【事例あり】手芸用品(布生地・ボタン・毛糸)のネットショップを開業するには?必要な許可やEC開設の手順も紹介
ハンドメイド作品の販売が広がる中、その材料となる布や糸、ボタンなど手芸用品のネット販売にも注目が集まっています。
国内最大級のハンドメイドマーケット「minne」では2023年に累計流通額が1,000億円を突破するなど、ものづくりを楽しむ人は年々増えているため、材料を仕入れる作り手の需要も伸びているといえるでしょう。
そこでこの記事では、手芸用品のネットショップ開業に必要な許可から具体的な始め方、成功のポイントまで詳しく解説します。
目次
手芸用品のEC販売が注目される理由

手芸用品は実店舗でも販売できますが、ネットで販売する場合にはどんな魅力があるのでしょうか。
ものづくりを楽しむ人が増えていることもあり、近年あらためて注目度が高まっています。
ハンドメイド市場の拡大が手芸用品の需要を押し上げている
2023年には、ハンドメイドマーケットminneの累計流通額が1,000億円突破するなど、ハンドメイドの作品を作って販売する人は、ここ数年で着実に増えています。
作品を作る人が増えれば、その分だけ布や糸、ボタンといった材料を必要とする人も増加するといえます。
手芸用品を販売する事業者にとって、ハンドメイドの広がりはそのまま追い風となるでしょう。
手芸用品はネット販売と相性がよい
手芸用品は、ネット販売との相性がよい商品でもあります。
布や毛糸、ボタンといった素材は基本的に常温で保管でき、軽くてかさばらないため、配送のコストや手間を抑えやすい点が特徴です。
また、近年は地方を中心に実店舗の手芸店が減ってきており、近くで欲しい材料が手に入らないという作り手も増えています。
ネットショップなら全国どこに住む人にも届けられるため、こうしたニーズの受け皿になりやすいでしょう。
さらに、手芸用品は使えばなくなる消耗品が多く、気に入った材料は繰り返し購入される傾向があります。
リピート顧客が育ちやすい点も、ネット販売と相性がよいといえます。
手芸用品のネットショップ開業に必要な許可・手続き

手芸用品のネット販売は、食品のように厳しい許可を取らなくても始められるジャンルです。
ただし、扱う商品によっては届出や許可が必要になる場合もあります。
ここでは、ネットショップ開業前に押さえておきたい手続きを整理していきます。
新品の手芸用品(布生地・ボタン・毛糸など)の販売は許可・届出が原則不要
布や糸、ボタン、毛糸、アクセサリーパーツなど、新品の手芸用品の販売には特別な許可や届出は原則として必要ありません。
食品や医薬品のような業種ごとの許可制度はないため、手芸用品だけを扱うショップであれば、開業のハードルは比較的低いといえるでしょう。
ただし、リユースされた生地や中古の手芸道具を扱う場合は別途許可が必要になります。
詳しくは次の項目で説明します。
古布・アンティーク生地・中古の手芸道具を扱うなら古物商許可が必要
古布やアンティーク生地、中古の手芸道具などを仕入れて販売する場合は、古物営業法に基づく「古物商許可」が必要です。
「古物」とは一度誰かの手に渡った物品を指し、未使用品でも個人や事業者の手元にあったものは古物に含まれます。
見た目や使用感で新品・中古を判断するのではなく、一度誰かの手に渡れば中古品になる点に注意しましょう。
申請は営業所を管轄する警察署で行い、取得まで1~2ヵ月程度かかるため、早めに手続きを進めておきます。
例えば東京都の場合、こちらのページから管轄する警察署が調べられます。
もし無許可で営業すると罰則の対象になるため、該当する場合は必ず取得しましょう。
開業届は忘れずに提出する
個人事業主または法人として手芸用品のネットショップを運営する場合は、管轄の税務署に「開業届」を提出する必要があります。手芸用品に限らず、ネットショップを事業として始める方すべてに共通する手続きです。
開業届を提出すると、屋号での銀行口座開設や青色申告による節税といったメリットも受けやすくなります。副業として始めた場合でも、事業として継続的に取り組むなら早めに提出しておくと安心でしょう。
詳しい書き方や提出のタイミングについては「ネットショップに開業届は必須?」の記事もあわせてご覧ください。
手芸用品のネットショップを開設する方法

