ECサイトを構築する際、どれくらい費用がかかるのかはとても気になる点ですよね。
ECサイトの構築はECモールへの出店やオープンソースを利用するなどいくつかの方法がありますが、実はどの方法を取るかによって費用が大きく異なります。
そこで今回は、ECサイトを構築する方法やそれぞれの方法の費用相場、構築費用の内訳などを詳しく解説していきます。
初めてECサイトを立ち上げようと思ってるんだけど、どれくらいの費用がかかるのかな?
ECサイトは構築する方法によって費用がかなり違います。今回は、構築する方法別に費用相場などをわかりやすく説明してきます!
目次
ECサイトを構築する5つの方法をおさらい
ECサイトを構築する方法は、大きく既存型と自作型に分かれ、下記の5つの方法があります。
1.【既存型】ECモール
2.【自作型】ECサイト作成サービス(ASP)
3.【自作型】オープンソース
4.【自作型】ECパッケージ
5.【自作型】フルスクラッチ
既存型とは、すでにあるECプラットフォームへ自分のお店を出店させる方法で、自作型とは自分で1から作り上げることです。
ECサイトを実店舗で例えるなら、既存型はすでに建物が用意されているショッピングモールに自分のお店を構えることで、自作型は1から物件や土地を探してお店を構えることといえます。
では、それぞれの方法の特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
1.【既存型】ECモール
ECモールとは、複数のショップが集まるAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのプラットフォームです。
この方法は、自身でECサイトを持つのではなく、既存のECモールに出店する方法になります。
既存のプラットフォームを利用するため、独自ドメインを取得し、自身でECサイトを立ち上げる必要はありません。
ECモールに出店するといっても、限られた範囲で自身のショップを独自のデザインにすることもできます。
メリット・デメリット
ECモールに出店する際のメリットは、下記の通りです。
- ・ECモールの知名度があるため、自作型ECサイトより集客力がある
- ・出店するステップが整備されているため、出店のハードルが低い
- ・ECモール側からのサポートが受けられる
- ・ECパッケージやフルスクラッチなどと比べると初期費用が抑えられる
Amazonや楽天市場などはブランド力があるため、「Amazonで商品を探そう」という人も多く、初めて出店する場合でも一定の集客が見込めることが最大の特徴でしょう。
一方で、ECモールに出店する際には、下記のようなデメリットもあります。
- ・ECモール内ではルールがあるため、自由度が低い
- ・顧客情報の収集ができない
- ・同じECモール内の価格競争に巻き込まれる
ECモール内での出店であるため、自作型ECサイトと比較すると、オリジナリティが出しにくいというデメリットもあります。
また、顧客はECモールのアカウントを作成して購入するため自社ECサイトには顧客情報が蓄積せず、マーケティング施策を立てにくいといえるでしょう。
加えて、ECモール内で同じ商品を販売している同業他社と価格面で比較されることが多く、すると必然的に販売価格を下げざるを得なくなり、利益率が低くなる可能性もあります。
2.【自作型】ECサイト作成サービス(ASP)
カラーミーショップなどのECサイト作成サービス(ASP)を利用して、ECサイトを構築する方法もあります。
ASPとはアプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)の略で、インターネットを経由して、アプリケーションやソフトウェアなどを提供するサービスを指します。
ECサイト作成サービスでは、自身でアプリやソフトをインストールする必要がなく、ネット上で簡単にECサイトを構築できるのが大きな特徴です。
メリット・デメリット
ECサイト作成サービスを利用してECサイトを構築する際のメリットは、下記の通りです。
- ・短期間で手軽にECサイトが構築できる
- ・無料の作成サービスを使えば、無料で自社のECサイトが持てる
- ・ECモールよりデザインや機能の自由度が高い
- ・サポート体制が整っている
ECサイト作成サービスの1番のメリットは、カラーミーショップのフリープランのような初期費用・月額利用料無料のものがあるので、コストを抑えて本格的なECサイトが構築できることです。
企業が提供するサービスをインターネットを通じて利用するため、何かわからないことがあればサポートに問い合わせられることも、初心者にとっては心強いでしょう。
もちろんECサイト作成サービスを利用する際には、下記のようなデメリットもあります。
- ・自作型の中では、オープンソースやECパッケージと比べて自由度が低い
