ECサイト構築・制作で使えるIT導入補助金とは?助成金との違いや申請方法、その他の補助金も紹介!
ECサイト・ネットショップを立ち上げで販路を広げようと思っても、さまざまな費用がかかるので、ある程度まとまった資金が無いと始められません。
そんな方におすすめなのが補助金です。とくにIT導入補助金はECサイトの立ち上げにも活用できる補助金として知られています。
この記事ではIT導入補助金を中心に、ECサイト・ネットショップ運営者に役立つ補助金を紹介していきます。
ECサイトを立ち上げるならIT導入補助金を活用したほうがいいと聞いたけど、なんだか難しく感じるな。どうやって申請すればいいんだろう…。
IT導入補助金はネットショップ運営でも利用できる補助金ですが、ほかにもネットショップ立ち上げを支援する補助金はさまざまあります。これから詳しくご紹介します。
目次
ECサイトの補助金制度とは?助成金との違い
補助金制度とは、事業を行う個人や民間企業に対して、国や省庁・地方自治体(経済産業省や中小企業庁・商工会議所など)が返済不要のお金を支給してくれる制度です。
補助金を交付することにより、事業者の取り組みが広がり、一つ一つの事業展開・拡大をサポートすることを狙いとして行われている制度です。
補助金の特長としては、融資とは違い条件を満たせば返済の必要が無く、まとまったお金を支給してもらえること、先に事業者が支払いをした後に支給される方式である「後払い」であることが挙げられます。
補助金のメリット
- ・返済する必要が無い。
- ・低コストで高クオリティな施策を実行できる、またはITツールを導入することができる。
補助金のデメリット
- ・時間がかかる。
- ・実施期間が設定されているため、施策のスタートが遅くなる場合がある。
- ・審査で落ちる可能性がある。
- ・先に費用を支払う必要がある。
- ・誰にでも使えるわけではない。
助成金との違いとは
補助金と似ている制度に「助成金」というものがあり、国や自治体から返済不要のお金を支給される点に関しては違いはありません。
ただし、助成金は条件を満たせば支給される制度ですが、補助金はもともと国や自治体から交付される予算などが決まっており、運営事務局による審査があるため、支給されない場合もあります。
IT導入補助金とは?ECサイトの構築・制作に利用可能
「IT導入補助金制度」は経済産業省が行う、正式名称「サービス等生産性向上 IT導入支援事業」のことで、事業を支援するITツールを導入する際に経費の一部を国が補助してくれる制度です。
対象事業者が経営課題や需要に合わせてITツールを導入することで、業務の効率化・売上アップなどの経営力の向上・強化を図ることを制度の目的としています。
2022年のIT導入補助金制度ではネットショップ(ECサイト)制作にも対応しているので、審査に通ればECサイトを立ち上げるための補助金を支給してもらえます。
補助金の対象となるもの(費用)
IT導入補助金の対象になるのは、ソフトウェア費、クラウド利用料(1年分・デジタル化基盤導入枠は最大2年分)、導入関連費です。
具体的には顧客管理システム、会計ソフト、給与計算ソフト、ECソフト、アクセス解析システムなど、ITシステムを使うことで効率化できるソフトの導入費やクラウド利用料が挙げられます。
ただし、あらかじめ事務局で登録された事業者(IT導入支援事業者)のサービスのみが対象で、なんでも自由に選べるわけではないので注意しましょう。
ちなみに2022年の対象事業者はこちらですので、参考にしてください。
なお、IT導入補助金にはいくつかの申請枠(申し込み方)があり、「デジタル化基盤導入類型」枠ではPCやプリンターといったハードウェアの購入費用も対象となるなど、枠によって補助金対象が多少異なります。
対象となる業種
IT導入補助金の対象事業者は、中小企業や小規模事業者などです。
製造業、建設業、卸売業、サービス業、小売業、情報処理サービス業、旅館業、医療法人などの幅広い業種が対象となります。
ここでいう中小企業や小規模事業者とは、資本金の額(出資金の額)や従業員数が一定以下の法人や個人事業主のことです。
業種によって基準は異なりますが、たとえばサービス業の場合は資本金(出資金)5,000万円以下または常時雇用する従業員数が100人以下の企業は中小企業、常時雇用する従業員数が5人以下の場合は小規模事業者に該当します。
ただし、大企業の傘下にあるような中小企業や小規模事業者、過去3年の課税所得の平均が15億円を超える中小企業や小規模事業者などは対象になりません。
また、補助金等指定停止措置や労働関係法令違反で処分を受けている事業者、宗教法人など制度の趣旨や目的にそぐわない事業者もIT導入補助金の対象外とされます。
IT導入補助金の申請枠の種類は?補助額も紹介