ネットで手芸用品を販売するなら、主な選択肢は次の2つです。
- ・ECモールに出店する
- ・自社ECサイトを開設する
それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分のショップに合った方法を選びましょう。
ECモールに出店する
ECモールとは、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングのように、さまざまなショップが集まったショッピングモール型のサービスに出店する方法です。
モール自体に知名度と集客力があるため、開業直後でもショップに訪れてもらいやすい点が魅力でしょう。
ただし、出店者数が多いため競合との差別化が難しく、価格競争にも巻き込まれやすい傾向があります。
また、モール独自の手数料がかかるため、手数料も考慮した価格設定が必要です。
またデザインや機能を自社で自由にカスタマイズできないので、ブランディングしたい場合は難しいといえます。
なお、手芸関連ではminneやCreemaといったハンドメイド系のモールもありますが、これらは完成したハンドメイド作品の販売が中心なので、注意しましょう。
自社ECサイトを開設する
2つ目の方法は、カラーミーショップなどのサービスを利用して自社ECサイトを開設する方法です。
モールのような出店者間の競争がないため、価格競争に巻き込まれにくいのが魅力です。
デザインの自由度が高く、自社のコンセプトや世界観を反映したショップを作れるため、ハンドメイド作家など特定の顧客層に刺さるブランディングもしやすいでしょう。
手芸用品の販売では、生地の切り売り対応や、カラー・サイズ・長さなど商品オプションの設定、小ロットでの販売など、商品ごとに細かい設定が必要なケースも多くあります。
自社サイトであれば、こうした手芸用品ならではの販売スタイルに合わせた機能カスタマイズにも対応できるため、初めての自社EC構築でも安心です。
自社ECサイト構築サービスのカラーミーショップは、月数千円から利用でき、デザインテンプレートがそろっているので、初心者でも手軽にネットショップを作れます。
日本語での電話サポートもあるので、初めてのネットショップ開設では心強いでしょう。
30日間の無料お試しもあるので、自社ECに興味がある方はぜひ気軽に始めてみてくださいね。
手芸用品のECサイトの開設手順

ここからは、布や糸、ボタンなど手芸用品のネットショップを開設する際の、おおまかな手順を5つのステップで紹介します。
全体の流れをつかんでおくことで、開業準備をスムーズに進めやすくなるでしょう。

1. 取り扱う手芸用品のジャンルを決める
最初のステップは、自分が扱う手芸用品のジャンルを決めることです。
手芸用品といっても、生地や糸、ボタン、毛糸、リボン、アクセサリーパーツ、手芸道具など多岐にわたります。
いきなりすべてを扱うのは現実的でないため、まずは軸となるジャンルを絞り込みましょう。
ターゲット(初心者向けか上級者向けか、洋裁向けか和裁向けかなど)もあわせて考えると、商品選びやブランディングの方向性が見えやすくなります。
また、新品の手芸資材だけを扱うのか、古布や中古道具まで広げるのかによって必要な手続きも変わるため、早めに方向性を固めておくとその後がスムーズです。
2. ショップ名やコンセプトを考える
次に、ショップの名前とコンセプトを決めましょう。
ショップ名は覚えやすくシンプルなものが理想です。
たとえば手芸用品を扱うなら、素材や布をイメージできるキーワードを取り入れると、どんなお店なのかが伝わりやすくなるでしょう。
なお、ショップ名の付け方は「【超大切!】ネットショップの名前の付け方の大事なポイント・コツまとめ」の記事で詳しく紹介しています。
あわせて、ショップの軸となる「コンセプト」も考えましょう。
これは「誰に・何を・どのように届けるのか」を明確にするもので、ショップの方向性を決めるための軸になります。
たとえば「初めて刺しゅうに挑戦する人が、道具選びから作品づくりまで迷わず進められるお店」のように具体的に設定できると、商品選びやサイトデザインにも一貫性が出て、競合との差別化にもつながります。
コンセプトの考え方は「ネットショップのコンセプトの決め方が成功の秘訣!初心者でもわかる基本と事例紹介」の記事をぜひご覧ください。
3. 販売方法を決める(ECモール/自社EC)
先ほど紹介したように、手芸用品のネット販売にはECモールへの出店と自社ECサイトの開設という2つの方法があります。
モールには集客力という強みはありますが、デザインや機能面などで他社と差別化するのが難しいといえます。
そのため、ブランドの世界観を表現したり、商品のバリエーション設定を柔軟に行ったりするなら自社ECのほうが向いています。
手芸用品は、色やサイズ、素材、用途など、購入前に確認したい条件が細かい商品です。
そのため、カテゴリや商品ページを工夫しながら、目的の商品を探しやすく整えられる自社ECとの相性がよいでしょう。
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4. 販売用のサイトを作成する
販売方法が決まったら、実際にサイトを作成していきます。
自社ECサービスにはデザインテンプレートが用意されていることが多く、専門知識がなくても見栄えのよいショップを構築できるでしょう。
作成する上で、特に重要なのは商品ページです。
手芸用品は質感や色味が購入のポイントになるため、自然光での撮影や複数アングルの写真、生地や糸、ボタンなどのアップ画像を用意すると、ユーザーが商品をイメージしやすくなります。
あわせて素材(綿100%・ウール混紡など)、サイズ、販売単位(◯cm単位/◯個セットなど)、使用例(作品例)、などを具体的に記載し、ユーザーが疑問を解消して購入できるページに仕上げましょう。
5. 開業したら集客を行う
ECサイトは開設しただけでは存在を知ってもらえないため、開業後は集客に取り組む必要があります。
主な集客方法は、SEO対策、Web広告の出稿、InstagramなどのSNS運用です。
手芸用品は写真映えする商品が多いため、作品例やコーディネートを発信できるSNSとの相性は特によいといえるでしょう。
開業直後は忙しい時期ですが、ショップの認知度がまだ低いため、無理のない範囲で複数の集客手法を少しずつ組み合わせていくことが大切です。
詳しい集客方法については下記の記事もあわせてご覧ください。
手芸用品のネットショップを成功させるポイント

