
【事例付き】農家がネット販売するには?やり方やメリットと注意点も紹介!
近年、農家の方がネット販売を始めるケースが増えています。
これまでの農協や卸売を通じた販売に加え、インターネットを活用することで、価格を自由に設定できるなどのメリットが得られるでしょう。
そこでこの本記事では、農家がネット販売を始める具体的な方法やメリット、成功のポイントを事例とともに詳しく解説します。

知り合いの農家のおじさんがネット販売を始めたいみたいなんだけど、どうしたらいいかな?

ネット販売の方法もいくつかありますので、これから詳しくご紹介しますね。
目次
農家がネット販売を行うメリット

もし農家の方がネット販売を行った場合、以下のようなメリットがあると考えられます。
- ・価格を自由に設定できる
- ・規格外品を有効活用できる
- ・自社農産物のブランドを確立できる
通常、農協や卸売などを通じて販売する場合、価格は市場の基準や買い取る側の判断で決められてしまいます。
ですが、ネット販売なら生産者自身が価格を自由に決められるため、十分な利益が得られる価格で販売できます。
また、従来の流通では販売できない規格外の野菜や収穫量が多すぎて余った作物も、ネット販売では「訳あり商品」として販売することが可能です。
価格を抑えることで消費者の需要を見込めるだけでなく、廃棄コストの削減にもつながるといえます。
さらに、ネット販売を活用することで自社の農産物をブランドとして確立しやすくなります。
特に、有機野菜や地域特産品などの希少価値の高い商品であれば、ネットを通じて魅力を発信することで、日本全国から注文が集まるようになるでしょう。
農家のネット販売に許可は必要?

収穫した農作物をそのままネットで販売する場合、特別な許可は不要です。
ただし、販売する地域や自治体によっては、事前の届出が必要なケースがありますので、念のため管轄の保健所に確認しておきましょう。
一方、もし農作物を漬物やジャムなどに加工して販売する場合は、営業許可を取る必要があります。
どのような許可が必要なのかは、販売する商品によって異なりますので、こちらも管轄の保健所へ確認してください。
農家がネット販売するやり方・手順

ではここから、農家がネット販売を始める大まかな流れをご紹介します。
1.販売する商品やショップ名を決める
準備として、まずはどのような商品をネットで販売するか決めます。
野菜や果物といった農作物は、スーパーなどの実店舗で手軽に買える商品です。
そのためネットで買ってもらうためには、なかなか市場に出回らない希少な品種の果物や、規格外の野菜を詰め合わせたお得なセットなど、実店舗にはないような魅力的な商品を販売しましょう。
また、商品と共にショップ名も決めていきます。
すでに「○○農園」という事業所名があるため、ネット販売時にそのまま使っている農家の方も多いです。
ですが、「朝採れ直送便の○○農園」「甘いメロンの○○農園」など商品ジャンルや特徴などを取り入れたショップ名にしたほうが、他社と差別化に役立ちます。
また、ターゲットの年齢層に応じて「○○ファーム」「○○ガーデン」など、農園という言い方を変えてみるのもおすすめです。
ショップ名の付け方については「【超大切!】ネットショップの名前の付け方の大事なポイント・コツまとめ」の記事を参考にしてみてください。
食品表示用のラベルの準備も必要
農作物を販売するのに許可は不要ですが、食品を販売する際は消費者に、商品についての情報をわかりやすく伝える義務があります。
そのため、農作物を入れた袋や箱にラベルなどを貼り付けて表示しましょう。
どのような内容を表示すれば良いのか、詳しくは「早わかり食品表示ガイド」を参考にしてください。
2.ネットでの販売方法を決める
農作物をネットで販売する方法は、主に以下の3パターンあります。
- 1.ECモール
- 2.産直プラットフォーム
- 3.自社ECサイト
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ECモール
Amazonや楽天市場などのECモールで販売するのが、1つ目の方法です。
知名度が高く、ECモールに多くの顧客が集まるため、集客しなくてもユーザーがショップを訪れてくれる可能性が高いでしょう。
一方、ECモール内に競合が多いので、商品の独自性などで他社との差別化を図り、価格競争に巻き込まれないよう注意する必要があります。
産直プラットフォーム
農産物の産直販売に特化したプラットフォームを活用する方法もあります。
具体的なサービスとしては食べチョクやポケットマルシェなどが挙げられます。
産直プラットフォームは農家と消費者を結びつける場として人気があり、購入意欲の高いユーザーがショップに訪れてくれるでしょう。
ただし、商品販売時の手数料は20%程度と高めに設定されていることが多いです。
自社ECサイト
3つ目はカラーミーショップなどのECサイト構築サービスを利用して独自の自社ECを立ち上げ、販売する方法です。
自社ECサイトはECモールやプラットフォームに比べてデザインの自由度が高く、自社の魅力や世界観を反映したECサイトが構築できます。
また、独自のECサイトの場合、自社に最適な機能を追加したりなどカスタマイズ性が高いのも特徴です。
なお、どのようなカスタマイズが良いか分からない方に向けて、カラーミーショップでは食品ECに必要な機能がすでに備わっている食品事業者専用プランを提供しています。
食品ECの売上アップにつながりやすい機能を取り揃えているため、初めてのECサイトにチャレンジする方でも、安心です。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
一方で、ECモールのように初めから知名度があるわけではないため、集客は自社で行う必要があります。
3.ネットショップを作成する
販売方法が決定したら、次に販売サイトであるネットショップを作成していきます。
ECモールや産直プラットフォームの場合はフォーマットがあるので、それに従って作成します。
自社ECサイトの場合でも豊富なデザインテンプレートが提供されているため、デザインの専門知識がなくても本格的なネットショップを開設することが可能でしょう。
ネットショップを作る上で特に重要なのが「商品ページ」です。
商品ページは顧客が購入を決定する際の重要な判断材料となるため、丁寧に作成することが売上向上の鍵となります。
農作物を販売する際には、商品単体の写真に加えて、栽培している畑の風景や生産者の作業風景なども掲載することで、顧客は商品への安心感や品質への信頼感を覚えるでしょう。
また、おすすめの調理法や食べ方なども記載することで、顧客の購買意欲を高めることができるでしょう。
4.開業したら集客を行う
ネットショップを開設しただけでは、多くの人にショップの存在を気づいてもらえません。
そのため実店舗と異なり、オンライン上では積極的に自社の認知度を高める取り組みが不可欠です。
集客方法としては、検索エンジンで上位表示を狙うSEO対策、Google広告やSNS広告などの有料広告、InstagramやXといったSNS運用が主な集客方法です。
それぞれの集客方法で特徴が異なるため、複数の手法を組み合わせて継続的に取り組むことが、安定した集客につながります。
ネットショップの集客については「ネットショップ集客のコツ」の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
農家のネット販売を成功させるポイント

