ネットショップでできるだけ送料を抑えたい場合におすすめなのが、メール便です。
今回は、小さな荷物や薄い荷物を送るのに適したメール便の特徴やメリット・デメリット、各社のメール便サービスについて取り上げます。
ネットで買い物をしたとき、ときどきメール便で届くけれど、宅配便や普通郵便と何が違うのかな?
メール便は費用が安いのが大きな特徴です。今回は主要な3社の配送会社のメール便サービスやメール便で送るのにおすすめの商品などを紹介します。
目次
メール便とは?どうやって届くのかや普通郵便・宅配便との違い
メール便とは、一般的にポストに投函することで配達できる配送サービスのことをいいます。
基本的に、集荷された荷物は手紙の様に届け先の郵便受けに投函されるので、対面での受け取りは不要です。
では普通郵便や宅配便と何が違うかさらに詳しく見ていきましょう。
メール便と普通郵便の違い
普通郵便とは、切手を貼って送る通常の手紙やはがきのことを指します。
この普通郵便とメール便の大きな違いは、相手先に送付できる内容の違いです。
封筒に入れば、普通郵便ではさまざまなものを送付できますが、メール便では信書と呼ばれる領収書や健康保険証などの重要書類は基本的に送れません。
また、普通郵便の料金は重さで大きく変動するので、重さのあるものを送付する場合はメール便のほうが安い傾向にあります。
メール便と宅配便の違い
メール便と宅配便の主な違いは、配達できるサイズ(容量)と配達までの日数、配送料金です。
メール便はポストへの投函・郵便受けでの受け取りを想定したサービスのため、合計60㎝、厚さ3cmまでなど、送付できるサイズや厚さ、重さに上限があります。
宅配便もサイズや重さに上限がありますが、対面での配達がほとんどのため、合計の上限の幅が大きいです。
さらに宅配便では、メール便では送れない冷蔵・冷凍品の宅配も可能です。
また、宅配便では最短で翌日の午前中に配達が完了するサービスもありますが、メール便は長くて配達までに5日間程度かかる場合もあります。
上記のように、大きなサイズの荷物を短期間で送れる分、宅配便はメール便に比べて料金が高くなります。
一方メール便は、料金が一律の場合が多く、100~300円程度で全国へ荷物を送れます。
基本的に宅配便では荷物の追跡ができる点も、メール便とは異なるでしょう。
宅急便・宅配業者の料金はどこが安いのか、ネットショップで選ぶならどこがいいのかを以下の記事で徹底比較していますので、興味のある方はぜひ見てみてください。
メール便の料金は?日数やサイズなど主要3社のサービスを比較!
メール便は、日本郵便のサービスが有名ですがヤマト運輸、佐川急便でも取り扱いがあります。
各社どのようなサービスがあるのか、主なサービスと特徴を見ていきましょう。
比較表も掲載しますので、料金や配送日数の参考にしてみてください。
日本郵便
郵便局では「ゆうパケット」、「クリックポスト」、「レターパック」、「ゆうメール」など、メール便の種類が豊富です。
それぞれ対応サイズや追跡サービスの有無など、違いがあります。
ゆうパケット
ゆうパケットは専用の宛て名シールと運賃分の切手を貼りポストに投函すれば荷物を送れるメール便です。運賃は250円から利用でき、荷物の追跡にも対応しています。
ゆうパケットは荷物の追跡が可能で、土日や祝日も配達してくれるので、メール便の中でも配達までの期間が短めです。
クリックポスト
クリックポストは全国へ一律185円で荷物を送れるメール便です。
Yahoo!ウォレットやAmazon Payなどを使ってネットで運賃を支払うので切手の貼り付けは不要で、自宅で専用ラベルを印刷できるので、郵便局に行かずに配送の準備ができます。
追跡サービスも付いており、土日や祝日も配達してくれます。
レターパック
メール便は基本的に信書を送れないとお伝えしましたが、レターパックは信書も送れるメール便です。
相手先の郵便受けに配達するレターパックライトと、対面で配達するレターパックプラスの2種類があります。
専用の封筒の購入代に配達料が含まれるので、切手の貼り付けは不要です。
365日配達対応で追跡もあるサービスなので、信書を送る際も安心でしょう。
ゆうメール
150gまでなら全国一律180円と、日本郵便のメール便の中でも一番安く利用できるメール便です。
基本的に土日の配達や追跡サービスはありませんが、オプションで速達にしたり、配達証明を付けたりすることでカバーできます。
ヤマト運輸
ヤマト運輸では「クロネコDM」と「ネコポス」という2種類のメール便があります。