手芸用品のネットショップを成功させるには、ネットならではの特徴を踏まえた工夫が欠かせません。
実物を手に取れないからこその不安を解消し、買い手が安心して購入できるショップを作ることが大切です。
ここでは主なポイントを3つ紹介します。
作品例や作り方を見せて「使い道」をイメージしてもらう
手芸用品は素材を売る商品のため、買い手は「これを使って何が作れるか」がイメージできると購入に踏み切りやすいといえます。
そのため、商品ページや関連コンテンツで完成品の例を見せることがポイントです。
たとえば生地と一緒に、その布で作ったポーチやエプロンの写真を載せたり、ボタンを使ったアレンジ例を紹介したりすると、買い手は具体的な使い道をイメージしやすくなります。
また、リボンや糸など他の材料も使った例を紹介すれば「全部一緒にそろえたい」と、複数素材の合わせ買いによる客単価アップも狙えるでしょう。
レシピや作り方をブログや動画で公開するのも効果的です。
「この材料を買えばこれが作れる」と一目で分かるショップは、初心者からリピーターまで幅広い層に選ばれやすいでしょう。
質感や色味が伝わる商品写真と詳しい情報を載せる
ネット販売では、実物を手に取れないことが最大のハードルです。
手芸用品は、質感や色味、サイズ感が選定の決め手になりやすいため、商品ページでは写真と情報の見せ方を工夫しましょう。
たとえば布生地の場合、動画で布を揺らしてドレープ感や光沢を見せたり、生地を手で持った状態を撮影したりすると、画面上だけでは伝わりにくい風合いが伝わります。
色違いの商品は並べて撮影し、比較しやすくしておくとユーザーが選びやすくなります。
さらに、厚みや伸縮性、透け感、織り目の細かさ、目付けなど、数値や具体的な言葉で表せる項目もできるだけ記載しておくと、用途にこだわって選びたい方に役立ちます。
切り売りや小ロット販売で買いやすくする
手芸用品の販売では、「少しだけ欲しい」という需要に応えることが、売上を上げるためのポイントの一つです。
たとえば生地は10cm単位での切り売り、ボタンや毛糸は1個・1玉から購入できる仕組みにすると、初心者からハンドメイド作家まで幅広い層に手に取ってもらいやすくなります。
少量から気軽に試せれば、気に入った商品をリピートしてもらえる可能性も高まるため、まずは購入のハードルを下げる工夫を整えておきましょう。
手芸用品のネット販売における注意点

手芸用品のネットショップを運営する上で、あらかじめ知っておきたい注意点がいくつかあります。知らずに始めてしまうとトラブルにつながる可能性もあるため、開業前に確認しておきましょう。

