ECサイトの売上を上げるために、クーポン施策は有効です。
この記事では、ECサイトにおけるクーポンの基本的な知識や目的、実際の発行手順、効果をアップさせるポイントまで詳しく解説します。
クーポンを発行すると買い物をしてくれる人が増えそうだけど、種類もたくさんあるからどう配ればいいかわからないな。
ツクル君!まずはクーポンは何のために配られているのかなど、基本を押さえましょうね。
目次
ECサイトのクーポンとは何?
ECサイトのクーポンとは、ネットショップで商品やサービスを購入する際に利用できる割引券や商品券のことです。
「お誕生日月に使える10%オフクーポン」「次回のお買い物で使える500円オフクーポン」などのクーポンを、受け取ったことがある人も多いでしょう。
よく行われるECマーケティング施策の1つで、顧客の購買意欲を高め、売上アップにつながる効果的な手段として利用されています。
ポイント制度との違い
ECサイトのマーケティング施策としては、ポイント制度もあります。
似たような2つの施策ですが、実は以下のような違いがあります。
- 【ポイント】
- 目的:顧客の囲い込み(継続購入)
- 還元方法:購入金額に応じたポイントの付与
- 有効期限:1年など長期間
- 【クーポン】
- 目的:新規顧客の獲得、売上アップ、リピート促進
- 還元方法:主に商品の割引
- 有効期限:数日や数週間など短期間
ポイント制度は基本的に既存顧客に対して、自社で継続的に買い物を行ってもらうことを目的としています。そのためポイントの有効期限も長いです。
一方クーポン施策は、リピーター対策にもなりますが、初回購入のハードルを下げることによる新規顧客獲得や、購入者を増やすことで売上をアップさせるために行われることが多いでしょう。
クーポン施策の目的は、この後でさらに詳しく紹介します。
ECサイトのクーポンの種類
ECサイトで発行されるクーポンには、さまざまな種類があります。以下は、主なクーポンの種類です。
- ・割引クーポン
- ・新規顧客用クーポン
- ・誕生日クーポン
- ・送料無料クーポン
- ・お試しクーポン
お試しクーポンとは、サンプル品を無料で試せたり、初回のみ商品の価格が割引になったりするなど、商品の購入ハードルを下げるためのクーポンです。
これらのクーポンを効果的に活用することで、顧客の購買意欲を高め、売上アップが期待できるでしょう。
ECサイトでクーポンを配布する意味・メリット
先ほど簡単には説明しましたが、あらためてクーポンを発行するのはどのような目的のためか、ショップにとってどんなメリットがあるのかをご紹介します。
新規顧客の獲得
クーポンを発行することで顧客が初めてそのECサイトで購入するハードルが下がるため、新規顧客の獲得に効果的です。
「初回購入限定の割引クーポンを使って、お得にお買い物ができる」とアピールすることで、新規顧客獲得につなげることができます。
クーポンで顧客を惹きつけ、その後もそのECサイトを好きになってもらえるように工夫することが大切です。
リピーター対策
一度商品を購入してくれた顧客をリピーターにすることは新規顧客の獲得よりも低コストなため、ECサイトの安定的な売上を維持するためには重要です。
クーポンはリピーター対策としても有効な手段で、例えば商品購入後に「次回購入時に使えるクーポン」を付与すれば、顧客に再来店を促す効果があるでしょう。
また、顧客の誕生日月に合わせて割引クーポンをプレゼントすることもリピーター対策になります。
リピーター対策やリピート率について詳しくは「リピート率とは?」の記事で詳しく紹介しています。
カゴ落ち防止
商品をカートに入れたにも関わらず購入に至らないことをカゴ落ちといいますが、ECサイト運営においては大きな課題です。
カゴ落ちの原因はさまざまで、商品価格や送料が思ったよりも高かったなど、購入直前で迷いが生じるケースが多く見られます。
そこで有効なのがクーポンの活用です。
クーポンを発行し、顧客にお得感を与えることで購入を後押しできるでしょう。
カゴ落ちについて詳しくは「カゴ落ちとは?」の記事を参考にしてください。
購入率の向上
ECサイトの閲覧中に購入を迷っている顧客を後押しする目的で、クーポンを発行することも多いです。
例えば、期間限定クーポンや数量限定クーポンを発行して緊急性を演出すれば、ユーザーは「今買わなければ損をするかもしれない」という心理が働き、購入に踏み切る可能性が高いでしょう。
このように、クーポンはユーザーの購買意欲を高め、ECサイトのCVR向上に貢献するツールといえるでしょう。
在庫処分
流行や季節の移り変わりにより、どうしても売れ残ってしまう商品が出てきてしまいます。
賞味期限が近かったり、型落ちしていたりする商品を売り切りたい場合も、クーポンを発行することは有効です。
在庫処分を目的としたクーポンを発行する際は、割引率や特典内容を魅力的に設定することがポイントです。