ただしどちらも基本的には法人や個人事業主に向けたサービスです。
クロネコDM
大量のカタログやパンフレットなどを手軽に送れるサービスです。利用するにはヤマト運輸との契約が必要です。
料金は決まっているわけでは無く契約ごとに設定されますが、1通当たりの上限が167円となっているので、低価格で荷物が配達できます。
ネコポス
ポストに入る小さな荷物を、相手先の郵便受けまで配達するサービスです。
クロネコDM同様、利用したい法人や個人事業主はヤマト運輸との契約が必要です。
宅急便ネットワークを活用しているため、一部の地域を除いて宅急便と同等のスピードで荷物を送れるのが大きなポイントでしょう。
佐川急便
佐川急便の提供するメール便には、「飛脚メール便」と「飛脚ゆうメール」があります。佐川急便のメール便も、ヤマト運輸同様、基本的に法人向けです。
飛脚メール便
法人が法人宛てにカタログを発送するなど、法人間専用のメール便サービスです。
300gまでは168円、1kgまでは325円と重さによって料金が変わります。ただし、大量に発送する場合は値引きが可能になる場合もあります。
飛脚ゆうメール
法人から法人、または法人から個人向けに、カタログやCDなどの小さな荷物を発送できるサービスです。佐川急便が差出人となりますが、配達自体は郵便局の局員が行ってくれます。
200gまでなら配達料は全国一律115円と、メール便の中でも低価格なのが特徴です。
以下は各メール便サービスを比較した表です。
配送会社 | 日本郵便 | 日本郵便 | 日本郵便 | 日本郵便 | ヤマト運輸 | ヤマト運輸 | 佐川急便 | 佐川急便 |
サービス名 | ゆうパケット | クリックポスト | レターパック | ゆうメール | クロネコDM | ネコポス | 飛脚メール便 | 飛脚ゆうメール |
サイズ | 60cm以内 | 62cm以内 | A4サイズ | 62cm以内 | 60cm以内 | 縦23~31.2cm×横11.5~22.8cm | 70cm以内(長辺40cm以内) | 縦34cm×横25cm×高さ3cm以内 |
重さ | 1kg以内 | 1kg以内 | 4kg以内 | 1kg以内 | 1kg以内 | 1kg以内 | 1kg以内 | 3kg以内 |
料金 | 250円~ | 185円 | 430円~ | 180円~ | 上限167円 | 上限385円 | 168円~ | 115円~ |
配送日数 | 翌日以降 | 翌日以降 | 翌日以降 | 引き取り日含む4日目以降 | 400km圏内は翌々日、400km圏以上は4日目 | 翌日以降 | 一部地域を除き3~4日 | 郵便局へ差し出し後5日程度 |
土日の配達 | ○ | ○ | ○ | × | 一部地域は× | ○ | 一部地域は× | × |
追跡 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × |
補償 | × | × | × | × | × | 3,000円まで | × | × |
その他 | 厚さ3cm以内 | 小さすぎると送れない | プラスは対面受取 | 重量で運賃変動 | 事業者ではない個人利用は不可 | 厚さ2cm以内 | 個人利用は不可 | 法人からのみ送付可 |
なお宅配便については、ゆうパックと宅急便ではどっちが安いのか、配送料金の比較やお得な割引のコツを以下の記事で紹介しています。
メール便の送り方とは?各サービスの発送方法を紹介
上記で各社メール便の料金やサイズなどがまちまちであることをご紹介しましたが、各メール便サービスは送り方も多少異なります。
メール便の送り方については、大きく以下の2点で各社に違いがあります。
専用の梱包材やラベルが必要か
メール便は、専用の梱包材(封筒)やラベルが必要な場合があります。
まず、専用の梱包の有無についてですが、レターパック以外は専用の梱包材(封筒)はありません。
ただし、各メール便では縦横の長さや厚さなどが制限されますので、各社の取り扱いサイズを事前に確認しておきましょう。
また、「レターパック」と「ゆうメール」以外のサービスでは、基本的に専用のラベルが必要です。
ゆうパケットは専用宛名シール、クリックポストはネット上で印字したラベル、クロネコDMとネコポスはシステム上で作成した宛名ラベル、飛脚メール便は佐川急便の用意した専用ラベルが必要です。
飛脚ゆうメールは専用でなくても良いですが、通常の宛名ラベルを用意する必要があります。
ポストへ投函するか集荷に来てもらうのか
