ネットショップ運営をする中で、大切なポイントとして考えなくてはいけないのが「送料設定」です。
送料設定を安易に行うと、購入率が下がってショップの売上に大きく影響を与えます。
また、送料設定にはさまざまなパターンがあるので、送料を決める際はきちんと戦略を練らないといけません。
しかしながら、
送料設定ってどんなパターンがあるの? 自分のショップに最適な設定が分からない…!
と、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、送料設定のパターンの紹介や送料を安く抑えるためのポイントなどを紹介します。
目次
送料はお客さまの購買意欲を左右するほど重要
ネットショップを運営する上で考えなければならない重要なポイントの1つに送料があります。送料は「カゴ落ち」などのユーザー行動や売上に対して大きな影響を及ぼします。
下記はカゴ落ちの理由をまとめた調査結果です。
53%という高い割合を占めたのが「送料・税金・手数料などの追加費用が高すぎた」というケースです。
送料・消費税・手数料が想定より高かったためにサイトから離脱したという購入者が半数もいます。このことから、適切な金額設定が重要だと言えます。
カゴ落ちの理由について詳しくは「カゴ落ちとは?知っておきたい原因とカゴ落ち率改善のための対策方法」をご覧ください。
ネットショップの送料設定5つのパターン
ネットショップの送料パターンはショップの規模などで変わります。
ここからは、ネットショップで利用できる代表的な送料設定の5つを紹介していきますので、自分のネットショップに合った送料のパターンを探してみましょう。
①全国一律の送料にする
「送料は全国一律●●円!」というふうに全国で同じ送料にする方法は、多くのネットショップで使われています。
購入者にも運営者にも分かりやすいというメリットはありますが、運営者が損をしないように設計しないと赤字になるというデメリットも。
全国一律の送料を決める場合は配送料の平均をしっかり調べ、赤字にならないボーダーラインを設定することが大切です。
②配送地域別に送料を分ける
配送先までの距離に応じて、送料を設定する方法です。
全国一律と違って配送地域ごとの金額を変えられるので、ショップへの負担が軽い点がメリットです。
しかし、遠方の購入者が負担する送料が高額になってしまいカゴ落ちのリスクもあります。
遠方からの購入には運営側が送料を一部負担するなど、可能な限り購入者の負担を少なくする必要があります。
③送料無料にする
送料を運営側で負担するか、送料を含んだ商品価格にすることで送料を設定しない方法です。
商品価格が高くなったり運営側が赤字になるデメリットのある方法になります。
高額な商品の場合は送料分の価格が上がっても大きく影響ありませんが、低価格帯の商品ではカゴ落ちの可能性があります。低価格帯の商品で送料無料を行うなら、売れ残り商品や送料がそこまでかからない商品を選定して、「一部商品で送料無料」を行うのがいいでしょう。
また、商品価格に送料を含める際は「いくらがいいのか?」と迷う方もいらっしゃると思いますので、こちらの動画を参考にしてみてください。
④●●円以上で送料無料にする
一定金額以上の購入で送料を無料にするパターンです。追加購入や1人あたりの購入単価を上げる期待がもてます。いくら以上で送料無料にするかは、基本的に平均購入額よりもやや高くしたり、または人気商品の金額より少し高く設定するといいでしょう。
購入者が「あと●●円で送料無料になるから、これも買おう!」とすぐに商品を追加できるように、トップページや商品ページなどの目立つ場所に表示させるといった工夫をすることでより効果的にアピールできます。
また、カラーミーショップでは、「あと●円で送料無料」という無料アプリをショップに追加することで、ショップ内でお客さまに「あといくらで送料は無料になります」と簡単にアナウンスすることができます。
⑤配送手段ごとに送料を設定する
発送する手段(ゆうパック、メール便、宅急便)によって送料を決めるパターンです。前もってゆうパックなど配送手段に合わせて送料を決めておきます。
購入者が好きな配送手段を選べる点、設定した送料を回収できて無駄がない点がメリットです。
デメリットは注文ごとに配送手段が変わるので梱包の手間が増える点です。
また、メール便など料金が通常配送と変わる方法もありますので、前もって配送内容の確認と商品ページへの記載をしておきましょう。
カラーミーショップユーザーはどういう配送設定パターンを選んでいるの? 実際に調査してみました
ここまで一般的な送料設定のパターンを紹介してきましたが、実際はどのような送の料設定のネットショップが多いのでしょうか? カラーミーショップユーザーさんが設定している送料設定のパターンを調査し、割合を出してみました。
※1ショップが複数パターンの送料設定をしている場合もカウント
調査の結果、「全国一律設定」・「送付先を基準に設定」がそれぞれ40%以上を占め、次いで「商品重量」や「注文金額」を基準に設定する方法が選ばれているという結果が出ました!