顧客は在庫処分品に対して「品質に問題があるのではないか」とネガティブなイメージを抱きがちであるため、思い切った値引きをするなど、顧客がお得に感じるよう工夫をしましょう。
ECサイトのクーポンを発行する方法
ECサイトのクーポンは、どのように発行すればいいのか主な方法を3つご紹介します。
ECサイト構築サービスの機能を使う
1つ目は、ASPやSaaSといったECサイトを構築できるサービスに備わっているクーポン発行機能を使う方法です。
カラーミーショップではフリープランを含む全てのプランで、クーポン発行機能が無料で利用できます。
ただし、サービスによってはクーポンの発行機能が有料の場合もあるので、ECサイトを制作する際は事前に確認しましょう。
LINEなどのSNSを使う
LINEやFacebookといったSNSにもクーポン発行機能があります。
LINEの場合、ショップの公式アカウントがあれば、友だちになってくれている顧客にクーポンの配布が可能です。
また、まだ友だちではないユーザーへ紹介し、紹介した友だちもクーポンがもらえる「友だち紹介クーポン」もあります。
Facebookでもビジネス設定のアカウントで、クーポンを作成することができます。
自社ページで発行・管理できます。
クーポンを保存したユーザーには有効期限前にお知らせが自動で届くなど、クーポン利用を促す機能もあります。
クーポン作成ツール(アプリ)を使う
ECサイトの構築サービスやショップの公式SNSアカウントが無くても、クーポンを発行できる外部サービスを使ってクーポンを発行することが可能です。
クーポン作成ツールは、Web上で利用できるものやスマートフォンアプリ経由でクーポンを利用できるもの、ポイント制度と一体型になったもの、無料・有料など、さまざまあります。
クーポン作成ツールによって機能や料金プランは異なるため、自社のECサイトに合ったツールを選ぶようにしましょう。
ECサイトクーポンの発行手順
クーポン施策をこれからやってみたいという方に向け、大まかなクーポン発行手順をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
1.クーポンを配る目的を決める
ECサイトでクーポンを発行する際には、まず「何のためにクーポンを発行するのか?」という目的を明確にしましょう。
ただ何となくクーポンを発行しても、思うように効果が得られないばかりか、場合によってはブランドイメージを損なってしまう可能性もあります。
また、目的がはっきりしていないと、どのような効果が得られたのかの効果測定もできません。
先ほどご紹介したようにクーポンには「新規顧客獲得」「リピーター対策」「購入率アップ」「在庫処分」などさまざまな目的があります。
ECサイトの課題に沿って、クーポンの発行目的も決めましょう。
2.割引率などクーポンの内容設定
クーポンを発行する目的が決まったら、目的に沿ってクーポンの内容を決めます。
例えば、新規顧客獲得には「初回購入で使える●円割引クーポン」、リピーター促進なら、一定期間内に再度購入すると割引になる「リピート割引クーポン」、カゴ落ち防止ならカートに入れた商品に適用できるクーポンを発行するといった形です。
ただし割引や値引きをする場合、割引率の高いクーポンは魅力的ですが、利益を圧迫する可能性があります。
反対に、割引率が低すぎるクーポンは顧客への訴求力が低く、効果が期待できない可能性があります。そのため、顧客獲得と利益確保のバランスを考慮した割引率を設定することが重要です。
3.使用時のルールを定める
クーポンを配布する際には、事前に使用に関するルールを必ず定めておきます。
ルールがないと、顧客とのトラブルにつながったり、想定外の利用のされ方をしてしまい、利益が全く出なくなってしまったりする可能性があります。
例えば、以下のような項目を検討しましょう。
- ・利用回数
- ・有効期間
- ・他の割引との併用の可否
- ・対象となる顧客の条件
- ・利用可能金額 など
上記はあくまでも一例です。
これらの項目を組み合わせたり、独自のルールを設けたりすることで、クーポンの効果を最大限に引き出すことができます。
また、クーポンの内容をきちんと把握できるように、顧客がクーポンを入手する際に確認できる場所にわかりやすく記載することも大切です。
4.クーポンコードを発行する
クーポンコードを発行する際は、顧客にわかりやすいコードにすることがポイントです。
例えば、夏のセールであれば「SUMMER_SALE」のように、クーポンコードを見ただけで割引内容がわかるようにしたり、さらに有効期限などを明確にするために「SUMMER_SALE_0831」と数字を付けたりするのもおすすめです。
長すぎる、複雑すぎるクーポンコードは、顧客が入力する際に間違えてしまう可能性があります。
できる限り短く、シンプルな文字列にしましょう。
可能であれば、クーポンコードをコピーするボタンをすぐそばに設置しておくと、顧客は利用しやすいでしょう。
