ECサイトの立ち上げを考えているなら、ASPを利用するのがおすすめです。
初期費用を抑え、専門知識がなくても手軽に自社独自のECサイトを作れるASPは、多くの事業者に使われています。
ですがサービスの選択を誤ってしまうと、ECサイトがなかなか軌道に乗らない可能性もあります。
そこで記事では、人気のASPサービスを徹底比較し、自社に最適なサービスの選び方までご紹介します。
ECサイトを作ってみたいけど、知識はほとんどないしデザインのスキルも無いんだよね…。
そんなツクルくんにおすすめなのが、初心者でも手軽にECサイトを作れるASPです。今から、ASPの魅力や具体的なサービスをご紹介しますね。
目次
ECサイトのASP型(ASPカート)とは?
ASPとはアプリケーションサービスプロバイダ(Application Service Provider)の略で、インターネットを通じてアプリを提供する事業者のことです。
そのため、ASP型のECサイト(ASP)カートとは、ASPを利用して作成したECサイトをいいます。
ASPはカート機能や決済機能などECサイトの構築に必要な機能がすべてそろっているので、インターネットに接続できる環境さえあれば、ASPから提供されるシステムを利用して誰でも簡単にネットショップを開設・運営できます。
これまでは、サーバーやソフトウェアを用意するなど、ECサイトを立ち上げるには全て自力で行う必要がありましたが、ASPを利用することでECサイトの構築が手軽にできるようになりました。
ASP型のメリット
ASPを利用してECサイトを作成するメリットは以下です。
- 1.コストが低い
- 2.専門的な知識がなくてもECサイトが作れる
- 3.短期間でECサイトが開設できる
ASP型でECサイトを構築する最大のメリットは、初期費用やランニングコストを抑えられる点です。
ECサイト構築に必要なシステムや機能がすでにそろっているため、自社でサーバーを準備したり、システムを一から開発したりする必要が無く、初期費用を抑えられます。
また、ASPの中には初期費用や月額費用が無料で、売れた時にのみ販売手数料が発生するタイプもあるので、低リスクでネット販売を始められます。
また、多くの場合ASP側でECサイトを開業する手順をレクチャーしてくれたり、デザインテンプレートが用意されたりしているため、専門的な知識がなくても比較的簡単にECサイトの立ち上げが可能です。
システムのアップデートやセキュリティ対策などもASP側で対応してくれるため、ショップ側はECサイトの運営に集中できます。
さらに、必要なシステムや機能がすでに用意されているということは、システム構築期間などが不要なので、ECサイトを短期間でオープンできるでしょう。
ASP型のデメリット
ASP型は手軽にECサイトを開設できる便利なサービスですが、もちろんデメリットもあります。
ASP型のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- ・機能やシステムに制約がある
- ・デザインのカスタマイズ性が低い
ASPでは、あらかじめ用意された機能やシステムを利用するのが基本のため、ASP側で提供していない機能を使いたい場合は、諦めなければならないケースもあります。
ただし、カラーミーショップなどのように、基本機能に加えて、Web 接客機能やInstagram連携機能など、必要な機能を追加できるサービスも多くあります。
また、デザインも同様に、デザインテンプレートをベースにある程度カスタマイズはできますが、「どこにもないような個性的なデザインにしたい」という場合、もしかしたらできない可能性もあるでしょう。
このようにASPは、楽天やAmazonといったECモールよりは機能やデザイン面での融通が利きますが、機能の拡張性やカスタマイズ性がかなり高いとはいえません。
ECサイトのASP型はこんな人におすすめ
メリット・デメリットを踏まえると、ASP型のECサイト構築は、以下のような人におすすめといえます。
- ・専門的な知識はないけれどECサイトを開設したい人
- ・低コストでECサイトを始めたい人
- ・短期間で手軽にECサイトを作りたい人
- ・基本的な機能が充実しているECサイトで満足できる人
ASPは、サービス側で開設や運営に関してサポートを行ってくれるので、専門知識や技術がなくても、比較的簡単にECサイトを開設できます。
また、初期費用や月額費用も無料~数万円程度なので、費用を抑えて開設・運営したい人におすすめです。
必要な機能はすでにそろっており、デザインテンプレートを利用できるので、開設まで数日~数週間と、システムを開発して1からECサイトを構築する方法に比べて、短期間で開業できます。