先に紹介した5つとは違ったパターンもあったので、合わせて紹介していきますね!
全国一律に送料を設定
カラーミーショップでは送料を全国で均一にする設定が可能です。購入者が1番わかりやすい送料設定のため、多くのショップに取り入れられていることがわかりました。
送料の一律設定は魅力のひとつなので、トップページに「全国どこでも◯◯円」と書いてアピールしているショップもありました。
一律の料金を高くしすぎると購入のハードルの一つとなり、低くしすぎるとショップ側の負担が大きくなりますので、料金は全体のバランスをみて判断する必要があります。
送付先を基準に送料を設定
カラーミーショップは都道府県別に送料を設定することができます。
発送元に近い配送先ほど安く、離れるほど高く請求するといったことも可能なので、ショップ側の負担軽減も期待できることから、送料一律設定と同じくらい多くのショップが設定していました。
都道府県ごとに細かく送料を設定する場合は、特定商取引法ページや配送方法の説明欄で各県に対する送料表を掲載しておくと親切でしょう。
こちらの送料設定の詳細や具体的な設定方法などを動画でも解説しておりますので、詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
商品重量を基準に送料を設定
カラーミーショップで商品に「重量」を設定している場合は、カートの中に入っている商品の合計重量と、それに応じた発送先都道府県別に送料の設定ができます。
軽いものから重量があるものまでさまざまな重さの商品を扱うショップさまがこの機能で送料を設定しています。
また、サイズによって送料を変動させたいショップさまもこの機能を応用して送料設定をしているケースがありました。
サイズごとに送料を分けて設定したい方は商品重量を「サイズ」に見立てて「商品重量を基準に設定」をする方法を参考にしていただくことで、希望に近い設定ができる場合がありますのでぜひご覧ください。
また、この送料設定の詳細や具体的な設定方法などを動画で解説しておりますので、合わせてご覧ください。
注文金額を基準に送料を設定
カラーミーショップでは注文金額に応じて、全国一律で送料を設定することができます。
例えば10,000円以上の購入は送料を0円と設定すれば、9,500円の買い物をする購入者の「ついで買い(「あと500円何か買えば、送料が無料になる」と思わせて、もう1品購入させる=顧客単価の上昇)」を期待することができます。
調査結果では比較的設定しているショップは少ない傾向でしたが、顧客単価の向上させたい方にとってはおすすめの設定方法です。
人気商品や定番商品の価格より少し高い金額を送料無料ラインの金額に設定するのがおすすめです。送料無料になるラインがあることは魅力の1つですので、「〇〇円以上は送料無料」という表記をトップページや目立つところに掲載しているショップも多いです。
この送料設定の詳細や具体的な設定方法などは、下記の動画で解説しておりますので、合わせてご覧ください。
送料を安く抑えるコツは?