IT導入補助金と一口にいっても、2022年版の申請枠には「通常枠(A・B類型)」、「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)」、「セキュリティ対策推進枠」と複数あります。
それぞれの概要と補助額などを見ていきましょう。
通常枠(A・B類型)
通常枠は、ソフトウェアやシステムの導入により生産性を向上させようとする、さまざまな事業者に幅広く対応する申請枠です。
通常枠はさらにA類型とB類型の2種類に分類されます。
以下は、簡単にA類型とB類型の特徴をまとめた表です。
申し込み枠 | A類型 | B類型 |
補助対象 | ソフトウェア費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費 | |
補助率 | 1/2以内 | |
補助額 | 30~150万円未満 | 150~450万円以下 |
A類型とB類型の違いは、補助額と要件(条件)となるプロセス数、賃上げ(給料の値上げ)目標の必要性にあります。
まず補助額についてですが、A類型が30~150万円未満であるのに対して、B類型は150~450万円以下と、B類型のほうが補助額は高いです。
これは、次に説明するプロセス数と賃上げ目標について、B類型のほうがより厳しい要件が求められるためです。
プロセス数とは、簡単にいうと「生産性が上がったり、効率が良くなったりする工程(顧客対応や在庫管理、給与計算など)数」のことです。
A類型の場合、申請に必要なプロセス数は1つなので、顧客対応や決済などの業務工程に1つ以上対応するITツールであれば申請できます。
一方、B類型は4つ以上のプロセスに対応することが求められます。
つまり、B型のほうが支給額は多い分、決済や会計、労務、販売支援、情報システムなどさまざまな業務工程に対応し、会社全体の運営効率をよくするITツールでなければ申請できないのです。
賃上げ目標もA類型とB類型で異なるポイントです。
事業計画終了時点で給与支給総額の年率平均1.5%以上増加させることなど、賃上げ目標の従業員への表明や達成がB類型は必須となりますが、A類型は申請時の加点要素(加点要素が多いと、申請が通りやすくなります)として扱われます。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、企業間取引の強化を推進するため、通常枠よりも補助率を上げて優先的に支援を実施するものです。
以下がデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の特徴をまとめた表です。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) | ||
補助対象 | ソフトウェア購入費 クラウド利用料(最大2年) 導入関連費 |
ハードウェア購入費 |
補助率 | 5~50万円以下は3/4以内 50万円超350万円以下は2/3以内 |
1/2以内 |
補助額 | 5~350万円 | PC・プリンターなど10万円 レジ・券売機など20万円 |
※ハードウェア購入費のみの申請は不可。ITツールと同時に導入することが必要
通常枠とは、補助対象のソフトウェア、補助率、補助対象の範囲が異なります。
まず、補助対象のソフトウェアについては、デジタル化基盤導入類型では、会計ソフト、受発注ソフト、決算ソフト、ECソフトの4つに限定されます。
いずれかのソフトを導入しない場合はデジタル化基盤導入類型を申請できません。
その点、通常枠は補助対象になるソフトウェアの範囲が広いといえます。
また、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)では、通常枠では対象にならないPCなどのハードウェア購入費用も対象です。
クラウド利用料については最大2年まで補助を受けられる点も通常枠(通常枠は1年)と異なります。
次に補助率です。
通常枠のITツールの補助率は1/2以内と、支出額の半分が上限ですが、デジタル化基盤導入類型のITツールの補助率は、5~50万円以下の部分は3/4以内、50万円超350万円までの部分は2/3以内と、補助率が高くなっています。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は、複数社が連携してITツールを導入し、生産性向上を図ることを支援する申請枠です。
以下がデジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)の概要の表です。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型) | |||
補助対象 | ①基盤導入経費 | ②消費動向等分析経費 | ③とりまとめの経費 |