機能やデザインに関しては、カスタマイズ性がそこまで高いとはいえませので、EC運営に必要な機能は充実しており、+αで機能を追加していければ十分だと感じる人は、ASPのECサイトに満足できるでしょう。
【個人・小規模事業者向け】おすすめの無料ASPカート比較
ここからは具体的にECサイトを構築できるASPを比較していきましょう。
まずは無料のカートからです。
無料のカートは初期費用や月額利用料が無料ですが、販売時に手数料がかかります。
手数料が有料カートよりやや高めですが、売れるまで費用が発生しないので「売れるかどうかわからない」「とにかく低コストで始めたい」という方に向いています。
機能面も最低限の機能しかないため、売上が上がってきて機能面やデザイン面をより充実させたい場合は有料カートへのECサイトの引越しも検討しましょう。
なお、以下は主な無料ASPサービスを比較した表です。
カラーミーショップ (フリープラン) |
BASE (スタンダードプラン) |
STORES (フリープラン) |
おちゃのこねっと (スタートアッププラン) |
easy my shop (無料版) |
cafe24 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済時の手数料 | 決済金額の6.6% + 30円 ※Amazon Payは6.5% + 30円 |
3.6%+40円 ※Amazon Pay・Paypalは4.6%+40円 ※別途サービス利用料3% |
5.5% | 6.6% | 5.0% + 40円 | 決済手数料が別途必要 ※利用する決済代行会社で異なる |
デザインテンプレート | 85種類以上 | 85種類以上 | 46種類 | 31種類 | 40種類以上 | 130種類 |
独自ドメイン | ○ | ○ | × | × | 有料オプションで対応 | 有料 |
決済方法の種類 | クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、GMO後払い、Amazon Pay など | クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、Amazon Payなど | クレジットカード、銀行振込、キャリア決済、コンビニ決済など | クレジットカード、銀行振込、コンビニ払い、後払いなど | クレジットカード、銀行振込、コンビニ払い、郵便振り込み、代金引換 など | クレジットカード、コンビニ払い など ※利用する決済代行会社で異なる |
SNS連携 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
機能拡張 | ○ | ○ | ○ | 不明 | ○ | ○ |
個人情報の非公開設定 | ○ | ○ | ○ | 不明 | 不明 | 不明 |
電話サポート | × | × | × | ※有料で対面サポート | × | × |
メールサポート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
カラーミーショップ(フリープラン)
ECサイト作成サービスカラーミーショップはプランが豊富で、初期費用無料のフリープランなら、初期費用・月額費用をかけずにECサイトを運営できます。
クレジットカード決済やコンビニ払い、GMO後払いなど多彩な決済方法に対応しており、手数料は6.6% + 30円から(Amazon Payは6.5%+30円)。
人気のAmazon Payも月額費用無料で利用可能です。
また、無料で利用できるデザインテンプレートもあり、端末ごとに最適なサイズに自動調整されるレスポンシブデザインも無料なので、とにかくコストを抑えたい方におすすめです。
カラーミーショップは2005年からサービスを提供しており、豊富なノウハウを元にしたサポートも充実しているので、初めての方でも安心してECサイトを開設できるでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、カラーミーショップのサービス資料もご用意しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
3分でわかるカラーミーショップの資料ダウンロードはこちら >
BASE(スタンダードプラン)
CMでも有名なBASEは、無料でECサイトを開設できるサービスです。
商品が売れた際は、1件ごとに販売手数料:3.6% + 40円(Amazon PayとPayPalは4.6%+30円)に加え、サービス利用料3%がかかるため、実質6.6%+40円(Amazon PayとPayPalは7.6%+40円)となります。
無料カートの中では手数料はやや高めですが、BASE側が負担するクーポンが発行されたり、ポップアップショップへの出店をサポートしてくれたりなど、売るためのサポートが充実しています。
