
ネットショップは実店舗に比べると開業しやすいため、趣味を活かして自分のショップを持ちたい方におすすめです。
もし釣具のネットショップを開業したい場合、どのような準備が必要でしょうか。
この記事では、開業の流れや仕入れルート、必要な手続きなどについて詳しく解説します。

実は僕、釣りが趣味なんだよね。釣具のネットショップでも始めようかな。

趣味を仕事にするのも良いですね!応援の意味も込めて、開業方法などについて詳しくお伝えしますよ。
目次
釣具のネットショップを開業するメリット
釣具屋を始める場合、実店舗を構えるということも考えられますが、なぜネットショップがおすすめなのかメリットを確認していきましょう。
開業資金を抑えられる
釣具のネットショップを開業するメリットはまず、開業資金を抑えられるということです。
東京都内で実店舗を構えるとなると、敷金・礼金で数十万円、毎月の家賃も数十万円、内装工事費などは場合によっては数百万円かかることもあります。
ですがネットショップであれば無料で作成できるサービスもありますし、有料の場合も中小規模のネットショップでなら開業資金は数万~十数万円程度です。
もちろん、ネットショップを開業する際にも、ネットショップ作成サービスの利用料や広告宣伝費など、ある程度の費用はかかります。
ですがこれらの費用は、実店舗に比べて少額です。
また、物件の下見や内装工事も必要ないので早い方法なら数日で開業することも可能でしょう。
ネットショップならコストをかけず、短期間で釣具のネットショップが開業可能です。
時間や場所にとらわれずに販売できる
ネットショップで開業する2個目のメリットは、時間や場所に縛られずに販売できる点です。
実店舗の営業時間は限られており、顧客は営業時間内に来店する必要がありますが、ネットショップは24時間365日営業が可能なので、顧客はいつでも好きな時に商品を購入できます。
ショップ側も営業時間の制約により、販売機会の損失を防げます。
また、ネットショップはインターネット上で販売するので、近隣に住む住民に限らず日本全国、さらには世界中のどこからでも商品を購入してもらえます。
釣具のネットショップを開業することで、時間や場所に縛られない自由な働き方を実現できる点が大きなメリットといえるでしょう。
趣味を仕事にできる
釣りに限らず、何か好きな趣味を持っている方は、ついつい時間が経つのも忘れて趣味に没頭してしまうこともあるでしょう。
ネットショップなら、その熱中してしまう趣味を仕事にしてお金を稼ぐことができるのが大きなメリットです。
趣味が仕事ならもともと持っていた知識も活かせますし、高いモチベ―ジョンで積極的に仕事に取り組めるはずです。
また、釣りという趣味を仕事にすると、以下のような利点もあります。
- ・新商品の釣具にいち早く触れることができる
- ・仕入れなどを通して、釣具業界の最新情報やトレンドに触れることができる
- ・自分のショップを通じて、多くの人に釣りの魅力を伝えることができる
- ・ショップや仕事を通じて、共通の趣味を持つたくさんの人に出会える
このように、釣具のネットショップを開業することで、趣味を仕事にする喜びを味わうことができるでしょう。
釣具のネットショップを開業する手順
では、実際に釣具のネットショップを開業する手順を確認していきましょう。
1.コンセプトやショップ名を考える
ユーザーにどのようなショップなのかを認識してもらい、他のショップとの差別化を図るためにコンセプトは非常に重要です。
もしコンセプトが明確ではないと、何が売りでどんな人をターゲットにしているショップなのかが曖昧になり、その後の商品選定やショップデザイン、ショップ名の決定でもつまづいてしまいます。
コンセプトというと難しそうに聞こえますが、「誰に商品を販売したいのか?」「どのような釣具を販売するのか?」「他のショップとの差別化を図るために、どのような強みを持つのか?」といったことを考えてみましょう。
コンセプトが大体固まったらショップ名も考えます。
ショップ名は、ユーザーに覚えてもらいやすく、検索しやすいものが良いでしょう。
また、他のショップとの差別化を図るために、オリジナリティのある個性的なショップ名もおすすめです。
ショップ名の付け方について詳しくは、「【超大切】ネットショップの名前の付け方の大事なポイント・コツまとめ」の記事をご覧ください。
2.商品の仕入れルートを確保する
釣具屋のネットショップの開業で先に決めておきたいのが仕入れのルートです。
どのような仕入れ方があるか、ここでは主な仕入れ方法をご紹介します。
卸問屋の店舗から仕入れる
卸問屋とは、メーカーや生産者から商品を仕入れて、小売店などの店舗に販売する企業や事業者のことです。
釣具の卸問屋は、釣具店や釣具メーカーから商品を仕入れて、ネットショップなどの販売者に卸しています。
卸問屋から商品を仕入れるには、卸問屋に直接問い合わせる、各業界の展示会に参加して商談を行う、といった方法があります。
卸問屋と取引する際には、最低仕入れ金額・ロット数・支払い方法・納期など細かい条件をきちんと確認することが大切です。
海外のサイトから仕入れる
海外のECサイトから直接商品を仕入れる方法は、低コストで日本にはない商品を仕入れ、他ショップと差別化できるという点がメリットといえます。
有名な海外ECサイトにはAmazonやAliExpressなどがあります。
