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食品の越境EC販売で知っておきたい規制や注意点は?おすすめの方法も紹介!

海外での日本食ブームやインバウンドを背景に、食品の越境EC市場が急拡大しています。
ですが、食品は他の商品とは異なる特殊な規制や注意点があり、事前の正しい知識が不可欠です。

そこでこの記事では、食品越境ECの市場動向から具体的な販売方法、食品越境ECにかかわる規制などを解説します。
これから食品の海外販売を検討している事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

ツクルくん
ツクルくん

食品の越境ECにチャレンジしたいけど、全然知識がないなぁ。

カラミちゃん
カラミちゃん

そんなツクルくんのために、食品越境ECのメリットや注意点などをわかりやすく解説しますよ!

食品越境ECの市場規模と将来性

食品の越境EC市場は、世界的な日本食ブームやインバウンドなどを背景に、着実な成長を続けています。
市場の現状と今後の展望を詳しく見ていきましょう。

農林水産省の「平成29年度日本からの電子商取引(EC)を用いた農林水産物・食品の輸出に関する調査」によると、日本からの食品越境EC市場規模は1,574億円に達しています。

地域別の購入先では、アジア大洋州が全体の82%を占める1,299億円と圧倒的で、特に中国が大きな割合を占めており、日本から中国への食品越境ECは1,200億円とされています。

中国は偽物の商品が出回ることもあり、食品に対する安全性を求め、日本の食品への関心が高いのかもしれません。

また、アメリカでも日本の食品への関心は高いです。

ニューヨークなど都市部の消費者を中心に行われたJETROの「米国におけるEC利用者実態調査 ―食品/飲料購入実態及び日本食品への反応―(2019年6月)」という調査では、インスタントラーメンや緑茶、焼酎などの日本産食品への購入意欲が確認されています。

健康志向の高まりや訪日観光客による日本食体験の広がりが、継続的な需要創出につながっていると考えられており、今後もこのトレンドは拡大傾向にあるでしょう。

食品とその他商品との越境ECでの違いは?

食品の越境ECは、衣類や雑貨などの一般商品とは大きく異なる特徴があります。
ここでは食品特有の注意点やメリットなど解説します。

食品ならではの特殊性と注意点がある

食品は人の健康に直接関わる商品であるため、品質管理から法規制まで、一般商品よりも幅広い観点での注意が求められます。

具体的には「輸送や品質管理」「各国の輸入規制」そして「商品表示・ラベル対応」の3つです。
輸送・品質管理では、海外配送に1週間~1ヵ月程度要するため賞味期限が長い商品が適しています。
長期間の輸送になるため破損リスクが高く、特に液体の食品は、厳重な梱包が必要です。

また、肉類、乳製品、生鮮食品など輸入禁止品目が国ごとに大きく異なるため、販売前の確認が不可欠です。
さらに、栄養成分表示や原産国表示、アレルギー表示など、販売先国の法律に準拠した商品表示が求められます。

特にイスラム教のハラル認証、ユダヤ教のコーシャ認証、ベジタリアン・ヴィーガン対応など、宗教や文化的背景による食事制限への配慮も重要です。

規制やラベル表示について、後ほど詳しく解説します。

食品を越境ECで販売するメリット

ハードルが高そうな食品の越境ECですが、それを上回る以下のようなメリットがあります。

  • ・販路の拡大
  • ・高付加価値での販売
  • ・リピート購入の可能性
  • ・低コストでの海外進出

まず、海外へ販売を行うことで販路が拡大し、売上アップが期待できることが一番のメリットです。
日本は少子高齢化や人口の減少が進んでいるため、海外へ目を向けることで事業成長が目指せます。

また、日本国内での販売は珍しくない食品でも、海外では「Made in Japan」ブランドによる品質への信頼が高く、国内価格よりも高い価格設定が可能となる場合が多くあります。

さらに、訪日観光客が体験した日本での食事をまた食べたいというニーズにより、食品越境ECを始めることで、インバウンド顧客によるリピート購入が期待できるでしょう。

食品の海外販売と聞くと大変そうなイメージですが、従来の海外展開で必要だった現地法人設立や実店舗開設、大規模な初期投資は不要です。
食品越境ECならインターネット環境があれば世界中に販売できることは、大きなメリットといえます。

食品越境ECで人気の日本の食品・食材とは?

