趣味で作った革小物や革雑貨などのレザークラフトを、せっかくだからネットショップで販売したいと考えている人もいるでしょう。
そこで今回は、レザークラフトを作って販売する際のネットショップの開業方法や手順、販売を成功させるためのコツ、開業する際の注意点について詳しく解説していきます。
僕の友達も趣味でレザークラフト作っていて、ネットショップで売りたいって話してたっけ。
レザークラフトはハンドメイドの中でも人気がある商品の一つです。今回は、レザークラフトをネットショップで販売する方法などについて説明していきます。
目次
レザークラフトを販売するのに許可や資格は必要?
レザークラフト(leather craft)とは、レザー(革)とクラフト(手工芸)を足した用語で、主に革を素材とした手工芸品を指します。
財布やキーケース、バッグなどがレザークラフトとしてよく作られるものでしょう。
レザークラフトを製作してインターネットで販売する場合、許可や資格などが必要なのか気になりますが、特別な許可や届出は必要ありません。
そのため、誰でも手軽に始められるハンドメイド販売の一つといえるでしょう。
中古のレザークラフトの販売には古物商許可が必要
先ほど、レザークラフトの製作・販売に許可などは不要とお伝えしましたが、自分で作らず中古のレザークラフトを他から仕入れてネットで販売する場合、「古物商許可」という許可が必要になることがあります。
古物商許可とは、美術品や時計、自動車、書籍など定められた13品目に該当する中古品を販売する場合に必要となる許可で、レザークラフトもこの13品目に該当します。
この古物商許可を取得するには、まず各都道府県警察署のホームページから申請書をダウンロードし、必要事項を記入の上、管轄の警察書(防犯係)で古物商許可の申請を行います。
また、中古のレザークラフトを販売する際は、古物営業法により適正に業務を管理する責任者を1名選任しなければなりません。
中古品など、ネット販売に必要な許可・資格や知るべき法律や規制・開業届などについて知りたい方は下記の記事もご覧ください。
レザークラフト(ハンドメイド作品)の販売はどれくらい稼げる?
「レザークラフト販売は今後需要があるのか」「どれくらいの収入が得られるのか」と疑問に思っている人も多いでしょう。
まず、レザークラフトなどのハンドメイド販売の需要ですが、ハンドメイド販売最大手のminneでは、2020年度の年間流通総額は150億円を超え、2014年と比較すると約15倍にも伸びています。
2020年10月時点での累計流通総額は600億円を超えたことから、今後もさらに需要があるといえるでしょう。
次に、ハンドメイド販売でどれくらいの収入が得られるかですが、下記はminneが実施した「ハンドメイド 主婦・主夫作家の意識調査」における作家活動歴別の1か月あたりの収入です。
引用:minne byGMOペパボ「ハンドメイド 主婦・主夫作家の意識調査」
作家としての活動歴が浅い1年未満だと1か月あたりの収入なし、1~5,000円未満が6割超ですが、作家としての活動歴が長くなればなるほど収入が増えていることがわかります。
上記から、レザークラフト販売で稼ぐためには、最初は収入が得られなくても地道に長く続けていくことが大切といえるでしょう。
【アパレルEC】売上を伸ばすテクニックとは?
