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EC物流代行とは?サービス内容やメリット・デメリットと選ぶ際のポイントも紹介!

ECサイトを運営していると、商品の保管や梱包、発送などの物流業務にかなりの時間がとられてしまいます。
そのような悩みを解決してくれるのがEC物流代行サービスです。
商品の物流業務を外部に任せることで、自社では商品開発やマーケティングなどのコア業務に集中できます。
この記事では、EC物流代行の基本から選び方のポイントまで、わかりやすくご紹介します。

ツクルくん
ツクルくん

ECサイトの物流代行サービスってどんなことをやってくれるんだろう?

カラミちゃん
カラミちゃん

配送業務以外も委託できるんですよ!今から詳しく紹介しますね。

EC物流代行とは何?

EC物流代行とは、ECサイト運営に伴う物流業務の一部、または全部を外部の企業に委託するサービスです。
商品入荷から保管、梱包、出荷、配送などの物流業務を外部委託することで、EC事業者は販売戦略の立案や商品開発といったコア業務に集中できます。

特に複数のECサイトや販売チャネルを運営するショップにとって、EC物流代行は複雑な物流プロセスを効率化するためのサービスとして注目されています。

EC物流代行サービスの特徴

EC物流代行サービスは一般的な物流サービスとは異なる、ECサイト特有のニーズに対応した特徴を持っています。

まず、複数の販売チャネル(実店舗、ECサイト、ECモールなど)を一元管理できる点です。
システムを活用すれば各チャネルの在庫状況をリアルタイムで共有し、どのチャネルからの注文にも対応できるため、販売機会の損失を防ぎます。

また、さまざまな商品を少しずつ扱うECサイトもあるため、小ロット配送への対応が可能です。
1個単位の注文からでも迅速に発送できる体制が整っており、EC事業者の多様なニーズに応えます。

さらに、EC販売ではほぼ必ず発生する販促物やお礼状などの同梱物にも、対応した物流代行サービスもあります。

このように、EC物流代行サービスはEC事業者の利便性を考えたサービスになっています。

EC物流代行の主なサービス内容

下記は、ECサイトの物流の過程です。

EC物流代行サービスでは上記の工程の一部、または全てを外部に委託することができます。

EC物流代行の種類は2パターンある

EC物流代行には、大きく分けて「3PL」と「フルフィルメント」の2種類があります。
どちらもEC事業者の物流業務を代行しますが、サービス範囲が異なります。

3PLは「Third Party Logistics(サードパーティー・ロジスティクス)」の略で、EC事業者に代わって物流業務の一部、あるいは全部を代行するサービスです。
先ほど図で紹介した商品の入庫、在庫管理、梱包、配送など、発送に関わる必要な業務を依頼できます。

一方フルフィルメントは、3PLの対応業務に加え、返品対応、代金回収、カスタマーサポートといった幅広い業務まで行ってくれます。

フルフィルメントのほうがより多くの業務を担ってくれるため、リソースが限られている企業に向いているといえるでしょう。

EC物流代行サービスを利用するメリット

EC事業者がEC物流代行サービスを利用すると、どのようなメリットを感じるのでしょうか。
主なものをご紹介します。

コア業務に集中できる

物流業務を自社で行うと予想以上に多くの時間と労力が必要となり、本来注力すべき業務に手が回らなくなる可能性があります。
そこでEC物流代行サービスを利用することで、煩雑な物流業務を外注し、ECサイト運営のコア業務に集中できるでしょう。

EC物流代行サービスでは、受注処理や在庫管理、梱包・発送、さらに顧客対応など多岐にわたる業務を委託可能です。

これらの業務を外部に委託し、空いた時間を商品開発やECマーケティングなどに充てれば、売上向上やブランド力の強化などが期待できます。

商品の保管・配送関連のコストが削減できる

ECサイトの事業規模が拡大するほど、商品の保管・配送にかかるコストは大きな負担になっていきます。

特に自社倉庫で管理する場合、閑散期でも一定の保管スペースを確保し続けなければならないため、本来不要なコストもかかってしまいます。

もしEC物流代行サービスを利用すれば、倉庫費用については必要なスペースだけ利用可能なので、閑散期のコスト負担を軽減できます。

また、複数のECサイトの荷物をまとめて配送するため送料も抑えられるでしょう。
さらに、配送関連の人件費も削減できるため、全体的な物流コストの大幅削減が見込めます。