- ・プランによっては手数料が高くなる可能性がある
ECモールに比べるとデザインや追加機能の自由度はありますが、やはり下記で紹介するオープンソースなどの開設方法とくらべるとまだまだ自由度は低いといえます。
また、無料でECサイトを作成したとしても、完全に無料という訳ではなく商品が売れる際に販売手数料などの手数料がかかります。
また、各社でさまざまな月額プランがありますが、自社の売上や販売方法に合っていないプランに申し込んでしまうと手数料が高くなり、運営コストがかさんでしまうということもあります。
無料~有料までいくつかのプランがそろっているカラーミーショップであれば、ショップの売上に応じて最適なプランに変更ができるので、手数料が高すぎる…というリスクを避けられるでしょう。
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3.【自作型】オープンソース
ECサイトの構築方法の1つとしてEC-CUBE、WordPressなどのオープンソースを利用する方法があります。
外部に公開(オープン)されているプログラム(ソース、ソースコード)を使用し、無償でECサイトを構築することができます。
オープンソースのプログラムは、全世界に公開されているものなので誰でもサーバーにインストールでき、カスタマイズ性も高いのが特徴です。
メリット・デメリット
オープンソースを利用してECサイトを構築する際のメリットは、下記の通りです。
- ・無償で使用できる
- ・ECサイト作成サービスやECモールと比較してデザインや機能面の自由度が高い
- ・機能や操作方法を知るため本やインターネット記事が豊富にある
オープンソースは、誰でも無償で使用できるため、導入費用面はコストを抑えることができ、カスタマイズの幅が広いのがメリットです。
また、世界中で使われているプログラムであるため、ノウハウをまとめた本やサイト、個人ブログなどが豊富にあるので、操作に困ったらそれらを参考にすることもできます。
ただしメリットだけではなく、下記のようなデメリットも存在します。
- ・Webに関する専門知識がないと利用できない
- ・公開されているソースコードを使うため、セキュリティ面で問題があることがある
- ・ECサイト作成サービスのようなサポート体制がない
カスタマイズ性は高いオープンソースですが、ある程度のプログラミングなどの専門知識がないとECサイトを構築できないのがデメリットといえるでしょう。
また、プログラムが公開されているということはそのプログラムを解読して悪用する人も一定層いることになります。
悪用された結果、自社ECサイトに侵入されて自社情報や顧客情報が漏洩してしまうという可能性も否定できません。
オープンソースを利用する場合は、セキュリティ対策をしっかりとしておくことが重要です。
4.【自作型】ECパッケージ
ECサイト構築に必要なシステムがパッケージとなっているものを開発会社から購入し、ECサイトを構築することもできます。
代表的なECパッケージとして、ecbeingやOrange EC、eltecDCなどが挙げられます。
オープンソースとの大きな違いは、オープンソースが無償であるのに対し、ECパッケージは500万円程度の費用がかかる点です。
メリット・デメリット
ECパッケージを利用してECサイトを構築する際のメリットは、下記の通りです。
- ・カスタマイズが柔軟にできる
- ・基本機能から外部連携までさまざまな機能が備わっている
- ・大規模なECサイトも構築できる
商品の在庫管理などの基本的な機能から、外部システムとの連携までECサイト構築に必要な機能がパッケージ化されており、必要に応じてカスタマイズができるので、ECモールやECサイト作成サービスよりもかなり自由度が高いです。
ただし、ECパッケージを利用する際は、下記のようなデメリットがあります。
- ・初期費用・維持費用が高い
- ・数年に1度はシステムのアップデートが必要となる
ECサイト作成サービスやオープンソースを利用する場合と比較すると、初期費用やランニングコストが高いのがデメリットといえるでしょう。
また、ECサイト作成サービスはサービス提供会社側で機能面やセキュリティ面のアップデートが定期的に行われますが、ECパッケージの場合は自分たちで数年に一度、時代に合わせてアップデートしないと古めかしいサイトになってしまう可能性もあります。
5.【自作型】フルスクラッチ
フルスクラッチとは、ゼロの状態から自社オリジナルのECサイトを構築する方法です。
たとえば、ZOZOTOWNやユニクロは、国内ECシステムのフラッグシップといわれており、ECサイト構築にフルスクラッチを採用しています。
機能などは自社で必要なものを自由に装備できますが、その分費用と制作期間がかかるため、採用できる企業は限られており、フルスクラッチでECサイトを構築する事例は減少傾向にあります。
メリット・デメリット