補助率 | 5~50万円以下は3/4以内 50万円超350万円以下は2/3以内 |
2/3以内 | 2/3以内 |
補助額 | 5~350万円 | 構成員数×50万円 | (①+②)×10% |
デジタル化基盤導入類型のように、導入するITツールは会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの4種類に限定されますが、複数社の取り組みを支援する点が異なります。
補助金の対象になるのは、商工団体(商工会や商店街振興組合など)や、街づくり・商業活性化・観光振興の担い手として事業に取り組む団体、複数の中小企業や小規模事業者などからなる組織です。
1社単独での申請はできないため、注意しましょう。
また、ITツール導入のための費用(①基盤導入経費)に加え、消費動向など分析にかかる経費(②消費動向等分析経費)、参画事業者をとりまとめのための経費(③とりまとめの経費)も補助対象として補助金の対象になります。
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠は、ECサイトの立ち上げとはあまり関係ありませんが、昨今増えているサイバーインシデント(不正アクセスや情報漏洩など)を対策するための補助金です。
サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト(独立行政法人情報処理推進機構公表)に掲載されている特定のサービスの利用料に対して支払われます。
補助対象や細かい要件など詳しくは、「IT導入補助金2022公式サイト」をご覧ください。
IT導入補助金の申請の流れ・8つの手順
では実際に、IT導入補助金を利用したい場合はどのような流れで手続きを行えば良いのでしょうか。
IT導入補助金2022公式サイトを参考に、わかりやすくご紹介します。
1. IT導入補助金について理解を深める
IT導入補助金の公式サイトでは、それぞれの申請枠について公募の要領が掲載されています。
今回お伝えしきれなかった細かい要件や添付が必要な資料、審査項目などの詳細が記載されていますので目を通して、自社はどの枠が適切なのかを考えましょう。
2.導入するITツールを決める
先ほどもお伝えしたように、IT導入補助金は導入したいソフトやツールを自由に決められるわけではありません。
対象になるのは、事務局に登録されたITツールなどに限られますのでその点をよく理解した上で、IT導入支援事業者やITツールの選択を行いましょう。
また、通常枠のB類型では導入するITツールで4つ以上のプロセス(業務工程)に対応しなければならないので、その点も加味しながらITツールを決定します。
3.手続き用IDなどを取得する
IT導入補助金の申請要件として、「gBizIDプライム」(行政サービスの認証システム)のアカウントの取得と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必須となっています。
とくにgBizIDプライムアカウントの取得については、申請からID取得までおおよそ2週間かかりますので、早めに手続きを済ませるようにしましょう。
4.交付申請を行う
申請はインターネット上で完結します。
IT導入支援事業者(導入するITツールを提供する会社)に見積りなどを依頼した後、IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待してもらいます。
招待を受けたら、IT導入支援事業者と共同で事業計画を策定し、申請マイページに必要情報を入力して必要な書類を添付します。
その後、IT導入支援事業者側が導入するITツールの情報などを入力する流れになります。
必要な情報の入力が済んだら最終確認を行い、申請に対する宣誓をして提出します。
5.導入するITツールの発注・契約・支払い
交付申請後に審査を経て補助金交付決定の通知を受けたら、ITツールの発注と契約、支払いを行います。
支払いは原則として銀行振り込みまたはクレジットカード1回払いのみとされており、そのほかの方法で支払ってしまうと補助金の交付が受けられなくなってしまいます。
また、交付決定前に発注や支払いなどを実施すると、これも補助金の対象外となりますので注意しましょう。
6.事業実績の報告
導入が完了したら、次はこの後の補助金交付のために必要な導入実績を準備していきます。
ITツールの契約や納品、支払いなどの事実がわかる証憑(振込明細書や管理画面のキャプチャーなど)を提出し、事業実績報告を行いましょう。
補助金を受ける事業者が必要事項を入力後に、IT導入支援事業者が入力や確認を行い、補助金を受ける事業者が最終確認をしたのちに報告を行う流れとなります。