顧客満足度の向上につながる

EC物流代行サービスは配送のプロフェッショナルです。
迅速かつ確実な配送、丁寧な梱包、配送状況の確認システムなど、物流に関するノウハウと設備を持っています。

EC物流代行サービスに委託することで商品が安全でスムーズに顧客の手元に届くため、顧客は安心して買い物を楽しむことができ、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

ECサイトの運営において、顧客満足度は成長の鍵です。
自社で慣れない配送業務を行うよりも、EC物流代行サービスを利用したほうが、自社ECの成長を促せるかもしれません。

EC物流代行サービスを利用するデメリット

EC物流代行サービスを利用する場合に考えられる、デメリットをご紹介します。

コミュニケーションコストがかかる

EC物流代行を利用する場合、さまざまな場面で委託先とのコミュニケーションが必要になります。

具体的には、納期や商品の数量、梱包方法についての連絡や確認、定期的なミーティングといったコミュニケーションが発生します。

そのため、自社で物流管理をしていた時よりもコミュニケーションコストが増大する可能性があるでしょう。

顧客情報漏洩のリスクがある

配送周りの業務を委託すると、名前や住所、電話番号といった基本情報以外にも、場合によっては購入履歴やクレジットカード情報などもEC物流代行会社と共有しなければなりません。

情報を共有する場合、情報漏洩のリスクが必ずあることを知っておきましょう。

もし顧客情報が漏れてしまうと、顧客が離れていくだけでなく、損害賠償を支払わなければならなかったり、事業の継続が難しくなったりする可能性もあります。

そのため、EC物流代行会社を選ぶ際には、セキュリティ対策がしっかりしているか事前に確認することが大切です。

また、契約内容にも注意を払い、情報取り扱いに関する条項や秘密保持契約の締結を明確化することで、リスクを減らせるでしょう。

今後自社での配送が難しくなる

ECの物流業務を他社に委託するということは、自社にノウハウが溜まらないということです。
そのため、事業の拡大や戦略変更に伴い、委託を止めて自社で配送業務を行おうとしても、移行が難しい可能性があります。

もし自社で配送を行う場合、配送システムの構築・運用や人材の確保などを1から始めなければならないため、かなりの時間的・金銭的なコストが必要になるでしょう。

EC物流代行サービスで必要な費用

EC物流代行サービスを利用する際にかかる費用は、大きく「基本料」と「変動費」の2種類に分けられます。
基本料は、毎月固定で発生する費用です。
変動費は取り扱う商品の量や、作業内容に応じて変動する費用です。

以下は、EC物流代行サービスで必要な主な費用の内訳を表にまとめたものです。

費用区分 内訳 備考
基本料 システム利用料 受発注や在庫管理システムなどの利用料。サービスによって料金は大きく異なる。
保管料 商品の保管場所の使用料。保管条件(温度・湿度管理など)、保管期間、保管スペースで費用が異なる。
変動費 入庫費用 商品を倉庫に搬入する際にかかる費用。入荷時の検品作業なども含まれる場合がある。
ピッキング費用 注文された商品を倉庫から取り出す作業にかかる費用。
梱包作業費 梱包自体にかかる費用。梱包方法や作業量によって変動。
梱包資材費 段ボールなど、梱包用資材の費用。使用する梱包材や必要な量によって価格は変動。
発送費用 商品の発送費用。商品のサイズ、配送地域、配送方法で価格は変動。

上記以外でも、サービスによっては別の費用がかかる可能性があります。
EC物流代行サービスを利用する際には、これらの費用を事前に確認し、自社の予算に合わせて最適なサービスを選ぶことが重要です。