フルスクラッチでECサイトを構築するメリットは、下記の通りです。
- ・完全オリジナルで開発するため、機能性やカスタマイズ性が非常に高い
- ・システムをすべて自社で内製化できる
独自にシステムを開発するため、機能性やカスタマイズ性が高いのが最大のメリットです。
ただし、フルスクラッチには下記のようなデメリットもあるため、採用できるのは大企業に限られてきます。
- ・構築費用が数千万円など、初期費用や維持費用が非常に高い
- ・1からサイトを作り上げるので、開設までに時間がかかる
完全に自社オリジナルのECサイトを構築するため、場合によって費用が数億円かかることもあります。
また、大規模なサイトになるので導入期間も年単位でかかり、この方法を選択できる企業は限られるといえるでしょう。
ECサイトの構築費用はいくら?それぞれの方法の相場を紹介
冒頭でもお伝えしましたがECサイトの構築費用は、上記でご紹介した方法によって異なります。
下記の表は、それぞれの方法の費用の相場です。
構築方法 | 初期構築費用 | 月額費用 | 販売手数料 | カスタマイズの幅 |
ECモール | 無料~数万円 | 無料~数万円 | あり | 非常に狭い |
ECサイト作成サービス(無料) | 0円 | 0円 | あり | 狭い |
ECサイト作成サービス(有料) | 数千円~数万円 | 数千円~15万円 | サービスによってはあり | やや狭い |
オープンソース | 0円 | 10万円~ | なし | 非常に広い |
ECパッケージ | 数百万円~ | 10万円~ | なし | 非常に広い |
フルスクラッチ | 数千万円~ | 数十万円~ | なし | 無制限 |
上記の表を見る限り、無料ECサイト作成サービスは売れたときにのみ販売手数料がかかるので最もコストを抑えられるECサイト構築方法ですが、カスタマイズには制限があります。
カスタマイズ性の高いECサイトを構築するためには、オープンソースやECパッケージ、フルスクラッチを選択する必要がありますが、初期費用やランニングコストが高いのが特徴です。
自社の予算や規模感と照らし合わせ、それぞれの方法のメリット・デメリットも検討した上で、目的に合った方法を選びましょう。
年商ごとにおすすめのECサイト構築方法
ECサイトの構築方法を選ぶ際、年商に合わせたサービスを選ぶのも1つの方法です。
下記は、年商別のおすすめのECサイト構築方法をまとめた表になります。
年商 | おすすめのECサイト構築方法 |
~100万円程度 | 無料・有料ECサイト作成サービス、ECモール |
100万~1億円程度 | 有料ECサイト作成サービス、ECモール |
1億~数十億程度 | オープンソース、ECパッケージ |
数十億~ | フルスクラッチ |
初期費用やランニングコストが抑えられる(有料・無料)ECサイト作成サービスやECモールは、年商が100万円程度の小規模事業者におすすめです。
無料で作成できるプランを利用すれば商品が売れない限りは手数料もかからないため、リスクが少なく、初めてECサイトを立ち上げる企業や個人に向いているでしょう。
事業が軌道に乗ってきたら、無料ではなく有料ECサイト作成サービスへの移行をおすすめします。
理由としては、一般的に有料ECサイト作成サービスのほうが無料サービスよりも販売手数料が抑えられ、機能面も充実しているので、結果的に運営のコストパフォーマンスが良くなるからです。
カラーミーショップでは初期費用・月額利用料無料のフリープランからスモールスタートし、年商が上がってきたら有料のレギュラープランやラージプランにプランアップすることができるので、徐々に事業拡大したいショップにおすすめです。
年商が1億円を超える企業の場合、オープンソースかECパッケージを利用してECサイトを構築するとよいでしょう。
オープンソースの場合は無償で作れますが、ECパッケージは数百万円かかるため、自社の予算に合った方法を選択します。
年商が数十億円を超える大企業の場合は、フルスクラッチが選択肢に入ってくるでしょう。
カスタマイズの幅は無限ですが、ゼロからシステムを開発するため、費用と制作期間がかかることも視野に入れて検討することが大切です。
ECサイト構築費用の実際の事例を比較
では、実際にサービスを利用してECサイトを構築する場合、どのくらい費用がかかるのでしょうか。
ここからは、代表的なECモールと無料ECサイト作成サービス、有料ECサイト作成サービスの事例を比較してご紹介していきます。
ECモール
まずは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングを利用した場合の出店と運営の費用を見ていきましょう。
名称 | 出店と運営に必須の費用 |
