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卸売ECサイトの構築方法は?始め方・市場規模やメリットも紹介!

DXの推進により、法人間の取引で利用される卸売ECサイトの需要が非常に高まっています。
卸売業もEC化することで、手作業で行っていた業務の効率化が図れ、顧客データを販促に活用できるなどさまざまなメリットがあるため、アナログからデジタルへの切り替えが進んでいます。

そこで今回は、卸売ECサイトとはどのようなものか、卸売ECの市場規模とEC化率、卸売ECサイトを導入するメリット、卸売ECの始め方・手順などを解説していきます。

ツクルくん
ツクルくん

卸売ECサイトって、どんどん増えているんだよね?

カラミちゃん
カラミちゃん

現在卸売のEC化率は増加傾向にあります。今回は卸売ECサイトの構築方法などを説明していきます!

卸売ECサイトとはどういう意味?

卸売ECについて知る前に、そもそも卸売とはどういうことなのかについてまず把握しておきましょう。
簡単に説明すると、商品が消費者の手元まで届く流通は下記の図のような仕組みとなっています。

流通の仕組み

一般的に、製造業(メーカー)が商品を作っても、そのまま小売業(スーパーやコンビニなど)へ商品が届けられるわけではありません。

卸売業と呼ばれる企業がメーカーから商品を仕入れ、卸売業から小売業に商品が売られ、小売企業の店舗に並んだ商品を一般消費者が購入するという流れになります。

卸売とは上記の図でいうと、メーカーから商品を仕入れて小売業に販売することです。

そのため卸売ECサイトとは、卸売業者が小売業者を対象に商品を販売するECサイト(ネットショップ)を指します。

似たような言葉にBtoB ECがありますが、BtoB ECは企業間のECサイトにおける売買全体を指す言葉なので、卸売ではない販売形態も含まれます。
そのため卸売ECは、BtoB ECの一種といえます。

インターネットが発達する前は、電話やFAXなどで行っていた受発注をECサイトを介して自動化することで、さまざまなメリットを得ることができます。

ネットショップ作成サービスのカラーミーショップなどを利用すれば、手軽に卸売ECサイトを立ち上げることが可能です。

卸売ECの市場規模とEC化率

では、卸売ECは実際にどれくらい広まっているのか、経済産業省の「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を見てみます。

資料によると、卸売業界の日本国内の総売上高は新型コロナウイルスの影響で2019年から2020年にかけて15.5%減少し約301兆円だったものの、2021年は3.4%増加し約311兆円と徐々に売上を回復しています。

一方、卸売のEC化率は、2019年28.8%、2020年30.6%、2021年32.3%と毎年微増を続けているのがわかります。

これは感染症対策として、出社しなくてもオンラインでの受発注が可能になる卸売ECを導入したり、これまでの取引が中止になり売上が落ち込んだ分、新規開拓するために卸売ECを立ち上げたりといった理由が考えられるでしょう。

新型コロナウイルスが追い風となり進んだEC化率は、DXの浸透と共にますます進むと考えられます。

卸売ECサイトを導入するメリット・背景

普及が進む卸売ECですが、導入するメリットは主に3つあります。具体的に見ていきましょう。

新規取引先の開拓

従来の取引先の開拓は営業担当者が足を運べる範囲のエリアに限定されていましたが、卸売ECを導入すれば、遠方の顧客にまでアプローチできます。

さらに、営業せずともGoogleなどの検索エンジンからの流入やWeb広告により、国内のさまざまな新規顧客の獲得が見込めるでしょう。

コロナ禍により、従来までの顧客と取引ができなくなったため、新規開拓を狙って卸売ECに参入している企業も多々あります。

インターネット上で幅広くターゲットにアプローチすることにより、売上アップが期待できるでしょう。

業務の効率化

卸売業での受発注は従来、電話やFAX、メールなどのアナログな方法が中心でした。

ですがECを活用することにより受発注に関する業務が自動化されるので、業務効率アップを図れるのが大きなメリットです。

また、業務を人の手で行っているとどうしても、電話の聞き間違いや数字の入力ミスなどのヒューマンエラーが起こりますが、デジタル化することである程度は防げるようになるでしょう。

