近くなっちゃったから、今は楽しみがなくなっちゃって。

築地食べる通信に掲載されたときのしゃけこさん。

築地食べる通信」に掲載されたときのしゃけこさん。

今も自転車で通っていらっしゃるんですか?

うん、いつも自転車なのよ。でも、ここらへんで一番近い服屋さんって銀座とかになっちゃうでしょ?古着屋とかじゃないのよねぇー。まあその分、今ネットとかで買えたりもするからありがたいんだけど。

ネットショップって便利ですよね、本当に。あ、そうだ。会社の人へ鮭とばをおみやげに買っていってもいいですか。

もちろん! ありがとうございます!

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すっごく長い鮭とば。初めて見ました。

フフフ、いいでしょ(笑)じゃあ、これから築地場内を案内しますね。

はいっ、よろしくお願いします!

 

しゃけこさんに築地を案内してもらいました。続きはこちら!

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