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メディアECとは?参考事例6選と上手な運営のコツを解説!

インターネット上で商品を販売するためのECの機能だけでなく、Webメディアを組み合わせたメディアECが注目されています。

メディアECにはどのような効果があるのか、メリット・デメリットや参考事例まで紹介します。

ツクルくん
ツクルくん

ネットで検索していた記事を読んでいたら、実はECサイトだったってことが良くあるよね。

カラミちゃん
カラミちゃん

ECサイトをメディア化して、コンテンツなどを組み合わせたECのことをメディアECといいます。今回はメディアECの目的や事例を詳しく紹介していきます。

メディアECとは?

ECサイトは、商品やサービスの販売を目的としたもので、商品ページやカテゴリページなどで展開されます。
メディアECとは、このような販売を目的としたECサイトに、Webメディアのような独自コンテンツを組み合わせたWebサイトのことです。
ECメディアやメディアコマースといわれることもあります。

例えば、ECサイト上で商品の使い方やお役立ち情報などがコラムで紹介されているのを目にしたことはないでしょうか。
このような商品情報や豆知識など商品に関連するコラムを掲載するコンテンツ型やSNSを活用したSNS連動型のECサイトはすべてメディアECに含まれます。

メディアECを行う狙い

商品を販売することが目的のECサイトにメディアを合わせるのはなぜなのでしょうか。
メディアECはどのような目的で行われるのか、主な狙いを3つご紹介します。

自社ECサイトと競合との差別化

ECサイトの数は年々増えているため、他社と差別化するためにもECサイト内にWebメディアなどの自社独自のコンテンツを持つことが重要視されています。

コロナ禍も後押しし、ECサイトを始める事業者はここ数年で急増しています。
例えば2023年時点で、国内最大のECモール・楽天市場の出店店舗数は5.7万店舗以上、出店数が多いことで有名なECモールのYahoo!ショッピングに至っては約120万店舗以上あるそうです。
このほかのECモールや自社サイト型のネットショップを加えると、日本国内だけでもかなりの数のECサイトが存在することがわかるでしょう。

さらにカラーミーショップをはじめ、ネットショップを簡単に作れるサービスが増えたことで、個人でもECサイトの運営に挑戦する人が増えています。
コロナ禍以降もECサイトを立ち上げる企業や人は増加しており、ECサイト間の競争はますます激しくなってきました。

数年前までは、商品ページやカテゴリページなどサイトのデザインで他社との差別化ができましたが、今ではデザインだけでなくECサイトをメディア化することで、自社らしさやブランドをユーザーに伝えようとする事業者が増えているのです。

コンテンツSEOなどによる集客アップ

ノウハウ系のコンテンツ(読み物)は、SEOにも効果が見込めます。
SEOとは、検索エンジン最適化といい、ユーザーの検索結果の画面で自社サイトを上位表示させることです。
コンテンツSEOとは、あるキーワードの検索結果で上位表示されるようなコンテンツを作成し、記事経由で自社サイトへの訪問者を増やそうとする施策をいいます。

集客の主な手法である広告出稿は費用がかかるので、無料でできるコンテンツSEOによる集客を試みようと、事業者がメディアECを始めているのです。

リピーター獲得

運営会社やブランドの歴史、商品の開発秘話や開発者の想いなどのストーリーコンテンツは、ショップやブランドを深く知ってもらえるだけでなく、ファン獲得にもつながるでしょう。
ユーザーがショップのストーリーに共感して愛着を持ちファンになれば、商品をリピートしてくれる確率も増えます。

リピーターの獲得は新規顧客獲得よりもハードルやコストが低いため、コストを抑えてショップの売上を維持するためにも、コンテンツをきっかけにユーザーに自社のファンになってもらうことは大切です。

