
「カラーミーショップ大賞2025」受賞傾向&今日からできるショップ改善のヒントを大公開!
こんにちは、よむよむカラーミー編集部です。
カラーミーショップを利用する50,000店舗の中から優れたECサイトを表彰するコンテスト「カラーミーショップ大賞」。10回目となる2025年度は、全28ショップが各賞を受賞しました。
本記事では、2025年度の受賞傾向とともに、次回の受賞を目指すショップオーナーさまが今日からでも実践できる改善のヒントをまとめてご紹介します。

受賞を目指している方だけでなく、ECサイトの改善ポイントを探している方は必読の内容です!
目次
カラーミーショップ大賞とは?
ECサイト構築サービス「カラーミーショップ」が主催する、ECサイトのコンテストです。
全国50,000店舗の中から最も優れたショップを表彰。日頃の運営努力と成長を、ショップの顧客・オーナーさま同士で分かち合えるイベントとなっており、2014年の初開催から数えて10回目を迎えました。
本記事では、コンテストで高く評価された歴代受賞ショップを具体例としながら、ECサイト運営で押さえておくべきポイントを詳しく解説します。
1. 「見つけてもらうための工夫」は今や当たり前の施策
検索エンジンでもSNSでも、まずは「知られなければ売れない」。これは多くの歴代受賞ショップが意識しているポイントです。特に下記のような施策は、もはや特別なものではなくなりつつあります。
- ・WordPressを利用したコンテンツマーケティング
- ・レビュー投稿で顧客の安心感を可視化
- ・越境ECアプリを利用した海外販路の拡大
- ・Instagram、TikTok、YouTubeなど動画SNSの活用
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、2025年度大賞の KEY MEMORY Online Shop (神奈川県) や 2023年度大賞の かわしま屋 (東京都) をはじめ、多くの受賞ショップが実践している集客施策です。

KEY MEMORY Online Shop の公式ブログ
とはいえ、「よく聞く言葉だけど、具体的に何をすればいい?」という方も多いはず。
ここでのコンテンツマーケティングとは、「自社商品を今すぐ買ってもらうための記事」ではなく、「いずれ買いたくなるような接点を作るための記事」とイメージするとよいでしょう。
顧客と接点を作るための記事例
- ・「初心者向け!革財布のお手入れ方法」
- ・「お祝いごとのマナーと、おすすめのギフト例」
- ・「花が長持ちする飾り方と、季節ごとの選び方」
上の例のような記事は、読み手に信頼感や専門性を感じてもらいやすく、検索上位を狙うことでショップへの流入が狙えます。さらに、記事の中で自社商品を自然に紹介すれば、「ここで買えばいいんだ」と購入ハードルが下がることも。
大切なのは、文章のうまさやデザインよりも「テーマ選び」です。下記の3点をヒントにしてみると、はじめの一歩が見えてくるかもしれません。
- ・よくあるお問い合わせへの回答を記事化
- ・実店舗のお客さまが迷いがちな選び方・使い方のナビゲーション
- ・自分たちの商品やサービスの“裏側”を紹介(作り方、こだわり、開発秘話など)

