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越境EC向け配送方法を解説!基本の3パターンや具体的なサービス・選び方も紹介

越境ECに挑戦したいけれど配送をどうしたらいいのか、わからなくて始められないという企業は多いのではないでしょうか。
送料の高さや配送期間、国ごとに違う規制など、海外への配送はいくつか課題があります。

そこで今回は、越境EC配送の基本となる3つのパターンから、具体的なサービス、さらに自社に合った配送方法を見つける4つのコツまで詳しくご紹介します。

ツクルくん
ツクルくん

越境ECって配送がすごく複雑そうで、正直どこから手をつけたらいいのか…。

カラミちゃん
カラミちゃん

そんなツクル君のために、越境ECの配送方法についての基本的なことをご紹介しますね。思っているほど難しくないので、ぜひ越境ECにチャレンジしてみてください!

越境EC配送でよくある課題・注意ポイント

越境ECの課題はいくつかありますが、特に始める前に知っておきたいのが、多くの企業が直面する配送の課題です。
国内配送では考えなくても良かったことでも、海外配送では検討が必要な場合があります。

事前にこれらの課題を把握しておくことで、より適切な配送方法を選びやすくなり、トラブルのリスクを減らすことにつながるでしょう。

配送コストの高さ

越境ECで最も大きな壁となるのが配送料の高さです。
国内配送の場合、メール便を使えば配送料が数百円程度で済みますが、海外への配送では少なくとも千円以上はかかるでしょう。
特に日本から、アメリカ・ヨーロッパなど遠方への配送では、商品価格を上回る送料になってしまうケースも珍しくありません。

海外への配送料が高くなることにより事業者の利益が大幅に減ってしまい、場合によっては赤字になるリスクもあります。

配送期間の長さや商品破損のリスク

国際配送では配送期間の長さも大きな課題です。

国内なら翌日〜数日で届く商品も、海外では(一部の配送サービスを除いて)1〜3週間程度かかるのが一般的です。

その結果、配送の遅れによって注文キャンセルや問い合わせが増え、販売機会の損失やサポート対応コストの増加につながることがあります。
また、長距離輸送では破損・紛失のリスクが高く、温度や湿度の影響で品質が劣化するかもしれません。

こうしたトラブルを防ぐには、梱包方法や輸送手段の工夫が必要でしょう。

複雑な各国の規制や手続き

越境ECの配送では、配送先の国ごとに異なる規制や手続きに注意が必要です。

例えば、同じ商品でもアメリカでは問題なく送れるのに、ヨーロッパでは輸入禁止品に該当することもあります。
また、禁止されてはいないものの、特別な許可や認証の申請が必要な商品も存在します。

さらに、税関での申告書類の作成や関税の税率なども国によって異なるため、事前の調査と準備に多くの時間とコストがかかるでしょう。

越境ECの配送方法は3パターン

越境EC配送は大きく分けて3つのパターンがあり、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

個別配送(直送方式)のメリット・デメリット

個別配送は、注文を受けるたびに日本から直接海外の顧客に商品を送る最もシンプルな方法です。
日本郵便のEMSなどの配送サービスを利用して、自社から海外へ1件ずつ発送します。

  • メリット:
  • ・初期投資が不要で、小規模からでも始めやすい
  • ・在庫管理が日本国内で完結するため自社で管理しやすい
  • ・商品の品質管理を自社で徹底できる
  • デメリット:
  • ・1件あたりの配送料が高くなりやすい
  • ・日本から送るため配送期間が長く、顧客満足度が下がりやすい
  • ・税関申告書の作成や関税トラブルへの対応を自社で行う必要がある

