年末商戦とは、1年で最も売上が期待できる商戦期のこと。
クリスマスや年末年始の贈り物需要、おせち料理や福袋の購入需要など、さまざまな需要が重なり、ECサイトにとっても大きなチャンスとなります。
この記事では、2024年の年末商戦を成功させるための準備、施策、そして分析・改善について詳しく解説していきます。
年末商戦っていつから準備するの?やっぱり年末になったら?
年末からでは遅いです!実は年末商戦は事前にきちんと準備をしておく必要があるんですよツクルくん!
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目次
年末商戦とは?時期はいつからいつまで?
年末商戦とは、クリスマスやお正月など、1年のうちで最も購買意欲が高まる時期です。
この時期に合わせたさまざまな販売戦略を実施することで、ECサイト事業者は年間の売上を大きく伸ばせる可能性があります。
年末商戦の時期は明確な開始・終了日は定まっていませんが、近年では11月後半から12月末までといわれています。
これは、11月後半に世界的なセールイベントである「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」が開催され、その後もクリスマス、お歳暮、年末年始の準備などのイベントが続くためです。
この時期は、クリスマスやお歳暮、お正月準備の需要が高まり、12月のボーナスも合わせて消費者はプレゼントや自分へのご褒美のために、いつもより高額な商品を購入する傾向があります。
特にECサイトでは、実店舗よりも早く年末商戦に向けた準備が始まります。
ギフト需要の高まりや年末年始の休業を考慮すると、11月前半にはすでに年末商戦モードに突入しているといえるでしょう。
2024年の年末商戦はいつからいつまで?具体的な年末商戦イベントも紹介
年末商戦は11月後半から12月末までを指すと上述しましたが、2024年の場合は具体的にいつごろを指すのでしょうか。
下記に、2024年の年末商戦の時期に関連するイベントをまとめました。
イベント名 | 時期 |
ブラックフライデー | 11月の第4金曜日ごろ |
冬のボーナス | 12月上旬 |
クリスマスイブ | 12月24日(火) |
クリスマス | 12月25日(水) |
大晦日 | 12月31日(火) |
ECサイトにおける年末商戦の重要性
ECサイトにとって、年末商戦は1年の売上を大きく左右する重要な期間。
この時期は消費者全体の購買意欲が大きく高まり、ECサイトへのアクセス集中や売上の増加が見込めます。
ECサイトにおける年末商戦の重要性が高まっている要因としては、主に以下の2つが挙げられます。
- ・日本のEC市場の拡大とEC化率の上昇
- ・個人のスマートフォン所有率とインターネット利用率の上昇
下記は経済産業省の市場調査報告書で発表された、日本国内のBtoC ECの市場規模の推移です。
2013年には11兆1,660億円だったものが、2022年には22兆7,449億円と、ここ10年で2倍以上拡大していることがわかります。
また、EC化率に関しても、過去15年の間にじわじわと伸びてきてはいましたが、特に新型コロナウイルスによる影響が大きかった2020年度は前年度よりも一気にEC化が進み、直近の2022年度はBtoC ECにおけるEC化率が10%に迫るほどになってきています。
EC化率が伸びている理由の1つに、スマートフォンの保有率が増加し、スマホ経由で利用する人が増えたことが挙げられます。
総務省の「令和5年 通信利用動向調査」によると、スマートフォンの保有割合は年々増加しており、令和5年の時点でも世帯で9割を超え、個人でも各年代の8割近くの人がスマートフォンを持っているとされています。
また、個人のインターネット利用状況に関してもインターネット利用者の割合は、13~69歳の各年齢別にみても9割を超えており、年々増加傾向にあります。
そのような背景を踏まえ、年末商戦におけるECサイトの重要性はますます高まっているといえるでしょう。
年末商戦にむけてECサイトはいつから準備すべき?
