ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

よむよむカラーミー

ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

【事例あり】産直ECとは?始め方や課題、成功させるポイントも紹介!

近年、生産者と消費者を直接つなぐ「産直EC」が注目を集めています。
新鮮な農産物や海産物を産地から直接購入できる産直ECは、コロナ禍を機に急激に市場が拡大し、生産者にとって重要な販路となっています。

そこでこの記事では、産直ECの基本から始め方、成功のポイントまで、わかりやすく解説します。

ツクルくん
ツクルくん

産直ECって最近人気だよね。

カラミちゃん
カラミちゃん

安心安全な食品を求める消費者などから人気が高いですね。そこで今回は産直ECについて解説します!

産直ECとは何?わかりやすく紹介

産直ECとは、農家や漁業者などの生産者がインターネットを通じて、消費者に直接商品を販売することです。
従来の流通経路である農協や卸売市場を通さず、生産者と消費者をダイレクトに結ぶことで、より新鮮で高品質な農産物や海産物を消費者に届けることができます。

なお産直ECは産直プラットフォームの販売だけでなく、自社ECでの販売といった方法もあります。

産直ECの市場規模は拡大傾向

産直ECの市場規模は急速に拡大しています。
代表的な産直ECプラットフォームの食べチョクは、2024年4月には登録生産者数が産直EC業界最大の10,000軒を突破したそうです。

同社によると、1ヵ月に2500万円ほどを売り上げる農家の方もいるとのことで、産直ECの需要の高さがうかがえます。

コロナ禍によりネットで食品を買うという習慣ができたことや、食の安全・安心への関心の高まりから産直ECの利用者が増えているのでしょう。

このように産直ECに参入する生産者の方も増えていることから、今後も市場は拡大傾向にあると予想されます。

産直ECを行うメリット

生産者が産直ECを行うとどのようなメリットがあるのか、主な点をご紹介します。

販路が拡大できる

産直ECを活用することで、生産者はこれまでの限られた販路にとらわれず、新しい顧客層とつながることができます。

オンラインの販売なので、実店舗のように時間や場所にしばられず、全国どこからでも24時間、商品の販売が可能です。
販路が拡大することで売上アップだけでなく、事業の安定にもつながるでしょう。

また、販路が広がることは自社の生産物を知ってもらう機会が増え、認知度の向上も期待できます。

利益が出る価格設定が可能

産直ECは自身で販売を行うため、生産者は利益を見込んだ価格を設定できます。

従来の流通では農協や卸売りなど中間業者が入ることで、販売価格は市場の相場や買い取り側の判断に左右され、生産者の手元に残る利益が限られてしまうケースも少なくありませんでした。

その点、産直ECでは、生産者自身が価格を決められるため、生産コストや商品のこだわりをしっかり反映した価格設定が可能です。

特に、有機農産物や特別栽培品などは、サイト上で品質や希少性といった価値を詳しく伝えることで、適正な価格での販売がしやすくなるでしょう。

生産者自らが販売することで事業継続に必要な利益を確保できるのも、産直ECの大きなメリットといえます。

廃棄ロス削減につながる

産直ECは食品ロス削減にも大きく貢献するでしょう。

従来の流通では、形が不揃いだったり、サイズが規格に合わなかったりする農産物や海産物は市場に出回りにくく、廃棄されることが多くありました。

ですが産直ECで規格外の商品を手頃な価格で販売すれば、品質の良い商品を安く購入したいと考える消費者が購入するでしょう。
実際に、多くの産直ECプラットフォームでは「訳あり商品」として人気を集めています。

また、収穫量や漁獲量に応じて柔軟に販売できるため、余った分も効率的に消費者に届けられます。
このように、産直ECはさまざまな事情で発生してしまう廃棄ロスの削減に役立つといえます。

産直ECを行うデメリット

産直ECを行うことは、まったくデメリットがないとも言い切れません。
想定される主なデメリットをご紹介します。

在庫管理や発送業務が必要

産直ECを始める際に理解しておきたいのが、在庫管理や発送業務が発生するということです。
これまで農協や卸売りへ一括で出荷していましたが、個別の注文に対応しなければなりません。

