メルマガとは、ご存知の通りメールマガジンの略語で、ネットショップの集客の手段として世界中で利用されています。
使い方次第では売上アップにも大きく貢献するメルマガですが、内容と同じくらい大事なポイントなのが「開封率」です。
セールや新商品の情報など、読者に有益な情報のメルマガを送っても開封されなければ販促につながりません。
そこでこの記事ではメルマガの開封率を上げるコツやタイトルの付け方を紹介します。
読んでもらうメルマガにするためにはどうしたらいいのかな?
以前はとくに曜日が大切だといわれていましたが、今は曜日以外にも送り方や内容なども開封率を上げるポイントとして重視されています。これから詳しく解説しますね。
目次
メルマガの開封率の平均・目安はどれくらい?
メルマガの開封率がわかったとしても、それが実際に高いのか低いのか判断できないことが多いかと思います。
そこで、各ジャンルや業態のメルマガ開封率の平均をご紹介いたします。
平均値は開封率アップの改善をする上でとても大切なのでぜひ知っておきましょう。
米国のメール配信サービスConstant Contactの調査データ(2023年4月現在)によると、総合的なメルマガの開封率の平均値は34.46%のようです。
さらにネットショップに関係のありそうな業界・ジャンル別にデータをピックアップしてみました。
業界・ジャンル | 平均開封率 | 平均クリック率 |
ビジネスサポート | 28.44% | 1.81% |
保育 | 43.87% | 1.84% |
レストラン・フード | 36.50% | 0.66% |
コンサルティング | 27.48% | 1.18% |
教育 | 37.66% | 1.57% |
金融 | 27.76% | 1.01% |
健康・ヘルスケア | 34.87% | 0.91% |
住宅・建築 | 35.18% | 1.22% |
製造・流通 | 26.54% | 1.24% |
パーソナルケア | 35.03% | 0.70% |
エンタメ・スポーツ | 39.13% | 1.09% |
小売り(スーパー・コンビニ) | 31.83% | 0.93% |
旅行・観光 | 39.15% | 0.96% |
テクノロジー | 18.34% | 2.67% |
不動産 | 32.79% | 0.84% |
輸送 | 37.66% | 0.69% |
まずは自分のお店のジャンルや業界の平均値を、実際の開封率と比較して高いのか低いのかを見てみましょう。
このデータはあくまで米国でのメール配信サービスの調査なので日本のデータとは環境や状況が違うため、あくまで参考程度にしましょう…!
メルマガの開封率とは?調べ方や算出方法も紹介
メルマガの開封率とは、「配信したメルマガのうちユーザーに開封してもらえた割合」のことです。
送ったもののメルマガがユーザーに読まれないと、サイトへの遷移や購入などメルマガきっかけのアクションが期待できないため、開封率が高いかどうかはメルマガ施策において重要な指標になります。
そしてメルマガの開封率は、次の計算式により算出できます。
開封率=開封数÷メール配信成功数(メール配信数-メール配信エラー数)
開封されたメルマガ数を、実際に配信できたメール数で割ることで開封率が算出されます。
単に「メール配信数」で計算してしまうと、配信できなかったエラーメールも含まれてしまうので、きちんとユーザーに届いたメルマガ数である「配信成功数」を使いましょう。
開封率はHTML形式のメールで調べることができる
メルマガには文字のみの「テキストメール」と、画像や文字で構成される「HTMLメール」という2つの形式がありますが、開封率を計測するには後者のHTMLメールで送る必要があります。
HTML形式では画像やリンクに計測タグを差し込むことができ、それによって開封率やクリック率といったさまざまなデータを測ることが可能なのです。
テキストメールでは開封率を把握することができないため、開封率などの情報を調べる際には「必ずHTMLメールを使用する」ということを覚えておきましょう。
メルマガ開封率を計測するには「メール配信ツール・サービス」か「Googleアナリティクス」
開封率を知るためにはHTML形式でメルマガを送ることをお伝えしました。
では実際の計測はどうするのかというと、「メール配信ツール・サービス」や「Googleアナリティクス」を使用するのがポピュラーな方法です。
メール配信ツール・サービスには付属で開封率やクリック率などを計測してくれる機能が備わっていることが多く、HTMLメールなどを配信する際に設定できるのでぜひ使ってみましょう。
また、無料の解析ツール「Googleアナリティクス」でも、開封率を計測するタグやURLをHTMLメールに差し込むことで計測が可能になります。
テキストメールではメルマガ開封率は測れない?