メディアECの持つ効果やメリット

EC事業者がメディアECを展開した場合、どのような効果やメリットが考えられるのでしょうか。
主な2つのメリットをご紹介します。

コンテンツをさまざまなチャネルでの横展開に使える

先ほど、メディアECに掲載するコンテンツはサイトへ集客するためのコンテンツSEOに役立つとお伝えしましたが、その他にもさまざまなチャネルに展開できます。

例えば、X(旧Twitter)やInstagramなどで紹介することで、SNSからサイトへの流入にもつながりますし、メルマガで記事を紹介してサイトへ誘導もできるでしょう。

このように一度記事を作ればECサイトだけでなく、さまざまなチャネルに横展開できることがメリットの1つといえます。

お客さまの商品理解度や満足度の向上に使える

商品については商品ページでも紹介できますが、長くなりすぎるとユーザーに押しつけがましい印象を与えてしまいかねません。
ですが、読み物内で商品を紹介すればユーザーは商品情報を能動的に得ようとしてくれるでしょう。
商品知識や商品比較、使用方法など、商品についての知識が深まるコンテンツを発信することで、ユーザーの商品に対する理解度が深まり、「思ってたものと違ったらどうしよう」といった不安もなく購入できるでしょう。

また、商品に関する詳しい情報を得られることで、商品を購入しようか迷っていた人の購入意欲アップも期待できます。
十分に商品を理解した上での購入であれば、満足度も高く、商品やブランドへの好感も得やすくなるでしょう。

メディアECを運営する際のデメリット

メディアECにはさまざまなメリットがありますが、実際にメディアECを運営するのには難しい部分もあります。
ここでは、メディアECの運営にあたり注意したいデメリットを取り上げます。

運用に工数がかかる

メディアECで成果を出すには、質の良いコンテンツを発信する必要があります。
適当に思い付きで書いた文章を掲載しても、メディアECの目的は果たせません。

ですが良質なものを生み出すためには、誰に対してどういった内容を発信するのか、発信によって何を目的とするかなど、記事1つにしても企画や構成に取り組まなければなりません。

実際に内容が決まったら記事の執筆、画像・動画の準備や記事アップの作業もあります

このように、メディアECの運用にはそれなりの人員や作業時間がかかるのがデメリットといえます。

工数がかかることを見越して対応できる人材を確保しておくなどの準備ができていないと、担当者の負担が重くなり、継続が困難になるでしょう。

コンテンツSEOの場合、効果が出るのに時間がかかる

SEO対策は、行ってすぐに効果が出るものではなく2~3ヵ月程度かかるといわれています。
主な理由として、検索エンジンが「ユーザーにとって有益となるような上位表示すべきコンテンツ」と判断するまで時間がかかるからです。

検索エンジンの判断基準は単純ではなく、複雑なアルゴリズム(システム上のルール)があり、さまざまな側面から総合判断するため、上位表示されるまで時間を要します。

ですが、なかなか効果が出ないからといって短期間でコンテンツの掲載をやめてしまうと、これまでにかかった労力も水の泡になってしまいます。
メディアECは効果を発揮できるまでに時間がかかることを理解し、少しずつでもコンテンツを積み上げていくようにしましょう。

メディアECの運営を上手くいかせるコツ

ではメディアECの運営に行き詰まらないためには、どのようなことに注意すると良いのでしょうか。
メディアECに上手く取り組んでいくための3つのポイントをご紹介します。

定期的にお客さまの声を聞く

どんなに記事を発信しても、ユーザーに満足してもらえるようなコンテンツではないと商品の購入など狙った効果を期待できません。

メディアECに対するユーザーニーズは、運営側の予測ではなく、実際に生の声を聞いてみることが大切です。
例えば、定期的に「どのようなコンテンツがあったら興味を持つか」など購入時にお客さまアンケートを実施してみるのも良いでしょう。
SNS上で実際にどんな声があるのか、リサーチしてみるという方法もあります。

「ユーザーはこんな情報がほしいはず」と決めつけず、実際に購入した人の生の声を定期的に取り入れてコンテンツに反映させることが、メディアECで成功するためのコツです。

