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食品ECの課題とは?軌道に乗せる5つのコツや課題解決の戦略を紹介!

コロナ禍で注目を集めた食品ECですが、他業界と比べるとEC化率はまだまだ低水準にとどまっているのが現状です。
なぜ食品ECがなかなか広がらないのでしょうか。そこでこの記事では課題を確認するとともに、具体的な成功のコツをご紹介します。

ツクルくん
ツクルくん

僕の友達もネットで食品を売っているけれど、思ったような売り上げにならないって悩んでたなぁ。

カラミちゃん
カラミちゃん

食品は他のジャンルに比べてEC化が進まない課題がありますが、克服すれば人気ショップにもなれますよ。今回は課題と成功のコツをご紹介しますね。

食品EC市場の推移と現状

食品EC市場はここ数年でどのように推移しているのでしょうか。
下記の経済産業省が発表している「電子商取引に関する市場調査報告書」の日本国内の物販系分野におけるBtoC ECのジャンル別EC化率の5年間の推移を見ながら確認します。

カテゴリー 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
食品・飲料等 2.89% 3.31% 3.77% 4.16% 4.29%
生活家電・PC等 32.75% 37.45% 38.13% 42.01% 42.88%
書籍・映像ソフト等 34.18% 42.97% 46.20% 52.16% 53.45%
化粧品・医薬品 6.0% 6.72% 7.52% 8.24% 8.57%
生活雑貨・家具等 23.32% 26.03% 28.25% 29.59% 31.54%
衣類・服飾雑貨等 13.87% 19.44% 21.15% 21.56% 22.88%
自動車・バイク等 2.88% 3.23% 3.86% 3.98% 3.64%
事務用品・文房具 41.75%
その他 0.92% 1.85% 1.96% 1.89% 1.91%

このように食品ECの市場規模は年々増加しているものの、2023年のEC化率は4.29%と、物販系BtoC EC全体のEC化率9.38%と比較すると低いことがわかります。

一方、生活家電・PC等や書籍・映像ソフト等のジャンルは、2023年の時点でEC化率が40~50%と、かなり進んでおり、食品ジャンルのEC化率の10倍以上となっています。

2023年の時点でも、食品分野はEC化の進展にはまだ伸びしろがあるといえるでしょう。

食品通販・ECの課題とは?EC化が進まない理由

物販系分野のBtoC ECの中でも、食品ジャンルはEC化率がなかなか進んでいないことがわかりました。
ではなぜ食品ECは他のジャンルに比べてEC化が進まないのか、主な理由を紹介します。

実物を確認して購入したい消費者が多い

生鮮食品や加工食品を購入する際、新鮮さや品質が重視されます。
そのため、多くの人はスーパーなどで自分の目で見て選びたいと考えています。

ですがECサイトの場合、実際に商品を手に取って確認できないため、「本当に質の良い商品が届くのか」と不安に感じる人も少なくありません。

特に肉や野菜、魚などの生鮮食品は、色や艶、大きさ、新鮮さなどを見比べて購入したいという消費者が一定数いるため、食品ECは利用されにくいといえます。

店舗の利便性が高い

食品は近所のスーパーやコンビニで手軽に買えるため、ECで注文するよりも店舗のほうが利便性は高いといえます。
そのため配送を待つよりも、すぐに手に入る店舗での買い物を選ぶ人が多いと考えられます。

また実店舗では、食品以外の日用品などもまとめて購入できるため、ワンストップでの買い物が可能です。
このことも実店舗の利便性を高めており、EC化が進みにくい理由の1つとされています。

在庫管理や配送などショップ側の負担が大きい

食品ECでは、商品の特性上、在庫管理や配送において事業者側の負担が大きくなる傾向があります。

食品は賞味期限があるので厳密な在庫管理が不可欠で、期限切れによる廃棄ロスを抑えるための管理体制が求められます。
特に生鮮食品の場合は鮮度を保つために、適切な温度管理ができる保管設備も必要でしょう。

また、配送に関しても、商品によって常温・冷蔵・冷凍といった三温度帯での対応が必要なため、梱包や配送体制の構築が複雑になりがちです。
これらの手配や管理には人的コストもかかります。