せっかくネット販売を始めたなら、ぜひ成功させましょう。
ここから、農家のネット販売を成功させるポイントをご紹介します。
希少価値の高い商品を販売する
一般的なスーパーでいつでも手に入る農作物をネット販売しても、消費者は手軽に購入できる近所の店舗を選ぶ傾向があります。
そのためネットでは、スーパーなどで手に入りにくい、希少価値の高い商品を販売することが重要です。
例えば、その土地でしか栽培されていない地域特産品や伝統野菜、贈答用としても人気の高い高級ブランドのフルーツなどを販売することは、ネット購入ならではの付加価値を付けられるでしょう。
また、希少価値の高い商品は販売している農家も少ないため、価格競争に巻き込まれず、農家自身が価値に見合った価格を設定しやすいというメリットもあります。
商品や自社の情報を充実させる
農家のネット販売で売上を上げるには、商品の魅力を最大限に伝えるための詳しい情報を掲載しましょう。
こだわりの栽培方法、産地の特徴、収穫時期、おすすめの食べ方など、顧客が購入前に知りたい情報をテキストや画像、動画などで表現します。
また、農家自身のストーリーや農業への取り組み方などを紹介することで、実際に話せない分、商品への思いやこだわりをより深く伝えられます。
商品情報や農家の情報を充実させ顧客の商品理解が深まることで、商品の購入を後押しできるでしょう。
さらにユーザーの声や実際の使用例も積極的に載せて、対面販売ができない分、信頼性を向上させることもポイントです。
できるだけ新鮮な状態で出荷する
「朝採り」や「当日採り」など新鮮さにこだわった商品の販売も、実店舗ではなかなか実現できない、ネットならではの付加価値を付ける方法です。
新鮮さという他では得られない価値を届けることで、リピート購入にもつながるでしょう。
新鮮な農作物を販売するためには収穫のタイミングを調整し、注文が入ってから収穫する仕組み作りなどを行います。
また、発送方法も工夫が必要です。
適切な梱包材で商品を保護し、冷蔵便や冷凍便を使い分けることで、顧客の手元に届くまで品質を保てます。
さらに、発送日や到着予定日をお知らせして、きちんと新鮮な状態で受け取れるようにサポートすることも、顧客満足度につなげる重要なポイントです。
【事例】カラーミーショップでネット販売を行っている農家
「じゅんさい」という、なかなか馴染みのない食材を販売している「じゅんさいときりたんぽ安藤食品」。
マイナーな食材だからこそ、EC上やYouTubeといったSNSで「じゅんさいとは何か」「じゅんさいの採り方」などを発信して、顧客を増やしていきました。
珍しい農作物だからこそECでの情報発信を効果的に利用し、成功した事例といえます。
ぜひ安藤食品さんのインタビューもチェックしてみてください。
まとめ
農家がネット販売を行うことは、多くのメリットが得られるため、まだ始めてない方はぜひ取り組んでみましょう。
ネット販売をする場合はECモール、産直プラットフォーム、自社ECサイトの3つが主な販売方法です。
特に自社ECサイトは、デザインの自由度が高く、自社のブランディングに役立つ方法としておすすめです。
なお、ECサイト構築サービスのカラーミーショップなら、食品ECに必要な機能が備わっている食品事業者向けの専用プランを提供しています。
「初めてのECサイトで不安がある」という方は、食品ECの実績も豊富なカラーミーショップをぜひご検討ください。
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よくある質問
採れた農作物をそのままネット販売する分には、特に許可は必要ないとされています。
詳しくはこちらの章で解説しています。