Amazon | ・月額出店料(大口出品):5,390円/月 ※毎月49点以上で大口 ・基本成約料(小口出品):110円/商品 ※毎月48点以下で小口 ・販売手数料:8〜15% ※商品カテゴリーによる ・最低販売手数料:0〜33円 ※販売手数料と比較し、どちらか多い方を支払う ・カテゴリー別成約料:88〜154円 ※メディア商品のみ ・大量出品手数料:0.055円/1SKU毎 ※SKU数が200万点以上 ・その他配送代行手数料、返金手数料 など |
楽天市場 | ・月額出店料:21,450〜110,000円/月 ※プランによる ・システム利用料:月間売上高の2〜7% ※プランによる ・楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5〜3.5% <システムサービス利用料> ・楽天ポイント:・会員が購入した代金の1%(通常) ・モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料: 月間売上高の0.1% ・楽天スーパーアフィリエイト:アフィリエイト経由の売上の2.0%〜 ・R-Messe:月額費用3,300円〜(従量課金) |
Yahoo!ショッピング | ・ポイント原資負担:1〜15%(1%は必須) ・キャンペーン原資負担:1.5%は必須 ・アフィリエイトパートナー報酬原資:1〜50%(1%は必須) ・アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬原資の30% ・決済手数料:3〜4.48% または 150〜300円/件 |
※表内価格はすべて公式サイトを参照し税込表記に統一(2022年4月1日時点)
知名度があり、強力な集客力が魅力のECモールですが、出店と運営にはまとまった資金が必要であることがわかります。
ただし、Yahoo!ショッピングの場合は、無料のECサイト作成サービスのように出店自体は無料です。
上記の表に記載されている以外にもオプション料金などもあり、他店舗に対抗するためにポイント原資などの設定を上げると、予想していたよりもコストがかかるケースもあります。
たとえば、楽天市場ではプランの損益分岐点を月商140万円としていることも参考になるでしょう。
初めてECサイトを構築する場合には、まずはリスクの少ない無料ECサイト作成サービスを利用することがおすすめです。
無料ECサイト作成サービス
次に、カラーミーショップをはじめとする3つの代表的な無料ECサイト作成サービスの費用を見ていきましょう。
カラーミーショップ (フリープラン) |
BASE | STORES | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
販売手数料 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 6.6%+30円 ※Amazon Payは6.5%+30円 |
3.6%+40円 | 5.5% |
サービス利用料 | ー | 3.0% | ー |
※表内価格はすべて公式サイト表記に準拠(2022年4月15日時点)
無料ECサイト作成サービスの利用を検討している場合、決め手となるのは決済手数料でしょう。
上記の3つのサービスにおいて、コスト面から見ると決済手数料が最も安いのはSTORESです。
ただし、カラーミーショップのフリープランやBASEでは利用できる独自ドメイン(URLにサービス名が入らず、ショップの名前のみにできる機能)が、STORESでは利用できません。
無料ECサイト作成サービスでは機能やカスタマイズ性に制限がありますが、カラーミーショップは有料サービスを中心に機能を開発してきた経緯があるため、機能面が無料サービスの中でも群を抜いて充実しているのが特徴です。
有料ECサイト作成サービス
最後に、代表的な4つの有料ECサイト作成サービスの費用を比較してみましょう。
カラーミーショップ (月額有料プラン) |
ショップサーブ | MakeShop | Shopify | |
初期費用 | 3,300円 | 16,500円 | 11,000円 | 0円 |
月額費用 | ①4,950円 ②9,595円 |
①12,540円 ②18,150円 ③24,200円 ④51,480円 |
11,000円 | ①29ドル (3,665円※) ②79ドル (9,985円※) ③299ドル (37,794円※) |
販売手数料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
クレジットカード決済手数料 | ①3.4% ②3.19% |
3.675〜4.725% | 3.14%〜3.49% ※MakeShopペイメントを利用した場合(1,100円/月) |
①3.4〜4.15% ②3.3〜4.1% ③3.25〜4.05% ※Shopifyペイメントを利用した場合 |
※表内価格はすべて公式サイトを参照し税込表記に統一(2022年4月15日時点)