作業を自動化すると人件費を削減できるだけでなく、正確性も大きく向上します。

顧客データの販促への活用

従来のアナログ形式だと、顧客に関するさまざまな情報が一カ所に集積されないため、総合的に顧客の傾向を把握することは困難でした。

ですが卸売ECにおいては、インターネット上の顧客の行動はすべてデータ化されてサイトに蓄積していきます。

たとえば、購入者がどこから流入し、どのページを閲覧して、何を買ったかの「行動データ」などは容易に抽出でき、分析が可能です。

このように顧客データを分析すれば、結果を売上改善のための販促計画や、商品開発に活かせるでしょう。

ECで卸販売する方法は2つ

メリットが多いECサイトでの卸販売ですが、始め方としては下記のように2つあります。

  • ・自社で卸売ECサイトを構築する
  • ・既存の卸売ECサイトに出店する

どのような点が異なるのか、それぞれについて解説していきます。

自社で卸売ECサイトを構築する

まず1つ目は自社でオリジナルのECサイトを立ち上げて、卸販売する方法です。
一からECサイトを作るので、必要な機能をサイトに搭載できたり、デザインも独自性を出せたりなど、非常に自由度の高い方法でしょう。

ですが自社でECサイトを制作するとなると、ハードルが高く感じてしまう方も多いでしょう。

そんな方には、初心者でもネットショップが作れるカラーミーショップがおすすめです。

豊富に用意されているデザインテンプレートを使って写真や商品説明文を入力していけば、デザインやシステムの知識が無くても自社のECサイトを作れます。

卸販売を行う場合は「卸販売アプリ」を別途インストールすれば、簡単に卸売ECサイトが完成します。
機能を追加できるアプリはさまざまな種類があるので、自社に必要な機能があれば好きなものを追加してサイトをカスタマイズすることが可能です。

カラーミーショップは初期費用・月額利用料が無料のフリープラン、機能やサポートが充実した有料のレギュラー/ラージ/プレミアムプランとプランが豊富なため自社に合ったプランが選べます。

もし自社にサイトを構築・運用する人材がいない場合は、最適な制作会社に依頼できる制作代行サービスもあるので、安心です。

自社で卸売ECを構築するなら、ぜひカラーミーショップをご検討ください。

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さらに詳しく知りたい方は、カラーミーショップのサービス資料もご用意しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

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既存の卸売ECサイトに出店する

自社で卸売ECサイトを作成せず、既存の卸売ECサイトに内に店舗を出店し、自社の商品を販売する方法もあります。

さまざまな卸売店が集まるスーパーデリバリー、NETSEAといったサイトが有名です。

すでに構築されているプラットフォームを利用するため、自社で卸売ECサイトを構築するよりも手軽に開業できるのがメリットでしょう。

ただし、自社ECサイトと比較するとデザイン面や運用面で自由度が低く、プラットフォーム内に多くの競合がいるので同じ商品の場合、価格競争に巻き込まれてしまう点がデメリットとして挙げられます。

卸売ECに必要な機能

実際に卸売ECを始めるとすると、通常のECサイトとは異なり、どのような機能が必要になるのでしょうか。
ここから、卸売ECに欠かせない機能をご紹介します。

卸先専用サイトの設定

卸売ECサイトでは、通常の一般消費者に向けたECサイトと異なり常時オープンな状態ではなく、一部のユーザーにしか閲覧・購入ができないクローズドな取引を行うケースが多くあるでしょう。

そのため、卸売ECサイトでは、卸先専用サイトとしてクローズド運営できる機能を備えている必要があります。

立ち上げ当初は新規顧客の獲得に向けてすべてオープンにしていた場合でも、将来的にはクローズド型に変更したり、一部取引先だけクローズドにしたりする可能性も出てくるので、機能として持っておくことをおすすめします。

