年末年始は、ECサイトにとって重要な年末商戦期であると同時に、休業する大事な期間でもあります。
そのため、配送や問い合わせ対応など、長期の休業期間中の対応を事前にしっかりと決めておくことが肝心です。
この記事では、年末年始の休業前にECサイトが対応すべきことをご紹介します。
年末年始のお休みに入る前に特別にすることってあるの?
年末商戦で忙しい時期ですが、年末年始にしっかりとお休みするためにも、事前にきちんと準備をしておく必要があるんですよツクルくん!
目次
配送の休止期間を決めて対応・アナウンスする
配送休止期間を決めてECサイトで設定しよう
年末年始はECサイト運営にとって、配送の休止期間の設定とそのアナウンスが重要な作業となります。顧客に迷惑をかけることなく、スムーズに休業期間に移行するために、以下の4つのポイントに注意しましょう。
ポイント | 内容 |
---|---|
配送業者への確認 | 年末年始の配送スケジュールは、配送業者によって異なります。事前に配送業者に確認し、最終集荷日や配送の遅延の可能性などを把握しておきましょう。 |
年内最終出荷日や休止期間・再開日の設定 | ECサイトの運営休止期間と合わせて、配送業務の年内最終出荷日と休止期間、年始の再開日を決めましょう。特に年内に商品を受け取りたい顧客が誤解しないよう、きちんと最終出荷日に間に合う時間や、銀行振り込みなどの即日出荷ができない可能性のある支払い方法の注意などを、サイトやメールでわかりやすく伝えましょう。 |
配送指定不可日の設定 | 注文は受け付けても年末年始の期間は配達日の指定ができないように期間を設定し、合わせて顧客に周知しましょう。ECサイト内のカレンダーやバナーなどで配送指定ができない旨を明記すると、よりわかりやすくなります。 |
年末年始の配送遅延の可能性について | 年末年始は物量の増加や天候の影響により、配送が遅延する可能性があります。顧客に事前に理解を求めておきましょう。 |
サイトへの掲載・アナウンスをしよう
年末年始の配送休止・再開期間を決めたら、次に顧客が注文前に年末年始の配送に関する情報を確実に得られるように、以下の場所にわかりやすく明記しましょう。
- ・配送の備考欄
- ・商品ページの説明文
- ・TOPページ
- ・FAQページ
- ・買い物かご
年末年始の配送に関する情報を確実に伝えるためにも、上記の箇所以外にも目に留まる場所があれば積極的に告知していきましょう。
カラーミーショップでの配送期間指定不可の設定方法や、おすすめの告知箇所に関してはこちらの解説記事を参考にしてください。
年末年始のお問い合わせ対応の休止期間を決めて告知する
年末年始の休業期間中は注文対応や発送業務だけでなく、問い合わせ対応についても検討する必要があります。
顧客満足度を維持するためにも、休業期間中の問い合わせ対応について、わかりやすく顧客に伝えることが重要です。
まず、問い合わせ対応の休止期間を設定しましょう。
いつからいつまで休止するのか、具体的な日付を決定します。
休止期間を設定することで、顧客がいつまで問い合わせが可能なのか、いつから回答を得られるのかが明確になります。
項目 | 具体的な内容 |
---|---|
年内の問い合わせ最終日 | 年内はいつまで問い合わせ対応を行うのかを決めましょう。顧客に誤解を与えないためにもきちんと何時までのお問い合わせと明記しておきましょう。 |
問い合わせ対応休止期間 | ショップの体制なども加味して、無理のない具体的な休止期間を決めましょう。 |
問い合わせ対応再開日 | いつから問い合わせ対応を再開するのかを決めましょう。年末年始にたまったお問い合わせの対応をするために、可能であれば電話とメール対応の開始日付けをずらすなど、体制に合わせて工夫をするのもおすすめです。 |
ECサイトへの掲載・アナウンス、お知らせ文の準備をしよう
配送休止の告知と同様に、お問い合わせ対応の休止期間と再開日が決まったら、顧客にその情報を伝えましょう。
顧客がわかりやすく情報を得られるように、サイトへの掲載やメールでのアナウンスが効果的です。
告知の時期は、遅くともクリスマス商戦が終わったころにはECサイト内で出しておきましょう。