事業報告は、すべての事業が完了した後(ITツールの導入後に運用を開始し始めた後)に行うものです。
もし事業の実施が正しく行われていないと事務局に判断された場合、補助金を受けられないこともあるので重要な手続きといえます。
7補助金交付の手続き
事業実績報告が終わった後、その内容を元に審議され、補助金の額が確定します。
申請マイページで補助金の額が確認でき、その後、補助金が交付される流れです。
8.事業実績の効果報告
補助金の交付を受けたら完了ではなく、交付後には事業実施の効果報告を行う必要があります。
たとえば通常枠の場合、生産性向上の数値目標に関わる情報、給与支給総額・事業場内最低賃金などについて、1年度目、2年度目、3年度目を報告しなければなりません。
定められた期限内での報告が必要ですので、報告の期間についてもよく確認しておきましょう。
IT導入補助金ならカラーミーショップで!3つのパッケージを紹介
カラーミーショップもIT導入補助金2022において、「IT導入支援事業者」として事務局から認定されています。
そのため、登録・提供されたITツールをパッケージ化し、下記「特別パッケージプラン」として3パターンご用意いたしました。
【プラン1】ネットショップオーダーメイドプラン
ご要望に応じたオリジナルのショップデザインを制作するパッケージ。他店と差をつけたリッチなショップを開店したい方へおすすめのパッケージです。
【金額】67万円~525万円 – 補助金(約50万円~350万円以下)
【プラン2】ネットショップ+オウンドメディアオーダーメイドプラン
ご要望に応じたデザインとメディアEC運営に必須なオウンドメディアを制作いたします。
じっくり時間をかけて、リッチなコンテンツ更新を叶えるメディアECを作成したい方へおすすめのパッケージです。※オウンドメディアは「カラーミーWPオプション」を用いて新規に作成します。
【金額】 120万円~525万円 – 補助金(約80万円~350万円以下)
【プラン3】テンプレートカスタマイズプラン
カラーミーショップの有料テンプレートを利用したショップデザインを制作します。低コストで早めにネットショップを開店したい方へおすすめのパッケージです。
【金額】 30万円~67万円 – 補助金(約22万円~55万円以下)
※補助金額が50万円未満の場合、補助率は4分の3になります。
カラーミーショップはどんなサポートをしてくれるの?
カラーミーショップでは補助金申請手続きや導入のサポートを行います。
また、申請時の補助として提携先の行政書士による無料サポートを行っているため、安心してご依頼いただけます。
IT導入補助金を利用される場合のポイント
- ・カラーミーショップで補助金申請サポートを行っている
- ・新規でショップを立ち上げられる方にオススメ
- ・ショップデザインカスタマイズをお得に依頼できる
ぜひ、カラーミーショップでIT導入補助金の利用をご検討ください。
また、IT導入補助金に関して、カラーミーショップのYoutubeチャンネルでも解説しておりますので、こちらも合わせて見てみてくださいね!
ECサイト・ネットショップに使えるその他の補助金制度
ここまで紹介したIT導入補助金は、ITツールの導入による生産性向上に活用できる補助金です。
ですがIT導入補助金のほかにも、ECサイトやネットショップに活用できる補助金制度はあります。
ここでは、代表的な補助金制度をいくつか紹介していきます。
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、とくに小規模の中小企業向けに、地道な販路開拓・販売促進・プロモーション・ウェブサイトやECサイトの構築などの経費を支援する補助金事業です。
大きな特徴は、地域の商工会議所・商工会の助言等を受けて経営計画を作成する必要があり、その計画に沿って地道な販路開拓等を取り組む費用に対して補助金が受けられるという点です。
対象となる業種・費用
対象の事業者は小規模事業者です。
商業・サービス業は常時雇用の従業員が5人以下の企業など、細かく規定があります。
また、医師や個人農業者、宗教法人など特定の事業者は対象外です。
また、補助を受ける事業者は、商工会や商工会議所の支援を受けて事業に取り組むこと以外にも「同一の事業でほかの補助金や助成金を受けていないこと」といった要件があります。
補助対象の経費は「販路開拓」のために使われるものとされており、機械装置の購入費、広報費、ECサイト構築・更新・改修・運用費(※ウェブサイト関連費のみの申請は不可)などが挙げられます。
補助金の申請枠・補助額
小規模事業者持続化補助金には以下のような枠があります。
- ・通常枠:商工会・商工会議所の支援を受け販路開拓に取り組む小規模事業者
- ・賃金引上げ枠:販路開拓+地域の最低賃金より+30円以上を達成する小規模事業者