顧客ごとの価格(掛け率)の設定

商品の購入数が多くなるほど1商品当たりの価格が安くなるなど、卸売りでは顧客によって販売価格(掛け率)が異なるので、卸売ECサイトでは卸先ごとの価格設定ができる機能が必須です。

同時に、発注ロットに比例して掛け率が自動で変わる機能もあわせて必要となるでしょう。

顧客が価格や割引率を一目見てわかるようにしておくことで、利便性も向上します。

一括で注文できる機能

一般消費者を対象とした通常のECサイトでは、商品は基本的に1個単位から販売しますが、卸先である小売業は大量に注文することがほとんどであるため、50セットなど1つの商品をまとめて注文できる機能も備えておきましょう。

商品番号を入力することで一括注文できる機能や、CSVファイルを読み込んでまとめて注文できる機能があると非常に便利でしょう。

通常のECサイトのようなショッピングカート機能は卸売ECサイトには適していないケースが多いため、構築の際は注意が必要です。

卸売ECの始め方・手順

卸売ECサイトとはどのようなものか理解したところで、続いては卸売ECの始め方・手順を解説していきます。

出店方法を決める

先ほどECサイトで卸販売する方法は、自社でECサイトを構築するか、既存の卸売サイトに出店するかの2つあることをお伝えしました。

卸売ECを始める際はまず、どちらの方法にするのか決めましょう。

具体的なやり方は「ECサイトの作り方・構築方法」の記事を参考にしてください。

自社独自で構築する卸売ECサイトは自由度が高いですが、構築するための自社リソースや制作会社を探す必要があります。

また、オリジナルで構築するため、既存の卸売サイトに出店する方法と比較すると多少コストがかかります。

一方、既存の卸売サイトに出店する場合は多くの競合との差別化が必須です。
どちらの方法が自社に最適か慎重に検討しましょう。

コンセプトやショップ名を決める

ECサイトの出店方法が決まったら、次はサイトのコンセプトとショップ名を考えます。

すでに卸売業を行っている場合コンセプトやショップ名の検討は不要ですが、これから卸売をECで開業する方はコンセプトとショップ名を考えましょう。

ショップ名をどう決めればいいか迷ってしまう方は「ネットショップの名前の付け方」の記事をぜひ参考にしてください。

サイトのコンセプトは、すべての基準となるため非常に重要です。

どのような小売業者をターゲットとし、どのような商品を販売するのか、どのような表現でそれを伝えるのかを絞り込みます。

コンセプトが決まったら、それに基づいてECサイトのショップ名を決めていきます。

ショップ名は記憶に残りやすく、シンプルなものがおすすめです。
また、取り扱っている商品を連想できるものもよいでしょう。

ある程度ショップ名の候補が出そろったら、Googleなどで同じショップ名が存在しないかどうかの確認も必ず行ってください。

ECサイトのデザインを固めていく

コンセプトとショップ名が決まったら、ECサイトのデザインを作っていきます。

業種によって使いやすいデザインがあるため、同じような商品を売っている他社のデザインを分析して作成時の参考にするとよいでしょう。

こちらの「売れるECサイトのデザインのコツとは?」の記事も参考にしてください。

自社のブランドイメージにも合っているのはもちろんですが、見た目だけでなく、購入者の導線を考えた使いやすいデザインを選択することが大切です。

先ほどお伝えしたようにカラーミーショップであればテンプレートが豊富なので、デザインの知識がない場合でも自社に適した卸売ECサイトのデザインを実現することができます。

テンプレートは無料のものもあるので、費用をかけずにネットショップを作りたい初心者の方はぜひカラーミーショップを利用してみてくださいね。

>>>カラーミーショップのデザインテンプレートを見てみる

商品を登録する

デザインがある程度完成したら、販売する商品データを登録する作業に入ります。

商品の画像と説明文をまとめて登録できるように、事前にデータ化しておくこととスムーズに登録作業が進みます。

一般消費者向けの通常の商品登録とは異なり、卸売ECサイトでは一括購入できるようにする必要があるため、1アイテムで何セット商品を販売するのか(ロット)設定が必要です。