年末商戦で成功を収めるためには、事前の準備が欠かせません。準備を始めるべき時期は、遅くとも年末商戦の2~3ヵ月前、つまり9月・10月頃からが理想です。
この時期から準備を始めれば、在庫切れのリスクを減らし、顧客の需要を満たす体制を整えることができるでしょう。
以下の表を参考にしながら、必要な準備を逆算してスケジュールを立ててみてください。
準備項目 | 内容 | 時期の目安 |
販促スケジュールの作成 | 年末商戦で実施するキャンペーン内容、ターゲット、目標KPI、スケジュールなどを具体的に計画していく。 | 9月上旬 |
仕入れ管理の見直し | 過去の売上データを分析、年末商戦に見込まれる販売量を予測し必要な商品の在庫を確保する。必要に応じて追加発注や仕入れ先の調整も行う。 | 9月中旬 |
ECサイトの準備 | アクセス増加や受注増に対応できるよう、サーバー増強、決済システムの見直し、商品ページの改善などを行う。 | 10月上旬 |
配送の準備 | 物流システムの見直しや配送キャパシティの確認、梱包資材の準備、配送ルートの最適化などを行い、配送トラブルなどに備える。 | 10月中旬 |
カスタマーサポート体制の見直し・強化 | 顧客からの問い合わせが増加することを想定した体制を構築。また、FAQページの充実、問い合わせ対応マニュアルの作成なども行う。 | 11月上旬 |
年末商戦を失敗しないために準備すること
ここからは年末商戦に向けてECサイトで準備していくことをさらに深く掘り下げて解説していきます。
商品在庫の確保やプッシュ商品の選定
年末商戦の時期に売上が増加が見込める商品をあらかじめ予測し、十分な在庫を確保しておくことは非常に重要です。
在庫不足は機会損失だけでなく、顧客満足度の低下にもつながるため、在庫管理には特に注意を払いましょう。
具体的には以下の点を意識して商品在庫の確保を行いましょう。
項目 | 内容 |
過去の販売データの分析 | 過去の年末商戦における販売データを分析し、プッシュする売れ筋商品の選定や在庫切れを起こしやすい商品の傾向を把握する。 |
トレンド商品のリサーチ | 最新のトレンドや市場動向をリサーチし、年末商戦で人気が出そうな商品を予測する。 |
余裕を持った在庫量の確保 | 需要予測に基づいて在庫量を決定するが、予期せぬ需要増にも対応できるよう、ある程度の余裕を持つことも検討する。 |
在庫状況の可視化 | 在庫管理システムなどを活用し、リアルタイムで在庫状況を把握できるようにしておく。在庫状況を可視化することで、適切なタイミングで商品を補充したり、販売計画の調整などをできるようにする。 |
これらのポイントを踏まえ、適切な在庫管理を行うことで、機会損失を最小限に抑え、顧客満足度を高めることが可能になります。
アクセス増加に耐えられるサーバー体制の確認
年末商戦の時期は、普段よりも多くの顧客がECサイトにアクセスすることが予想されます
そのため、ECサイトには安定したサーバー環境が不可欠です。
アクセスが集中してサイトがダウンしてしまうと、機会損失だけでなく、ECサイトの信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
ECサイトが安定して稼働するためには、アクセス数やデータ量に応じたサーバー容量を確保しておくことが重要です。
サーバー増強の方法はさまざまですが、代表的なものとして下記が挙げられます。
- ・スケールアップ:現在のサーバーの性能を向上させる方法。CPUやメモリなどを増設することで対応します
- ・スケールアウト:複数のサーバーで処理を分散させる方法。サーバー台数を増やすことで対応します
- ・クラウドサービスの利用:クラウドサービスを利用することで、必要な時に必要なだけサーバー資源を増減できます
どの方法が適切かは、ECサイトの規模や予算、アクセス状況によって異なります。
専門知識を持った担当者に相談しながら、最適な方法を検討しましょう。
問い合わせ対応に備えたカスタマーサポート体制の構築
年末年始は注文数が大幅に増加するため、顧客からの問い合わせも増えることが予想されます。
そのため、迅速かつ丁寧な顧客対応を行う体制を整えておくことが重要です。
具体的には、以下のような対応を検討しましょう。
対応例 | 内容 |
