ネットショップが成長する中で、大きな悩みとなるのが配送や在庫管理、倉庫などの問題。
そんなショップオーナーさまのお悩みを解決してくれる存在として、今注目を浴びているのが「物流代行」と呼ばれるサービスです。
とはいえ「物流代行サービスってどんなもの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるはず。
そこで今回は、物流代行サービスの「LogiMo Pro(ロジモプロ)」を運営している株式会社清長さんの倉庫に、よむよむカラーミー編集部がおじゃましてきました。
株式会社清長さんの倉庫にやってきました
東京から約1時間かけて、千葉県にある柏の葉キャンパス駅に到着。
そこからさらに車を走らせること約15分、LogiMo Proを運営している株式会社清長(せいちょう)さんの倉庫にやってきました。
今回案内してくださるのは、同社の営業部長を務める中川さんです。
こんにちは! 本日はよろしくお願いいたします。
こんにちは、ようこそいらっしゃいました! 中川と申します。
倉庫見学は初めてなので、ドキドキしています…。
そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ!(笑)
今回は「第7センター」という倉庫で、実際に弊社がどのように物流代行業務を行っているか、ご紹介させていただきます。
はい! よろしくお願いします!
まずは倉庫の搬入口から見学
ここが入口ですか。
このあたりの区画がうちの倉庫なのですが、ここは商品の搬入・搬出口になっています。
搬入の際はここにトラックが入ってきて、商品をどんどん置いていきます。すべて完了したら、今度はエレベーターで商品を上の階へとあげます。
このエレベーター、とても大きいですね。
出荷の際も、また同じようにこのエレベーターを使って商品を下ろすんですよ。
下りてくるときは、商品はひとつひとつ段ボール箱に入れられて、送り状が貼られています。その荷物をですね、次はこちらの機械にすべて流していくんです。
この機械は何をするためのものですか?
配達業者さんって、よく荷物を一個ずつ機械でピッピッと読み取っているでしょう。それをこの機械が自動でやってくれるんですよ。
すごい!
荷物の量が多いと一個ずつピッピッとやっていくのは大変なので、全部ここに流していきます。
送り状のバーコード情報を機械が読み込むと荷物の行き先がわかり、さらにサイズも計測がされるので、手間がまったくかかりません。
全部手作業でやっていたころは毎晩20時~21時までかかりましたが、これを導入してからは、18時には配送会社さんに荷物を受け渡せるようになりました。早い時はもっと早いですね。
かなりの時間短縮になっているんですね。
配送会社さんがする作業もこの機械が一部やってくれるので「清長さんへの集荷作業は楽ですね」と言っていただけます。
配送会社さんにも喜ばれてるんだ…。
実はこれ、配送会社さんのために導入した機械なんですよ。積み込みが早ければ集荷時間も早くなりますからね。
これまでは送料を上げると集荷時間を早くしなきゃ…とか課題もいろいろ出てきたんですが、うちはこの機械を導入したので集荷時間を遅くもできますし、早く積み込めるのでドライバーさんの負担はかなり減らせていると思います。
配送会社さんの作業をうちが一部でも担うことで、配送会社さんの人件費削減をお手伝いできるし、集荷時間を遅くすることにもつながります。結果的に送料も低くキープできるので。
こういう機械を導入している会社さんは少ないのでしょうか?
なかなかいないと思います。この機械、実はけっこうな金額なので…。
でも、こういうことをやらないとドライバーさんの負担が増すばかりですからね。
今は配送会社さんが大手ECサイトから撤退することもありますし、そんな中でも弊社は選ばれ続ける物流会社であるために、ひとつの施策としてこの機械を導入したんです。
お客様のことだけでなく、配送会社さんにも気をくばっているんですね。
そうですね。きちんと考えていかないと「宅配クライシス(※)」は今後もまだまだ続きますので。働き方改革にも少しだけでも貢献できればいいんですけどね。
さて、では次は倉庫で出荷されるまでの流れを説明していきます。上の階に行きましょうか。
インターネット通販の普及により、配送会社の業務負担が増え、人材不足や送料値上げなどが問題になっている。
2階に上がって、いよいよ倉庫の内部へ…!