このパターンは越境ECをこれから始める企業や、注文件数がまだ少ない段階の企業に適しています。
リスクを最小限に抑えながら海外市場をテストできる点が特徴です。

国際物流代行・越境ECサービスのメリット・デメリット

国際物流代行サービスとは、海外への配送に関する商品保管・梱包や発送、通関手続きなどを代行し、国際配送を支援するサービスです。

一方、越境ECサービスは、配送に加えてECサイトの多言語対応化や海外向け決済、顧客対応なども代行する越境ECの包括的なサービスです。

どちらも専門会社に海外配送を委託するので、自社で複雑な国際配送手続きを行わずに済むのが大きな特徴です。

  • メリット:
  • ・自社で複雑な国際に関する配送手続きを行わなくて済む
  • ・まとめて配送するため、1個当たりの配送コストを抑えられる場合もある
  • ・越境ECや海外配送を任せられるので、自社はコア業務にリソースを集中できる
  • デメリット:
  • ・サービスの手数料を支払うので、自社の利益確保のため工夫が必要
  • ・配送品質やスケジュールを自社でコントロールできない場合がある

この方法は月に数十件以上の注文がある企業や、海外配送の専門知識を自社で身につける時間がない企業に向いています。

初期の手間を大幅に削減できる一方で、代行サービス選びが成功の鍵となるため、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

現地拠点・海外倉庫活用のメリット・デメリット

現地拠点や海外倉庫を活用する方法は、事前に商品を配送先の国の倉庫に送っておき、注文が入ったら現地から顧客に配送する仕組みです。

Amazon FBAなどの海外倉庫サービスを利用するケースが一般的で、最も本格的な越境ECの配送方法といえます。

  • メリット:
  • ・現地からの配送のため、顧客への配送期間が短縮される
  • ・現地配送料金が適用されるため、顧客の配送コスト負担を軽減できる
  • デメリット:
  • ・事前に大量の在庫を海外倉庫に送る必要があり、売れ残りリスクが高い
  • ・海外倉庫への初期配送コストや倉庫保管料が継続的に発生する
  • ・現地の物流事業者に依頼する場合、言語や文化の違いによる課題がある

この方法は毎月、安定した注文がある企業や、特定の国で本格的な事業展開を考えている企業に適しています。
初期の投資費用などは高いですが、顧客満足度と売上の両面で大きな効果が期待できる方法です。

配送パターン別に紹介!具体的な越境ECの配送サービス

3つの配送パターンの特徴を理解したところで、実際に利用できる具体的なサービスをご紹介します。
各サービスには料金体系やサポートなどの違いがあるため、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。

個別配送で使えるサービス

まずは日本から海外へ個別配送できるサービスをご紹介します。

普段から利用している日本郵便やヤマト運輸といった日本発のサービスだけでなく、DHLなど海外のサービスも日本国内から利用できます。

日本郵便(EMS・国際eパケットライト・UGX)

日本郵便は越境ECで最も利用されている配送会社の一つです。

日本郵便には海外配送のサービスがいくつかありますが「EMS」が最も一般的なサービスで、世界120以上の国・地域へ30kgまでの荷物の配送が可能です。
一部のアジア地域にはクール便も配達できます。

また、小型商品向けの低価格の「国際eパケットライト」や、法人向けの「UGX」といったサービスも展開しています。

郵便局での手続きが可能で、損害賠償や追跡サービスも利用できるため、越境EC初心者におすすめといえます。
ただし、配送先国によっては一時的にサービスが停止される場合もあるため、ホームページでこまめにチェックしましょう。

ヤマト運輸(国際宅急便)

ヤマト運輸の国際宅急便は、世界200以上の国・地域に配送可能なサービスです。

三辺の合計が160cm以内、重量25kgまでの荷物が配送可能で、追跡サービスや損害賠償制度も完備されています。
お得に書類を送れる「書類パック」というサービスもあります。

国内大手のヤマト運輸なので、安心して任せられるのがメリットでしょう。
ただし、発送者・受取人のいずれかが個人の場合は書類以外の荷物は送れない国(中国・ロシア・カナダなど)があるため、事前の確認が必要です。

DHL

DHLはドイツに本社がある世界最大級の国際宅配会社で、220以上の国・地域への配送が可能です。
自社の航空機と配送網を持つため、アメリカやヨーロッパまで2〜3日程度の高速配送が特徴です。