先ほども引用した、農林水産省の「平成29年度日本からの電子商取引(EC)を用いた農林水産物・食品の輸出に関する調査」によると、海外で特に人気が高いのは健康食品で、越境EC食品市場全体の約4割を占めています。
次に菓子類、調味料、緑茶と続いています。

また、JETROでも「日本産食材ピックアップ」のページにて、海外ですでに人気が高い、あるいは今後注目される日本食材を紹介しており、抹茶や米粉、こんにゃくといった健康志向の商品や、わさび・ゆずなどの独自食材が評価を得ているといいます。

特に抹茶は世界中に愛好家を持ち、米粉はノングルテン食材として欧米で注目を集めています。

越境ECに向いている食品のポイント

上記で紹介した越境ECで人気の商品を分析すると、以下のような共通した特徴があることがわかります。

  • ・賞味期限が長い
  • ・軽量でコンパクト
  • ・常温保存が可能
  • ・日本ならではの食品・食材

賞味期限については、海外配送に1週間から1ヵ月程度かかるため、最低でも3ヵ月以上の賞味期限がある商品が適しています。
例えば健康食品や調味料などはおおよそ、1年以上の保存が可能で理想的です。

軽量でコンパクトな商品は配送コストを抑えられ、重量や体積が大きい商品と比較して利益率を高めることができます。

常温保存が可能であれば、冷蔵・冷凍設備が不要で品質劣化のリスクが低いため重要な要素といえます。

そして何より、海外では入手困難な日本特有の食材や製法により、現地の類似商品との差別化が図れることが重要です。

全てに当てはまらなくてもどれか一つ、特に「日本ならでは」の食品であることが、越境ECで人気の商品になるポイントでしょう。

食品越境ECの始め方は3パターン

食品の越境ECを始める際、初心者でも比較的手軽に始められる販売方法が3つあります。
それぞれの方法についてみていきましょう。

1.国内の自社ECサイト

越境ECの国内自社サイト(BtoC)を行う際の流れ

既存の自社ECサイトに、越境ECツール(サービス)を導入して海外販売を行う方法です。
最大のメリットは、現在使用している自社ECサイトをそのまま活用できることです。

ツールを利用すれば、自社ECにおいて多言語化や海外配送、海外ユーザー向けの決済システムの導入などが可能になるため、手軽に越境ECを行えます。

また、国内の自社ECサイトでの越境ECは、ブランドイメージを一貫して保ちながら海外展開できる点が大きな強みです。

ECモールとは異なり、サイトデザインや商品説明、顧客とのコミュニケーションをすべて自社でコントロールできるため、ブランディング戦略に沿った販売が可能になるでしょう。

なお、ECサイト構築サービスカラーミーショップでは、越境ECを手軽に行える海外販売代行機能が初めから備わっています。

海外販売だからといって特別な手数料は不要で、海外から注文が入ったら指定の国内の住所へ配送するだけなので、国内注文と同じフローで海外販売が始められます。
費用面や作業面での負担をかけずに海外販売を行いたい方は、ぜひカラーミーショップでのECサイト構築をご検討ください。

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2.国内のECモール

越境ECの海外対応BtoC-ECプラットフォーム・モールに出店するを行う際の流れ

Amazonなど、国内の大手ECモールが提供する越境EC機能を利用する方法です。
国内ECモールを利用した越境ECは、既存の商品登録情報を活用して海外販売を始められる手軽さが魅力です。

また、モールが持つ集客力や物流インフラを活用でき、多言語対応や決済システムも整備されているため、初心者でも比較的取り組みやすいのがメリットでしょう。
一方、モールの利用手数料に加えて越境ECの手数料が発生する場合もあるため、コスト面での注意が必要です。

3.海外(現地)のECモール

越境ECの進出先国のCtoC-ECまたはBtoC-EC プラットフォームに出店する際の流れ

中国の天猫国際(Tmall Global)やアメリカのeBayなど、海外の現地ECモールに直接出店する方法です。
現地の消費者が日常的に利用するプラットフォームで販売できるため、高い集客効果と現地での信頼性を得られるのが一番のメリットといえます。