また、取引先ごとに販売する商品が異なる場合は、それぞれの取引先のみの専用ページも作成していきましょう。

取引先を登録する

通常のECサイトは商品登録が完了したらすぐにオープンできます。
ですが、先ほどもご紹介した通り卸売ECサイトは、程度はさまざまですがクローズドで取引を行うことを前提にしたECサイトです。

卸売ECでは取引先しか商品が見られなかったり、取引先ごとに専用ページを設けたりする仕様になっているため、取引先がサイトにログインできるよう事前登録の工程が必須です。

自社側で、取引先がログインの際に使用するメールアドレスなどのアカウント設定を行い、登録が完了したら取引先にその旨をメールなどできちんと知らせておきましょう。

卸売ECサービスの選定を成功させるポイント

卸売ECを構築するサービスを選ぶ際は、いくつか重要な点があります。
最後に、成功させるためのサービス選びのポイントを3つご紹介していきます。

卸売ECサイトの構築機能があるか

当たり前の話ですが、取引先ごとに細かな設定できるなど、卸売ECを行うための機能があるサービスをきちんと選びましょう。

ECサイトが作成できるサービスの多くは一般消費者を対象としているため、卸売ECサイトに必要な機能が備わっていないものもあります。

サービスを利用する前に、クローズド取引ができるかどうか、顧客ごとに価格(掛け率)が設定できるか、一括注文できるかなどを確認することが大切です。

卸売ECサイトの構築実績が豊富かどうか、事前にサービスの導入実績などもチェックすると安心でしょう。

サポートは充実しているか

取引先によっては卸売の取引が複雑になっていて、掛け売りを可能にするなど、ECサイトを細かくカスタマイズするケースも多々あります。

そのため何か問題が起こったときに備えて、利用予定のサービスの対応力やサポート体制が充実しているかどうかも事前に確認することが重要です。

卸売ECサイトに精通しているサービスであれば、状況に応じた提案や、きめ細かいサポートが受けられるでしょう。

操作方法などのマニュアルが完備されているのはもちろんですが、疑問点やトラブルがあった際にすぐに対応してくれると、運用していく上でも心強いです。

インボイス制度にも対応可能か

インボイス制度とは「適格請求書等保存方式」のことで、消費税の仕入税額控除の方式として2023年10月から導入される予定です。

インボイス制度は売り手と買い手、双方に適用され、売り手は取引先から求められた際インボイス(適格請求書)を交付する必要があり、買い手は原則として取引先から交付されたインボイスを保存する義務があります。

そのため、インボイス制度に対応していないサービスにしてしまうと最悪の場合、せっかく卸売ECを構築したものの、インボイス対応のサービスに切り替えなければならなくなるかもしれません。

サービスを選択する際は、適格請求書発行事業者として適格請求書を発行できるシステムとなるかどうかも必ず確認しておきましょう。

まとめ

今回は、卸売ECサイトとはどのようなものか、構築方法や始め方・手順などについて詳しく解説しました。

掛け売りなど、独特の商慣習があるBtoB(卸売り)取引でも、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、卸売ECサイトの市場規模が拡大傾向です。

一般消費者向けのECサイトとは異なるため、クローズド運営機能や顧客ごとの価格設定、一括購入機能など卸売ECサイトに必要な機能を兼ね備えたサービスを利用する必要があります。

国内最大級のネットショップ作成サービスカラーミーショップでは、「卸販売アプリ」を導入することで、誰でも簡単に卸売ECサイトを構築することができます。ぜひご活用ください。

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よくある質問

卸売ECとは何ですか?

卸売とは、メーカーから商品を買い取った卸売業者が小売業者を対象に商品を販売する卸売りをECサイト上で行うことです。
くわしくはこちらの章をご覧ください。

卸売ECのメリットを教えてください。

オンラインでの取引が可能になるので、これまで足を運べなかった企業と新規取引ができたり、発注数の誤りなど人的なミスを防げたりなどのメリットがあります。
その他のメリットについてはこちらの章で解説しています。