重量制限は70kgまでと大型荷物にも対応し、リアルタイムでの追跡サービスも充実しています。

配送が早い分、配送料は高めで日本郵便EMSの2〜3倍になる場合もあるので、配送の確実性とスピードを特に重視する企業に向いています。

FedEx

FedExはアメリカを拠点とする国際宅配会社で、220以上の国・地域への配送が可能です。
特に北米市場への配送に圧倒的な強みを持ち、アメリカ国内では最大規模の配送ネットワークを展開しています。

また大口顧客向けの割引制度が充実しており、月間発送数に応じてBtoC割引が適用されることもあります。
ただしDHLと同様、配送料は高めで、特にアメリカ以外の地域では割高になりがちです。

国際物流代行・越境ECサービス

次は、海外配送を代行する専門のサービスや越境ECをサポートするサービスをご紹介します。
海外配送に関する申請や手続きを代行してくれるサービスを使えば、社内負担なく手軽に越境ECにチャレンジできるでしょう。

Zenlink

ZenlinkはZenGroup株式会社が提供する越境ECサービスで、導入すると既存の国内向け自社ECサイトを使って手軽に海外販売を開始できます。

海外の顧客が注文した商品をZenlinkがECサイトで購入代行を行い、その後の海外配送はZenlinkが全て対応するという仕組みです。
そのため国内の事業者は、通常の注文のように国内の指定住所に発送するだけです。

その他、サイトの多言語表示、海外の顧客対応、注文処理などすべてZenlink側が代行するため、事業者側の負担を大幅に軽減できるでしょう。

なお、ZenGroup株式会社はECサイト構築サービスのカラーミーショップと提携しており、カラーミーショップでECサイトを運営している方は、無料で上記のようなZenLinkの海外販売代行機能を利用できます。

海外販売に関する初期費用や手数料は一切不要で、基本機能として備わっているので、コストもかけず海外への配送、販売が可能になるでしょう。
気になる方はぜひ海外販売代行機能をチェックしてみて下さい。

>>>海外販売代行機能を見てみる

なお、海外販売代行機能については動画でも紹介しています。

Buyee Connect Pro

Buyee ConnectはBEENOSグループが提供する越境EC対応サービスで、導入すると既存の自社ECサイトを使って世界約120の国と地域への越境が可能になります。

ZenLinkと同様、海外顧客が商品を購入すると、Buyeeスタッフが代理購入・海外発送を行う仕組みなので、事業者は国内のBuyee倉庫に発送するだけで海外配送が完了します。

なおBuyee Connectもカラーミーショップと提携しているので、詳しくはカラーミーショップのアプリストアをご覧ください。

ポチロジ

ポチロジは国際輸送専門のサービスで、中古車輸出で培ったノウハウを活用し、200以上の国・地域への配送が可能です。
国際航空便からコンテナ混載サービスまで、荷物の特性と予算に合わせた最適な配送方法を提案してくれるのが特徴です。

また必要な書類作成や輸入規制への対応など、国際輸送の専門知識が豊富で、大型の商品など他社では取り扱いが困難な商品でも相談に応じてくれます。

ウルロジ

ウルロジは越境ECに特化した物流代行サービスで、世界220の国への配送に対応しています。
各国の輸入禁止品や通関手続きなど複雑な越境EC業務をすべて代行し、梱包資材の準備から配送まで一括してサポートを行うサービスです。

大口の法人だけでなく、月1件からの小ロット対応も可能で、個人事業主でも利用できる柔軟性が魅力といえます。

現地拠点・海外倉庫サービス

現地拠点・海外倉庫サービスでは、配送先国に事前に商品を保管し、注文が入ったら現地から直接顧客に配送します。
ここでは日本から利用できるサービス・企業をご紹介します。

Amazon FBA(海外倉庫)

Amazon FBAはAmazonで販売する商品の海外倉庫サービスで、アメリカやヨーロッパなどの拠点にある倉庫に商品を事前納品できます。
現地倉庫から発送されるため1〜3日程度で顧客に届けることが可能です。

