広告は費用がかかりますが、短期間で集客できたり自社商品のターゲット層へ効率よく訴求できたりなど。メリットがあります。
ですが、Web広告はさまざまあるので迷ってしまうでしょう。

この記事では、ECサイトで活用できる主要な広告の種類を紹介し、それぞれの特徴や適した使用シーンを解説します。
また、広告費の決め方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ECサイトに広告を出すと高そう。ホントに必要なの？

広告は低予算で始められるものもあります。広告には広告のメリットがありますので、この記事でぜひ学んでくださいね！

ECサイトの広告とは？他の集客方法との違い

広告は費用がかかるからと集客方法としての活用をためらってしまうケースもあると思いますが、広告には広告にしかないメリットがあります。
主な2点をご紹介します。

短期間で集客できる

広告は他の集客方法と比較して、短期間で集客効果を得られることが大きなメリットです。
集客効果が表れるまでに時間がかかるSEO対策などと異なり、出稿後すぐにターゲットユーザーの目に留まるので、広告配信直後からアクセス数の増加や顧客獲得を目指せます。

以下に、ECサイトの広告と他の集客施策を比較した表を記載します。

SEO対策やSNS運用はコンテンツを配信する形なので、コンテンツを準備する時間も必要になります。
一方Web広告は種類によっては、ショップ側の準備はほとんど必要なく出稿できるため、短期間での集客が可能なのです。

ターゲットへピンポイントに訴求できる

ECサイトの広告は、特定の顧客層を狙って訴求できる点も強みです。
Web広告は、年齢や性別、興味関心、Web上でのユーザーの行動履歴を元に、配信対象を絞り込めます。
さらにSNS広告では、職種や学歴、家族構成（婚姻状況）などさらに詳しい情報をもとにセグメントできるので、より商品に興味を持ちそうなユーザーに訴求しやすいでしょう。

SEOの場合、狙ったキーワードで検索したユーザーにアプローチすることはできますが、そのユーザーの年齢層や興味関心までは絞り込むことができませんし、SNS運用も拡散力はありますが、見てほしいユーザーに情報が届くとは限りません。

広告は費用をかけて掲載する分、より効率的に成果を得るためにターゲットを絞って配信できる仕組みなのです。

ECサイトの基本的なWeb広告6種類とメリット・デメリット

ECサイトの広告にはさまざまな種類がありますが、ここではよく活用される主なWeb広告の特徴やメリット・デメリット、おおよその費用についてご紹介します。

1.リスティング広告

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のキーワードを検索した際の結果画面に表示される広告です。
検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示される点が特徴です。

ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い広告が表示されるため、効率的にターゲットへアプローチできるとされています。

また、基本的にはクリック課金型のため、クリックされなければ費用は発生しません。
ただし、人気のキーワードはクリック単価が高額になる可能性があるため注意が必要でしょう。

2.Googleショッピング広告

Googleショッピング広告とは、Googleの検索結果ページに表示される広告で、ユーザーが検索したキーワードに近い商品の商品名、価格が商品画像とともに表示されます。

仕組みはリスティング広告と同じですが、商品画像が表示されるため視覚的にアピールでき、クリックするとそのまま商品ページに遷移するので、購入につながりやすいといえます。

なお、Googleショッピング広告は、Google Merchant CenterというGoogleが提供する無料ツールに商品情報を登録して配信します。

なおカラーミーショップでは、手間なく簡単にGoogleの広告枠に広告を自動配信できる「かんたん商品広告」というアプリを提供しています。
Googleの広告に興味があるものの運用の手間に悩んでいる方はぜひチェックしてみてくださいね。

3.ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイト上やアプリ上に掲載されるバナー形式の広告のことです。
画像だけでなく、動画も使えるため、ユーザーの目に留まりやすいでしょう。