先ほど、テキストメールではメルマガの開封率は調べられないとお伝えしましたが、厳密にいうとテキストメールでも、どれくらいメルマガが見られたのかある程度把握することは可能です。
例えばGoogleアナリティクスでパラメーターを付与したURLを発行し、それをテキストリンクとして、メールに入れることでそのリンク経由のアクセス数を計測するといった方法です。
テキストメールであってもアクセス数の増減をみつつ改善をはかることは可能ですが、開封率ではないので注意しましょう。
メルマガの開封率を上げる2つのポイント
ここからは実際にメルマガの開封率を上げる方法についてお伝えしていきます。ポイントは以下の2つです。
- ・メールの作り方
- ・メールの送り方
当たり前のことですが、開封してもらえるようなメールを作ることと、開封してもらえるように送ることが大切です。
次の章で作り方や送り方のコツを詳しく解説していきます。
メルマガの開封率を上げるメールを作るコツ
まずは、開封されるメルマガの作り方についてお伝えします。
作り方の中で特に重要なのがタイトルの付け方です。
以下で具体的なタイトルの付け方のコツを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
読みたくなるようなタイトル(件名)に工夫する
メルマガを構成する要素の中で、最初にユーザーの目に入るのがメルマガの「タイトル」です。
メールボックスにたくさんのメールがある中で開封してもらうためには、思わずクリックしたくなるタイトルを付けましょう。
タイトルを付けるポイントは、以下のように6つあります。
- ・「〇〇さま」など名前を入れる
- ・疑問符や感嘆符、記号で囲むなど視認性を上げる
- ・キャッチ-なキーワードを入れる
- ・文字数は最適な数にする
- ・ユーザー目線・メリットを意識した件名にする
- ・重要なことは冒頭で伝える
それぞれについて見ていきましょう。
「〇〇さま」など名前を入れる
件名に「〇〇さまへ」や「〇〇さま必見!」といったように固有の名前を入れることでメールの受け手は「自分に呼びかけられている」と感じるので、要件だけを記載した件名よりも開封率が高まることが多いです。
もしメール配信ツール・サービスで配信リストの名前を入れることができるのであればぜひ一度試してみましょう。
疑問符や感嘆符、記号で囲むなど視認性を上げる
疑問符である「?」や感嘆符である「!」、そして【】、()などのカッコを使って視認性を上げる工夫も開封率アップには有効です。
例えば、「注目のセール」という言葉を件名に入れる際に、ただ入れた場合と【】と「!」を入れた場合を見比べてみましょう。
- ・注目のセールが開始。秋の50%オフ開催中
- ・【注目のセールが開始!】秋の50%オフ開催中
いかがでしょうか。おそらく後者のほうが目に留まりやすいかと思います。
感嘆符や記号を使うことは簡単にできるので、ぜひすぐにやってみてください。
キャッチーなキーワードを入れる
ユーザーが反応したくなるキャッチ-なキーワードを件名に盛り込むことも、開封率アップの有効な手法です。
例えば「限定」や「〇〇日まで」、「〇〇様だけ!」といった限定感を出したり、「無料」・「50%off」などのお得感などを入れるなどがあります。
文字数は最適な数にする
魅力的な件名にすることも大切ですが、実は文字数も開封率に影響します。
受信するメーラー、またはPC・モバイルといった環境によって件名の表示数が変わってしまうので、最適な文字数は一概にはいえません。
例えばGmailの場合、スマホは20字前後で件名が表示され、PCはブラウザの大きさによって件名の表示文字数が変わるため50文字以上の長い件名であっても表示されます。
しかし現在のスマホ普及率を考えると、スマホで表示される文字数をベースに件名を考えたほうがいいでしょう。
そのため件名を作る際はスマホで表示されることを想定して、「20~25文字」にするのがオススメです。
重要なことは冒頭で伝える
先ほどお伝えしたように、メールボックスに表示されるメルマガのタイトルの文字数には限りがあります。
そこでメルマガの内容を的確に伝えるためには、大事なキーワードをできるだけ冒頭に持っていきましょう。
例えば、【セール終了まであと〇日】【特別イベントにご招待】のように情報を冒頭で伝えるのです。
冒頭に伝えたいことが記載されていると、メルマガを受信した人もきちんと内容を把握することができ、開封につながります。
ユーザー目線・メリットを意識した件名にする
件名を作る際に意外とやりがちなのが、メリットや特典をただ載せるだけというケースです。
配信側からするとお得に感じる言葉も、「ユーザーにとって本当にメリットを感じる文面なのか」、「ちゃんと響く言葉なのか」を意識するだけで開封率は変わってきます。
カラーミーショップでも、下記のように件名を変更したところ改善されたケースがありました。
- ・before:〇〇さまへ、設定・デザインでのお悩みをプロの手で解決しませんか?