問い合わせ対応窓口の複数化 | 電話、メール、チャットなど、複数の問い合わせ窓口を設けることで、顧客の利便性を向上させる。 |
よくある質問ページの充実化 | よくある質問をまとめたページを作成しておくことで、顧客自身で問題を解決できる機会を増やす。 |
カスタマーサポート担当者の人員強化 | 問い合わせ増加に対応するため、一時的にカスタマーサポート担当者を増員することも検討する。 |
決済方法の充実化
年末商戦期は、多くの顧客がECサイトに殺到するため、スムーズな購入体験を提供することが重要になります。
顧客満足度向上と購入率向上のためにも、顧客のニーズに合わせた幅広い決済方法に対応していきましょう。
- ・クレジットカード決済
- ・コンビニ決済
- ・キャリア決済
- ・後払い決済
- ・銀行振込
- ・ID決済
- ・代金引換
どの決済方法をいれればいいのか迷われる方は、最も利用されている決済方法から優先的にいれていきましょう。
参考までに、こちらは総務省の「令和5年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」に基づき、15歳以上の人がインターネットで商品を購入する時の決済手段の上位をグラフ化したものです。
一番多かったのがクレジットカード決済で、76.7%でした。次いでID決済が38.5%、コンビニ決済が34.7%と続きます。
令和4年の同調査ではID決済は3位でしたが、令和5年の調査では2位に上がっています。年々オンライン決済の利用率が高まってきていることがわかります。ID決済の人気は、下記のカラーミーショップの調査でもわかっています。
カラーミーショップでよく使われる人気の決済方法
ネットショップ構築サービスのカラーミーショップでも独自に決済方法についてアンケートをとり、公開しています。
2020年の「カラーミーショップのデータで読み解く、日本のネットショップの最新動向」の調査によると、人気の決済方法の1位は48.6%でクレジットカード決済、2位は20.0%で銀行決済、3位は15.4%で代引きでした。2020年の時点でID決済も4位となっています。
ECサイトのUI・UX改善
年末商戦期間中は、多くのユーザーがECサイトにアクセスします。そこで重要になるのが、ユーザーが快適に買い物できるサイト環境です。
年末商戦では、普段ECサイトを利用しないユーザーもサイトを訪れる可能性があります。
そのため、商品をスムーズに見つけられるよう、検索機能を使いやすく改善する必要があります。
具体的なサイトのUI・UX改善項目に関しては下記を参考にしてみてください。
改善項目 | 内容 |
表示速度の改善 | 画像の圧縮やサーバーの増強などを行い、サイトの表示速度を改善する。 |
スマートフォンへの最適化 | ECサイトがスマートフォンの画面サイズに合わせたデザイン・レイアウトになっているか確認し、小さな画面でも見やすく快適に操作できるようにする。 |
商品検索機能の改善 | サジェスト機能の実装や絞り込み検索など、ユーザーが求める商品をスムーズに見つけられるように検索機能を改善する。 |
商品ページの見やすさ | 商品画像を大きく表示したり、商品説明をわかりやすく整理することで、ユーザーが商品情報を理解しやすくする。 |
カートのわかりやすさや購入のしやすさ | 購入ボタンがきちんと押しやすく視認性があるか、また購入ボタンの近くに決済方法などを表示させたり、注文する際のフォームも簡単にするなど購入しやすくする。 |
お問い合わせのしやすさ | 問い合わせフォームを設置したり、チャットボットを導入するなど、ユーザーが気軽に問い合わせできる環境を整える。 |
サイトデザインの一貫性 | フォントや色使い、レイアウトなどを統一することで、ECサイト全体に統一感を出し、ユーザーが迷わずに操作できるようにする。 |
サイトのセキュリティ対策も万全か確認
年末商戦はアクセス集中や売上増加に伴い、ECサイトを狙ったサイバー攻撃のリスクも高まります。
セキュリティ対策が万全でない場合、顧客情報の流出やサイトの改ざんなど、企業にとって大きな損失につながる可能性があります。
年末商戦期に安心してECサイト運営を行うためにも、事前に以下の項目を確認し、ECサイトのセキュリティ対策が万全か改めて確認しましょう。
確認する項目 | 内容 |