ECサイトのクーポンの効果をアップさせるポイント
ECサイトのクーポンを配る際は、タイミングと配布方法によっても効果が変わってきます。
それぞれのポイントをご紹介します。
クーポンを配るタイミング
お得に利用できるクーポンは、例えば以下のようなタイミングで配布することで、顧客の購買意欲を高める効果が期待できるでしょう。
- ・初回来店時
- ・カート放棄時
- ・長期休暇前
- ・季節ごとのイベント前
- ・セール期間中
ECサイトに初めて訪れたユーザーや、カートに商品を入れたままカゴ落ちしそうな顧客に対してクーポンを表示することで購入意欲を刺激し、購入につなげられるでしょう。
また、ゴールデンウィークや年末年始など長期休暇前は旅行やレジャー、帰省などによる消費活動が活発になるタイミングのため、クーポンを提示することで購入を後押しします。
同様の理由で、バレンタインデーやクリスマスなど季節のイベント前にクーポンを配布することで自社での購入を促せます。
セール期間中のクーポンは更なるお得感を演出できるので、購買意欲を高めるだけでなく、まとめ買いクーポンなどを配布することで、顧客単価のアップも狙えるでしょう。
クーポンの配布方法
クーポン施策の目的やターゲットによって、適切な配布方法も異なります。
効果を上げるためには、クーポンによって配布方法も変えましょう。
例えば新規顧客には、ECサイトへ訪れた際にサイト上でバナー広告やポップアップ表示でクーポンを配布する方法が効果的です。
訪問者にクーポン情報をわかりやすく伝えることでクーポンに気づいてもらえるので、サイトへの誘導を促進できます。
新規顧客に対しては、SNSでのクーポン配布も効果的です。
拡散性が高いため、フォロワーによるシェアを通じてクーポン情報が拡散され、新規顧客獲得やキャンペーンの認知度向上につながるでしょう。
一方、既存顧客に対しては、メールマガジンを使ったクーポン配布が有効です。
メルマガを使えば過去の購入履歴などに基づいたセグメント配信が行えるので、顧客1人ひとりのニーズに合ったクーポンを配信でき、より効果的にリピート購入を促せます。
このように、クーポンの配布方法は、目的やターゲットに合わせて適切なものを選ぶことが重要です。
ECサイトのクーポン施策を行う際の注意点
ECサイト運営において、クーポンは顧客獲得や売上向上に役立つ有効な手段です。
ですが使い方を誤ると、ブランドイメージの低下を招いたり利益につながらなかったりすることもあります。
ここでは、ECサイトでクーポン施策を行う際の注意点を3つ解説します。
クーポンを配りすぎない
ECサイトのクーポンは、顧客獲得や売上向上に効果的な施策ですが、発行しすぎると顧客はクーポンありきで購入するようになり、本来の価格で購入してもらえなくなる可能性があります。
また、頻繁なクーポン発行は安売りブランドというイメージを定着させ、ブランド価値が下がってしまうかもしれません。
クーポン発行は、あくまで顧客に購買を促すための施策であることを意識し、配り過ぎに注意して、戦略的に実施することがポイントです。
毎回同じ内容にしない
毎回内容を変えずにクーポンを配ってしまうと、顧客は同じようなクーポンに飽きてしまい、特別感やお得感が薄れてしまいます。
顧客の関心を維持し続けるには、クーポンの内容に変化を加え、新鮮味を出すことが大切です。
例えば割引率を変える、割引対象商品を変える、クーポン利用条件を変える、プレゼントキャンペーンと組み合わせるなどの方法があります。
このようにクーポンにバリエーションを持たせることで、顧客の購買意欲を高めるだけでなく、ECサイトに訪れる楽しみを与えることもできるでしょう。
必ず効果測定を行う
ECサイトでクーポン施策を実施した後は、必ず効果測定を行いましょう。
効果測定を行わないと、どのような効果があったのかが把握できません。
クーポン施策の効果を測るには、クーポン利用による売上だけでなく、以下のような指標も見ましょう。
- ・クーポン利用率
- ・クーポンの獲得経路
- ・新規顧客獲得数
- ・既存顧客のリピート率
- ・顧客単価の変化 など
これらの指標を分析することで効果のあった施策と効果の薄かった施策を把握し、次回以降どのようなクーポンにするかを考える際のデータとして活かすことができます。
まとめ
ECサイトのクーポンは新規顧客獲得やリピーター対策、カゴ落ち防止などに効果があります。
そしてクーポンを発行する際は、目的やターゲットを定め、最適なタイミングや配布方法を選択することでより効果がアップするでしょう。
ただしクーポンを発行しすぎたり、毎回同じクーポンを発行してしまったりすると、顧客のブランドイメージ低下や利益減少につながる可能性もあるので、注意が必要です。
また、クーポンを発行した後は必ず効果測定を行い、次回のクーポン施策に生かしましょう。
▼こちらの記事も読まれています▼