STORES(フリープラン)
STORESも無料でネットショップを開設できるサービスです。
初期費用や月額料金は無料で、販売手数料が5.5%とASPの中では低いほうといえます。
基本機能もそろっていますが無料プランでは独自ドメインは設定できず、「https://○○○.stores.jp 」というURLになってしまいます。
また人気の決済方法であるAmazon Payや代金引換も使えません。
費用は抑えられますが、一部機能の制限がある点に注意が必要です。
おちゃのこネット(スタートアッププラン)
おちゃのこネットの無料プランは2022年から提供を開始しました。
無料で手軽にECサイトを開設でき、決済手数料は6.6%です。
利用料金はかかりますが、使い方を対面やオンラインでスタッフに質問できるのが大きな特徴といえます。
一方、無料のスタートアッププランは販売できる商品数が100点までと制限があったり、レビュー機能、お気に入り機能などが使えなかったりなど、有料のプランに比べて機能面の制限が多いです。
スタートアッププランは、おちゃのこネットを試してみたい方におすすめです。
easy may shop(無料版)
オーダーメイド商品の販売ができるeasy my shopにも、無料版があります。
ただし、無料版ではオーダーメイドには対応していません。
また、クレジットカード決済も5.0%+40円と有料版よりも高めに設定されています。
基本的なECサイト運営に必要な機能はそろっているので、通常商品の販売のみであれば良いでしょう。
商品写真をきれいに補正できる機能や商品画像にカーソルを合わせると大きくなる機能があるなど、デザイン関連の機能が豊富なのもeasy my shopの特徴です。
cafe24
cafe24は韓国の企業が提供するASPカートです。
初期費用・月額費用・販売手数料が無料ですが、決済手数料はかかります。※手数料は、契約する決済代行会社によって異なる
Cafe24は越境ECに強みを持っており、多言語・多通貨対応など、海外販売に必要な機能が充実しています。
もちろん越境ECも無料で始められます。
そのため、越境ECを行うことを見越してECサイトを始めたい方におすすめのサービスでしょう。
【中・大規模事業者向け】おすすめの有料ASPカート比較
次は、機能やサポートなどが充実している有料のASPカートをご紹介します。
有料カートは月額料金がかかるので、費用が高いと感じてしまうかもしれません。
ですが、決済手数料が無料プランよりも低めに設定されているので、購入額や注文が増えて月商が大きくなった場合は、月額料金を払って手数料を抑えたほうが、ASP側に支払う費用が安くなることもあります。
また、無料プランでは別料金のかかるオプション機能だった機能も、追加料金なしで利用できる有料プランのほうがお得ということもあるでしょう。
そのため、有料プランはこれから本気でEC販売に取り組もうとしている事業者の方におすすめです。
カラーミーショップ | makeshop | shopify | らくうるカート | futureshop | ショップサーブ | |
---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | ①②3,300円 ③22,000円 |
①11,000円 ②110,000円 |
0円 | ①3,300円 ②5,500円 ③11,000円 |
①22,000円~ ②752,000円 |
33,000円 |
月額費用 | ①4,950円 ②9,595円 ③39,600円 |
①12,100円※月払いの料金 ②60,500円 |
①4,850円 ②13,500円 ③58,500円 ※月払いの料金 |
①330円 ②3,300円 ③14,300円 |
①24,000円~ ②160,000円 |
27,500円~ ※顧客レコード数で変動 |
クレジットカード決済手数料 | ①3.4% ②3.19% ③2.99% |
①3.19%~ ②3.14% (①makeshopペイメント利用の場合+1,100円/月) |
①3.55%~ ②3.4%~ ③3.25%~ |
4.29%~ | 3.2~3.5%+月額1,500円 | 3.5~3.7% |
デザインテンプレート数 | 85種類以上 | 150種類以上 | 140種類以上 | 40種類 | 不明 | 150種類以上 |
独自ドメイン | ○ | ○ | ○ | ○ (①は非対応) | ○ | ○ |