また、現地の決済方法や配送システムが整備されており、海外の顧客にとって使いやすい環境で販売できます。

一方で、出店審査が厳しく、現地法人の設立や特定の資格が必要な場合があるなど、国内のECサイトや国内モールでの越境ECに比べてややハードルが高いでしょう。

越境ECの方法についてさらに詳しく知りたい方は「越境ECの始め方と成功するためのポイント・準備方法」の記事をぜひご覧ください。

食品越境ECで知っておきたい規制やルール

食品の越境ECを始める際、注意が必要なのが各国の法規制や文化的配慮です。
食品は人の健康に直接関わるため、一般商品よりも厳しいルールが設けられており、知らずに違反してしまうと事業を停止しなければならない可能性もあります。
ここでは、事前に把握しておきたい主なポイントをご紹介します。

各国で異なる輸入ルール

食品の輸入ルールは国ごとに大きく異なるため、販売予定の国について個別に調べる必要があります。

例えば、アメリカでは食品を輸出する際、FDA(食品医薬品局)への施設登録と事前通知が必要です。
さらに食肉や乳製品、アルコール飲料などに関しては、それぞれ追加で別の機関への申請や許可が求められます。

またEUでは有機食品の認証システムが厳格で、「有機」と表示して販売するには原則として、欧州の有機認証を取得しなければなりません。

このように、同じ食品でも販売する国によって求められる手続きや基準が全く異なるため、各国の最新規制情報を確認してから販売を開始することが重要です。

商品ラベル・表示の規制

食品の商品ラベルは、海外販売において特に注意が必要な分野です。
多くの国では現地語での表示が義務付けられており、栄養成分表示、原材料名、アレルギー表示、原産国表示などを正確に記載しなければなりません。

なかでもアレルギー表示については各国で非常に厳しい規制があり、対象となるアレルギー物質の種類(数)や表示方法が国ごとに異なるため注意が必要です。

また宗教的配慮として、イスラム教圏向けにはハラル認証マーク、ユダヤ教圏向けにはコーシャ認証マークの表示が販売促進に大きく影響します。

表示違反は販売停止につながることもあるため、専門家に相談するなどして正確に作成します。

輸入が禁止・制限されている食品

日本で一般的に販売されている食品でも、海外では輸入が禁止・制限されていることがあります。
例えば、生肉や生魚は多くの国で厳格な規制があり、特別な許可や検査を要する場合があります。

国ごとに輸入規制の対象品目は異なり、アメリカの食肉類や中国の穀物類には独自の規制が存在します。
各国独自の制限品目があるため、事前に販売予定国の禁止・制限品目リストを必ず確認しましょう。

なお、日本からの食品輸出に関してJETROの「日本からの輸出に関する制度」を利用すれば、販売する食品・対象地域(国)に関連する制度を検索できます。

また、アメリカと中国への越境ECに関してはJETROの「2024年度米国の食品安全・輸入関連制度の解説(第四版)」、「中国向け農林水産物・食品の越境ECに関する制度調査」も参考になりますので、ぜひご覧ください。

宗教や文化への配慮

食品の越境ECでは、販売先の宗教や文化的背景への配慮が重要です。

イスラム教圏では豚肉やアルコールが禁止されており、豚由来の添加物(ゼラチンなど)を含む食品も販売できません。
同様に、インドではヒンドゥー教の影響で牛肉が制限され、牛由来成分を避ける消費者が多くいます。

また、欧米ではベジタリアンやヴィーガンが増えており、動物性原料の使用有無を明確に表示することが大切です。
このように、国ごとの宗教・文化的背景を把握して食品越境ECを行うことが成功の秘訣といえます。

まとめ

食品の越境ECは大きな市場機会がある一方で、各国の法規制や文化的配慮など、一般商品とは異なる多くの注意点があります。

販売先国の輸入ルールや表示規制を事前にしっかりと調査することや、宗教的配慮や文化的な違いへの理解がポイントです。

なお、手軽に食品の海外販売を始めたい場合は、国内の自社ECサイトを活用した越境ECがおすすめです。

ECサイト構築サービスのカラーミーショップでは海外販売代行機能が標準搭載されており、海外からの注文も国内配送と同じフローで対応できます。
特別な手数料も不要で、費用面や作業面での負担を最小限に抑えながら海外市場への第一歩を踏み出せます。

食品越境ECの可能性を探りたい事業者の方はぜひカラーミーショップをチェックしてみてください。

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なお、無料で利用できる海外販売代行機能について動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

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よくある質問

食品の越境ECにはどのような規制やルールがありますか?

国ごとに輸入に関するルール(手続きや申請)があるだけでなく、輸入が禁止・制限されてい食品も存在します。詳しくは こちらの章をご覧ください。