- ・卒業枠:販路開拓+従業員を増やし規模を拡大する小規模事業者
- ・後継者支援枠:販路開拓+アトツギ甲子園のファイナリストの小規模事業者
- ・創業枠:販路開拓+特定創業支援等事業の支援を受け創業した小規模事業者
- ・インボイス枠:販路開拓+免税事業者から新たにインボイス発行事業者として登録した小規模事業者
枠ごとに補助金の額や補助率は異なりますが、以下の幅があります。
補助金額 | 補助率 |
50~200万円 | 2/3(一部3/4) |
詳しくは、小規模事業者持続化補助金のサイトをご覧ください。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ウィズコロナまたポストコロナで変化する経済社会において、中小企業の事業再構築を支援するものです。
新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編などに取り組む中小企業の事業拡大や再構築のための事業資産が補助対象となります。
対象となる業種・費用
事業再構築補助金の対象になるのは、中小企業者や中堅企業者などです。
前者の中小企業者とは資本金の額(出資金の額)や常時雇用の従業員数が一定以下の事業者をいいます。
基準は業種により異なりますが小売業の場合は、資本金5,000万円以下、常時雇用の従業員数が50人以下の企業が対象です。
ただし、大企業の傘下にあるような企業などは除外されます。
後者の中堅企業者とは、資本金の額(出資金の額)10億円未満、常時雇用の従業員数2,000人以下の特定の法人のことです。
補助対象となる費用は、機械装置、システム構築、技術導入、クラウドサービス利用、広告宣伝・販促など事業再構築に関わるものとなります。
補助金の申請枠・補助額
事業再生補助金には以下のような枠があります。
- ・通常枠:事業再構築により規模拡大を目指す中小企業等
- ・大規模賃金引上枠:事業再構築+多くの従業員を雇用して継続的な賃上げに取り組む中小企業等
- ・回復・再生応援枠:事業再構築+新型コロナウイルスの影響で業状が厳しい中小企業等
- ・最低賃金枠:事業再構築+最低賃金引き上げで原資の確保が困難な中小企業等
- ・グリーン成長枠:事業再構築+グリーン成長戦略の14の課題解決に取り組む中小企業等
- ・緊急対策枠:事業再構築+原油や物価高騰の変化を受ける中小企業等
そして補助金の額や補助率の下限と上限は以下の通りです。
補助金額 | 補助率 |
100万~1.5億円 | 3/4~1/3 |
自社はどの程度の補助を受けられるかなどは、こちらの事業再構築補助金のサイトでご確認ください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
中小企業や小規模事業者が直面する賃上げやインボイス制度などの導入を受け、それに対応するための革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善に資する設備投資を支援するものです。
対象となる業種・費用
ものづくり補助金の対象者は、中小企業者(組合関連以外)、中小企業者(組合関連)、特定事業者の一部、特定非営利活動法人とされています。
一定以上の資本金額があったり、常時雇用の従業員がいたりする大企業などは対象になりません。また、医療法人や社会福祉法人など一部の事業者(業種)も対象外です。
補助金の対象となるのは、革新的サービス開発や試作品の開発、生産プロセスの改善などにかかる費用です。
機械装置の購入費、システム構築費、専門家へ支払う経費、クラウドサービス利用料、原材料費などが対象となります。
補助金の申請枠・補助額
ものづくり補助金には以下のような枠があります。
- ・通常枠:革新的なサービスや製品の開発、業務プロセスの改善を行う事業者
- ・回復型賃上げ・雇用拡大枠:開発・業務プロセス改善+賃上げや雇用拡大に取り組む事業者
- ・デジタル枠:DXを進める革新的な開発やデジタル技術で業務プロセス改善に取り組む事業者
- ・グリーン枠:温室効果ガスの削減のための革新的な開発や炭素生産性向上になる生産プロセスの改善等に取り組む事業者
- ・グローバル展開型:開発・業務プロセス改善+海外事業の拡大に取り組む事業者
それぞれの枠で異なりますが、補助額と補助率は以下のような幅があります。
補助金額 | 補助率 |
100~3,000万円 | 1/2~2/3 |
詳しくはこちらの、ものづくり補助金総合サイトをご確認ください。
自治体による補助金制度
ここまでは、国で実施されている補助金でECサイト構築などに活用できるものを紹介してきました。
実は国の補助金以外に、地方自治体でも補助金制度を設けています。