※表内のドルの円換算は2022年4月15日時点の為替相場で算出
※表内の①〜④はプラン別に対応しています
有料のECサイト作成サービスで構築する際に、まず気になるのは初期費用でしょう。
初期費用だけ見ると、Shopifyが無料となっていますが、プランによっては月額費用も含めるとカラーミーショップのほうが安くなるケースもあります。
また、上記のような金額面だけでなく、使いたい機能や決済方法が備わっているか、サポート体制はどうなっているか、海外販売は可能なのかなど、各社のサービス内容もしっかりと確認することが大切です。
値段だけで決めてしまった結果、使いづらかったりサポート面が満足できなかったりなどの問題があると、ショップ運営に集中できなくなってしまいます。
上記の4つのサービスの特徴を端的に表現すると、サポート体制が手厚いカラーミーショップ、セキュリティの強さが売りのショップサーブ、機能が充実したMakeShop、越境ECに強いShopifyとなります。
とはいえ、各サービスはその他にも実績があるため、1点だけを見ず総合的に判断するとよいでしょう。
ECサイトの構築は何の費用が必要?内訳・かかるコストとは
ECサイト構築費用として、ここまで初期費用や月額利用料など主なもののみについてお伝えしましたが、実際にECサイトを開設するには、その他にもさまざまな費用・コストがかかります。
ここからは、ECサイトをこれから作る際にどのようなことにコストがかかるのか、主な費用の内訳について見ていきましょう。
以下はあくまで一般的にいわれている主な費用になりますので、場合によっては他にもコストがかかる可能性があります。
システム構築の初期費用
先ほど目安をお伝えした構築費用です。
無料ECサイト作成サービスを使えば構築費用は無料ですが、フルスクラッチで作成した場合は構築費用が数億円になる可能性もあります。
また、ECサイトのシステムの構築費用だけでなく、方法によってはドメインやサーバーの取得費や運営費がかかることもあります。
ドメイン・サーバー代は月に数千円程度ですが、長期的に見ると大きな額になるため、年単位でどのくらいかかるのか利用前に試算しておきましょう。
デザイン費用
ECサイトのトップページや商品詳細ページなど、サイトを訪れるユーザーに大きな印象を与えるのがサイトデザインです。
デザインは、リピート率などにも影響するため、売上にダイレクトに関わってくる部分です。
社内にWebデザイナーがいる場合やデザインテンプレートを使って作る場合は費用がかかりませんが、外注する場合は下記の費用を想定しておきましょう。
- ・コンセプトやレイアウト(設計図)の決定:約50万円
- ・トップページや商品詳細ページのデザイン:約70万円
- ・コーディング:約60万円
また、昨今はスマホからのアクセスが多いため、PCだけでなくスマホにも対応したレスポンシブデザインを採用することをおすすめします。
商品の仕入れ・製作費
他社から商品を買い付けて売る場合は、仕入れ費が発生します。
仕入れ費は、商品の単価や仕入れルート、見込み販売数などによって大きく異なるでしょう。
予算をなるべく抑えるためには、まずは複数の仕入れ先から見積もりをとります。
大量に仕入れることを条件に、仕入れ先に価格交渉するのも方法の1つです。
自社で商品を作る場合は、製作費が発生します。
その際は、製作費が商品単価に見合っているかをしっかりと確認しましょう。
また、在庫リスクを避けるためにも、見込み販売数をもとに、仕入れ・製作する商品数を見定めることが大切です。
撮影用の機材・スタジオ代
ECサイトに掲載する商品画像は、売上を大きく左右します。
同じ商品であっても、いわゆる「映える」写真やシズル感のある食品写真、商品を実際に使用している画像を掲載することで、売上が大きく伸びるケースもあります。
そのため商品画像の撮影には注力し、こだわることが大切です。
撮影のためには、カメラや三脚、レフ板、照明が必要です。
また、撮影した写真を編集するためのソフトも必要になります。
これらは、性能によって価格に大きな幅があるため、あらかじめ予算を決め、必要な性能が備わっているものを選びましょう。
また、自社にスタジオが無い場合は借りることになるので、スタジオ代も必要です。
上記を自社で用意せず、プロのカメラマンに外注すればよりクオリティの高い写真が撮れるでしょう。
広告・販促費
ユーザーにECサイトへ訪問してもらい、商品を購入してもらうためには、広告宣伝費をかけて集客やPRを行う必要があります。
広告宣伝費には具体的に、下記のようなものがあります。
- ・Googleなどの検索エンジンに出稿するリスティング広告
- ・ECモール内での検索広告
- ・アフィリエイト広告(成果報酬型)
- ・TwitterやInstagramなどのSNS広告