農産物や海産物の場合、日々の収穫量や生産量が変動するため、出荷可能な数量を正確に把握し、ロスや欠品を防ぐ仕組みが求められます。

また、商品が傷まないよう適切な梱包材の選択や、顧客が確実に商品を受け取れるよう、正確な配送日時指定や温度帯別配送システムの導入などを検討する必要もあります。

最初は慣れないため時間がかかりますが、ツールの利用など工夫することでスムーズに行えるようになるでしょう。

配送トラブルなどが発生する場合も

産直ECでは、配送トラブルが起こることも想定しておかなければなりません。
生鮮食品を扱う性質上、配送中の温度管理や配送遅延により商品が傷んでしまったり、梱包が不十分で商品が破損したり、配送業者による誤配送が起こることもあります。

こうしたトラブルが発生した場合、生産者自身が顧客対応を行わなければなりません。
返品・交換の手続きや、場合によっては返金対応も必要になることがあります。

ただし、事前に適切な梱包方法を学んだり、信頼できる配送会社を選んだりすることで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
また、万が一のトラブルに備えて、対応マニュアルを作成しておくこともポイントです。

【比較】産直ECの始め方は3パターン!主なサービスも紹介

産直ECの始め方は主に3パターンあります。
それぞれどのような方法なのかと、具体的なサービスもご紹介します。
3パターンを比較した表も掲載するので、ぜひチェックしてみてください。

ECモール

ECモールとは、多くのショップが集まったECサイト上のショッピングモールのことです。
モール自体に集客力があったり、すでに決められたシステムを利用できたりするため、産直ECを手軽に始められます。

一方で、出店手数料やシステム利用料などさまざまな手数料が発生します。
また、ECモール内には無数のショップがあるため、価格競争に巻き込まれやすい点にも注意が必要です。

楽天市場

楽天市場は、日本国内でAmazonと並ぶ最大級の総合ECモールで、多種多様な商品が販売されています。
2023年11月時点の月間アクティブユーザー数は4000万人以上と、集客力の高さがうかがえます。

そのため、農産物や魚介類など、産直商品を扱う生産者にとっても非常に注目度の高いプラットフォームです。

ですが先ほどお伝えしたように、さまざまな手数料が必要で、独自のセールやポイント制度などルールがあるため、実際のランニングコストや手元に残る利益をシミュレーションしてから出店するかどうかを判断するのがおすすめです。

産直プラットフォーム

産直プラットフォームとは、農産物や海産物の産地直送に特化したECモールのことです。
さまざまな生産者が商品を出展するオンライン上のマーケット(市場)となっており、産直ECを始めたい生産者にとってハードルの低い方法といえます。

ECモールと同様、自分でサイトを作り込む必要がなく、集客もプラットフォーム側が担ってくれるため、生産者は商品の準備と発送に集中できます。

ただし、他にも多くの生産者がいるため差別化が必須である点と、販売時の手数料が20%程度とやや高い点は把握しておきましょう。

食べチョク

食べチョクは、日本最大級の産直ECプラットフォームで、2025年7月時点で6万点以上の商品が出品されています。
商品ページには生産者の写真やこだわりを掲載でき、消費者との直接的なコミュニケーションが可能な点が大きな特徴です。

食べチョク独自の審査を通れば初期費用や月額利用料は無料で販売ができ、売れた時に手数料を支払います。

販売時の手数料は商品代の19.7%とやや高めに設定していますが、産直プラットフォームの先駆け的存在で、販売アドバイスやトラブル時の仲介などにも対応してもらえます。

自社EC

産直ECやECモールのように、多くのショップが集まるECサイトの1ショップとして出店するのではなく、自分達でオリジナルのECサイトを構築して産直ECを行う方法です。

他の2つの方法と比較してデザインや機能のカスタマイズが自由で、自分達のイメージをサイトで表現することが可能です。
また、販売時の手数料も低めに設定されている点も特徴です。

一方、立ち上げ当初はモールのように知名度がないため、自分達でサイトの存在を広め、集客していく必要があるでしょう。

カラーミーショップ

カラーミーショップは、初心者から本格的な事業者まで幅広く対応している、自社ECサイト構築サービスです。

デザインテンプレートを活用すれば、専門知識がなくても簡単にサイトを立ち上げられます。
また、必要な機能はアプリで手軽に追加が可能なので、自社に合ったデザインと機能で、オリジナリティあふれるサイトを構築できます。

なおカラーミーショップでは産直ECといった食品ECに必要な機能が備わっている「食品事業者専用プラン」も提供しているため、初めての食品販売でも安心して取り組めます。
無料で30日間のお試しもできるため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
>>>カラーミーショップを見てみる