お客さまの声の集め方については「お客様の声を載せるメリットとは?」の記事を参考にしてください。

効率的な運営フローを構築させる

メディアECで定期的にコンテンツを配信するには、効率的にメディアECを運営できるフローを構築し、必要な人材を確保しなければなりません。

まずは自社内でメディアECを運営するための体制を構築できるか確認しましょう。
メディアを運営するためには、ディレクター(メディア全体の統括)、プランナー・編集者(コンテンツの企画・制作)、ライター(記事の執筆)、マーケター(メディア内のデータ分析、施策立案)などの人員が必要です。

すべてを1人で行うことは難しいため、社内でメディア運用のための人材を確保したり、フリーランスで活動する外部の人に協力してもらったりなどして、運営体制を構築してから運営を始めましょう。

目標数字を追いすぎない

明確な目標はモチベーションにもなりますが、目標数値を決めてそれを追い続けようとすると、肉体的にも精神的に疲れてしまい、結局ECメディアを辞めてしまうことにもつながりかねません。

セッション数(訪問数)、PV(ページの閲覧数)、CV(購入などの成果数)は数値目標にしやすいですが、すでにお伝えしたように、記事を公開してから効果が出るまでに時間がかかります。
また、Googleが上位表示させる仕組み(アルゴリズム)や、他社が作成した記事の影響により自社記事の表示順位は日々変化します。
そのため「この記事を〇本上げたから、必ず1位に表示されて訪問者数が△△人になる」という数字を追い求めすぎると、かなわなかった時にモチベーションが低下してしまいます。

数字ばかりを気にするのではなく、毎月何本記事を上げられたかなどのアクション数を目標としたほうが、メディアECの運営は継続しやすいでしょう。

メディアECを続けていれば、ある時何らかの影響で記事がバズって一気に自社の知名度が上がるということもあり得ますので、数字に振り回され過ぎず続けることが大切です。

メディアECの参考事例6選

かわしま屋

こだわりのオーガニック食品を中心に、調味料やドリンクなどを販売するかわしま屋さんは、ほぼ毎日、商品を使ったレシピや商品に関するコラムを公開。
管理栄養士を監修者にすることで他社の記事と差別化し、「確かな情報を発信する信頼のおけるECサイト」という印象をユーザーに与えています。

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クワトロガッツ

小さな財布「小さいふ」を中心とした革小物を販売しているブランド。
定期的に更新されるスタッフブログ「今日のガッツ」だけでなく、「今日の小さいふ」として世界に1つしかない財布を毎日紹介する販売コンテンツは、クアトロガッツさんのメディアを独自性のあるものにしています。

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たかしま農園

長崎県の小さな離島・高島にあるたかしま農園さんは、主力商品のトマトや農園について定期的にサイト内で発信。
また高島の歴史ついてやトマトレシピも紹介するなど、訪れたユーザーが楽しめるコンテンツも豊富に用意しています。

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カタカナ

東京・自由が丘に店舗を構え「日本のカッコイイを集めたお土産屋さん」であるカタカナさんのメディアでは、店舗やネットショップで行うキャンペーン情報を中心に掲載。
さまざまな商品が紹介されているので、定期的に覗きたくなるメディアです。

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石川商店

千葉県で創業した米屋である石川商店さんのECサイトでは、メイン商品であるお米についての豆知識や販売しているお米の育つ様子を記事にして発信しています。
また、雑穀を使ったレシピなども公開して商品購入を促しています。

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うちる

Web上で陶器市を開催するうつわのセレクトショップのうちるさんは、「うちる編集局」にてうつわについてのコラムを掲載。
新規記事を公開するだけでなく定期的に記事の更新も行い、常にユーザーへ有益な情報を提供しています。

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まとめ:メディアECは大変だけど、競合ECサイトとの差別化では重要な施策!

メディアECで効果を出すには、ユーザーにとって有益なコンテンツをコンスタントに発信していくことが大切です。
手間も時間もかかりますので運用は大変ですが、集客やリピーター獲得などのメリットも期待できます。

またECサイトが増えている中、競合との差別化を図るのにもメディアECは有効です。
メディアECの運用を始めるなら、まずは運営を継続できる体制を整えていきましょう。

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