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ECサイトの改善ポイントは?改善の流れや事例と15の具体策を提案!

ECサイトでは継続的な改善が不可欠です。
この記事では、なぜECサイトで改善が必要なのか、改善の仕方の流れと共に改善のための具体策を15個ご紹介します。
まずはできそうなことから取り組んでみましょう。

ツクルくん
ツクルくん

ECサイトってやっぱり改善しなきゃダメ?

カラミちゃん
カラミちゃん

ECサイトは一度作ったら終わりではありません!改善をしていかないと、時代遅れの使いにくいサイトとして認識され、顧客離れにつながりますよ。

ECサイトで継続的な改善が必須な理由

EC市場規模の拡大に伴い競争が激化しているため、ECサイトは開設したら終わりではなく、継続的に改善しなければなりません。

今後も続々と新規ECサイトがオープンすると予想されるため、顧客を獲得し売上を維持するためには、自社のECサイトも他社に負けないよう、進化させていく必要があります。

下記は経済産業省の「令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書」で発表された日本国内のBtoC EC(企業から消費者へのEC)の推移です。

2013年に11兆1,660億円だったBtoC ECの市場規模が、2023年には24兆8,435億円と10年間で市場規模が2倍以上となっています。
これはEC市場における競争が激しくなっている証拠です。

また、ECサイトのデザインや機能のトレンド、顧客ニーズも時代と共に常に変化しています。
開設当初のままのデザインや機能だと、やがて時代遅れで不便なECサイトになり、顧客離れにつながる可能性もあります。

そのためECサイト運営者は、市場のトレンドや顧客ニーズの変化を常に把握し、改善し続けることが必須なのです。

ECサイト改善の基本的な流れ・手順

ECサイトを効果的に改善するためには、以下の手順に沿って進めましょう。

  • 1.課題を把握する…ECサイトの現状を分析し、売上が伸び悩んでいる原因や改善が必要な箇所を明確にします
  • 2.数値目標を設定する…課題を解決するための具体的な数値目標を設定します
  • 3.改善方法を決めて実施する…設定した数値目標を達成するために、具体的な改善策を検討・実行します
  • 4.効果測定を行い次の方針を決める…実施した改善策の効果を測定し、結果に基づいて次のアクションを決定します

このような手順は、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったPDCAサイクルともいいます。
PDCAサイクルを繰り返すことで、ECサイトは継続的に改善され、売上アップを目指せます。

ECサイトの課題を見つける際のポイント

現状における課題を把握するためには、まずアクセス数の多いページ(ボリュームゾーン)から手を付けましょう。
アクセス数の多いページを改善したほうが、なかなか人が訪れないページよりも効果が見えやすいからです。

そしてボリュームゾーンは、Googleアナリティクスといったアクセス解析ツールを用いて把握します。
「何となくトップページが多そう」と憶測で決めるのではなく、きちんとしたデータに基づいて判断します。

また、ボリュームゾーンがわかった後は、さらにそのページ内を分析して課題を抽出していきます。
ボリュームゾーンのページを分析するといろいろな課題が出てくると思います。

すべてを一気に改善するのは難しいので、売上へよりプラスになるような課題から順番に改善を進めましょう。

ECサイト改善で押さえるべき3つの要素

ECサイトを改善して売上をアップするには、まず下記の売上の方程式を知っておきましょう。

  • 売上=アクセス数×購入率×客単価

ECサイトの売上を上げるには「アクセス数(訪問者数)」「購入率(転換率)」「客単価」を改善することが大切です。
この3要素はそれぞれ独立しているのではなく、相互に影響し合っています。
そのため、どれか1つだけではなく3つの要素を総合的に改善していくことで、ECサイト全体の売上アップが実現するでしょう。

ECサイトのアクセス数を改善する施策

サイトへの訪問者を増やすことは、売上アップの第一歩です。
どんなに商品が魅力的でサイトのユーザビリティが優れていても、その存在を知られず誰も訪れてくれなければ購入されることはありません。

まずはアクセス数を改善するECサイト集客の施策を把握していきましょう。

SEO対策を行う

SEOとは、Googleなどの検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワードで検索した際に自社のECサイトが上位表示されるように対策を施すことです。