これらのサイトは日本にいながら、世界中の商品を仕入れることが可能です。
ただし、輸入が禁止・規制されている商品や関税があったり、場合によっては輸入許可など事前に確認しておくべきことが多いです。
また、海外サイトの場合、国内メーカーから販売されているオリジナル商品に酷似した商品もあるため、問題がないか仕入れる前によく確認することが大切です。
卸専用のサイトから仕入れる
釣具を仕入れる方法の1つに、卸専用のサイトがあります。
卸専用のサイトとは、その名の通り卸問屋のネットショップ版です。
卸専用のサイトなので一般の通販サイトよりも商品を安く仕入れられ、インターネット上で取引が完結するため店舗に出向く手間も省けるなど、簡単に仕入れが行えます。
さまざまな卸専用サイトがあり、信頼できるサイトを選ぶにはサイトの運営会社情報や口コミなどを確認すると良いでしょう。
また、利用する前は忘れずにサイトの利用規約もチェックします。
自作した釣具を販売する
どこかから仕入れるのではなく、ルアーなどの釣具を自作して、販売することも可能でしょう。
以下は、釣具を自作する場合の一例です。
- ・3Dプリンターまたは手作業で仕掛けやルアー、ロッドを制作する
- ・中古品を購入してリペア・メンテナンス、(塗装を含む)カスタマイズをする
また、自作というとハードルが高く感じますが、必ず一から自分で作る必要はありません。
一時期流行した「オモック」もナツメオモリとフックで手軽に作れますが立派な釣具ですし、実際にお店でも販売されていました。
ショップの独自性を出すためにも、まずは自分のできそうなものを制作、販売してみるのもおすすめです。
3.ネットショップの開業方法を決める
商品の仕入れルートが決まってきたら、ネットショップ側の準備も進めていきます。
ネットショップの開業方法は「ECモール内で開業する」「独自のネットショップを立ち上げる」の2パターンに分かれます。
それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なりますので自社に合った方法を選択しましょう。
ECモール内で開業する
ECモールとは、Amazonや楽天市場などのように、多くのショップが集まっているインターネット上のショッピングセンターのことです。
ECモールへ出店するメリットは、すでに多くのユーザーがECモールを利用しているので、集客しやすい点が挙げられます。
また、ECモールによっては決済システムや配送システムなどが用意されていることもあり、初心者でも出店しやすいのもメリットです。
一方、デザインや機能のカスタマイズができずオリジナリティのあるショップができなかったり、セールやポイント制度などモール独自のルールに従わなければならなかったり、自由度が低い点がデメリットといえます。
独自のネットショップを立ち上げる
ECモール内に出店するのではなく、自社で独自のネットショップを立ち上げる方法もあります。
カラーミーショップなどのネットショップ作成サービスを利用すれば、初めての方でも簡単にネットショップをことが立ち上げることが可能です。
自由度が低いECモールに対し、独自のネットショップでは、自社らしいデザインにしたり、越境ECができる機能を追加したり、自由にカスタマイズできます。
また、ECモールよりも手数料は低めに設定されています。
そのようなメリットである一方、ECモールのようにある程度の集客が見込めるわけではないため、SEO対策や広告運用など、集客は必須です。
自社らしいオリジナリティのあるネットショップを運営したい場合は、独自のネットショップを作るのがおすすめです。
4.ネットショップを開設し設定していく
ネットショップを開設したら、会員システムやメルマガなどさまざまな設定を行っていく必要がありますが、特に重要なのは「配送方法」と「決済方法」の設定です。
商品の大きさや配送方法によって送料が大きく異なります。
例えば、軽くて厚みの無い商品であれば日本郵便のメール便にするなど、安い配送方法を選択することで、顧客の送料負担を軽減し、購入を促せます。
ただし、日時指定の可否や配達時間なども含めて比較しましょう。
決済方法もまた、顧客の購入率を左右する重要な要素の1つです。
クレジットカード決済や銀行振込に加え、コンビニ決済や後払い決済など、多様な決済方法が登場しています。
最近人気なのがID決済です。
なかでもAmazon Payは、顧客が住所や氏名などの情報を入力する必要が無く不正利用のリスクも低いため、導入することで顧客にスムーズな購入や安心感を提供できます。
なお、カラーミーショップではAmazon Payが月額無料で利用できます。
顧客満足度と購入率の向上のためにも、それぞれの項目を丁寧に設定していきましょう。
5.オープン後は集客する
いよいよネットショップがオープンしたら、必ず集客に取り組みます。
実店舗の場合は、オープンすれば道を通りかかった人にお店の存在を認知してもらえますが、ネットショップは開業したとしても誰もその存在に気付けません。
そのため、どのようなショップなのか、ショップのURLなどをできるだけ多くの人に知らせて、お店に訪れてもらう集客が必須なのです。
主な集客方法としては、広告、SNS運用、SEO対策などが挙げられます。
集客方法によって特徴やメリット・デメリットが異なります。
まずは、できそうな方法から始めましょう。
釣具のネットショップを開業するのに許可や手続きは必要?