ディスプレイ広告は、ファッションに興味があるユーザーへはアパレル関連のバナーを表示するなど、特定の興味や関心を持つユーザーへ配信できるのが特徴です。

一方、そこまで商品に興味・関心がないユーザーに広告が表示されてしまう可能性もあります。
また、ユーザーはWebサイトやアプリを利用することが目的のため、広告には基本的に興味を持っておらずクリックされることは少ないといえます。

リマーケティング広告

ディスプレイ広告には、リマーケティング広告というものもあります。
リマーケティング広告とは、一度自社のECサイトを訪問したユーザーに対して、バナー広告を表示して再訪を促すためのものです。

サイトを訪れたユーザーは、商品やサービスにある程度の興味を示したといえるため、通常の広告よりも購買意欲の高いユーザーにピンポイントに広告を配信できます。
そのため、通常の広告よりも高い確率で購入につながる可能性があるでしょう。

一方、商品に興味がなく離脱したユーザーに表示してしまうと不快感を与えてしまい、ショップのイメージダウンになってしまうだけでなく、本来不要な広告費もかかってしまいます。

4.アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、個人のブログやWebサイト、SNSなどで商品やサービスを紹介し、商品購入や会員登録などが発生した場合に、成果報酬として広告費が支払われる仕組みの広告です。

成果報酬型広告とも呼ばれ、広告掲載だけでは費用は発生せず、成果が出た場合のみ広告主が費用を支払うため、費用対効果は高いでしょう。

一方、アフィリエイターと呼ばれる掲載者のブログやSNSの閲覧数によっては、掲載されてから成果が出るまでに時間がかかることが多いです。

また、広告の内容自体をアフィリエイターが作成するため、意図していない内容での訴求を行われる可能性もあります。

5.SNS広告

Instagram、Facebook、XといったSNSに表示する広告のことです。

SNS広告のメリットは細かいターゲティングができることです。

SNSの登録時に、居住地や性別、婚姻関係や学歴、職場といった情報を登録するため、よりターゲットを絞り込んで表示できます。
広告費も比較的、低予算から始められます。

また、通常の投稿と同じように表示されるため、他の広告よりもユーザーに受け入れてもらいやすいでしょう。

一方、SNSはシニア層のユーザーが少ないため、シニア向け商品には向いていません。
また他の投稿に紛れてしまうため、広告自体のクオリティが求められます。

6.メルマガ広告

自社が顧客に向けてメルマガを送るのではなく、他の企業のメールマガジン内に広告としてテキストやバナーなどで自社情報を掲載することです。

掲載するメールマガジンは、ビジネス系、ニュース系、女性向けなどジャンルがあるため、自社製品のターゲットと近しい層が購読していそうなメルマガに広告を出すことが大切です。

通常のメルマガのように配信リストを自社で準備しなくて良いため、手軽に出稿できるといえます。
ただしメルマガであるがゆえ、受信した人が全員開封するわけではないことは把握しておきましょう。

ECサイトの広告費はいくらくらい？広告宣伝費の予算（比率）の決め方

広告を始める際に大切なことの1つが、予算をどの程度にすればよいのかということです。
ここからは、予算の決め方の一例をご紹介します。

1.ショップの現状の数字を把握する

予算は何となく決めるのではなく、実際の数字を元に計算式を使って出していきます。
そのためにまずは、ECサイトの現状の数字を確認していきましょう。
広告予算を決めるためにまず必要な数字は以下の3種類です。

• ・アクセス人数
• ・購買率
• ・平均購入単価

この数字は、Googleアナリティクスなどのツールを使ってECサイトの分析を行えば確認できます。

ECサイトの分析手法について詳しくは、「ECサイト分析の手法解説！」の記事で解説していますので、まだ分析に取り組んだことのない方はぜひ取り組んでみてください。

2.目標とする数値を決める

次に、目標となる数値を決めていきます。
広告を出稿する目的は主に2つあり、1つ目がアクセス数（訪問者数）アップ、2つ目が売上アップです。

アクセス数アップも結局は売上につなげるためなので、はじめから売上アップを目指したほうが良いように感じるかもしれません。

ですが、訪問者があまりいない状態で売上アップのための広告を打っても、最大限の効果は得られない可能性があります。

そのため、アクセス数が少ない場合はまずは新規の訪問者数を増やすための広告を打ちましょう。
具体的には、月間のアクセス数が500以下の場合は、まずはアクセス数を増やす広告を出すことをおすすめします。