EC販売の中でもアパレルは人気ジャンルである一方、競合が多いのも事実です。
アパレルのECを成功させるには、アパレル販売ならではのネットショップの作り方があります。
15年以上もネットショップ作成を支援してきたカラーミーショップが、「アパレルECの売上を伸ばすテクニック」をまとめた資料を無料で提供中です。
レザークラフトのネットショップを開業する3つの方法!無料のサービスも紹介
実際にレザークラフトのネットショップを開業するには、下記の3つの方法があります。
- ・ECモール内でネットショップを開業する
- ・ネットショップ作成サービスで自身のショップを開業する
- ・ハンドメイドマーケットに出店する
では、それぞれの方法について具体的に見ていくとともに、主要なサービスをご紹介していきます。
ECモール内でネットショップを開業する
Yahoo!ショッピングやAmazon、楽天市場などのECモール内にネットショップを開店してレザークラフト販売をする方法があります。
ECモールは知名度が高く、あらゆるジャンルの店が入っていて利用者も多いため、自身の商品をより多くの人に見てもらえる機会があるのがメリットです。
ただし競合も多いため、他社との差別化を図る工夫をしなければなかなか売れない可能性もあるでしょう。
また、ECモールは無料で始められるものもありますがネームバリューがある分、手数料などがやや高めに設定されていることが多いです。
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングは、Amazonや楽天市場に並ぶ大手ECモールで、日本国内では知っている人も多いサービスです。
先ほど、ショッピングモールの場合は出店の手数料が高めに設定されているとお伝えしましたが、Yahoo!ショッピングの場合は初期費用や固定費、売上ロイヤルティが無料です。
また、Yahoo!JAPANの各サービスや、ソフトバンクなどのグループ企業から集客ができるのが大きなメリットでしょう。
ただし、商品が売れたときには、売上の数%を顧客のポイント分とアフィリエイト報酬分として負担する必要があります。
また知名度が高い分、競合も多いため、差別化を図らないと売上が立たない可能性もあるでしょう。
ネットショップ作成サービスで自身のショップを開業する
カラーミーショップのようなネットショップ作成サービスで自身のショップを開業する方法もあります。
レザークラフトを初めて販売する場合でも、無料のネットショップ作成サービスを利用すれば、初期費用や月額利用料がかからず、作品が売れた場合にのみ手数料が発生するので低リスクで始められます。
また、ネットショップ作成サービスでは、自身の作品に合ったショップへと自由にカスタマイズできるのが大きな特徴です。
ECモールやハンドメイドマーケットと比較しても手数料などが安いのもメリットといえるでしょう。
ただし、ネットショップを立ち上げただけでは作品は売れないため、SNSで宣伝するなどの集客の工夫が必要です。
カラーミーショップ
カラーミーショップは、GMOペパボ株式会社が運営する国内最大級のネットショップ作成サービスです。
初期費用・月額利用料無料のフリープランはネットショップの作成と運営が無料で行え、作品が売れた場合にのみ6.6%+30円(Amazon Payの場合は6.5%+30円)が発生する仕組みです。
「いくら無料でもネットショップの作成は難しそう」と思う方もいるかもしれませんが、無料で利用できるデザインテンプレートも豊富なため、初心者でも簡単に自分のネットショップが持てます。
さらに初めて利用する方に向けて、お役立ち動画や運営ノウハウ、メールによるサポートがあるので安心でしょう。
また、ネットショップを開設するには、個人の場合でも特定商取引法により住所や電話番号など運営者の情報をサイトで公開しなければなりません。
ですがカラーミーショップのフリープランを利用して個人情報を非公開にすれば、個人情報を守ることができます。
個人情報の非公開設定はできるサービスとできないサービスがありますので、個人の方で自分の情報をサイト上に掲載したくない方はぜひカラーミーショップのフリープランをご利用ください。
ハンドメイドマーケットに出店する
ネットショップの開業とは少し意味合いが異なりますが、レザークラフトをminneなどのハンドメイドマーケットで販売することもできます。
ハンドメイドマーケットは、ハンドメイド作品の販売に特化したサイト(アプリ)であるため、ものづくりに興味があるユーザーが多く訪れるので、購入率は高いといえるでしょう。
ただし、競合の作家も数多く出品しているため、オリジナリティのある作品を出品するなど商品面での差別化が必須ともいえます。
また、販売価格の10%前後が手数料として差し引かれるため、材料費などを考慮し、利益が出る価格設定にすることも大切です。
minne