かわしま屋の読み物ページ「Food for Well-being」
動画SNSを活用したマーケティング
今回の受賞ショップで特に存在感を放っていたのが、TikTokやInstagramライブ、YouTubeといった「動画SNS」を通じてファンを生み出しているショップです。
中でも今回は、SNS総フォロワー数100万人超のフラワースタンド・MORIYA (大阪府) が審査員の注目を集めました。
大きな花束を束ねるというシンプルな動画ながら、「毎日見ちゃう」「プロの所作が気持ちいい」と好評で、商品のみならず“仕事そのもの”への興味がファンを集める人気コンテンツとなっています。
@moriyahana Pink gradient hazel bouquet to propose💐 #bouquet #florist #gypsophila #propose #moriyaの店長 #花束 #花屋さん #かすみ草 #プロポーズ ♬ Perfect – Ed Sheeran
検索でショップにたどり着かなかった人も、動画のおすすめ表示でたまたま接点が生まれ、そこから「どんなお店?」「この人からなら買いたいかも」と思ってもらえる可能性が広がります。顔や声、手の動きなどを通じて人となりが伝わり、ショップへの信頼感や親しみが生まれやすいのも動画SNSならではの特色です。
どんな投稿をすればいいの?
業務を毎日繰り返していると、どうしても「ウチには映えるネタがない」と思い込んでしまいがちですが、あなたが普段やっていることそのものが十分動画のネタになるかもしれません。
- ・自社商品を使ったコーディネート
- ・商品の使い方や比較
- ・作業風景(商品ができるまで、梱包やラッピング、発送の様子など)
- ・店主のひとこと日記
- ・仕入れ先、工場訪問のVlog など
ひたすら商品をゴリ押しするよりも、作っている人や作業風景が見える動画のほうが親近感を持たれやすい傾向があります。まずはスマホ一つで気軽に始めてみてはいかがでしょうか。
2. 「買う前に知りたい情報」がすぐ見つかる設計
商品の色味・サイズだけでなく素材や透け感、ギフト対応や名入れの可否、熨斗・ラッピングのパターン…… 多くの顧客が「買う前に」知っておきたい情報が、ページの奥深くに隠れてはいませんか?
受賞ショップの多くは、「ここを見ればすべてがわかる」という導線設計に力を入れています。
特にアパレル商材、ギフト需要の高い商材では、写真でイメージを掴めることがショップへの信頼に直結する傾向があります。知りたい情報がすぐに見つかる、きちんと伝わる状態にしておくことが、結果としてコンバージョン率アップにつながるのです。
顧客が「買う前に」知りたい情報とは
購入前によくある迷いポイントとして、以下のようなものが挙げられます。
- ・サイズ感(着用写真、比較画像、細かな寸法)
- ・素材、色味(色名だけでは伝わらない手触りや透け感などのポイント)
- ・ギフト対応(ラッピングの様式、熨斗の種類、名入れの可否)
- ・配送、納期(いま注文したらいつ届くか、お急ぎ対応の可否、ポスト投函or宅配)
ですが、すべての顧客がこういった情報を自分で見つけ出せるわけではありません。
購入前の不安を先回りして拾い上げるためには、見出しやバナーなどで「はじめての方へ」や「よくある質問」「ギフトラッピング」などの説明が自然と目に入るような導線設計を実践する必要があるのです。
もちろん、ショップ側から発信する情報だけでなく、レビュー機能を利用して集めた購入者視点でのクチコミも、新規購入の大きな後押しとなります。

KEY MEMORY Online Shop のとあるクチコミ。
アプリ「U-KOMI」を活用し、レビュー機能を自社に合わせてカスタムしている
本当に知りたいのは「ギフト対応の有無」ではない
顧客はギフト対応の有無というより、どんなラッピングで届くのかを気にしています。そのため、単に「ギフトラッピング承ります」と一言記載するだけでは顧客の不安は拭えません。ラッピングの具体例として写真を盛り込むなどの工夫こそが安心感につながります。
実際の例として、ギフト賞を受賞した 家具と服と暮らしの店 cocochi (静岡県) では、ラッピングに関する詳細な説明ページを設けており、写真を多用したわかりやすい内容となっています。

家具と服と暮らしの店 cocochi 「贈りものについて」
購入前に気になることがあっても、ページに書いてなければ、顧客は「お問い合わせ」ではなく「離脱」を選んでしまいます。この機会損失は非常に大きく、しかもショップオーナーさま側で気付きにくいのが厄介です。
顧客の不安や疑問に一つひとつ寄り添い、解決するつもりで導線設計を意識していくことが、ショップへの信頼度を一気に高めるコツと言えるでしょう。
3. 「買って終わり」にしないためのオプションサービス
消費者の意識が「サステナブル」や「愛着」へとシフトする中、長く楽しんで使ってもらう前提の修理・パーツ販売などの細やかなサービスに審査員の注目が集まりました。
壊れても修理して使い続けられるサービス設計
たとえば、キッチン用品などを多く展開する 家事問屋 (新潟県) では、スパチュラのシリコン部分など、長年使い続ける中で自然と傷んでしまうパーツを交換用として個別販売しています。
金属製の持ち手部分はそのままに、消耗してしまった部分だけを交換してまた長く使える、そんなアフターフォローの場としてもECサイトを有効に活用している好例です。