EC物流代行サービスの選び方のポイント

さまざまな物流代行サービスがあるため、どのサービスを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
そこで物流代行サービスを検討する際の比較ポイントをご紹介します。

これまでの実績や評価

サービスを比較検討する際は各サービスのWebサイトなどで、これまでの実績や評価などを確認しましょう。
実績豊富な企業は、さまざまなECビジネスのノウハウを蓄積しており、安定したサービス提供が期待できます。

また、長年の実績を持つ企業は予期せぬトラブルが発生した場合でも、これまでの経験に基づいたノウハウが豊富なので、適切な対応を取ってくれるはずです。

対応可能な商材やサービス

自社が委託したい商品に対応しているサービスなのか、確認することは大切です。
例えば冷蔵・冷凍食品は適切な温度管理の設備が必要なため、対応してない会社もあります。

また、商材によっては特定の資格や許可を取得している会社ではないと、物流代行サービスを行えません。
会社によってどの商品を扱えるのかは異なるため、必ず事前に確認しましょう。

必要な費用・料金体系

先ほど、物流代行に必要な主な費用をご紹介しましたが、設定されている費用や料金体系はサービスによって大きく異なります。
また、扱い商品によっても費用の相場が変わってくるでしょう。

そのため、自社の場合だと毎月どの程度の費用を支払うことになるのか、事前に見積もりを取るなどして確認します。

費用によっては物流代行費の負担が大きすぎて利益がほとんど残らず、事業継続が難しくなる可能性もあります。

無理のないコストで依頼できるのかどうかも、物流代行サービスを選ぶ際のポイントです。

出荷量・保管スペースの柔軟性

ECサイトでは季節商品の取り扱い、キャンペーンの実施などさまざまな要因によって、商品の出荷量や必要な保管スペースに大きな差が出ます。

そのためEC物流代行会社を選ぶ際は、繁忙期や閑散期に応じて柔軟に対応できるサービスを提供している会社を選ぶのがおすすめです。

出荷量が一定だと販売機会の損失につながってしまいますし、保管スペースが変えられない場合、コストが余計にかかってしまいます。
出荷量と保管スペースの柔軟性は、EC物流代行会社によって異なるため、きちんと調べましょう。

サポート体制

何かトラブルがあった際に、物流代行サービス側から迅速かつ的確なサポートを受けられることは非常に心強いです。
特に顧客も関係するトラブルの場合、対応が長引いてしまうと顧客満足度の低下につながってしまいます。

そのためEC物流代行会社を選ぶ際には、どのようなサポート体制が整っているかを確認しましょう。
なお、問い合わせる際は電話やメールなど、どのような方法なのかチェックしておくこともポイントです。

倉庫の拠点

倉庫の立地は送料と配送スピードに直結するため、自社の状況を考慮する必要があります。

例えば、顧客が関東圏に集中しているECサイトなら、関東圏に倉庫を持つ会社を選べば送料を抑えて短期間で配送できます。

ですがECサイトは顧客が全国にいることが多いため、全国の主要な拠点に倉庫を持つ会社を選ぶのがおすすめでしょう。

EC物流サービスの仕組みを詳しく紹介

物流代行サービスの概要がわかったものの、さらに具体的に知りたい方も多いと思います。

カラーミーショップのよむよむカラーミー編集部では、実際にLogiMo Pro(ロジモプロ)というEC物流代行サービスを運営している株式会社清長さんの倉庫に見学に行っています。
EC物流代行サービスの仕組みや流れを知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。

なお、文章ではなく動画で見てみたいという方は下記をチェックしてくださいね。

まとめ

EC物流代行サービスを利用すれば、煩雑な物流業務から解放され、本来やるべき仕事に力を注げるようになります。
ただし、コスト削減や顧客満足度アップなどのメリットがある一方で、いくつか注意点もあります。

また、自社に合ったサービスを選ぶには、実績や対応商材、料金体系、柔軟性などいくつかポイントがあるため、きちんと比較検討してからサービスに申し込みましょう。

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