minneは国内最大のハンドメイドマーケットで、アクセサリーや雑貨などさまざまなハンドメイド作品が出品されています。
販売者登録マニュアルもあるので登録や販売の手順がわかりやすく、初めて利用する場合でもスマートフォンから簡単に販売が始められるでしょう。
販売するだけなら費用はかからず無料で、売れたときの販売手数料が10.56%(税込)となっています。
作品の売れ行きを大きく左右する写真や商品説明文などをプロに代行してもらえるサービスが提供されていたりと、サポート体制も充実しています。
レザークラフトのネットショップを開業する手順
レザークラフトのネットショップを開業するには、どのようなステップを踏めばいいのでしょうか。
ここからは、レザークラフトを販売する際の準備から集客まで順を追って解説していきます。
ショップ名やコンセプトなどを考える
レザークラフト販売で継続的に収益を上げるためには、ブランディングが非常に重要です。
ショップ名は訪れるユーザーが必ず目にするものなので、作品の世界観などを表現する大切なポイント。
覚えやすさだけでなく、検索のしやすさも念頭に置いておくことをおすすめします。
また、どのような人に作品を販売したいのか(例:30代のキレイ目なファッションが好みの男性。ノーブランドでも質の高い商品を好む)を具体的にイメージして、ブランドに込める想いとなるコンセプトを決めます。
ショップ名もコンセプトも軸となるものなので、じっくりと検討しましょう。
レザークラフトのネットショップの開業方法を決める
ショップ名やコンセプトが決まったら、レザークラフトをどのような方法で販売するかを考えます。
先ほどご紹介したECモール、ネットショップ作成サービス、ハンドメイドマーケットの中から自身に最も適した方法を選びましょう。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、かかるコストも異なるため、比較検討することが大切です。
初めてネットショップを開業する場合、初期費用・月額利用料が無料のカラーミーショップのフリープランなど、なるべく初期コストがかからない方法を選択するとリスクが少ないのでおすすめです。
販売する商品や梱包材などを用意する
レザークラフトを販売するネットショップの準備と並行して、作品を製作するのに必要な工具や素材などもそろえていきましょう。
また、商品を発送するために必要な梱包材やガムテープ、緩衝材はもちろんのこと、ギフト需要に対応するためのラッピングペーパー、メッセージカードなども準備しておくことをおすすめします。
梱包は商品が届いた際に初めてお客さまが目にするものです。
せっかくブランドやコンセプトを決めたのであれば、作品の世界観とズレがないものを用意して、ショップを印象付けることがポイントです。
ネットショップを作成し商品を登録する
ここまで準備が整ったら、ネットショップを作成し、商品を登録する作業に入ります。
ネットショップは作品の世界観を反映し、オシャレなデザインにすることも大切ですが、それだけでは売上が増えません。
使い勝手が悪いと商品を購入する前にユーザーが離脱してしまうので、オシャレだけでなく見やすさや買いやすさも兼ね備えたデザインにしましょう。
また、作品が売れるかどうかの大きな決め手となるのは商品写真。
同じ作品であっても撮り方一つで売上が大きく左右されます。
商品の魅力を引き出すような写真を掲載しつつ、革の質感やポケット・留め具といったディテールがわかる写真などできるだけ多く掲載し、購入希望者が知りたい情報が網羅できるようにしましょう。
一眼レフなどを持っていない場合でも、スマホで上手に撮影しているショップオーナーさんは数多くいるため、レザークラフトを販売している他のショップの写真を参考に、基本をしっかりと押さえて撮影することをおすすめします。
商品写真をスマホで魅力的に撮影・加工する方法について、詳しく知りたい方は下記の記事を参照ください。
ショップをオープンしたら集客する
ネットショップをオープンしただけでは、商品は売れません。
自身のショップやどんな商品があるのかをユーザーに向けて発信する「集客」をしていくことが必要になります。
その集客の方法として、初心者でも簡単にできるのがSNSの活用です。
InstagramやTwitter、Facebookなどはそれぞれユーザー層や利用のされ方が異なるため、それぞれの特徴に合った情報発信を行いましょう。
たとえば、商品の魅力を写真で伝えたい場合はInstagramの投稿がおすすめですし、商品の発売情報などは拡散力のあるTwitterを活用するとよいでしょう。
いくつもSNSを運用するのが難しくても、まずはどれか一つでもやってみてくださいね。
レザークラフトのネットショップでの販売を成功させるコツ
レザークラフトをネットショップで販売する際には、革や商品に対するこだわりを伝えたり、革の経年変化など商品説明を丁寧にしたりすることで売上が大きく伸びる可能性があります。