• ・月間アクセス数が500以下の場合…アクセス数アップを目的とした広告
• ・月間アクセス数が501以上の場合…売上アップを目的とした広告

上記を一定の目安とし、どの数値を改善するための広告なのかを決めましょう。

3.数字を元に計算する

ここから、アクセス数アップが目的の場合、売上アップが目的の場合の1ヵ月あたりの広告予算の計算方法をそれぞれ具体的にご紹介します。

アクセス数を伸ばしたい場合

アクセス数を伸ばしたい場合、利用する広告のクリック単価と、増やしたい月間のアクセス数を把握します。

カラーミーショップでは月間のアクセス数が500以上であることをおすすめしているため、500になるようにアクセス数の目標数値を決めましょう。

例えば月間アクセス数が現状150人で、クリック単価が50円の場合は以下のような式で、広告予算が算出できます。

• 目標アクセス数×クリック単価＝アクセス数アップに必要な1ヵ月の広告予算
• （500－150）×50円＝17,500円

広告予算は17,500円ということがわかりました。
上記に加え、手数料がかかる場合は計算で出した予算に加えましょう。

売上を伸ばしたい場合

売上を伸ばしたい場合は、以下の手順で予算を決定していきましょう。

• 1.売上目標を決める
• 2.目標達成に必要な購入者数を計算する
• 3.目標達成に必要なアクセス数を計算する
• 4.広告予算を算出する

まずは広告出稿してどれくらい売上アップを目指すのか、売上目標を決めます。
ただし売上目標に比例して広告予算も高くなる点に注意が必要です。
今回は、売上目標を30万円とします。

次に手順2では、目標達成に必要な購入者数を計算していきます。
手順1で決めた30万円の売上目標を達成するには何人に購入してもらえばいいのか、初めに調べておいた平均購入単価を使って計算します。（ここでは平均購入単価を3,000円とします）

• 売上目標÷平均購入単価＝必要な購入者数
• 300,000÷3,000＝100

これで、100人に購入してもらえれば目標が達成できるということがわかりました。
では100人に購入してもらうには、どれくらいの人に訪れてもらう必要があるのか、手順3では必要なアクセス数を計算します。

手順3の前に、自社ECサイトの購入率をGoogleアナリティクスなどで調べます。
サイトを訪れた人が全員購入するわけではないので、これまでショップに訪れた人のうち何人が購入したのかを把握します。
ここでは、仮に購入率を4％とすると以下のように、必要な訪問者数が計算できます。

• 必要購入者数÷購入率＝必要アクセス数
• 100÷0.04＝2,500

これで、月間売上30万円を達成するためにはサイトに1ヵ月あたり2,500人集客する必要があるということがわかりました。

手順4は先ほどの、アクセス数を伸ばしたい場合の広告予算の立て方の式と同じです。
クリック単価が50円だとすると、以下のように計算できます。

• 1ヵ月のアクセス数×クリック単価＝広告予算
• 2,500×50＝125,000円

これで月間30万円の売上目標を達成するための広告予算は125,000円と見積もれました。
ですが、広告予算として決定する前に、本当にこの金額で問題ないか確認しましょう。
一般的に広告費は売上目標の30％程度といわれています。

そのため今回は30万円の売上目標に対し予算が125,000円と30％をオーバーしてしまっているので、もう少し抑えられるように調整しても良いかもしれません。

売上は上がるものの広告費がかかりすぎて利益があまり出ないということが無いよう、無理のない金額に調整しましょう。

ECサイトの広告を選ぶ際のポイント

広告の種類はさまざまあるので、どの広告を選べば良いのか迷ってしまうでしょう。
ここではECサイトの広告を選ぶ際にどのようなポイントをチェックすればいいのか、ご紹介します。