セキュリティソフトの導入状況 | 社内のパソコンが最新の状態にアップデートされているか、必要な機能が備わっているかを確認する。 |
ソフトウェアの脆弱性 | 使用しているソフトウェア(OS、CMS、プラグインなど)に、公表されている脆弱性がないかを確認し、最新バージョンへのアップデートやセキュリティパッチの適用を行う。 |
パスワード管理 | 推測されやすいパスワードの使用を避け、複雑なパスワードを設定する。また、管理画面など重要な箇所では、二段階認証を導入し、セキュリティレベルを高める。 |
SSL/TLSの導入状況 | ECサイトのURLが「https」で始まり、鍵マークが表示されていることを確認する。個人情報やクレジットカード情報など、重要な情報を送信する際は、暗号化通信であるSSL/TLSを導入する。 |
セキュリティ診断の実施 | 第三者機関によるセキュリティ診断を定期的に実施し、客観的な視点からサイトの脆弱性を洗い出し、改善することで、より強固なセキュリティ体制をする。 |
これらの対策を講じることで、サイバー攻撃からECサイトを守り、顧客に安全なショッピング体験を提供しましょう。
物流会社の繁忙期を考慮した配送体制
年末商戦期はECサイトだけでなく、物流会社にとっても一年で最も忙しい時期です。
また、2024年4月から働き方改革関連法によって、自動車運転の業務の年間の時間外労働時間の上限が960時間となる改正改善基準告示が適用されました。
労働時間が短くなることで輸送の担い手が不足し、モノが運べなくなる可能性が懸念されており、「物流の2024年問題」といわれています。
通常通りの配送体制では、配送の遅延が発生したり、顧客に迷惑をかけてしまう可能性があります。
顧客満足度を維持するためにも、物流会社の繁忙期を考慮した配送体制を構築することが重要になります。
対策 | 内容 |
物流会社との連携強化 | 複数社の活用も視野に入れ、繁忙期の配送キャパシティや遅延リスクなどを事前に確認し、密な情報共有を行うことが重要。 |
配送の分散化 | 特定の地域や日に配送が集中することを避けるため、複数の倉庫や配送拠点を持つことも検討する。 |
置き配のアナウンス | 受け取り拒否や不在などによる配送業者の負担を減らすため、置き配をサイト内でもアナウンスしてみることも検討する。 |
倉庫管理・梱包作業の効率化 | 倉庫内の作業効率を向上させることで、出荷作業の遅延を防ぐ。 |
顧客への事前告知 | 年末商戦の時期は期間指定を不可にしたり、通常より配送が遅延する可能性があることを事前に顧客へ告知しておく。 |
これらの対策を講じることで、年末商戦期の配送遅延やトラブルリスクを抑制し、顧客満足度を維持することにつながります。
年末商戦を成功させるための6つの施策
ここからは年末商戦を成功させるために効果的な6つの施策について解説していきます。
早期割引やセール・クーポンなどお得なキャンペーン
年末商戦で売上を最大化するには、消費者の購買意欲を高める施策が欠かせません。
その中でも有効なのが、早期割引やセール、クーポンを活用したキャンペーンです。
消費者は年末商戦の期間中、少しでもお得に購入しようと多くの商品を比較検討します。
そこで、イベント前に購入を決断したくなるような早期割引キャンペーンを実施することで、いち早く商品を購入するメリットを提供することができます。
例えば、クリスマスやお正月などのイベント前に、特定の商品を割引価格で購入できる「早期割引セール」は、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。
また、「クリスマスセール」「歳末セール」「お年玉クーポン」など、年末年始のイベントと連動したキャンペーンを実施するのも効果的です。
さらに、購入金額に応じて割引率がアップする「まとめ買いセール」もおすすめです。
まとめ買いを促進することで、客単価の向上も見込めます。
セール・キャンペーン名の例 | 内容例 |
早期割引セール | 11月30日までに購入すると、対象商品が20%OFF |
クリスマス特別セール | クリスマスのイベント直前やクリスマス期間中、対象商品or全商品が30%OFF |
歳末セール | 年末年始に使えるアイテムが特別価格で登場 |
お年玉クーポン | 1月1日~1月3日の期間中、何度でも使える10%OFFクーポン |