- ・after: 〇〇さまへ、お引越し・デザインをプロにまかせてサイト構築の時間短縮しませんか?
開店サポートのご案内のメルマガでしたが、件名でユーザーがメリットを感じられるように変更したところ、開封率が10%以上アップし改善につながりました。
「設定・デザインでのお悩み」だとターゲットが曖昧だったので、「サイトのお引越し」や「サイトのデザイン」に悩んでいる人に絞って、「サイト構築の時間短縮」というユーザーのメリットを件名に入れたことで、ユーザーは具体的なメリットを想像できたのだと考えられます。
配信元のショップ・企業名をきちんと入れる
件名と同じタイミングでユーザーの目に入る「メールの配信元・差出名」も、実は意外と見られています。
もし配信元を明記していないと、ユーザーに迷惑メールと間違われてしまい、開かれない可能性もあります。
きちんとショップ名や企業名、さらにいえば担当者や店長名なども入れておくと安心感を与え、ショップからのメルマガだと認識され、メールを開いてもらえるでしょう。
メルマガの開封率を上げる送り方のコツ
メールの送り方にも目を向けて見ると、メルマガの開封率アップにもつながるはずです。
ここからは、開封率を上げる送り方のコツを3つご紹介します。
配信リストを定期的に精査する
正確なメルマガ開封率を知るためにも、メールアドレスを知っているすべての人に送るのではなく、定期的に送信リストを精査することが大切です。
メルマガ受信者の中には、興味をなくして開封しない人や、自社からのメールを迷惑メール設定にしてしまっている人もいるかもしれません。
自社のメールを迷惑メール扱いにされてしまうと、プロバイダなどから「このアドレスからのメールは迷惑メールだ」と自動的に判断するようになってしまい、メルマガを読んでくれているユーザーにも届かなくなってしまう可能性もあります。
メルマガの購読者へしっかり届くようにするためにも、また開封率の実態を適切に把握するためにも、定期的に配信リストの見直しを行いましょう。
配信リストのスクリーニングは、メルマガの開封率アップに効果的です。
プリヘッダーを設定する
プリヘッダーとは、メールタイトルの下や横などに表示される文章です。すべてのメーラーで表示されるわけではなく、GmailやiPhoneなどの一部で表示されます。
GmailやiPhoneは多くのユーザーが使っているメーラーであるため、ぜひうまく活用しましょう。
件名に記載できなかった情報も載せられるので、メルマガ受信者の興味をそそるプリヘッダーにすることで開封率の向上にもつながるでしょう。
もしプリヘッダーを設定していないと、表示されるメーラーではメールの冒頭など意図しない内容が表示されてしまいます。
プリヘッダーとして表示される文字数はメーラーで異なりますが、おおよそ100文字程度を目安にすることをおすすめします。
ただし、プリヘッダーもタイトルと同様に、重要な内容はできるだけ冒頭に書くことで確実にユーザーへ情報が届くでしょう。
開封率が上がる曜日・時間帯に送る
アメリカのメール配信サービスの調査データによると、曜日や配信時間と開封率に関しては以下のような結果になりました。
- ・火曜日の開封率が高く、土曜日・日曜日の開封率が低い
- ・配信時間では、朝4時~6時の間・17時~19時の間の開封率が高かった
参考:https://www.getresponse.com/resources/reports/email-marketing-benchmarks#time-frequency
火曜日の開封率が高く、土曜日・日曜日の開封率が低い
平日の中でも開封率が最も高かった曜日が「火曜日」とのことですが、これは週明けの月曜日が仕事始めであり、仕事のメールなどの確認や週初めのタスクなどがひと段落するからだといわれています。
また土日の開封率が低いことに関しては、外出してしまったりそもそもメールをあまり開かない人が比較的多い可能性があります。