どの配送パターンでも、送料が購入者か運営者にかかります。できるだけ送料を抑えるにはどうすればいいのでしょうか。
配送業者ごとに送料を比較して安いところを選ぶ
配送料金は配送業者ごとに異なります。送料を比較して配送業者を選ぶことで、送料を少しでも安くすることが可能です。
ここからは、大手配送会社5社の配送料を比較していきます。
もし特定の配送業者と契約しているなら、これから紹介する配送料より安く抑えられるケースもあるので、お問い合わせしてみましょう。
宅配便・宅急便・ゆうパックの配送料金比較
配送業者の大手「ヤマト運輸」「佐川急便」「ゆうパック」「西濃運輸」「福山通運」の配送サイズ60〜100サイズまでを比較してまとめました。
配送料は、縦・横・高さの合計サイズと重量や配送地域によって料金が変わる料金体系となっています。
東京〜大阪間の配送料を例として紹介しておりますので、他の都道府県間への配送は公式ホームページをご確認ください。
配送会社名 | サイズ | 重量 | 料金(税込) |
ヤマト運輸 | 60サイズ | 2kg | 1,060円 |
80サイズ | 5kg | 1,350円 | |
100サイズ | 10kg | 1,650円 | |
佐川急便 | 60サイズ | 2kg | 1,040円 |
80サイズ | 5kg | 1,340円 | |
100サイズ | 10kg | 1,630円 | |
ゆうパック | 60サイズ | 25kg以下 | 990円 |
80サイズ | 1,310円 | ||
100サイズ | 1,620円 | ||
西濃運輸 | 60サイズ | 2kg | 1,023円 |
80サイズ | 5kg | 1,276円(70cmサイズ) | |
100サイズ | 10kg | 1,529円 | |
福山通運 | 60サイズ | 2kg | 1,100円(パーセルワン600円) |
80サイズ | 5kg | 1,330円(パーセルワン700円) | |
100サイズ | 10kg | 1,540円(パーセルワン1,000円) |
※西濃運輸は80サイズでの配送を行っていないため、70サイズの配送料を記載しています。
60サイズの場合、法人契約では福山通運(パーセルワン)が最も安く、個人だと日本郵便だと配送料を抑えられます。
ゆうパック以外は重量の基準があるため、60サイズで2kg以上の荷物を配送する際は、日本郵便という選択になるでしょう。
80サイズは法人の場合は福山通運(パーセルワン)が最も安く配送を行えます。
個人では60サイズ同様、日本郵便が一番安く配送できますが、ヤマト運輸にはさまざまな割引があるため、割引を利用するとゆうパックより安くなる可能性もあります。
100サイズの場合は、法人では福山通運(パーセルワン)が最も安い金額になります。
個人ではゆうパックと佐川急便がほとんど同じ料金ですが、荷物が重たい場合はゆうパックがおすすめです。
100サイズ以上の荷物を配送する際は、各配送業者の「サイズ別料金」や公式ホームページを参考にしてください。
また、想定している配送日数でお届けが可能かも合わせて確認しておきましょう。
冷蔵・冷凍便(クール宅急便)の配送料金比較
冷蔵・冷凍での配送が必要な商品は通常の配送料金よりも高くなる場合が多いです。
ここでは、冷凍や冷蔵で荷物を配送する際の料金を東京〜関西間で60サイズを配送した場合を例にまとめました。
配送会社名 | 重量 | 料金(税込) | 温度 |
ヤマト運輸 | 2kg | 1,335円 | ・冷蔵:0℃~10℃・冷凍:-15℃以下 |
佐川急便 | 2kg | 1,315円 | ・冷蔵:2℃~10℃・冷凍:-18℃以下 |
ゆうパック | 25kg以下 | 1,215円 | ・冷蔵:0℃~5℃ |
西濃運輸 | 2kg | 1,263円(冷蔵)1,993円(冷凍) | ・冷蔵:0℃~5℃・冷凍: -18℃以下 |
福山通運 | 2kg | 1,325円 | ・冷蔵:5℃~10℃ |
冷凍品の配送料が最も安いのは佐川急便、冷蔵品の場合は日本郵政での配送がお得です。各社温度に違いがあり-18℃以下での配送が必要な場合は、佐川急便が最も安くなります。
冷凍品を配送する際は、適した温度で配送を行う配送業者かを確認しましょう。
配送料金について詳しくはこちらの「徹底比較!宅急便・宅配業者の料金はどこが安い?ネットショップで選ぶならどこがいい?」記事も参考にしてみてください。
商品ごとに配達方法を変える
配送業者を1つに絞る必要はありません。日本郵便のゆうパックは全国一律185円で配送できるクリックポストが便利。100サイズ以上の大型配送は西濃運輸や福山通運が安いなど、各配送業者の強みは異なります。
気をつけて欲しいのは送料の安さを追及しすぎることです。
送料を抑えるために商品にあった配送方法を選択しないと「破損して届いた」などのトラブルが起きる可能性があります。
確実な状態で届く商品に合った配送方法を選ぶことが送料を決める上では大切です。
まとめ
今回は送料の設定パターンや安く抑えるコツ、ポイントなどを紹介しました。
ネットショップの送料を決める際は【複数の配送業者で送料を確認➜利益が出て商品に合った配送方法か確認➜該当の配送業者を複数使用して、ユーザーの購買行動に合わせて送料設定パターンも最適化していく】といった流れにするとスムーズかと思います。
決まった送料をもとにして、キャンペーンや商品の金額を上げるなど工夫したり調整していくのもよいでしょう。
また、配送業者の選定は1つの業者に固執せず、送料は購入者が納得できてショップにもプラスになるように決めることが大切です。