さらに、送料無料としている場合、冷凍や冷蔵の配送料は特にコストが高いため、ショップ側の大きな負担となってしまします。

このように、食品を扱うことはハードルが高いため食品ECに踏み切れない事業者も多く、EC化がなかなか進まないといわれています。

食品ECを軌道に乗せる5つのコツ

ECが利用されにくかったり、体制構築のハードルが高かったりなど食品ECに課題はありますが、それを乗り越えて成功させるためのコツを5つご紹介します。

ECサイトならではの付加価値を作る

実店舗の利便性を超えるためには、消費者がわざわざECサイトを選ぶよう工夫することが重要です。

例えば、実店舗では手に入らない特別な商品や、ECサイト限定のセット商品を企画・販売することで、ECサイトで購入するきっかけとなるでしょう。

また地域限定の特産品や、生産量が少なく一般のスーパーでは見かけないような珍しい食材などもおすすめです。

また、産地直送による鮮度のアピールも有効です。
食品ECでは流通にかかる時間を短縮し、生産者から直接消費者に届けられるというメリットを生かし、より新鮮な状態で商品を提供できる点を強調します。

鮮度が重視される生鮮食品において産地直送は、消費者にとって魅力的なポイントでしょう。

このように「ECでしか買えない」「ECだから買いたい」と思わせるような付加価値を作ることは、実店舗ではなくECで購入しようという動機づけになります。

商品ページを充実させる

食品のネット通販では、顧客が実際に商品を手に取って確認できないため、商品ページを作り込み、内容を充実させることで購入意欲を高められるでしょう。

商品の基本的な情報はもちろんですが、五感に訴えかけるような魅力的な情報を伝えることが効果的です。
例えば調理している写真や動画を掲載したり、作り手の想いや商品ができるまでのエピソードなどを紹介したりすることで、顧客が商品理解を深めることができます。

また、アレルギーに関する情報や栄養成分の表示など、安心・安全に関わる情報をきちんと記載することも、食品ECでは特に重要です。

実店舗のようにスペースを気にする必要が無いので、多くの商品情報を掲載できるという食品ECのメリットを生かしましょう。

使いやすいサイトにする

ユーザーはECサイトが使いづらいと感じると、すぐに離脱してしまいます。
そのため、ユーザーがスムーズに操作できる使いやすいサイトにすることも、購入率のアップにつながります。

例えば、商品のカテゴリー別の絞り込みはもちろん、価格帯や用途別での検索など、ユーザーが目的の商品に素早くたどり着ける仕組みは1つのポイントです。

また、スマートフォンでの購入が増加していることから、画面サイズに合わせた最適化や、タップしやすいボタン配置など、モバイルフレンドリーな設計が必須となっています。

さらに、会員登録や住所入力をせず購入できるAmazon Payといった人気の決済方法の導入も、サイトの利便性を高くするでしょう。

その他にもECサイトの使い勝手を改善する方法はさまざまあります。
詳しくは「ECサイトの改善ポイントは?」の記事で紹介していますので、チェックしてみてください。

送料を工夫する

食品ECにおける送料を事業者側が支払う形にしてしまうと、負担が大きくなりすぎて利益を圧迫してしまいます。

そのため、一定額以上の購入で送料無料や割引を適用し、まとめ買いを促すことで購入単価を上げれば、1配送あたりの送料負担を軽減できるでしょう。

また、配送地域別に送料を細かく設定し、配送先が近い顧客には送料を安く、遠方の顧客には距離に応じた送料を設定することで、事業者側の負担を適切に調整しつつ、顧客にも納得感のある価格設定を目指せます。