キャラクター生地・ブランド生地の商用利用に注意する
キャラクター生地やブランド生地には、商用利用が禁止されているものがあります。
特にディズニーやサンリオなどのキャラクター生地は権利管理が厳しく、生地を使ったハンドメイド作品の販売が禁止されている場合があります。
また、生地自体を販売する場合も、正規の仕入れルートや販売条件を確認することが重要です。
商用利用の可否は、生地の耳、タグ、商品ページ、メーカーの公式情報などで確認し、不明な場合は販売元やメーカーに問い合わせると安心です。
乳幼児向けの生地はホルムアルデヒド規制に注意する
生後24ヵ月以下の乳幼児が使う繊維製品は、家庭用品規制法でホルムアルデヒドの含有量が厳しく制限されています。
ホルムアルデヒドは生地のしわ防止などに使われる化学物質ですが、肌の敏感な乳幼児には皮膚炎の原因となることがあり、基準値を超えた製品は販売できません。
そのため、ベビー服やスタイ、おくるみなどに使う前提で生地を販売する場合は、仕入れ先に「ホルムアルデヒド検査済みの生地か」を確認することが大切です。
商品ページに「ベビー用品にも使える」と記載する場合は、検査情報もあわせて掲載するとよいでしょう。
海外から仕入れる場合は別途確認が必要
珍しい柄の生地やインポートのボタンなど、海外から手芸用品を仕入れて販売したいと考える方もいるでしょう。
ただし、海外から商品を輸入する場合は、関税の納付や輸入時の検査などの手続きが発生します。
また、先ほど紹介したホルムアルデヒド規制は、海外から輸入した生地にも同じように適用されるため、乳幼児の服に使える生地として販売する場合は、検査をクリアした生地かどうかの確認が必要です。
さらに、海外メーカーの生地には、現地では商用利用が認められていても日本国内での販売条件が異なるケースもあります。
仕入れ前に契約条件をよく確認し、不明な点があれば仕入れ先や専門家などに相談しましょう。
【事例】手芸用品を販売しているネットショップ

nunocoto fabricは、布生地を中心に型紙やキット、ソーイング道具などの手芸用品を販売するショップです。
商品を検索する際は、布のモチーフや用途だけでなく、柄の大きさや色などさまざまな角度から探せるようになっています。
商品ページでも、布生地の厚さが分かるような比較写真を掲載するなど、ネットでも買いやすい工夫がされています。
また、顧客がスムーズに決済できるAmazon Payを導入し、コンバージョンの上昇に成功しました。
詳しくは下記のインタビューもご覧ください。
よくある質問

ここでは、手芸用品のネットショップ開業で、多くの方が疑問に思う点をここまでの内容も踏まえながらご紹介します。
Q1:手芸用品のネット販売に許可や資格は必要ですか?
新品の布や糸、ボタンなどを販売する場合、特別な許可や資格は原則不要です。
ただし、古布やアンティーク生地、中古の手芸道具を仕入れて販売する場合は「古物商許可」が必要になります。
また、初めて事業を開始するなら開業届の提出も忘れずに行いましょう。
Q2:手芸用品の仕入れ先にはどんなところがありますか?
主な仕入れ先としては、生地や副資材を扱う専門問屋、メーカーからの直接取引、卸売ECサイトなどがあります。
海外から珍しい生地やボタンを輸入する方法もありますが、関税や日本で販売可能な製品かなどの確認が必要です。
まずは国内の卸売サイトなど、小ロットから取引できる仕入れ先で始めると取り組みやすいでしょう。
Q3:キャラクター生地をネットショップで販売しても大丈夫ですか?
キャラクター生地そのものの販売自体は、正規の仕入れルートから購入したものであれば基本的には問題ありません。
ただし、その生地を使ったハンドメイド作品を製造・販売することは法律(著作権法)やメーカーの規約で禁止されているケースが多いです。
トラブルを避けるためにも、商用利用の条件は必ず確認し、ショップ内にもその旨を明記しておくと親切です。
まとめ
手芸用品のネット販売は、ハンドメイド需要の広がりを背景に、これから始める方にとっても可能性のあるジャンルです。
新品の手芸用品であれば特別な許可は原則不要で開業のハードルは低めです。
一方、古布や中古道具を扱う場合の古物商許可、乳幼児向け生地のホルムアルデヒド規制など、商品によっては事前の確認が必要です。
なお、ユーザーが使いやすいこだわりのECサイトを作成したい場合は、カラーミーショップのような自社ECサイト構築サービスの活用がおすすめです。
機能やデザインを自由にカスタマイズできるので、自社らしい唯一のネットショップが作成できます。
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