広告を運用する目的

上記で解説したようにWeb広告にはそれぞれ特徴があるため、出稿する目的に適した広告を選ぶことで効果を最大化できるでしょう。

例えば、新規顧客を獲得したい場合は、特定のキーワードに興味のあるユーザーへ訴求できるリスティング広告やGoogleショッピング広告。

自社サイトやブランドイメージの認知度向上であれば、より幅広いユーザーへ視覚的に訴求できるディスプレイ広告など、広告の目的によって使い分けるのがおすすめです。

そのためにもまずは「誰に何を伝えたいのか」「どんな行動を促したいのか」という目的を明確にしておきましょう。

訴求したいターゲット

どんなユーザーに商品を届けたいかによっても、適切な広告は変わってきます。
例えば、ジャンルに対するニーズはあるもののまだ具体的に購入を検討していないユーザー（準顕在層）に対しては、視覚的にイメージを伝えて自社を認知してもらえるディスプレイ広告やSNS広告が合っていると考えられます。

一方、より購入意欲が強く具体的な商品を検索しているユーザーには、特定の商品の商品画像や価格が表示されるGoogleショッピング広告のほうが購入につながりやすいといえます。

ターゲット像を考え、購入意欲に合った広告を選びましょう。

広告費の予算

ECサイトの広告は、種類によって費用が異なります。
初めから高額な費用が必要なものもあれば、低予算から始められるものもあります。

例えば、リスティング広告やSNS広告は、比較的低予算から始められる広告として知られています。
ただしリスティング広告も、どのようなキーワードを選ぶのかによって費用も異なってくるので注意が必要です。

広告費の予算は、先ほどお伝えしたように売上目標の30％程度が目安です。
同じ金額を広告費に使っても使い方によって費用対効果は異なるため、広告費の予算内で最大の効果を得られそうな広告を比較検討しましょう。

商品やブランドとの相性

ECサイトで広告を掲載する際には、商品やブランドと広告の相性も考慮する必要があります。

例えば、視覚的な訴求が向いているアパレル系のブランドであれば、商品画像や動画広告を用いて魅力を効果的に伝えられるSNS広告が適しています。
ユーザーのフィードに広告が表示されるので、カタログのように自然な形で広告を見てもらえるでしょう。

一方、健康食品などはビジュアル面を訴求するよりか、機能や効果を詳しく説明する必要があるので、リスティング広告やアフィリエイト広告のように、テキストで詳細情報を掲載できる広告媒体が有効といえます。

また、SNS広告がシニア層に向いていないように、ターゲットの年齢層によっても選択する広告は変わってきます。
自社の商品やブランドの特徴を深く理解し、ターゲットユーザーに効果的に訴求できる広告媒体を選択することが大切です。

ECサイトの広告運用のコツとは？有識者インタビュー

ここまで、ECサイトの広告の概要についてご紹介しましたが、さらに具体的な運用については、広告運用のプロである川手遼一さんのインタビューをぜひご覧ください。

前半ではWeb広告の種類やどれくらい継続したらいいのか、効果測定の方法などについて、後半はより成果を上げるためのポイントについてお話を伺っています。

Web広告って出すべきなの？ネットショップの広告運用について川手さんに聞いてみた。

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Web広告でショップの売上をもっとあげたい！広告運用で成果を出す極意について川手さんに聞いてみた。

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まとめ

ECサイトの広告は種類が多く、それぞれメリットや費用対効果が違います。
そのためショップの現状や目的、ターゲット、商品の特徴に合った最適なものを選ぶことが重要です。

例えば、新規顧客獲得ならリスティング広告、ブランドや商品の認知向上ならディスプレイ広告。
アパレルなどビジュアル重視の商品ならSNS広告、健康食品のメリットを紹介したいならアフィリエイト広告など、使い分けましょう。

また、広告費の予算は自社の現状の数値や目標売上によって異なりますが、運営を圧迫するような予算金額にならないよう注意が必要です。

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