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「同じような商品を扱っている」「ターゲット層が同じ」など、ビジネスにはさまざまな競合が存在します。
そのため数あるショップから自社を選んでもらうには、競合分析が重要です。
この記事では競合分析の目的からやり方、注意点まで、競合分析の基本を解説していきます。
競合分析が初めてという方は、ぜひ参考にしてみてください。
![ツクルくん](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/calamel-wordpress/contents/uploads/2020/08/18145944/tukurukun-honban.jpeg)
「ショップの立ち上げ直後は順調だったのに、業績不振が続いて売上が落ちていった」という話を聞くけど何が悪かったのかな?
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継続して売上を出すには、競合分析や分析結果を活かした経営が必要ですが、それらを行わなかったのかもしれません。
競合分析とはどういう意味?
競合分析とはマーケティング戦略の基本で、ライバル会社のシェアや価格設定、商品ラインナップなど、他社について分析することです。
競合分析の対象は、同じような商品を同じターゲット層に販売する直接的な競合のほか、ターゲット層の異なる間接的な競合、代替品がある会社などの潜在的な競合も含まれます。
競合分析はなぜ必要?競合分析の目的とは
競合分析には、主に以下のような目的があります。
- ・市場や業界のトレンドを把握する
- ・価格を見極める
- ・自社の強みや弱みを把握する
- ・客観的な情報をもとに意思決定を行う
以上のポイントをまとめると、競合分析を行う理由は競合の情報を集めて自社と比較することで自社の立ち位置や強み・弱みを知り、今後の顧客へのアプローチに生かすことです。
とくに競合分析は、客観的に判断できるデータを集めて分析を進めていきます。
そのため「何となく競合と自社では違う気がする」と曖昧な感覚ではなく、データをもとに「競合と自社では〇〇の面で違いがある」と明確に違いを把握できるでしょう。
ビジネスでは他社と競い合うのが常ですので、売上が良いからといって何もせずにその状態がずっと続くことはありません。
日々競合が登場したり新サービスが出てきたりしているため、競合と比較して自社を振り返り、より良くしていくために競合分析は必須といえます。
競合分析のやり方・流れ
では競合分析はどのような流れで行っていくのでしょうか?
具体的なやり方について、順を追って説明します。
1.競合分析で何を得たいか目標を決める
まず大切なのは、「何のために競合分析するのか」と、目標を定めることです。
競合分析の結果を見て自社の価格戦略を考えたいのか、自社の弱みや強みを把握したいのか、あるいはアプローチ方法を変えていきたいのかなどのゴールを設定しましょう。
何を達成したいのか、ゴールがないまま競合分析を進めてしまうと自社に何のベネフィットももたらさず、人的・時間的コストだけムダにかかってしまいます。
ゴールを決めることで「どのような分析が必要か」「どのくらいの規模で調査を進めていくべきか」などが明確になりますので、まずは競合分析で得たいゴールをきっちりと設定しましょう。
2.分析する競合他社をピックアップする
競合分析のゴール(目的)を決めたら次は、分析する競合他社を5~10社ほどピックアップします。
選ぶ際のポイントは、取り扱う商品やサービスが似ていて、同じようなビジネス基盤のある会社を選ぶことです。
なかなか競合のピックアップが進まないときは、Googleでのインターネット検索やAmazonや楽天といったECサイトを利用して検索してみると良いでしょう。
自社がメインで取り扱う商品名で検索をかけたとき、上位に表示される商品のショップが自社の競合であることが多いといえます。
3.テンプレートを使って競合分析の項目を決める
調査する競合他社をピックアップしたら、他社について調べる内容(競合分析する項目)を決めていきます。
たとえば、他社について調べる際には以下のような項目が考えられます。
- ・資金規模
- ・歴史
- ・実績
- ・基本的なサービス内容
- ・ターゲット層
- ・価格
- ・キャッチコピー
- ・アフターサービス
- ・顕在的なニーズと潜在的なニーズ