SEO対策と聞くとオウンドメディアを立ち上げてコンテンツ(記事)を公開するコンテンツSEOを思い浮かべる方が多いでしょう。
ですがECサイトの場合、「ECサイト全体」「商品ページ」にも、検索結果で上位になりやすくなるSEO対策を施せます。

ただし、SEO対策は効果が出るまでに数ヵ月程度かかる点は注意しましょう。
他の集客施策と並行で行うのがおすすめです。

ECサイトのSEO対策について詳しくは「ECサイトに必要なSEO対策とは?」の記事で紹介していますので、合わせて見てみてくださいね。

Web広告を出稿する

検索エンジンやSNS、WebサイトなどにWeb広告を表示させることも、ECサイトの集客で有効です。
費用はかかりますが、短期間で集客効果が期待できるでしょう。

Web広告の種類としては、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い広告を表示するリスティング広告や、InstagramといったSNS上に表示するSNS広告などがあります。

Web広告と一口にいっても、それぞれ特徴や費用対効果が異なります。
そのため、自社ECサイトの規模や、目標に合った広告を選択することが重要です。

ECサイトのWeb広告については、下記の広告運用の有識者インタビューで学べますので、ぜひチェックしてみて下さい。


SNSを運用する

ECサイトの公式アカウントを作りSNS運用することも、ECサイトへの集客方法として人気です。
新商品やキャンペーン情報を投稿して購入につなげるだけでなく、フォロワーとの双方向コミュニケーションで顧客と良好な関係を築けます。

SNSは無料で始められるため、まだ始めてない方はぜひ取り組んでみましょう。

ただし効果的に集客するには、ECサイトのターゲット層と各SNSの相性が重要です。
若年層向けならInstagramやTikTok、幅広い年齢層にはXやFacebookが適しているといえます。
ターゲットに合わせて適切なプラットフォームを選択しましょう。

リピーターを増やす

ECサイトで安定して売上を保つには、新規顧客も大切ですがリピーターを増やすことがより重要です。
なぜならリピーターの獲得は、新規顧客を獲得するよりもコストを抑えながら、継続的な売上につながるからです。

そのため、リピーター対策は欠かせません。
具体的には、以下のような施策が考えられます。

  • • 購入金額に応じてポイントを付与し、次回以降の買い物で利用してもらうポイント制度
  • • 会員限定のセールやイベントの実施
  • • 新商品情報やお得なキャンペーン情報などを提供するメルマガの定期配信
  • • 再来店を促進するためのクーポン発行 など

なお、リピーター対策を行う際は、リピート率についても把握しておきましょう。
リピート率については「リピート率とは?」の記事をご覧ください。

ECサイトの購入率(転換率)を改善する施策

多くの人がショップに訪れてくれるようになったら、次は実際に購入してもらえるようさまざまな工夫をしましょう。
購入率は、転換率やECサイトのCVRとも言い換えられます。

訪れてもらうだけでは売上にはつながりませんので、しっかり対策を行うことが大切です。

商品が見つけやすくなる工夫をする

ECサイトを訪れても求める商品が見つからなければ、顧客はすぐにサイトから離れてしまいます。
離脱を防ぐためにも、商品を見つけやすくしましょう。

サイト内の検索機能は欠かせません。
キーワードだけでなく、商品のカテゴリ、価格帯、用途、在庫の有無など、さまざまな条件で絞り込めるようにすることで、顧客が目当ての商品に辿りつきやすくなります。

また、レコメンド機能の導入も効果的です。
顧客の過去の閲覧履歴や購入履歴、あるいは類似ユーザーの行動データなどを分析して好みに合った商品を提案することで、新たな購買機会の創出につながるでしょう。

わかりやすく魅力的な商品ページにする

商品ページは、顧客が商品を購入するかどうかを決める重要な要素です。

まず商品紹介文では具体的な使用シーンを想起させるような表現や、メリットを感じられるような言葉を選びましょう。
どのような効果があるのかだけでなく、その結果、顧客にどのようなベネフィットがあるのかということも書きましょう。