決済方法の種類 | クレジットカード、銀行振込、キャリア決済、コンビニ決済、商品代引、Amazon Pay、PayPal など | クレジットカード、銀行振込、キャリア決済、コンビニ決、Amazon Pay、ペイディ など | クレジット、キャリア決済、Apple Pay、Google Pay、Amazon Pay、NP後払い など | クレジットカード、コンビニ払い、キャリア払い、ID払い、後払い、収納代行 など | クレジットカード、コンビニ決済、キャリア決済、Amazon Pay、d払い、ペイディ など | クレジットカード、銀行振込、コンビニ払い、PayPay、ビットコイン決済 など |
WordPressオウンドメディア連携 | 無料 | 有料 (料金不明) | 同一ドメインに非対応 | × | 無料 | 開通料:5,021円 月額料:1,100円 |
アプリでの操作 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
画面共有サポート | ○ | × | × | × | 不明 | 不明 |
電話サポート | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
メールサポート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
※表内の①〜③はプラン別に対応しています
カラーミーショップ(有料プラン)
カラーミーショップには、レギュラー、ラージ、プレミアムの3つの有料プランがあり、月額料金は4,950円~です。
クレジット決済手数料は2.99%~とASPカートの中では、業界最安値に近い手数料となっています。
レギュラープラン以上であれば、独自ドメイン設定、レビュー機能、メルマガ発行などの機能も充実しています。
また、有料プランの大きな特徴が、同一ドメインでのWordPressサイトの運営が無料であることです。
WordPressの導入が年間数万円など有料のASPが多いため、コストを抑えてオウンドメディアを立ち上げて集客につなげたい方におすすめです。
また、サポートも充実しており、プレミアムプランでは各ショップに専任のアドバイザーが付き、売上アップなどショップの課題解決に向けて提案を行います。
またレギュラーやラージプランでも、画面を共有しながら操作の説明などを行う画面共有サポートや、電話でのサポートがあるなど、初めての方でも安心してECサイトを始められるでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、ぜひカラーミーショップのサービス資料に目を通してみてくださいね。
3分でわかるカラーミーショップの資料ダウンロードはこちら >
Shopify
Shopifyはカナダ発のASPなので、グローバル展開を視野に入れている企業におすすめのサービスです。
170以上の国と地域に対応し、多言語、多通貨、国際配送にも対応しています。
基本的な有料プランはベーシック、スタンダート、プレミアムの3つで月額4,850円(月払いの場合)からです。
クレジットカードの決済手数料は3.25%~ですが、カードの種類のよって異なります。
また、月額料金も為替変動の影響を受けやすく、変更されることが多いといえます。
Makeshop
Makeshopでは、プレミアムプランとmakeshopエンタープライズプランの2つのプランがあります。
クーポン機能やSNS連携など基本的な機能に加え、モールの一元管理やまとめ買い割引機能など機能数は 650種類以上 と、業界でもトップクラスといえます。
ただし機能面が充実している分、月額利用料が(月額払いで)12,000円以上とやや高めであるため、ショップの月商に見合わないと経営を圧迫してしまう可能性もあるでしょう。
らくうるカート
らくうるカートは、ヤマト運輸で知られるヤマトグループが提供するASPカートです。
特徴は、ヤマトグループサービスとの連携で、商品管理・発注・決済・配送までまとめて管理できること。
ヤマト運輸が提供する送り状発行システムとも連携ができ、配送情報も簡単に管理できます。
有料といっても一番ライトなプランは月額330円なので、らくうるカートをまずは試してみたい方でも手軽に始められるでしょう。
futureshop
futureshopのプランは月商(ECサイトの規模)に合わせて2つあり、事業規模の小さいほうのプランで月額24,000円~です。
futureshopの特徴は、より自社らしいサイトにできることです。
ノーコードでデザインレイアウトを自由に変更できたり、100以上の外部サービスとの連携が可能だったりするため、自社の運営に合わせてECサイトをカスタマイズできるでしょう。
一方、Amazon Payの利用やクーポン発行機能など、ASPカートによっては無料で利用できる機能がオプション扱いなので、導入前に必要な機能を洗い出して総合的な費用を確認する必要があるでしょう。
ショップサーブ
ショップサーブは、1999年から25年以上の実績を持つ老舗ASPカートサービスです。