釣具のネットショップを始めるには、古物商許可や開業届の手続きが必要になる可能性があります。
それぞれどのようなものなのか解説していきます。
開業届
開業届とは管轄の各税務署に対して提出するもので、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
事業を始めると税金を納めることになるため、納税先である税務署に対して事業を開始or廃業したことを申請するのです。
税務署に開業届を提出することにより以下のメリットがあります。
- ・節税対策になる青色申告が利用できる
- ・開業していることの証明ができる
- ・屋号での口座開設ができる
- ・法人用クレジットカード作成や融資の必要書類の1つとして使える
届け出をしないことによる罰則はないものの、原則として提出が必要な書類です。
また、上記のようなメリットがあるため釣具のネットショップを開業したら1ヵ月以内に提出するようにしましょう。(1ヵ月を過ぎてしまっても提出はできます)
ネットショップの開業届について詳しくは「ネットショップに開業届は必須?」の記事をご覧ください。
古物商許可
古物商許可とは、古物を売買したり、買い取った古物を修理して販売したり、古物をレンタルしたりする事業者が取得しなければならない許可です。
例えば以下のような品物が対象となっています。
- ・美術品類(書画や彫刻など)
- ・衣類
- ・時計・宝飾品類
- ・自動車(部品を含む)
- ・事務機器類
- ・道具類(家具や楽器など)
- ・書籍 など
このように、身の回りの多くのものが対象となっているため、もし釣具を買い取って中古品として販売するなら、古物商許可が必要です。
古物商許可の申請は、管轄する警察署(防犯係)で行います。
いくつかの申請書類と共に、手数料も必要です。
また、申請から許可が下りるまで1ヵ月以上かかる場合が多いため、中古品の釣具を扱う場合は早めに申請を行いましょう。
釣具のネットショップ開業を成功させるポイント
釣具のネットショップの開業について、おおよその概要が把握できたところで、ここからは成功させるために意識したいポイントを3つ紹介します。
開業したら必ず集客を行う
開業しただけではオープンしたことに誰も気づけないので、ネットショップの存在をユーザーに知ってもらい、来店を促す活動である集客は必須なのです。
集客は大きく分けて有料の方法と無料の方法があります。
有料の主な方法である広告は、費用はかかりますが、多くの顧客へ短期間でアプローチできるのが特徴です。
SNS運用やSEO対策といった無料の方法は、費用をかけずに集客できるというメリットがある一方、効果が出るまでには時間がかかり、自分の手を動かさなければなりません。
このように、有料と無料の集客方法は特徴が異なります。
そのため、どちらか一方ではなく2つを組み合わせることで、より効率的かつ効果的に集客できます。
両方が難しい場合は、まずできそうな方法から始めて、じょじょにさまざまな集客方法に取り組んでいきましょう。
ネットショップの集客方法については「ネットショップ集客のコツ!」で主な方法をご紹介していますので、集客を始める際にぜひ読んでみてください。
他ショップとの差別化を図る
コロナ禍を経て、以前に比べてネットショップの店舗数が増えているため、自分のサイトを選んで商品を購入してもらうには他ショップとの差別化が欠かせません。
釣具のネットショップなら、商品の品ぞろえに独自性を持たせる以外にも、釣具の一部カスタマイズが行える、釣った魚を自慢し合えるフォトコンテストや、購入者向けの実釣ツアーのオフラインイベントを開催するといったことも、差別化につながります。
価格や商品だけでなく、各種サービスや会員制度、オウンドメディアによる釣り関連の情報発信、イベント開催など、差別化の方法はさまざまあるため、自分のショップに合っている差別化方法を行っていきましょう。
顧客目線で商品選定やサイト改善を行う
商品を購入するのは顧客であるため、ECサイトの運営に関しては顧客を第一に考えて行うことが大切です。
釣具の場合、対象の魚種や地域、経験によって求める商品も異なります。
例えば、
- ・初心者向けにセット商品を作る