また、いいことばかりではなく、注意点やデメリットも書くことで、顧客の商品理解が深まり購入後の返品も減らせます。

商品説明文については、「売れる商品説明の書き方とは?」の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

また商品画像は、商品の魅力を視覚的に伝え商品購入の決め手となるポイントです。
さまざまな角度からの写真や、使用イメージが湧くような写真などをたくさん枚掲載することで、より具体的に商品をイメージしてもらうことができるでしよう。

カゴ落ち対策をする

ユーザーが商品をカートに入れたものの、購入に至らずサイトから離脱してしまうことを「カゴ落ち」といいます。
カゴ落ちしてしまう主な原因は、予期せぬ送料や手数料の発生、複雑な購入手続き、アカウント登録のハードルなどさまざまです。

そのため、事前に合計金額がわかるように表示したり、ECサイトのセキュリティ対策をしっかり行い安心感を与えたりなど、何かしら対処しましょう。

カゴ落ちを防ぐには、ユーザーが買いやすいようなサイトにすることがポイントです。

カゴ落ちについて詳しくは「カゴ落ちとは?」の記事で原因や対策について詳しく解説しています。

Web接客ツールを導入する

実店舗であれば店員が顧客に声をかけて商品購入を促すことができますが、基本的にECサイトは接客ができません。

そこで、ECサイト上でも顧客1人ひとりの行動に合わせた接客が行えるWeb接客ツールを使えば、購入率アップを目指せます。
Web接客ツールには、主に以下のような種類があります。

  • ポップアップ型:サイト訪問者の行動履歴に基づいて、クーポンやキャンペーン情報などをポップアップで表示する
  • チャット型:サイト訪問者からの質問に自動で回答するチャットボットや、オペレーターがチャットで対応する

Web接客ツールは、ユーザーの行動を元に自動で顧客対応を行うことができるため、人的リソースが限られているECサイト運営にも効果的でしょう。

顧客へ安心感を与える

ECサイトを初めて利用する顧客は、「本当に商品が届くのだろうか」「個人情報が漏洩することはないのだろうか」など、さまざまな不安があります。

不安を抱えていると購入自体を踏みとどまってしまうため、安心して買い物できる環境作りも購入率アップには欠かせません。

運営会社の情報を目立つ場所に表示する、スタッフコラムなどを掲載してショップの様子がわかるようにする、クレジットカードの不正利用を防ぐ3Dセキュア2.0の導入といったセキュリティ対策を行うなど、顧客に安心感を与える対策を行いましょう。

口コミを掲載する

実物を手に取れないECでの買い物では、実際はどのような商品なのかということが、誰しも気になります。
そのような疑問を解消できるのが口コミ(お客様の声)です。

口コミは消費者の生の声であるため、企業側からおすすめするよりもリアルな情報として受け取られやすい特徴があります。
また、口コミが多い商品は、それだけ多くの人に購入されている人気商品ということなので、購入の際の安心感にもつながります。

このように口コミは商品購入を後押しするツールとなります。
ですが口コミは自然と増えるわけではないので、ECサイト側で口コミが増えるような施策を行っていきましょう。

口コミ(お客様の声)については、「お客様の声を載せるメリットとは?」の記事で口コミの集め方などについて紹介していますので、参考にしてみてください。

顧客に人気の決済方法を充実させる

ECサイトで購入手続きをする際に希望する決済方法が用意されていないと、購入を諦めてしまう顧客も一定数、存在します。
そのため、決済方法を増やすことはカゴ落ち防止にもなります。

経済産業省の「令和5年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」によると、ECサイトで人気の決済手段は、1位がクレジットカード、2位が電子マネー(ID決済)、3位がコンビニ決済でした。

ID決済は、令和4年では3位だったものの令和5年では2位となっており、今や当たり前に使える決済方法という認識になりつつあります。

顧客が住所や氏名といった情報を入力しなくて済むため、Amazon PayをはじめとするID決済の導入はスムーズな購入が可能になり、購入率アップにもつながるでしょう。