商品保管から梱包・発送、カスタマーサポート、返品対応まですべてAmazonが代行し、事業者は商品を納品するだけで済みます。

ただし倉庫保管料やFBA手数料などが継続的に発生するため、Amazonでの安定した販売が見込める場合に適しています。

トミーズコーポレーション

トミーズコーポレーションは大阪府に拠点を置く物流代行会社です。
日本国内からの直送と海外倉庫からの現地配送の2つのモデルを提供しており、海外倉庫はアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・オランダ・ニュージーランド・香港の7カ国に展開しています。

自社開発の倉庫管理システムにより、複数国の海外倉庫在庫を一元管理できるのが大きな特徴です。
現地倉庫からの発送により配送時間が大幅に短縮されるので、市場での競争力向上が期待できるでしょう。

失敗しない!配送方法・サービスを選ぶ際の4つのコツ

自社に最適な越境ECの配送方法を選ぶためには、料金だけでなくさまざまな要素を総合的に判断することが重要です。
ここでは、海外への配送方法選びで失敗しないための4つのポイントをご紹介します。

配送料金とコスト構造

越境EC配送では、表面的な配送料金だけでなく、隠れたコストも含めた総合的な費用を把握することが重要です。
基本配送料に加えて、燃料サーチャージ、関税手数料、保険料、梱包料などの追加費用が発生する場合があります。

また、重量やサイズによって料金体系が大きく変わるため、自社商品の特性に合わせた料金シミュレーションを行いましょう。
特に越境ECサービスや物流代行サービスの場合は、どのようなサービスにいくらかかるのかが企業によって大きく異なるので、細かい確認が必要です。

配送日数と配送の信頼性

顧客満足度に直結する配送スピードと信頼性は、越境EC成功の鍵となります。
各社のホームページなどでおおよその日数を見積もれることもあるため、自身でチェックしたり、不明な場合は問い合わせるなどして調べましょう。

ただし、繁忙期や天候不良、税関での遅延などにより配送日数が延びるリスクもあります。
配送会社の過去の実績や遅延率、追跡システムの充実度、万が一の紛失・破損時の補償制度なども重要なチェックポイントといえます。

対応地域とサイズ・重量制限

企業によって配送可能な国数や地域に違いがあるため、自社が越境ECを行いたい国・地域に対応しているかは必ず確認しましょう。
たとえ対応していたとしても、ヤマト運輸のように「発送者・受取人のいずれかが個人の場合は書類以外の荷物は送れない国がある」ということもあります。

また、食品の越境EC販売をはじめとし、越境ECではリチウム電池を含む電子機器、液体、危険物など、特定の商品カテゴリーには配送制限があるかもしれません。
さらに、商品のサイズ・重量制限もサービスごとに異なるため、大型商品や重量物を扱う場合は特に注意が必要です。

サポートや補償制度の充実度

越境ECでは言語や文化の違いから、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。
そのため各配送サービスのサポート体制や、補償制度の内容を事前に確認しておきます。

日本語でのサポート対応の可否、営業時間、緊急時の連絡手段などを把握しましょう。
また、商品の紛失・破損時の補償内容、補償の上限金額、手続きの複雑さなどもチェックします。

なお代行サービスを利用する場合は、顧客への返品対応、顧客とのコミュニケーション代行なども含めて評価しましょう。

まとめ

越境EC配送は3パターンに分かれます。
どのパターンが適切なのかは、毎月の配送量や越境ECに対する予算などを元に検討しましょう。
また配送方法を選ぶ際は、料金だけでなく配送日数・対応地域・サポート体制も総合的に判断することが成功の鍵です。

ECサイト構築サービスのカラーミーショップでは越境ECサービスZenLinkを活用した「海外販売代行機能」が初めから備わっています。
管理画面にてワンクリックで設定するだけで自社ECサイトで海外への販売が可能になり、配送や顧客対応などすべて任せられます。

海外販売に関する特別な手数料は発生しないため、配送料の高さや複雑さが心配な方でも負担無く越境ECを始められます。
気になる方は、カラーミーショップの海外販売の機能をチェックしてみてください。

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よくある質問

越境ECの配送方法はどのようなものがありますか?

個別配送、国際物流代行サービスの利用など、主に3パターンあります。
詳しくはこちらの章で解説しています。