家事問屋のシリコンスパチュラ
伊賀焼の土鍋や食器を製造・販売する 伊賀焼窯元 長谷園 (三重県) でもパーツ販売に対応しています。万が一割れたり欠けたりしてしまっても、末永く土鍋を愛用できるような工夫が詰まっています。
困ったときに戻ってこられる場所を用意する
SAIFUKU (新潟県) では、自社ブランドのニット製品に対し、可能な限りのアフターケアを提供。ひっかけによるひきつれや虫食い穴など、「もう捨てるしかないかも」といったトラブルに際しても、「買ったお店に相談すればなんとかなるかも?」と頼れる存在になっています。
また、ふくべ鍛冶 (石川県) は、自社・他社製を問わず全国から包丁の研ぎ直しを受け付ける宅配サービスを展開しています。新品を販売するだけでなく、「生活の道具を守り続ける」という独自の価値観を持ち味として着実にファンの輪を広げている点に注目です。

ふくべ鍛冶の包丁研ぎサービス「ポチスパ」
4. 「誰が売っているか」に興味・共感が集まる時代
歴代受賞ショップの多くに共通している傾向として、“誰がこの商品を届けているのか”が、きちんと伝わる設計になっていることが挙げられます。
商材の魅力やサイトデザインの美しさにこだわるのはもちろんのこと、「この人たちがやっているから買いたい」「このブランドの考え方に共感したから選んだ」といったように、売り手・背景への共鳴が購入を後押しするのです。
意外と見落とされがち?「aboutページ」は最強の接客スペース
ショップのストーリーを伝え、顧客に安心感をもたらす場として重要なのにもかかわらず、運営者目線では軽視されがちなのが「aboutページ」です。
受賞ショップの多くは、以下のようなポイントを押さえながらaboutページを作成し、トップページのファーストビュー(ショップを訪れた際、スクロールせずに最初に目にする部分)やメニュー上部などにリンクを設置し、初来訪の顧客にも安心感を与えています。

SAVON de SIESTA (北海道) のトップページ。
最も目立つエリアにAboutページへのリンクを設置している
aboutページに盛り込むべき要素
- ・代表者やスタッフの顔、実店舗の風景
- ・なぜこの商品を扱っているのかを明記(創業ストーリー、商品との出会い)
- ・ECサイトとは別にある会社サイト、ブランドサイトとも連携
- ・会社サイト、ECサイト、公式SNSをすべて相互にリンクさせる
単なる「会社概要」や「特定商取引法に基づく表記」のようなものではなく、このショップはどんなコンセプトで運営されているのか?を把握できる場を作ることが大切です。

セレクトショップLisa (奈良県) のトップページ。
店主自ら顔を出し、ショップのコンセプトを丁寧に発信している好例

UZUiRO (愛知県) のaboutページは内容の充実性が随一
コンテンツやSNSと地続きの世界観をつくる
もちろん、aboutページだけがしっかりしていればOKではありません。ブログやSNS、動画コンテンツなどの発信内容とリンクさせることも意識しましょう。
商品詳細ページに書ききれない背景をブログや動画で伝えたり、TikTokやYouTubeで発信した制作風景や作り手の情報をaboutページで詳しく説明したりと、情報発信の流れに一貫性をもたせることで、共感が深まり、安心して購入に至るという好循環を生み出します。
まとめ
カラーミーショップ大賞で審査されるのは、売上や運営年数だけではありません。デザインやPR戦略、成長率、一般投票数など複合的な観点から、総合的に優れたショップを選出しています。
そんな中、多くの受賞ショップに共通していたのは、「顧客との関係性の築き方」を一つひとつ丁寧に考え、行動に落とし込んでいる点でした。
- ・コンテンツマーケティングで、初めての来訪者から信頼されるための入口を作る
- ・動画SNSを通じて、特別な演出ではなく日常の仕事や手の動きから共感を生み出す
- ・売って終わりにはせず、長く付き合える設計でモノと人との関係をつなぐ
- ・「誰が売っているか」がわかるストーリーと導線で、人として応援される存在になる
そして忘れてはならないのが、それらの施策すべてをバラバラに行わないことです。
会社サイト、ブログ、読み物ページ、SNS、商品ページ、そしてaboutページ。どこからどのように来訪した顧客に対しても、ブレずにショップの空気感を届けられるよう、デザインやリンクで世界観をつないでおくことが信頼感の基盤となります。
ショップの成長は、大規模な広告戦略や突飛なアイデアではなく、一見ありふれたようにも感じられる誠実な工夫の積み重ねの先にあることがわかる受賞傾向でした。
次回の授賞式で名前を呼ばれるのは、あなたのショップかもしれません。
ぜひ、今日からできることを見つけてみてくださいね!

カラーミーショップ大賞2025の特設サイトでは、各賞の受賞結果を確認できます。気になるショップの優れたポイントをさらに詳しく分析してみるのもおすすめです!