ECモールに出店する場合はECモール自体に知名度もあるため、一定の集客が見込めますが、自社でECサイトを立ち上げる場合は、上記のような宣伝をしないと集客は難しいといえます。
そのため、ECサイト立ち上げ当初は、特に広告宣伝に力を入れることをおすすめします。
また、ECサイトを訪問したユーザーに対して、販売促進をするための販促費も必要となるでしょう。
販促費とはたとえば、割引クーポンやポイント還元などが挙げられます。
利益率は下がりますが、商品購入の後押しとなり、リピート購入にもつながるため、長期的に見ると売上アップに貢献するでしょう。
梱包・配送費
ECサイトにおいて商品が購入された場合、梱包費や配送費がかかります。
配送中の破損などのトラブルを未然に防止するためにも、段ボールや緩衝材などの梱包資材は重要です。
梱包や配送の作業自体が負担になる場合には代行業者もあるため、利用するのも1つの方法です。
ただし、事業が小規模の場合は代行業者に委託するよりも、自社で行ったほうがコストはかからないケースが多いです。
事業規模が大きくなり販売店数が多くなってきたら、代行業者の利用を考慮するとよいでしょう。
ECサイトの構築費用を考える際の注意点
ECサイトの構築費用を考える際は、外部へ業務を委託するかどうか、今後の事業規模の拡大・リニューアルに対応できるかどうかなどいくつか注意すべき点があります。
最後に、ECサイトの構築費用を考える際の3つの注意点について解説していきます。
外部へ業務を委託するかどうかで費用が大きく変わる
ECサイトを構築して商品を販売するにあたっては、商品画像の撮影や商品詳細を掲載するための採寸、商品の説明文の執筆などさまざまな業務が発生します。
これらの業務を「ささげ業務」といい、自社で内製することもできますし、制作会社など外部に委託することもできます。
このような作業を内製化するか外注するかによって費用が大きく異なりますが、プロの制作会社に委託することによってクオリティの高いECサイトを構築することができます。
同じ商品であっても、商品画像や説明文によって売れ行きが大きく左右されるため、初期費用面だけを考えて内製化するのではなく、長期的な利益を含めて検討することが大切です。
ささげ業務を一部だけ外部に委託することもできるため、社内コストとのバランスを考えた上で決めましょう。
今後の事業規模の拡大・リニューアルに対応できるか
ECサイト構築時は販売する商品数が少なく、想定している年商が数十万円程度であっても、広告宣伝の効果が出て認知度が高まれば、ECサイトの規模を拡大できる可能性もあります。
そのような場合、必然的にサイトリニューアルなどが発生し、無料ECサイト作成サービスなどでは機能的に対応できなくなるケースもあります。
ですが、通常の運営業務に加えてサイトの引っ越しをするのは、ショップにとって大きな負担です。
そのため、カラーミーショップのような初期費用・月額費用無料のフリープランからスモールスタートし、事業規模に合わせてプランアップできるようなサービスを選べば、引っ越しせずにプラン変更だけで済みます。
ECサイトを構築する際は、現状だけでなく将来的なショップの規模感(リニューアル)に対応できるかどうかも踏まえて方法を選択しましょう。
サポート体制やセキュリティ対策も考慮する
ECサイト構築後は、操作方法がわからないなどの問題が多々発生することが考えられます。
そのため初心者であれば、構築後のサポート体制は整っているのか、サポートは電話なのかメールなのか、どの範囲までサポートを行っているのかなどの事前確認は忘れずにしましょう。
また、ECサイトでは顧客情報を取り扱うため、万全のセキュリティ対策が重要になります。
万が一情報漏洩などがあると、企業の信用を失って閉店に追い込まれるほど深刻な状況になったり、顧客に甚大な被害が及んだりすることもあります。
損害賠償請求など訴訟に発展するケースもあり、莫大なコストがかかる可能性もあるため、どの方法でECサイトを構築したとしても、必ずどのようなセキュリティ対策になるのかを確認しておきましょう。
まとめ
今回は、ECサイトを構築する際の費用について、構築方法別に詳しく解説しました。
ECサイト構築方法にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、この記事を参考にして自社に適した構築方法を選びましょう。
初めてECサイトを構築する場合、構築費用が無料で売れたときにのみ費用が発生する無料ECサイト作成サービスがおすすめです。
カラーミーショップのフリープランであれば、初期費用・月額費用無料でスモールスタートすることができ、将来的にお店の規模を拡大することがあっても引っ越しではなくプランアップで対応することができます。
ECサイトを構築しようと検討している方は、ぜひカラーミーショップをご活用ください。
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