ECサイトで人気の決済方法について詳しくは「ECサイトで顧客満足度の高い決済方法はどれ?」の記事で、主要な決済方法のメリット・デメリットなどを紹介していますので、ぜひご覧ください。

フォームの入力を簡単にする

ECサイトで購入手続きをする際に、入力フォームに多くの情報を入力しなければならないとユーザーは面倒に感じてしまい、離脱してしまうかもしれません。

スムーズな購入のためにも、入力フォームの簡素化も行いましょう。

例えば、必須項目を減らす、郵便番号を入力すると自動で住所が入力される機能、過去に入力した情報を記憶しておき次回以降の入力を省略できる機能などを導入することで、フォームの入力が簡単になります。

Amazonではワンクリックで購入できるボタンがあるなど、スムーズな購入は購入率を左右するポイントのため、入力フォームでもできるだけユーザーの手間を減らす工夫をしましょう。

ECサイトの客単価を改善する施策

集客も十分で購入率も悪くないけれど売上があまり良くない場合は、顧客1人当たりがショップで使う金額が低いのかもしれません。
自然な形で顧客の単価を上げる方法をご紹介します。

クロスセルで関連商品の提案を行う

クロスセルとは、顧客が買おうとしている商品に関連する別の商品を提案する顧客単価アップ方法です。
例えば、カフェでコーヒーを注文した際に「一緒にケーキはいかがですか?」と提案されるのは、クロスセルになります。

ECサイトの場合、商品を閲覧している際やカートに入れた際「一緒に買うとおすすめ」「他の人はこんな商品も見ています」といった形でクロスセルが行われています。

クロスセルは、顧客が商品を購入しようとしているタイミングで関連性の高い商品を提案することがポイントです。

アップセルで上位ランクの商品を提案する

アップセルとは、顧客が購入を検討している商品よりも価格の高い、上位ランクの商品やサービスを提案することです。

顧客にアップセルを効果的に行う際は、顧客のニーズを把握し、ニーズを満たす最適な商品であること丁寧に説明することがポイントです。

もしニーズを無視して高単価の商品を押し売りしようとすると、購入自体を止めてしまう可能性もあります。

価格は高いけれども高機能であるなど、顧客にとってメリットがある商品であることを理解してもらい、顧客が価値を感じて購入されることが大切です。

顧客が商品の魅力を感じ納得の上で購入してもらえれば、顧客単価だけでなく顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

アップセルとクロスセルについては「アップセル・クロスセルとは?」の記事で詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。

まとめ買いを促す

客単価を上げるためには、一度の購入でより多くの商品を購入してもらうよう、まとめ買いを促す施策も有効です。

まとめ買いしてもらうには、例えば以下のように顧客にとってメリットがあることを伝えます。

  • ・10,000円以上の購入で送料無料
  • ・3個以上の購入で15%オフ
  • ・5,000円以上お買い上げの方に限定グッズをプレゼント など

ECサイトの場合、「あと○○円で送料無料」などカートで訴求すると、まとめ買いされやすくなるでしょう。

顧客の単価をアップさせるその他の方法は「客単価を上げるには?」の記事で解説していますので、こちらもぜひお読みください。

ECサイトの改善の事例

オーガニック食品を中心とした商品を展開するかわしま屋さん。2012年にショップオーナーの河島さんが1人で始めたECサイトはその後どんどん事業拡大し、2023年のカラーミーショップ大賞で大賞を受賞するほど魅力的な店舗になりました。

これも、ヒートマップツールやアンケートなどを使い、商品ページを中心にこまめにECサイトを改善していった結果として今の成功があるといえます。
日々ECサイトの改善を続け、人気ショップとなったかわしま屋さんのインタビューはぜひこちらからご覧ください。

まとめ

EC市場は年々拡大し、ECの店舗も増えているため他社に負けないよう、ECサイトはトレンドやニーズに合わせて改善していく必要があります。

またECサイトの売上=アクセス数×購入率×顧客単価のため、その3点を改善することが大切です。
改善は1度行ったら終わりではなく、きちんと効果測定をして、新たな課題を見つけ、改善を繰り返すことで顧客が何度も訪れたくなる人気ショップとなるでしょう。

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