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新規顧客獲得のための「自店情報の棚卸し」とは?【さこっち先生のネットショップ診断(第3回)】

この記事は…
さこっち先生こと、ECコンサルタントの酒匂 雄二さんがショップオーナーさまのお悩みを聞いて、ネットショップの改善点やサイト最適化についてアドバイスをする連載です。
今回は、石川県羽咋市の焼き菓子専門店「ル・ウィークエンド」さまのからのご相談にお答えいただきました。

新規のお客さま獲得のために何をするべきか?

最初のご質問は「新規のお客さま獲得のために何をするべきか?」です。

実店舗とネットショップを運営している。ネットショップのお客さまはほとんどが実店舗からのお客さまで、新規顧客が少ない。新規のお客さまを獲得するためにできることを知りたい。

とのこと。これは、ネットショップを運営する実店舗に共通のお悩みですね。EC関連の講座や登壇の際にも、必ずと言っていいほど同様の質問をいただきます。そういった際は、以下の内容を元に、新規のお客さまを獲得するための「自店情報の棚卸し」をおすすめしています。

Google マイビジネスを活用する

コロナ禍で実店舗が開けられず、ECに参入するお店が非常に増えています。しかし、実店舗情報があるにも関わらず、それを活かせていないショップオーナーさまも多いのです。
例えば、Google マイビジネス(※)に店舗情報を登録していない、登録していてもネットショップへのリンクがないということはよくあります。
ル・ウィークエンドさんは実店舗のホームページをお持ちですので、ぜひGoogle マイビジネスを活用してみてください。
※Google マイビジネスは、Google検索やGoogle マップにお店などの情報を表示し、管理ができる無料ツールです。

スマートフォン表示のファーストビューを改善する

次に、サイトのスマートフォン表示を検証していきましょう。2020年、国内のインターネットトラフィックの約75%はスマートフォンからというデータがあります。スマートフォンでの見え方は真っ先に気をつけたいところです。

実店舗のホームページは右上の三本線をタップするとメニューが現れ、最下部にSNSアイコンと並んでネットショップのアイコンが表示されています。このアイコンからネットショップに遷移はできますが、このあたりに「ネットショップは新規顧客が少ない」という原因がありそうです。

現在の導線では初見のお客さまがネットショップに気づくことは難しく、実店舗を知っている方でないと、スムーズにネットショップまで辿り着けない可能性があります。

そして遷移先であるネットショップは左がパソコン表示、右がスマートフォン表示のトップページとなります。ずいぶんと印象が異なりますし、先述のデータをベースに考えると、75%の訪問者がスマートフォン版を見ていることになります。

スマートフォン版のファーストビューからわかる情報は「焼き菓子専門店ル・ウィークエンドのお菓子は5年間フランスで修行したシェフが作っている。全国から厳選した食材を使っている」ということですが、初見の訪問者が知りたいと思われる

・イチオシ商品は? それはいくら?
・どんなお菓子がある?
・どこのお店?

などの情報は、ファーストビューに表示されていません。
画面領域が狭いスマホでは、下図のようなレイアウトにすることで、訪問者の知りたい情報が伝わるネットショップになるでしょう。

titleタグとmeta descriptionタグを工夫する

検索結果に表示されるtitleタグとmeta descriptionタグは非常に重要です。

現在のトップページでは、

<title>le week-end</title>
<meta name=”Description” content=”能登の小さな焼き菓子専門店”ル・ウィークエンド”のオンラインショップ。フランス帰りのパティシエが、体に優しい国産原料を取り入れながら本場フランスの味を目指して焼き上げています。添加物は一切使用していないので、どなたでも安心してお召し上がりいただけます。” />

となっています。

titleタグの「le week-end」を「ル・ウィークエンド」と読んだり、検索エンジンに「le week-end」と打ち込むことは、お店を知っていないと難しいのではないでしょうか。
また、titleタグには検索ニーズが高そうなキーワードや看板商品を入れるのがおすすめです。一案ですが、