また、お問い合わせ・配送の休止に関してと、年末年始の期間中でもECサイトでの購入は可能であることなどをまとめたお知らせページを用意して、リンクさせるのもおすすめです。
サイトでの掲載箇所や告知方法は下記を参考にしてみてください。
- ・TOPページ
- ・お知らせページ
- ・商品購入ページ
- ・マイページ
- ・FAQページ
- ・SNSでの共有
- ・メールマガジンの内容に追記する
また、メールだけでなく電話での顧客対応をしているショップは、年内最後の営業日には留守番電話のメッセージなども年末年始用に切り替える準備をしておきましょう。
休止期間中は、サイト上に自動返信メッセージなどを設定しておくと、顧客が「返事が返ってこない」と不安になるケースも減らせ、安心感を与えることができます。
また、近年はAIチャットボットを導入することも有効な手段として注目されています。
よくある質問への回答を自動化することで、顧客は休業期間中であっても、ある程度の疑問を自己解決できます。
問い合わせ対応の負担軽減にもつながるため、導入に興味がある方はこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
お知らせ例文
以下の例文を参考に、自社の状況に合わせて変更し、わかりやすく簡潔な文章で顧客に伝えましょう。
顧客からの問い合わせ対応や配送対応ができない明確な期間を示すこと、また、年末年始の期間でもECサイトでの購入は可能であることを記載することがポイントです。
年末年始の休業期間とお届けスケジュールに関するお知らせ
いつも〇〇ショップをご利用いただき、誠にありがとうございます。
年末年始の当店の休業日およびお届けスケジュールについてご案内いたします。
【休業期間】
2024年12月XX日(X)~2025年1月XX日(X)
※サイトでのお買い物は休業期間中も可能でございます。
【年内の最終受付・発送日】
商品発送:2024年12月XX日(X)XX時XX分までのご注文
お問い合わせ:2024年12月XX日(X)XX時まで
上記期日以降のご注文・お問い合わせにつきましては、2025年1月XX日(X)以降、順次対応させていただきます。
なお、年末年始は交通・天候の事情や運送業者の荷物量増加により、配送遅延が発生するケースが増えてまいりますので、あらかじめご了承くださいませ。
お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
在庫の棚卸しや、年始のサイト更新の確認をしよう
年末年始の休業前に、在庫の棚卸しを行うことも重要です。
棚卸しをすることで、在庫の過剰や不足を把握し、適切な在庫管理につなげることができます。
在庫の棚卸しは、正確な損益計算や、健全な経営状態を維持するためにも欠かせません。
年末年始は需要変動が大きくなる時期です。
特に、新年セールなどで販売を予定している商品は、十分な在庫を確保しておく必要があります。
在庫切れで販売機会を逃してしまったり、逆に在庫を抱えすぎて損失が出てしまったりすることがないよう、しっかりと棚卸しを行い、適切な在庫管理を行いましょう。
また、年末年始の休業中にサイトを更新することが難しいことを踏まえ、正月・お年玉セールなどを行う場合は休業前に、日付が変わると自動でページが切り替わるよう予約設定ができているか、アクセス集中による負荷にECサイトが耐えられるのかどうかなども確認しておきましょう。
カラーミーショップでは、急なアクセス集中が起きた際にショップページが表示されるまでの待機人数をお知らせする「カラーミー待合室」という無料の機能があります。
画面上で「現在の待ち人数」がカウントされ、順番がきたら自動的にショップページに切り替わります。
最後に、商品のSKU設定が実際の在庫と正しく紐づけられているかどうかの確認も合わせて行いましょう。
今年のアクセスや売上の実績の振り返りをしよう
年末年始の休暇に入る前に、今年のアクセスや売上の実績を振り返り、来年のECサイト運営に役立てましょう。
今年のアクセスや売上実績を振り返る際に確認すべき項目と、それぞれの分析の視点、そして分析を行うことで得られるメリットは以下です。
項目 | 分析の視点 | 行うことで得られるメリット |