おお~! とっても広いですね。
ここが第7センターです。
倉庫内をサクッと見ていただいたところで、入庫の流れからご説明しましょう。
まずは商品の入庫から検品、保管までの流れを知る
LogiMo Proに商品を登録したショップオーナーさまには、まずこの倉庫に「どの商品が・何個・いつ入荷するか」といった入荷予定情報を入力していただきます。
ここでは入荷予定情報をまとめて取り出し、商品の到着前に「入荷指示書」を印刷します。
入荷指示書…?
入荷指示書とは「どのユーザーさんが・どの商品を・何個・いつ入荷予定なのか」を記載した指示書のことです。商品が到着したら、入荷指示書の情報と突き合わせて一次検品を行います。
ふむふむ。
さらにそれだけでなく、二次検品に移る前に別のスタッフがダブルチェックも行います。
二次検品の前にもダブルチェックを入れているんですね! 徹底している…。
検品は基本的に一人で行わず、かならず別のスタッフも加えて二人体制で行っています。
そうして二次検品まで終わらせてから、ようやく「インストアコード」と呼ばれる所定のバーコードシールなどを商品に貼っていきます。
二次検品を終えてバーコードを貼った商品は、仮の商品棚の中にひとまず入れていきます。
仮置きの状態で棚番を振って「この商品はこの仮棚番に置いてある」というふうに、入ってきた商品がどこにあるかを“見える化”できるようにしているんです。
商品をすべて仮の商品棚へ入れ終わったら、棚ごと動かして、正規の棚があるエリアまで移動します。
ここにあるものはすべて発送待ちの商品なんですか?
はい、このフロア全部です。
ありとあらゆるものが揃っていますよ。サイズの小さいものや軽いもの専用の棚もあれば、しっかりとした重量のあるものをしまう棚もあります。
これらの棚にも棚番が振られていまして、先ほど貼ったインストアコードを機械でピッピッと読み込むんです。すると「この商品がどこの棚に何個ありますよ」というロケーション登録ができる仕組みになっています。
すごいですね。
LogiMo Proの特徴は、この棚ひとつひとつに1ショップぶんの商品すべてを入れるわけではないというところです。ひとつの棚の商品がすべて別々のショップの商品ということもあります。これは「フリーロケーション」と呼ばれる方式なんですけど。
なぜその方式をとられたんですか?
業務スピードの効率化が狙いですね。
たとえば、入口近くにある商品がどんどんピッキングされて棚がガラガラになったとします。そんなときはスペースがもったいないので、奥にしまってある商品の中でも比較的よく出荷される商品を持ってきて、空いたスペースに入れちゃうんですよ。
そのままだと奥までピッキングしに行くのが大変ですし、時間がかかるでしょう。
なるほど! 確かに。
この方式のおかげでピッキングの導線が短くなり、さらに時間が短縮できるんです。
商品の位置をこまめに変えていても、混乱は起こらないんですか?
すべて「インストアコード」で場所を管理していますので、どの商品がどこにあるかはデータ上で把握できます。なので作業者は場所を知らなくても、データを確認するだけで作業が可能になるんですよ。
何がどこに置いてあるかさえわかればピッキングはできますので、入荷の時点で間違いのないものにきちんと「インストアコード」が貼られていれば非常に楽なんですよね。
「よく出荷される商品はとりやすい手前の棚に、あまり出荷されない商品は奥や下段の棚へ」というふうに、商品の配置をぐるぐると回しています。
すごい…! 効率化のための細かな取り組みをされているんですね。
そうですね。常に効率化を考えて場所を入れ替えているので、次の週になると棚の中身がガラリと変わっていることもありますよ。
ありがとうございます。
ちなみにLogiMo Proでは、商品が倉庫に入ってきて検品を済ませたあと、ここまで来て初めて料金(※)が発生する仕組みになっています。
ここまでが商品の入荷から検品、そして保管の流れとなります。
続いては梱包から出荷までの流れをご案内しますね。