- ・特定のジャンルの中のさらにコアな地域や釣り物向けの商品を販売する
など、顧客ニーズに合わせた商品選定を意識しましょう。
また、ECサイトのトレンドや機能なども時代と共に変化していきます。
その時々の顧客のニーズに合わせて、デザインや決済方法、サイト上の機能などをアップデートしていくことがポイントです。
競合他社との競争に敗れないためにも、ECサイトは一度作ったら終わりではなく、変化する顧客のニーズに対応できるよう、改善を続けましょう。
釣具のネットショップを開業する際の注意点
これから釣具のネットショップを開業する方に向けて、把握しておきたいポイントを3つ紹介します。
釣り物には時期があることを把握しておく
季節によって釣り物が変わるため、商品の売れ行きにも影響があることを把握しておきましょう。
特定の魚種や釣法がオフシーズンになると関連の釣具も売れなくなり、ネットショップの売上が落ち込みやすいです。
そのため年間を通して楽しめる釣り物用の商品も販売したり、釣り物のオン・オフシーズンに合わせて商品も切り替えたりなど、対策を行いましょう。
また、オフシーズン(≒閑散期)の売上の落ち込みを緩和する手段として、セールやイベントを実施するのも1つの方法です。
過度なセールを行ってしまうとその後の運営にも関わるため、適切な範囲で割引を行いましょう。
ずっと在庫を抱えるよりは、販売してしまったほうが結果的に利益が出るということもあります。
また、閑散期は、繁忙期に向けた準備に適した時期です。
繁忙期の売上を最大化するためにも、競合調査や商品ページの改善、商品管理の見直しなどに力を入れるのもおすすめです。
適切に在庫管理を行う
在庫管理とは、必要な時に必要な量の供給ができるよう、きちんと商品を管理することです。
つまり、過剰在庫や在庫不足が起きないようにするのが在庫管理の目的です。
適切に在庫管理をすることは、以下のようなメリットがあります。
- ・注文のあった商品を探す時間が短縮できる
- ・在庫不足による販売機会の損失が防げる
- ・商品の劣化や紛失を防止できる
- ・過剰在庫がなくなり、保管・破棄にかかるコストを削減できる
このように利益をきちんと出すショップになるためには、在庫管理を徹底し、状態の良い商品を提供できる環境を構築することが大切です。
ネットショップの在庫管理について詳しくは「ネットショップで在庫管理はなぜ重要?」の記事で、具体的な在庫管理の方法などについて紹介していますので、ぜひ見てみてください。
特定商取引法に基づく表示が必須
トラブルが起こりやすい特定の販売形態(商取引)において、消費者の利益を守るための法律を、特定商取引法といいます。
通信販売(ネットショップ)は、特定商取引法の対象であるため、釣具のネットショップを開業する際には、サイト上に特定商取引法に基づく表記をしなければなりません。
例えば、ネットショップのページには以下のような表記が必須です。
- ・販売業者の名称や所在地
- ・ネットショップの名称
- ・ネットショップの電話番号やメールアドレス
- ・運営統括責任者
- ・支払方法や支払期限
- ・返品期限や返品送料 など
販売しているショップ側の住所や連絡先、返品に関する手続きなどが明確になっていることで消費者が安心して購入できるので、サイト内に上記のような表示が義務付けられています。
ただし、個人が自宅の住所でネットショップを開業する場合は、個人情報が不正に利用されるリスクもあります。
そのため、一定の条件により個人事業主の住所や電話番号を非公開にすることも可能です。
「ネットショップ開業で住所を知られたくない!」の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
釣具のネットショップは、開業資金が抑えられる、趣味を仕事にできるなどのさまざまなメリットがあります。
顧客ニーズに応えられるようにショップを充実させ、他社には無いサービスや情報発信などで差別化していけば、成功しやすいでしょう。
今回紹介した開設の流れや注意点を確認して、オリジナルの釣具のネットショップを開設しましょう。
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