<title>石川県羽咋市の無添加フランス焼き菓子通販|ル・ウィークエンド</title>

とすると、キーワードやお店の名前、所在地まで入ってスペース込みで30文字。省略されることなく検索結果に表示されそうです。

meta descriptionタグは、

<meta name=”Description” content=”能登の小さな焼き菓子専門店ル・ウィークエンドはフィナンシェ、パウンドケーキ、クッキー、ガトーショコラなどの焼き菓子をフランス帰りのパティシエが丁寧に焼き上げ、通販で全国にお届けしています。バレンタイン、ホワイトデー、ハロウィン、クリスマスなどのプレゼント、ギフトにもおすすめのお菓子を取り揃え。” />

検索結果に表示される文字数は変更されることが多く一概には言えませんが、記事を執筆している2021年10月時点ではパソコン・スマホ共に80文字前後です。

meta descriptionタグは120〜140文字で構成することが多いのですが、カラーミーショップでは入力画面に「160文字以内」推奨と表示されています。

検索結果で見切れずともGoogleは読み込んではくれているので、お客さまに見ていただきたい、重要な文言を前半80文字以内に入れるようにして140文字程度で構成するとよいかと思います。

「フィナンシェ」「パウンドケーキ」「ガトーショコラ」は、いずれも多くのユーザーが検索するビッグワードです。検索結果の上位にネットショップを表示させることは非常に難しいですが、今までは「フィナンシェ 通販」で検索しても表示されない状態でしたので、今回で基本的な設定ができたと言えるでしょう。

続いて、商品詳細ページを見てみます。商品名にフランス語を使ったものがいくつかありますが、「パート・ド・フリュイ」と聞いても、恥ずかしながら私はどのような商品かわかりませんでした。
しかし、「フルーツのピュレと砂糖を煮詰めて固めた、フランス風ゼリーです」という商品説明を読んで、知っているお菓子だと理解することができました。このことからも、商品ページのtitleタグを

パート・ド・フリュイ|フルーツのピュレを固めたフランス風ゼリー

とすれば、訪問者にとってより親切になるのではないでしょうか。

同様に「ケーク・オ・フリュイ」も、

ケーク・オ・フリュイ|ラム酒漬けのフルーツ香るパウンドケーキ

とすれば、訪問者はより鮮明に商品をイメージすることができます。

余談ですが、私はパウンドケーキが大好きです。なかでも、ラム酒漬けのフルーツパウンドケーキは大好物。今回、「ケーク・オ・フリュイ」という名前を知りましたが、以前の私が検索エンジンで探すなら「フルーツパウンドケーキ 通販」と入力したと思います。ネットショップは正式名称を知らない人でも、キーワードだけで商品に辿り着けるようにしておくことが大切です。

基本は5W・1H・1R

ネットショップのSEOは、下図を元に考えるとよいでしょう。

ル・ウィークエンドさんの商品であれば、

・いつ(When)…いつ食べる・贈るものですか?
・どこで(Where)…どこで食べるものですか?
・だれが(Who)…誰が買いますか? 贈る相手はどんな人?

といったことを考えます。
先ほど、meta descriptionタグの一例に「バレンタイン」や「クリスマス」など、焼き菓子が重用されるシーンと看板商品を入れたのも、この考え方を元にしているからです。
このようにシチュエーションの内容を詰めることで、検索エンジンでヒットする確度は上げることができます。

パソコン表示のメニューを改善する

パソコンでネットショップを表示した際に、左メニューの「ショップについて」と「レストラン」をクリックすると、実店舗のホームページに遷移します。これでは、せっかくネットショップにきた訪問者をお店の外に送り出すようなものです。
実店舗についてもネットショップ内で紹介し、「詳しくはお店のホームページをご覧ください」として、別サイトに誘導するのがよいでしょう。

Instagramから購買へ繋げるには?