まとめ買いセール | 2点以上購入で15%OFF、3点以上購入で20%OFF |
このように、さまざまなセール・キャンペーンを展開し、年末商戦期間中の消費者の購買意欲を高め、売上アップを目指しましょう。
また、クーポンの活用は、メルマガ登録やLINE公式アカウントの友達追加を条件としたクーポン配布など、新規顧客の獲得にも有効です。
さらに既存顧客には、誕生日月に合わせて特別クーポンを発行する、特定金額以上の購入で利用できるクーポンを配布するなど、顧客をセグメントしてクーポンを発行することで、より効果的に購買を促進できます。
限定商品・限定セットなど特別感を演出
年末商戦は、他の時期にはない特別感を演出することで、消費者の購買意欲を高める大きなチャンスです。
限定商品や限定セットの販売は、顧客に「今しか買えない」という特別感を与え、購買意欲を高める効果があります。
顧客の心をつかむ特別感を演出するための具体的な方法として、以下のようなものが考えられます。
例 | 内容 |
限定デザイン・カラーバリエーションアイテムの販売 | 通常の商品とは異なる特別感のあるデザインやカラーバリエーションの商品を販売することで、希少価値を高め、顧客の購買意欲を刺激する。 |
限定セット販売 | 複数の人気商品を組み合わせたり、特典となる商品を付けたりすることで、お得感を演出する。 |
コラボレーション商品の販売 | 他のブランドやキャラクターとのコラボレーション商品を販売することで、話題性を高め、顧客の関心を集める。 |
ギフト需要に対応したラッピングサービス
年末商戦の時期は、大切な人への贈り物を選ぶ方も多くいます。
そのため、ECサイトではギフト需要に対応したサービスを充実させることが重要になります。
特に、以下のようなラッピングサービスがあると、顧客満足度向上につながります。
サービス | 内容 |
複数種類のラッピング | 顧客の好みに合わせて、複数のラッピングデザインから選択できるようにする。 |
有料ラッピングオプション | より特別感を演出できるような、クリスマス専用の有料ラッピングオプションも用意する。 |
メッセージカードの添付サービス | 贈る側の気持ちを伝えることができるよう、メッセージカードを付けるオプションも用意する。 |
納品書に金額を表示しないようにする | ギフトとして贈る場合、納品書に金額が表示されないように設定できる対応をする。 |
これらのサービスを導入することで、顧客に「また利用したい」と思ってもらえるECサイトを目指しましょう。
年末商戦のイベントに合わせたコンテンツマーケティング
年末年始はクリスマスやお正月などイベントが多く、ユーザーの購買意欲が高まります。
これらのイベントに合わせてECサイトでコンテンツマーケティングを行うことは、ユーザーの購買行動を促進させることが期待できます。
例えば、アパレルショップのECサイトなら、年末年始を見据えた場合、以下のようなコンテンツが考えられます。
- ・クリスマスにおすすめ!彼氏・彼女へのプレゼント特集
- ・クリスマスを楽しむ!デートにおすすめのスポット特集
- ・家族で過ごすクリスマス!おそろいコーデ特集
- ・忘年会・新年会で差をつける!大人のおしゃれコーデ
- ・年末年始の旅行に最適!快適でおしゃれなトラベルコーデ
- ・新年を新しい自分でお迎え!福袋の中身チラ見せ
このように、イベントに合わせてコンテンツを用意しておくことで、ユーザーのニーズを満たすだけでなく、自社ECサイトの認知拡大やアクセス増加も見込めます。
前もって年末商戦の販促企画を考える際には、販促カレンダーを使ってみると効率的に予定を立てられますので、ぜひ活用してみてください。
さまざまなチャネルを活用したキャンペーン情報の発信
どんなに魅力的な年末商戦のキャンペーンを企画しても、顧客に情報が届かなければ意味がありません。
そこで重要なのが、実店舗、メールマガジン、SNS、リスティング広告など、さまざまなチャネルを効率的に活用することです。
例えば、顧客の属性や購買履歴に合わせてパーソナライズされたメルマガを配信することで、興味関心を高め購買につなげることができます。
セグメント配信を活用し、顧客のニーズに合致した商品やキャンペーン情報をピンポイントで配信することで、より高い効果が見込めます。