- ・見込み顧客へのアプローチ方法
- ・サポート体制 など
競合分析のゴールに合わせて、必要な項目に絞ると効率良く競合分析を進められます。
調べる項目は実際に書き込めるよう、エクセル(スプレッドシート)などにまとめていきましょう。
必要な項目がなかなか決まらない場合、一から自分で項目を作らずとも競合分析のためのテンプレートが提供されています。
「競合分析 テンプレート」でインターネット検索してみましょう。
収集する他社の情報を項目化して記載されているテンプレートが多数ありますので、内容も参考になります。
4.ネットを使って競合を調査する
競合分析に必要な項目を決めたら、まずはインターネットを活用して競合の調査をしていきます。
競合他社のホームページで取得できる情報のほか、その企業名を検索したときに上位に来るサイトや検索連動型広告、SNS広告などから分かることもあります。
目的に合わせて、さまざまな角度から調査を進めていきましょう。
競合分析はツールを使うのもおすすめ
インターネットで他社の情報を集める際、競合のホームページのアクセス情報などが把握できる分析ツールを活用するという方法もあります。
以下は、主な分析ツールです。
- ・Similarweb
- ・Buzzsumo
- ・Ghostery
「Similarweb」は競合サイトの訪問者数や訪問者の属性などを分析できる競合分析の代表的なツールです。
また、SNSでのコンテンツのシェア数などが分かる「Buzzsumo」や、競合サイトの利用している解析ツールが分かる「Ghostery」などの競合分析ツールがあります。
無料で使用できるものもありますので、競合分析の目的と照らし合わせながら取り入れてみると良いでしょう。
ツールを利用すれば、公式サイトや検索ツールの利用だけでは分からない情報も抽出できます。
5.ネット調査以外の方法での調査も行う
公式サイトの情報やツールで分析して分かる顧客の属性、レビューに書いてある顧客からの評価など、ネット上で拾える情報はたくさんあります。
ですが一方で、ネットの調査だけでは知ることができない情報もあるでしょう。
そこで、多角的な面で競合を分析するためにも、ネット以外の調査を行うこともおすすめです。
ネット以外の調査には、例えば以下のような調査があります。
- ・競合の商品を実際に購入してみる
- ・競合のメールマガジンに登録する
- ・競合のSNSをフォローする
- ・実店舗があれば実際に足を運んでみる など
実際に商品を購入してみれば商品の状態が分かるという以外にも、ショップのカートの使いやすさや決済システム、同封物、アフターサポートなども調査できます。
最初に決めた競合調査の目的と照らし合わせて、必要な調査を実施していきましょう。
6.競合分析のフレームワークを使って分析を行う
競合他社の情報を集めたら、フレームワークを使ってその情報を分析します。
フレームワークとは、「骨組み」や「構造」を意味し、目的や用途によってさまざまなフレームワークが存在します。
手探りで行うのではなくフレームワークを活用したほうがスムーズに競合分析が進むでしょう。
ここでは代表的な、「3C分析」、「4P分析」、「SWOT分析」をご紹介します。
3C分析
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つのCを分析して、自社を取り巻く環境を調査するフレームワークです。
Customerでは市場規模やニーズ、市場の成長性。
Competitorでは競合各社のシェアや特徴、マーケティング戦略。
Companyでは自社のシェアや業界でのポジションなどを調査していきます。
3C分析の特徴は、市場や顧客・競合・自社の3つの観点からバランス良く分析できることです。
総合的に分析することで、自社の立ち位置や現状が見えやすくなります。
3C分析を取り入れるときはそれぞれのCの分析だけで終わらせず、3つのCの間、つまり顧客と競合の間(競合は顧客にどのようなアプローチをしているかなど)、顧客と自社の間(現在の顧客と伸ばしていきたい顧客についてなど)、競合と自社の間(競合と自社は何が違うかなど)にも注目してみましょう。
4P分析
4P分析は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通・販売場所)、Promotion(販促)の4つのPを分析して、自社の商品やサービスの特徴を見極めるフレームワークです。