ECサイトに関するノウハウが豊富なため、販売を後押ししたり、ショップ側のスムーズな運営を叶えたりする機能が豊富です。
また、3Dセキュア2.0や、クレジットカードのセキュリティ基準であるPCIDSS準拠を導入しているなど、セキュリティにも力を入れています。
料金は月額25,000円~とありますが、基本的にはショップごとに見積もりを取る形になるので、想定よりも高くなる可能性もあることを把握しておきましょう。
【目的別】特定のビジネスモデルに特化しているおすすめのASPカート比較
ASPカートの中には、特定のビジネスモデルで運営しやすいような機能が豊富な、特化型のものもあります。
もし、自社のECサイトのビジネスモデルが定まっている場合は、特化型のASPカートがおすすめでしょう。
越境EC:マルチリンガルカート
海外に向けてEC販売を行う越境ECに特化したASPカートはいくつかあり、マルチリンガルカートもその1つです。
越境ECに必要な多言語・多通貨・海外の主流な決済に対応しています。
対応している通貨は、米ドルや中国元、ユーロ、香港ドル、英ポンドなどの30通貨です。
PayPalなどの海外向け決済方法や、EMS・FedExといった海外向けの配送方法が選択できるのも強みでしょう。
定期購入:楽楽リピート
楽楽リピートは、食品や化粧品といった商品の定期購入向けのASPカートシステムです。
定期購入に必要とされている、商品のお届け周期を変更する機能や定期購入の一時中止・再開を設定できる機能などがあります。
また、カート機能のほかに、CRM(顧客関係管理)、ステップメール、受注管理、顧客管理の機能など、定期購入できちんと売上を上げられるような機能もまとめて利用できます。
BtoB:Bカート
BtoBとは、Business to Businessの略で一般消費者ではなく、卸売り企業から小売店へなど企業から企業へ販売することです。
Bカートは、BtoB EC専用のASPカートで、BtoBに必要な、顧客別の単価や掛率の設定、会員別の購入可能な商品の設定などに対応しています。
また発送代行サービスや在庫管理サービスなど、BtoBの運営業務をスムーズにする外部サービスとの連携も豊富です。
すでに機能が整っているので、自社でBtoB向けにカスタマイズする必要が無く、すぐにBtoB ECを始められるのがメリットでしょう。
ASPカートサービス選びで失敗しないチェックポイント
ここからはASPカートサービスを選ぶ際に、どのようなポイントをチェックすれば良いのかを紹介します。
申し込む前に確認して、自社に合ったサービスを見つけてくださいね。
ポイント1 運用コストはどれくらいかかるのか
ASPカートでは主に下記のような料金が発生します。
- ・初期費用
- ・月額費用
- ・決済手数料
- ・販売手数料
料金プランや、どのような費用・手数料がかかるのかはASPカートごとに異なるのできちんと確認します。
初期費用や月額費用が無料のサービスであっても、取引額に応じて販売手数料が発生するケースがあるので注意が必要です。
月額費用を払う有料サービスのほうが手数料は低く設定されていることが多いので、結果的に有料プランのほうがお得になることもあります。
そのため、自社の想定月商を元にシミュレーションして、おおよそのコストを見積もってみるのがおすすめです。
月商がある程度見込めるショップの場合、有料プランのほうがトータルの支払いを抑えられる傾向にあります。
ポイント2 機能・デザインを希望通りにできるか
ECサイトで顧客に快適なショッピング体験を提供するには、使いやすいサイトにするための機能とデザインが重要です。
そのため、ASPカートを選ぶ際には、必要な機能が備わっているか、備わっていない場合でもオプションで追加できるかなどを確認しましょう。
ASPカートごとに、標準搭載されている機能は異なります。
デザインの自由度もASPカートによって異なり、自由度の高いものからテンプレートに沿ったデザインしかできないものまでさまざまです。
契約してから後悔しないためにも、事前に必要機能を洗い出し、希望のデザインを固め、実現可能かどうかのチェックは必須です。
ポイント3 事業の成長に合わせて拡張できるか
ECサイトの規模が大きくなると、それに合わせてシステムに求めることも増えていきます。
例えば、商品数や顧客数の増加、外部サービスとの連携、複数の店舗展開、越境ECへの挑戦などが考えられるでしょう。
そのため、将来を見据え、事業の成長に合わせて機能を拡張できるASPカートを選ぶことが大切です。
拡張性が高いASPカートの特徴としては、
- ・プラン変更が容易である
- ・外部サービスとの連携機能が充実している
- ・カスタマイズの自由度が高い
などが挙げられます。