自治体でもさまざまな取り組みが行われていますので、自社の管轄の自治体でECサイト構築などに活用できる補助金はないか確認してみましょう。
ここでは、実際に行われている自治体の補助金の一例を取り上げます。
ECサイト活用補助金(東京都中央区)
中小企業者が、新規でオンライン販売から決済まで一括して行うサイトを構築したり利用したりするのを補助するものです。
ECサイト構築のための費用、モール型ECサイトの初期登録費用が補助の対象となります。
補助金額 | 補助率 |
6万円まで | 全額 |
詳細はこちらの中央区のサイトをご確認ください。
販路拡大ECサイト活用補助金(愛知県瀬戸市)
ECサイトを活用して積極的な販路拡大を行う中小企業者を支援する、補助金制度です。
新たにECサイトを活用する場合で、瀬戸市内で製造・出荷・提供されるものを含んだ商品をECサイトで販売する事業について補助金の対象となります。
補助金額 | 補助率 |
6~10万円 | 1/2 |
詳細は瀬戸市のサイトでご確認ください。
インターネット販売販路開拓支援事業補助金(秋田県美郷町)
インターネットでの販路拡大を図る町内中小企業者や個人事業主の支援を目的としたものです。補助対象者は、町内に事業所を有する事業者となります。
補助対象となる経費は、自社ホームページの開発や変更のための委託料、ECサイト開設のための委託料です。
補助金額 | 補助率 |
20万円 | 2/3 |
さらに詳しく知りたい方は、美郷町のサイトでご確認ください。
補助金を利用する際の注意点
IT導入補助金をはじめとした補助金は、基本的に返済の必要がないことが大きなメリットでしょう。
ですが、補助金の申請時には注意点もあります。
ここでは、3つの注意点を取り上げます。
申請しても必ずもらえるわけではない
1つは、補助金の申請をしても必ず受給できるとは限らないことです。
補助金を申請すると、必ず審査が行われ、必要な要件を満たした上で審査に通過しないと補助金を受給できません。
また、補助金の採択数や予算が決まっているため、要件を満たしていても申請する事業者が多いと、申請しても不採択となってしまうことがあります。
補助金は頼もしい存在ですが、それをあてに事業計画を立てて受給できなかった場合、事業が破綻する恐れもあるので注意しましょう。
基本的に申請は同一年度に1回限り
「ほかの補助金と併用可能か」「何度も申請して受給できるのか」などの条件は、補助金制度によって異なります。
ただし、同一年度で補助を受けられるのは基本的には1回限りであることが多いです。
自身が申請する補助金制度をよく確認してみてください。
申請すればすぐに補助金が支給される制度ではない
補助金は、申請にも時間がかかりますが、審査通過後の補助金の支給までにも時間がかかります。
申請の流れでもお伝えしましたが、補助金が受給できると決まったとしても、適切に補助金が使用されたのかどうかの確認が行われた後に支給が行われるのです。
そのため基本的には後払いとなり、補助金の対象事業にかかる経費について、一度全額を立て替えておかなければなりません。
すぐに現金として支給されるわけではありませんので、資金繰りなども考えて利用する必要があるでしょう。
補助金を利用したネットショップの事例
カラーミーショップでは、IT導入補助金適用のための「特別パッケージ」をご用意しています。今回は実際に補助金制度を利用したカラーミーショップのお店の事例をご紹介いたします。
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まとめ:補助金を上手く使えば、ネットショップ・ECサイトの販売促進に役立てられる!
今回は補助金制度の概要とネットショップ運営に使える補助金の種類に関してご紹介しました。
申請や交付などの流れがやや複雑で自分で行うとなると敬遠しがちな補助金制度ですが、IT導入支援事業者などのサポートを受けながらうまく活用すれば、お得に販売促進などに役立てることもできます。
IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などの制度利用を検討している方は、この機会にまずはカラーミーショップにご相談してみてはいかがでしょうか?
また、ネットショップの開設方法の流れやおすすめサービスに関してこちらの記事で解説しているので合わせてチェックしてみてくださいね!
よくある質問
「IT導入補助金制度」は経済産業省が行っている、事業を支援するITツールを導入する際に経費の一部を国が補助してくれる制度です。そのためECサイトの立ち上げの経費も対象です。
詳しくはこちらの章をご覧ください。
国が行っているものに「小規模事業者持続化補助金」や「事業再構築補助金」などがありますし、各自治体でも独自の補助金制度を設けていることもあります。こちらの章で詳細を解説しています。