なお、下記は3つの方法を比較した表です。
予算や目的を考慮しながら、自分達に合った方法を検討してください。

初期費用 月額費用 販売手数料など デザイン性 集客力 機能のカスタマイズ性 ブランディング
産直プラットフォーム 無料 無料 20%程度 ×
ECモール 無料〜数万円 無料〜数万円 2〜15%程度 ×
自社ECサイト 無料〜数万円 無料〜数万円 3〜5%程度

※この表は横にスライドします

産直ECを成功させるポイント

産直ECはただ始めただけで、売上が勝手に上がっていくということは期待できません。
サイト開設後、以下のポイントを押さえることで成功に近づけるでしょう。

集客に力を入れる

産直ECを開設しただけでは、消費者もショップの存在に気づけません。
ECモールで開設したとしてもその他のショップに埋もれてしまうため、自社のショップの情報を発信してショップに訪れてももらう「集客」が必要です。

基本的な集客方法としてはInstagramやTikTokといったSNSの運用や、Googleショッピング広告といったWeb広告、自社を検索上位にするためのSEO対策などが挙げられます。

また産直ECであれば地元イベントでの対面販売も、ECサイトへの誘導につながる重要な集客活動です。

ネットショップの集客方法について詳しくは「ネットショップ集客のコツ!」の記事をチェックしてみてください。

他の生産者と差別化を図る

産直ECでは多くの生産者が同じような商品を販売しているため、他の生産者との差別化が重要です。
単に「新鮮な野菜や魚」というだけでは、消費者にとって選ぶ理由が見つけにくく、価格競争に巻き込まれる可能性があります。

そのため、例えば農林水産大臣賞や地域の農業コンクール入賞など、第三者機関からの評価を積極的にアピールすることで一つの差別化になります。

また、珍しい品種の栽培や季節限定商品、地域特産品への特化など、他のショップではなかなか手に入らない商品を提供することも効果的です。

さらに、配送時にはオリジナルデザインの段ボールを利用したり、手書きのチラシやレシピ集を同梱したりなど、記憶に残るような商品をお届けすることで、リピート購入にもつながるでしょう。

商品や自分達に関する情報を充実させる

産直ECでは、顧客が実際に商品を手に取って確認できないため、詳しい情報提供が購入を後押しします。

また、産直ECの利用者は「誰が作ったのか」「どのように作られたのか」を重視するため、生産者や農園の情報が購入の決め手になることが多いといえます。

そのため商品情報では、品種名、栽培・漁獲方法、収穫・水揚げ時期、保存方法、おすすめの食べ方などを詳しく記載しましょう。

さらに、商品についてだけでなく、生産者情報も載せるのがおすすめです。
顔写真やプロフィール動画などを掲載し、「生産者の顔」がわかることは、顧客に親近感を与えられるでしょう。

加えて農業歴・漁業歴、栽培・漁業へのこだわり、農園・漁場の場所や環境、日々の農作業・漁業の様子などを紹介することで、顧客から信頼を得られるはずです。

【事例】産直ECで成功したショップ

かごしまぐるりは、鹿児島産の商品に特化した産直ECモールです。

この独自の産直モールを運営する株式会社オービジョンの大薗さんは、「かごしまの魅力をもっと全国へ発信したい」という想いから一念発起してサイトを立ち上げました。

今では約260の鹿児島の生産者が育てた、こだわりの商品を展開する人気サイトとなっています。
かごしまぐるりの事業の歩みや運営について詳しくは下記のインタビューをご覧ください。

まとめ

産直ECは、生産者が農協や卸売市場を通さずに消費者に直接販売できる仕組みで、販路拡大や利益確保、食品ロス削減などのメリットがあります。

産直ECの始め方は、産直プラットフォーム、ECモール、自社ECの3パターンがあり、それぞれ初期費用や集客力、カスタマイズ性などに違いがあります。

なお、自社らしいサイトで産直ECを行いたい場合は、デザインや機能拡張の自由度が高い自社ECがおすすめです。
なかでもECサイト構築サービスのカラーミーショップでは、食品ECを行う方に向けた食品事業者専用プランを用意しています。

産直ECを行う上で必要な機能がすでにそろったサービスなので、初めての方でも売上を上げやすいでしょう。
ECサイトで食品を販売する方は、ぜひチェックしてみてください。

>>>カラーミーショップを見てみる

▼こちらの記事も読まれています▼

よくある質問

産直ECはどうやって始められますか?

産直ECの始め方は、ECモール、産直プラットフォーム、自社ECの3パターンあります。
詳しくはこちらの章をご覧ください。