ここからは、レザークラフト販売を成功させるための3つのコツについて解説していきます。
革や商品に対するこだわりを伝える
レザークラフトの購入希望者が最も知りたいのは、使用されている革についてです。
そのため、商品説明文に革に対するこだわりを記載すると、共感して購入してくれる人も増えるでしょう。
作品のコンセプトや込めた想いなども併せて記載すると効果的です。
また作品自体の魅力はもちろんですが、小物などはコーディネートを紹介したり、同じ革を使った小物をシリーズとして紹介したりすると購入のきっかけとなるかもしれません。
革の経年変化など商品説明を丁寧にする
レザークラフトの良さの一つは革の経年変化です。
そのため、革の経年変化を商品説明文で伝えることをおすすめします。
どれくらい使うと革がどのような質感や色になるのか、実際の写真も添えて経年変化を時系列でわかりやすく記載すると、売上アップが期待できるでしょう。
商品を販売するためのセールスライティングについては、他店舗の文章を参考にしたり、ネットで書き方を検索したりすると書くべきポイントがつかめます。
アフターフォローを充実させる
レザークラフトは、丁寧にお手入れすることで長期間愛用できるアイテムです。
そのため、購入者からお手入れや破損などのトラブルについてのお問い合わせがくることも多いです。
そのような場合、真摯に対応することで購入者の安心感や信頼が得られ、リピート購入も期待できます。
「アフターフォローがしっかりしている」などの口コミやSNS投稿が増えることで、新規顧客の獲得につながるでしょう。
レザークラフトのネットショップを開業する際の注意点
レザークラフトのネットショップを開業する際は、利益が出るかどうかシミュレーションする、副業でも開業届を出し、確定申告を行うなど気を付けなければならないことがあります。
最後に、レザークラフト販売における注意点について解説していきます。
きちんと利益が出るかシミュレーションする
レザークラフトの売れ行きが好調でも、材料費などの製作コストや、利用するサービスの手数料によっては、赤字になってしまうケースもあります。
そのため、ネットショップを開業する前に発生するおおよそのコストを把握し、利益が出るかどうか運営のシミュレーションをすることが大切です。
一般的に、ハンドメイド作品の販売価格の目安は製作コストの3倍といわれていますが、これはあくまで目安であり、利益が出ない場合もあるので自分のケースに当てはめてきちんと計算しましょう。
販売価格は安ければ売れやすいというイメージがありますが、商品には適正価格があるので、長く事業を続けるためにも、サービスの手数料などすべての費用を想定して設定することをおすすめします。
副業でも開業届や確定申告を適切に行う
専業でも副業としてレザークラフト販売を行う場合でも、事業を始める際は開業届の提出や確定申告を適切に行う必要があります。
開業届とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、個人が事業を開始したとき、またはやめるときに税務署に提出する書類です。
開業届を提出しなくても罰則はありませんが、提出することで確定申告の際に節税対策になる青色申告が利用できたり、銀行口座を屋号で開設できたりするなどのメリットがあります。
事業を開始したら1カ月以内に開業届を提出しましょう。
また、副業であってもレザークラフト販売を行う場合、年間の所得が20万円を超えると確定申告をしなければなりません。
この20万円とは、レザークラフト販売で得た収入から材料費などの経費を差し引いた金額です。
収入が多い場合でも、経費の金額によっては実際の所得が20万円を超えず、確定申告の必要がなくなることもあるため、材料費などの領収書は大切に保管しておきましょう。
ネットショップの開業届の必要書類や書き方、届け出ることのメリットについては下記記事をご覧ください。
また、ネットショップの確定申告はいくらからなのかや、やり方・何が経費になるのかは下記記事で解説しています。
まとめ
今回は、レザークラフトのネットショップを開業する際の方法や手順などについて詳しく解説しました。
レザークラフトのネットショップを開業するにはいくつかの方法がありますが、それぞれメリット・デメリットがあり、手数料なども異なるため、自身に合った方法を選択することが大切です。
材料費などの製作コストや利用するサービスの手数料などを想定し、利益が出るかどうかしっかりと確認してから開業しましょう。
ネットショップを開設する際は、初期費用・月額利用料無料で個人情報の非公開設定が可能なカラーミーショップのフリープランをぜひご活用ください。
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