2つ目のご質問はInstagramの活用についてです。

Instagramのフォロワーは少しずつ増えてきているが、ネットショップは実店舗のお客さまが多い。Instagram経由で新規顧客を獲得したい。

とのこと。ル・ウィークエンドさんのInstagramのフォロワー数は454人(2021年10月19日現在)。1年前はいいねの数が10~20で推移していたのに対し、直近の投稿では平均50まで増え、ハロウィンなど季節のイベントに関する投稿では70近くまで伸びています。

私の経験から言うと、フォロワー数が400~500人辺りから投稿に「これ買いました」というコメントがついたり、Instagram経由の売上が出る傾向がありますので、ル・ウィークエンドさんのアカウントはこれからという感じがします。

Instagramはキャプション内のURLがリンクにならないため、通常は訪問者をプロフィール画面へ誘導し、そちらに載せたリンクから遷移させる必要があります。
キャプション内に「#プロフィールからショップページへ飛べます」や「#プロフィールからサイトに飛べます」などのハッシュタグを記載することで、プロフィール画面へ誘導する努力をされている方も多いですが、訪問者によほど気に入ってもらえない限り、「投稿」→「プロフィール」→「ネットショップ」と遷移させるのは難しいでしょう。一説では1クリック増えるごとに6~7%のユーザーが離脱するそうです。単純計算で、ネットショップまでの2クリックで10%以上の訪問者が離脱してしまうのです。

ル・ウィークエンドさんの投稿は写真から焼き菓子のシズル感が伝わりますし、全体の統一感もあるので、ネットショップの強みを活かした「Instagramショッピング連携」機能をおすすめします。

焼き菓子なら贈り物のシーンやパウンドケーキの断面などで訴求し、写真からネットショップへの直接流入を図ることができます。
こちらのアプリは月額550円(税込)とお手頃価格ですので、商材を問わず、すべてのネットショップにおすすめです。

購買に繋がりやすい送料設定

3つ目のご質問は送料についてです。

送料を下げれば購買率は上がると思うが、その分を店が負担することになるので、送料をどのように設定するべきか悩んでいる。最近、送料設定を変えたが、それが適正かどうかも気になっている。

とのこと。大手オンラインモールでは、送料無料ラインを設定しているところがほとんどなので、同じようにするべきか悩まれるショップオーナーさまは多いです。

私の個人的な見解ですが、「フランスで修行したパティシエがお店で一つひとつ丁寧に焼き上げた無添加の焼き菓子が、石川県羽咋市から届く」ことへの対価と考えると、現在設定されている

送料全国一律¥800。6,000円以上のご購入で送料無料。
(クール便手数料別途。北海道・沖縄・離島は追加料金500円頂戴致します。)

というのは、決して高くないと感じます。都市部にお住まいの方が、数駅先の商業施設に出かける交通費もおそらく400円~にはなるでしょう。コロナの感染リスクを最小限に押さえて、家にいながらお取り寄せができるメリットは大きいです。
パソコン表示左メニューの「ショップについて」をクリックした先にある内容を「お店の理念」としてネットショップに載せれば、価格帯に説得力をもたせることもできるのではないでしょうか。

▼送料についてはこちらの記事もおすすめです▼

おわりに

今回は、新規顧客獲得のためのSEO、Instagram連携などについてお話しました。

今年の夏、大手食品メーカーが和洋菓子製品の値上げを発表しました。異常気象等による穀物、乳製品の原材料高騰が原因とのことで、SNSでは「残念だけど仕方ない」という反応が一定数見られました。
最近は「安い商品の裏で、誰かが犠牲になっているかも知れない」と考える消費者が増えてきたように感じます。誰かの犠牲で成り立つ値決めは、健全とは言えないですよね。

ル・ウィークエンドさんの強みは、フランスで修行した本場の味だけでなく、国産無添加の安全な材料を使っていることです。ネットショップでもこれらの強みをしっかりアピールできれば、現在の送料設定でも十分に勝負できると思います。応援しています!

この記事が少しでもネットショップ運営のお役に立つことができれば幸いです。
それではまた、第4回でお会いしましょう! ありがとうございました。

この記事を書いた人
酒匂 雄二 (さこう ゆうじ)
株式会社ユウキノイン 代表取締役
D2CアパレルECの店長・生産管理・実店舗・卸売を統括。SNSを活用し、広告費をゼロにしながら自社店舗の売上を2年で400%に成長。セミナー講師、他社ECサイトの構築、企画・運営代行などを手掛けるように。ECサイト、コーポレートサイトのSEO、 コンテンツマーケティングやSNSの運用支援、社内のWEB担当者の育成、 クラウドファンディングによる資金調達の支援から売上計画の立案、戦略業務まで WEBを活用した総合的なコンサルティング業務を伴走型で支援。カラーミーカレッジの講師も務める。