もし、プランが1つしか無く機能拡張も外部との連携もできないようなサービスを選んでしまうと事業拡大できず、コストをかけてECサイトの引越しをしなければなりません。
最初は小規模運営のつもりでも、規模を拡大したいというビジョンを持つようになるかもしれません。
まずは低価格なプランで運用し、事業の成長に合わせた上位プランへの移行や、必要な機能の拡張ができるASPカートがおすすめです。
ポイント4 どのようなセキュリティ対策を行っているか
ECサイトは顧客の大切な個人情報や決済情報を取り扱うため、3Dセキュア2.0など強固なECサイトのセキュリティ対策が必須です。
ASPカートを選ぶ際には、まず各社のサービス紹介ページで、セキュリティ対策について明記されているかを確認します。
そもそもきちんと掲載していない場合、セキュリティ対策にはあまり力を入れてないかもしれません。
例えば、システムの脆弱性を定期的に診断して適切な対策を講じているか、社外の人間がシステムへ容易にアクセスできないような体制になっているかなど、といったチェック項目があります。
もしセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩やサービス停止といった事態を招き、事業に深刻な被害を及ぼします。
費用面だけでなく、セキュリティ面も重視しましょう。
ポイント5 必要なサポート体制が整っているか
サポートの内容は、ASPカートを提供する会社によって異なり、電話、メール、チャット、対面など問い合わせ方法はさまざまです。
また、サポート対応時間や、対応してくれる内容も会社によって違います。
同じサービスでも、料金プランによってもサポート体制は異なり、無料プランだとメールサポートのみでも、有料プランでは電話や対面サポートが利用できることが多いです。
一般的に、料金が高いプランほど、手厚いサポートを受けられる傾向にあります。
ですがサポートが手厚ければ良いという訳でなく、自社にとって必要なサポートが受けられるかどうかが重要です。
自社内でどのレベルのサポートが必要なのか確認し、不足している部分を補えるサポート体制が整っているサービスを選びましょう。
ECサイトのその他の構築方法とは?ASP型と比較
ECサイトの構築方法は、ASP型の他にも、以下のようにいくつかの方法があります。
- ・ECモール
- ・パッケージ
- ・オープンソース
- ・フルスクラッチ
それぞれの特徴をASP型と比較しながら見ていきましょう。
ECモールは、そもそもECモール内に出店するので自社ECサイトを構築するASP型とは大きく異なります。
モールの集客力を利用できる点が大きなメリットですが、モール独自のポイント制度やセールを行わなければならなかったり、機能やデザインもモール側が管理したりなど、自由度がほとんどないので注意が必要です。
パッケージ型は、ECサイトに必要な機能がパッケージ化されたソフトウェアを自社のサーバーにインストールして、ASP型同様、自社独自のECサイトを構築する方法です。
ASP型よりも初期費用が高額になる傾向がありますが、カスタマイズの自由度はASP型よりも高く、自社独自の機能を追加することも可能です。
オープンソース型は、WordPressなど無料で利用できるシステムを使ってECサイトを構築する方法です。
無料なのでASP型と比較して、初期費用・月額費用ともに低く抑えられる点が魅力ですが、基本的に自分で構築するための専門知識が必要となるので、初心者には向いていません。
カスタマイズの自由度はパッケージと同じくらい高く、独自性の高いECサイトを作れるでしょう。
フルスクラッチ開発は、システム開発会社に依頼し、自社のニーズに合わせて一からシステムを構築します。
費用や開発期間は場合によっては数億円・数年など、ASP型と比較してかなり高額で長期化する傾向があります。
カスタマイズの自由度は最も高く、唯一無二の自社ECサイトを作りたい企業におすすめです。
なお、以下はECサイトの構築方法のコストと拡張性を比較した図です。
このように、それぞれの構築方法にはメリットとデメリットがあります。自社のニーズや予算、運用体制などを考慮し、最適な方法を選択することが重要です。
まとめ
ECサイトをASPで構築すると、「コストが低い」「専門的な知識がなくても短期間でECサイトが作れる」といったメリットがあります。
ただしECサイトを作成できるASPを提供している企業はたくさんあるので、自社に合ったサービスをきちんと見極めることが大切です。
ポイントとしては、もちろん運用コストがどれくらいかかるのかも重要ですが、希望する機能がそなわっているかや今後の事業拡大にも対応できるかなど、費用以外の面も比較して総合的に判断しましょう。
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