そのため、どの曜日に配信すればいいか迷われている方はまずは火曜日に送ってみて反応を見てみましょう。
配信時間では、朝4時~6時の間・17時~19時の間の開封率が高かった
数年前のデータでは、朝10時前後と13時前後の開封率が高いとデータが出ていましたが、2023年の時点では、早朝や夕方~夜にかけての時間帯の開封率が高いという結果となっています。
早朝の受信者が起きる直前や仕事が終わる直前は、メールボックスに他のメルマガがあまりたまっていないので、目につきやすいからではと推測されています。
早朝に送ることはためらわれるかも知れませんが、メールの着信音を設定している人は少なかったり、スマートフォンをスリープモードにして音が鳴らないようにしている人も多いと考えられるので、受信者を起こしてしまう可能性は低いでしょう。
その時間帯に読まれることを想定して事前にメールを送ってみるのも手段としては有効です。
とはいえ実際は、ターゲットやジャンルによって開封してくれる曜日も時間も変わってきます。そのため、まずは実際に自分でメールを送ってデータを集め、効果検証をすることが一番確実な方法です。
週に何回送るか、メールの配信頻度を考える
配信頻度や回数も実は開封率に影響を及ぼすとされており、米国のメールサービスの調査によると、「週1回の配信がもっとも開封率が高くなり、多くなればなるほど開封率が下がる」といったデータもあります。
ただし、この結果だけを信じて配信回数を週1回に減らしてしまうのは、得策ではありません。
ユーザーとどういったコミュニケーションをはかり、どういった情報をこちらが送りたいかを考え、配信日時と同様に、週に何回配信したら開封率がどれ変化するのかを検証し、自社にとっての最適な配信頻度を見つけていきましょう。
まだデータが無いうちは、とりあえず週1回程度で様子を見るのがおすすめです。
参考:https://www.getresponse.com/resources/reports/email-marketing-benchmarks#time-frequency
メルマガ開封率を改善するならKPIも設定しよう
KPIとは日本語で「重要業績評価指標」といい、目標達成のための目安となる指標のことで、数値で設定するのが一般的です。
KPIを設定し、現状の数値を照らし合わせることで、自社のメルマガがどのくらい成功しているのかを把握できるでしょう。
メルマガの場合、以下のような項目でKPIを設定しておくことをおすすめします。
- ・配信完了(成功)率
- ・開封率
- ・クリック率
- ・CVR(コンバージョン率)
まずは、開封率やクリック率など、これまでどのくらいの数値で推移してきたのか分析して、それを基にKPIを見直しましょう。
メルマガの開封率に関するKPIは、ECサイトの重要なKPIとしてもよく計測される指標です。
メルマガ開封率のアップにもつながる?有識者インタビュー
よむよむカラーミーでは、販促ツールとして再評価されているメルマガの重要性について、メールマーケティングの専門家である安藤さんにお話を伺いました。
メルマガについてもっと深く知りたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
今回はメルマガの開封率の平均についてや、開封率をアップするコツをご紹介しました。
タイトルを工夫するなどはすぐできることなので、さっそくこの記事で紹介したコツを参考に、次回のメルマガのタイトル考えてみましょう。
また、送る時間・曜日・頻度について各社の調査データはあるものの、「これが最適」というのは各ショップのターゲットやジャンルによって異なります。
さまざまな場合を試して、自社に一番合っている曜日・時間・頻度を見つけていってくださいね。
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