具体的には、どのような性能・デザインの商品やサービスを取り扱っているか(Product)、どのような価格で販売しているか(Price)、どのようなルートやエリアで販売しているか(Place)、どのようなPRや宣伝を行っているか(Promotion)を調査して分析していきます。
4P分析のメリットは、他社の商品やサービスとの違いを把握できることと、商品やサービスの差別化に生かせることです。
具体的なマーケティング戦略を立てる際によく活用されます。
SWOT分析(スウォット分析)
SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素を分析して、自社の状況や事業課題を見極めるフレームワークです。
具体的に、Strengthでは強みになり得る技術力や開発力、Weaknessでは弱みになり得る知名度や開発スピード、Opportunityでは市場の流れやニーズ、Threatでは競合他社や原料費の変動、のようにそれぞれの項目を洗い出していきます。
SWOT分析を取り入れるメリットは、自社の置かれている状況を内部環境と外部環境の2つの観点から、客観的に把握できることです。
S・W・O・Tのそれぞれの分析を終えたら、「自社の強み×機会」で補強ポイントを、「自社の強み×脅威」で差別化ポイントを、「自社の弱み×機会」で改善ポイントを、「自社の弱み×脅威」で防衛策や撤退を検討し、事業戦略を立てていきます。
競合分析で失敗しないための注意点
競合分析は、自社の経営戦略を見直し売上を伸ばしていくために有効ですが、ポイントを押さえないとあまり意味のないものになってしまいます。
最後に、競合分析で失敗しないために押さえておきたい3つの注意点をご紹介します。
自社と競合だけでなく顧客も意識する
競合分析で陥りやすい失敗の1つが、自社と競合ばかりに目を向けてしまうことです。
自社の課題や競合ばかりに意識が集中すると、対抗策だけに力が注がれてしまい、顧客視点が置き去りになってしまうでしょう。
最終的に商品やサービスを手にするのは顧客です。
競合分析だからといって競合や自社の課題ばかりに集中せず、顧客の視点も意識して分析を進めていくことが大切です。
先入観を持たずに競合分析を行う
特別に意識していないにもかかわらず、自分の考えに合った情報を優先する人の認知傾向を、確証バイアスといいます。
競合分析をする際はこの確証バイアスによって、自分の考えに合ったデータを集めやすい傾向にあること、先入観で判断しやすい傾向にあることを意識しておく必要があります。
データは客観的に取得して冷静に分析してこそ意味のあるものになるので、「きっとこうなるだろう」などと先入観や予想を持たずに取り組みましょう。
競合分析は必要に応じて何度も行う
冒頭でもお伝えしましたが、ビジネスの世界は常に移り変わり続けます。
そのため競合分析は1度きりではなく、必要に応じて何度も行いましょう。
自社や競合、顧客を取り巻く環境が日々変化する中で古い情報をもとにしていては、適切な戦略を立てられません。
また、1回の競合分析で十分に精度の高い情報を取得できないこともあります。
競合分析を行ったものの、「別の角度から分析してみたい」「戦略立案にはより多くの情報が必要」といった場合は、必要に応じて競合分析のプロセスを繰り返し行いましょう。
まとめ
競合分析は、競合他社を知って自社の状況や強み・弱みを把握するのに重要なプロセスで、今後の経営戦略にも深くかかわってきます。
そのためビジネスを展開する上で競合分析は必須でしょう。
また、市場や競合、顧客は常に変化するので定期的に何度も競合分析をすることが大切です。
高いパフォーマンスを維持できるようにするためにも、まずは競合分析の基本の流れを押さえておきましょう。
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よくある質問
競合分析を行う理由は、競合の情報を集めて自社と比較することで自社の立ち位置や強み・弱みを知り、今後の顧客へのアプローチに生かすことです。
ビジネスでは日々競合が登場したり新サービスが出てきたりしているので、競合と比較して自社を振り返り、より良くしていくために競合分析は必須といえます。
詳しくはこちらの章をご覧ください。
代表的なフレームワークとして、自社を取り巻く環境を調査する「3C分析」や自社の商品やサービスの特徴を見極める「4P分析」、自社の状況や事業課題を洗い出す「SWOT分析」などがあります。
さらに詳しくはこちらの章でご紹介しています。