一概にショップ側が負担しなくても、顧客に納得してもらえるような送料の提示を行えば、購入率を下げることなく利益を確保できるでしょう。

発送や物流代行サービスを利用する

食品ECの運営において、適切な温度での在庫管理や配送業務はハードルが高く、自社で体制を整えることはかなりのコストが必要です。

そこで、発送や物流の代行サービスを活用すれば、手軽に食品ECを始められるのでおすすめです。

物流の専門企業に委託することで、業務負担の軽減、最適な状態での品質管理、顧客満足度の向上などが期待できます。

特に冷凍・冷蔵倉庫の場合、自社で管理体制を整えるよりも、設備が整っている専門の物流代行サービスのほうが、結果としてコストカットになる場合もあるでしょう。

ECの物流代行については「EC物流代行とは?」の記事でサービス内容やサービスを選ぶ際のポイントなどを紹介しています。合わせてご覧ください。

【食品ECのタイプ別】課題克服の戦略

食品ECといっても、厳密にいうと下記の3つのパターンに分かれます。

  • ・食品メーカー・生産者自社サイト(食品D2C)
  • ・ネットスーパー(小売店による食品EC)
  • ・定期宅配・サブスクリプション

他のジャンルの商品に比べて、ECは利用されにくいという共通の課題はありますが、3つのタイプごとにアプローチの方法が多少異なります。

ここからは、食品ECのパターンごとに課題の克服方法を見ていきましょう。

食品メーカー・生産者自社サイト(食品D2C)の戦略

食品メーカーや生産者による食品D2C(Direct to Consumer)型では、顧客へ直接商品を届けられる強みを活かした戦略が重要です。

まず、ターゲット顧客を明確に定めましょう。
どんなニーズを持つ人にどのような商品を届けたいのかを具体的にイメージすることで、他社との差別化になります。

ターゲットやコンセプトを定めたら、他では手に入らない独自商品の開発と、その背景にあるブランドストーリーの発信が不可欠です。

生産者のこだわりや製法、商品に込められた想いを丁寧に伝えることで、商品の付加価値を高め、顧客が「このサイトで購入しよう」と思うきっかけとなります。

なお、ネットショップのコンセプトの決め方については「ネットショップのコンセプトの決め方が成功の秘訣!」の記事をご覧ください。

また、他では手に入らない特別なギフト需要への対応も成功のためのポイントです。

EC限定のギフトセットや、ギフトにふさわしいパッケージデザイン、梱包イメージを確認できるサービスなどを提供することで、大切な人への贈り物としての魅力を高め、利用シーンの拡大などが期待できます。

このような戦略を組み合わせることで、価格競争に陥ることなく、独自のポジションを築くことが可能でしょう。

ネットスーパー(小売店による食品EC)戦略

ネットスーパー(小売店による食品EC)戦略は、実店舗との連携と顧客の利便性向上が鍵となります。

具体的な戦略として、まず迅速・柔軟な配送が挙げられます。
店舗在庫を活用し、注文から1時間での配達や、早朝・深夜配達、1時間単位の時間指定など、多様な配送オプションを提供してさまざまな顧客のニーズに応えることで、利便性を高めます。

さらに店舗受け取りサービスも展開すれば、送料を節約して都合の良い時間に受け取りたいという顧客にも利用してもらえるでしょう。

またECならではのデータ活用は欠かせません。
購買データに基づき、顧客に合わせた商品や定期的に購入する商品の提案、プロモーションを実施することで、顧客の購買を促せるでしょう。

定期宅配・サブスクリプションの戦略

定期宅配・サブスクリプション食品ECの利用者を増やすためには、差別化と利用ハードルの軽減がポイントです。

まず専門性・ニッチ分野への食品に特化することで、独自のポジションを築け、他社や実店舗と差別化できるでしょう。
例えば特定アレルギーの対応食や希少品種の果物サブスクなど、スーパーや通常のECサイトでは手に入らない商品が理想的です。

また、定期宅配は最初の申し込みのハードルが高いため、初回限定の大幅割引や豪華な初回特典、低価格でお試しできるプランの提供などがあれば、定期宅配の心理的ハードルを下げられるでしょう。

なお、「簡単に解約できる」という仕組みも、気軽に定期便を申し込むきっかけとなります。

さらに、継続利用を促進するには、定期配送の変更に関する柔軟性の高さが重要です。
配送のスキップ機能、一時停止機能、配送頻度の自由調整など、顧客の都合に合わせた柔軟な対応により顧客の利便性を上げることは、解約を防げるでしょう。

カラーミーショップは食品ECの課題解決をサポート

食品ECは上記のように、さまざまな課題があるため、EC構築サービスカラーミーショップでは食品ECをサポートするような機能を備えた食品事業者用プランを提供しています。

カラーミーショップの食品事業者用プランでは、小売と卸の一元管理や予約販売、三温度帯(冷凍・冷蔵・常温)での受注といった、食品EC特有の多様な販売方法に対応できます。

また、のし掛けや複数配送先設定など、日本のギフト文化に合わせたきめ細やかなサービスを顧客へ提供することも可能です。

デザインの自由度も高いため、まるで実店舗のような魅力的なECサイトを構築し、ブランドの世界観を効果的に表現できるでしょう。

食品事業者の利用事例も多いため、初めての食品ECでも安心して利用できる点もポイントです。

気になる方はぜひカラーミーショップの食品事業者プランをチェックしてみてくださいね。

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まとめ

2023年の時点で、食品ECのEC化率は他業界と比べて低い水準にありますが、その要因は消費者が商品を実際に確認したいといったニーズや、店舗の利便性の高さなどが挙げられます。

そこで課題を乗り越えて成功させるには、ECならではの付加価値創出、商品ページの充実などがポイントです。

カラーミーショップなら食品ECで必須の三温度帯配送やギフト機能など、食品ECで必須の機能が備わった食品事業者専用プランがあります。
これから食品ECを始めたい方はぜひご検討ください。

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よくある質問

食品ECの課題は何ですか?

消費者が商品を自分の目で確認したいニーズがある、店舗のが利便性が高いといった理由から、利用が進まないのが課題です。くわしくはこちらの章で紹介しています。