---|---|---|
アクセス数の推移 | ・年間を通して、いつ、どのページが多く見られたのか? ・どんな流入経路からのアクセスが多かったのか? |
・アクセス数の多いページを分析することで、顧客のニーズを把握し、商品ページの改善や、新たな商品開発に活かせる ・流入経路を分析することで、効果的な広告配信やプロモーション施策につなげられる |
売上推移 | ・年間を通して、売上が多かった時期、少なかった時期は? ・それぞれの時期の要因は? |
売上推移を把握することで、年間の販売計画や在庫管理、来年の売上目標設定の精度を高められる |
売れ筋商品・サービス | ・何が売れたのか? ・なぜ売れたのか? |
売れ筋商品の傾向を分析することで、顧客のニーズをより深く理解し、今後の商品開発や仕入れ、販売戦略に活かせる |
顧客属性 | どんな顧客が購入しているのか?(年齢層、性別、居住地、職業、興味関心など) | 顧客をセグメントごとに分析することで、ターゲットに合わせた広告配信やプロモーション、商品開発などに活かせる |
これらのデータを分析することで、来年のECサイト運営をより効果的に行うための具体的な施策を検討できるでしょう。
なお、ECサイトの分析の仕方について詳しくは「ECサイト分析の手法解説!」の記事で、分析するメリットややり方について解説していますので、チェックしてみてください。
翌年の目標設定をしよう
年末年始は、1年間のECサイト運営を振り返り、次の年の目標を立てる良い機会です。
売上目標はもちろんのこと、新規顧客の獲得や顧客単価の向上など、具体的な目標を設定することで、翌年のより戦略的なECサイト運営のスタートダッシュが切りやすくなります。
目標 | 設定例 |
---|---|
売上目標 | 前年比120%増、売上目標○○万円達成 |
新規顧客の獲得目標 | 新規顧客獲得数○○人 |
顧客単価の向上目標 | 顧客単価を前年比○○円増 |
集客目標 | ECサイトのアクセス数を前年比130%増 |
目標を達成するためには、具体的な戦略も必要です。
例えば、売上目標を達成するためには、どのような商品を、どのようなターゲットに向けて販売していくのか、といったマーケティング戦略を検討する必要があります。
新規顧客獲得のためには、SEO対策や広告出稿など、ECサイトへの集客方法を見直したり、顧客単価向上のためには、リピート促進のためのキャンペーンやECサイトのクーポン発行などを検討したりする必要があるでしょう。
目標を立て、具体的な戦略を練ることで、翌年のECサイト運営を成功に導きましょう。
ECサイトのマーケティングについて知りたい方は「ECマーケティングとは?」の記事も合わせてご覧ください。
まとめ:年末年始に備えてしっかりと休業前の準備をしておくことが大切!
年末年始は、ECサイトにとって1年で最も重要な商戦期であると同時に、翌年のビジネスの成功を左右する準備期間でもあります。
そこで、この期間を最大限に活用するためにも、休業前にしっかりと準備をしておくことがポイントです。
年末年始休業前の準備として、以下の項目について確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
年末年始の配送の休止期間や配送指定日不可の設定などを行う | いつからいつまで配送を休止するかを決定し、ECサイトやSNS・メールマガジン等で告知する |
お問い合わせ対応の休止期間 | いつからいつまでお問い合わせ対応を休止するか、年始の対応体制を決定し、配送休止期間同様に告知する |
在庫の棚卸しや年始のサイト更新の確認 | 正確な在庫数をあらかじめ把握し、年末年始の需要増加に対応できるようにして売れ残りや機会損失を防ぐ。また年始のサイト更新ができるかの確認も行う |
アクセス・売上実績の振り返り | 今年のアクセス数や売上実績を分析することで、来年の販売戦略に役立てることができる |
翌年の目標設定 | 今年の反省点を踏まえ、来年の目標を設定する。目標を設定することで、具体的な施策を立てやすくなる |
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