また、InstagramやX、FacebookなどのSNSも積極的に活用していきましょう。
既存のファンだけでなく、シェアをしてもらうことでより多くの潜在顧客にリーチすることも可能です。
さらに、オフラインとオンラインの連携も重要です。
実店舗でのチラシ配布やポスター掲示、商品パッケージへのQRコード掲載などを実施することで、ECサイトへの誘導を促進します。
このように、さまざまなチャネルを使ってキャンペーンやコンテンツを発信していく活動は、年末商戦の成功において重要となります。
購入後のフォローメールで顧客とのコミュニケーション
年末商戦期は、新規顧客獲得のチャンスであると同時に、リピーターになってもらうための重要な機会でもあります。
顧客満足度を高め、良好な関係を築くために、購入後のフォローメールを効果的に活用しましょう。
購入後のフォローメールでは以下のような内容をメールに含め、コミュニケーションを図ってみましょう。
- ・商品発送の連絡:注文確定後、商品の発送が完了したことをメールで伝える
- ・お礼と商品の感想:商品到着後、数日後に改めてお礼の言葉を添えて、商品の感想をたずねるメールを送信。レビュー投稿を促すのもおすすめ
- ・関連商品の紹介:購入履歴や閲覧履歴に基づいて、顧客の興味関心を惹きそうな関連商品を紹介
- ・キャンペーン情報の発信:年末年始のセールやクーポンなど、お得なキャンペーン情報を配信
- ・サポート情報の提供:商品の使い方やよくある質問への回答など、顧客が困った時に役立つ情報を提供
これらのメールを通じて、顧客との良好なコミュニケーションを図り、安心感と信頼関係を築きましょう。
年末年始の特別な時期だからこそ、心のこもった丁寧な対応を心がけることが大切です。
次回の年末商戦に向けて分析と改善もしよう
年末商戦が終了したら、その結果を分析し、来年の戦略に活かすことが重要です。
どのような部分を分析していけば良いかそれぞれ解説していきましょう。
ECサイトのアクセス状況や売れ筋商品の分析
ECサイトのアクセス状況や売れ筋商品の分析を行うことは、来年に向けて非常に重要です。
アクセス解析ツールなどを使い、下記のような項目でECサイトを分析し、改善点がないかを探っていきましょう。
分析項目 | 内容 |
ECサイトのアクセス状況分析 | ・サイト全体のアクセス数 ・商品ページごとのアクセス数 ・キャンペーンページへのアクセス数 ・顧客の属性データ ・流入経路(検索エンジン、SNS、広告など) |
売れ筋商品/売上が低かった商品の分析 | ・売上が高かった商品 ・売上が低かった商品 ・在庫切れになった商品 ・顧客からの評価が高かった商品 ・顧客からの評価が低かった商品 |
アクセス解析によって顧客がどのようにWebサイトを利用しているのかを把握し、改善点を見つけることができます。
また、どの商品が人気だったのか、どの商品が売れ残ってしまったのかを分析することで、来年の仕入れや商品開発に役立てられるでしょう。
これらの分析結果を基に、ECサイトのデザインや商品のラインナップ、マーケティング戦略などを改善していくことで、来年の年末商戦の成功につなげていきましょう。
その他、次の年末商戦に向けた改善・振り返りポイント
アクセス解析や売れ筋商品の分析以外にも、余力があれば下記の項目も分析し振り返りを行い、次の年末商戦に活かしましょう。
振り返り | 内容 |
運営体制の振り返り | ・受注処理 ・出荷作業 ・在庫管理 ・カスタマーサポート など、上記業務において問題点や改善点がなかったかを振り返る |
年末商戦期全体の売上・利益分析 | ・売上目標に対する達成率 ・利益率 ・費用対効果 ・顧客獲得単価 などが当初の計画通りの数値で着地したかを振り返る |
まとめ:万全の準備で年末商戦を成功させよう!
ECサイトにとって1年で最も売上を伸ばせるチャンスである年末商戦。
ですが、顧客の獲得競争が激化する中、事前の準備をおろそかにすると、機会損失や顧客満足度の低下につながりかねません。
成功させるには、年末年始の物流混雑を考慮した配送への対策や、カスタマーサポートの体制の整備・ECサイトの改善など多くの準備が必要です。
しっかりと準備を行い、年末商戦を成功させましょう。
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