メール便は基本的にポストへの投函で発送ができますが、集荷依頼をするサービスもあります。
日本郵便のメール便(ゆうパケット、クリックポスト、レターパック、ゆうメール)はいずれもポスト投函で発送が完了します。
郵便局や取扱店まで足を運ばなくても郵便ポストから荷物を送れるので便利でしょう。
一方、ヤマト運輸や佐川急便のメール便は法人向けに大量発送する場合に利用されることが多いので、ポスト投函による発送には対応していません。
営業所やコンビニに荷物を持ち込むか、集荷に来てもらう必要があります。
以下は各メール便サービスについて、ラベルの有無や発送方法を比較した表です。
個人向けである日本郵便のサービスは、ほとんどがポスト投函で発送できると把握しておくとよいでしょう。
配送会社 | 日本郵便 | 日本郵便 | 日本郵便 | 日本郵便 | ヤマト運輸 | ヤマト運輸 | 佐川急便 | 佐川急便 |
サービス名 | ゆうパケット | クリックポスト | レターパック | ゆうメール | クロネコDM | ネコポス | 飛脚メール便 | 飛脚ゆうメール |
専用梱包材 | 無 | 無 | 2種類有 | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 |
専用ラベル | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 | 有 | 有 | 通常ラベル可 |
発送方法 | ポスト・持ち込み | ポスト・持ち込み | ポスト・持ち込み | ポスト・持ち込み | 集荷・持ち込み | 集荷・持ち込み | 集荷・持ち込み | 集荷・持ち込み |
メール便を利用するメリット・デメリット
さまざまな特徴があるメール便ですが、発送するショップ側と受け取る顧客側にとってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
それぞれの立場別にメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
発送するショップ側の一番のメリットは、宅配便などと比べると低コストで荷物を送れることです。
宅配便は一番小さいサイズでも、(割引前は)最低価格が1,000円弱ですが、メール便は100円代~配送が可能です。
基本的に全国一律の料金設定のため送料の計算が不要で、利用しやすいでしょう。
また、追跡サービスがあるメール便なら、相手に荷物が届いたかどうかの確認もできます。
ポスト投函または集荷に対応しているため、営業所や郵便局まで足を運ぶ必要もありません。
受け取る顧客側のメリットは、郵便受けに配達されることです。
不在であっても荷物が受け取れるため、配達時間を気にしながら在宅する必要がありません。
また、メール便は料金が安いため、ネットショップで購入時に別途送料がかかったとしても、あまり負担には感じないでしょう。
デメリット
メール便で発送するショップ側のデメリットは、破損や紛失のリスクに補償が利用できないことです。
宅配便には補償がついている場合が多いですが、メール便には基本的に補償が付かないため、紛失や破損時の補償をショップ側で行う必要があります。
メール便を受け取る顧客のデメリットは、配達日を指定できないことです。
荷物を追跡できるサービスも多いですが、配送日を指定できないため、いつ配送になるか確実にはわかりません。
また、メール便は商品の購入から受け取りまでの時間が長いこともデメリットといえます。
土日や祝日に配達が行われないサービスの場合、発送から受け取りまで5日ほどかかってしまうこともあるでしょう。
メール便の導入がおすすめのネットショップのジャンル
ネットショップの配送方法はさまざまありますが、メール便はどのような場合に利用すると良いのでしょうか。
実際に、ネットショップがメール便で送るのにおすすめの商品ジャンルを紹介します。
日用品・化粧品
トイレットペーパーや箱ティッシュなどのかさばるものは送れませんが、マスクやタオル、歯磨き粉などのサイズの小さい日用品はメール便が向いています。
ファンデーションやアイシャドウ、リップなど手のひらサイズが多い化粧品の発送もメール便がおすすめです。
ただし、化粧品には高額なものもあります。メール便には補償が付かない点に注意しましょう。
アパレル・ファッショングッズ
ジャケットなどのアウターや厚手のニットなどの大きなものはメール便ではサイズオーバーですが、スカーフやマフラー、Tシャツ、靴下、下着、帽子などコンパクトに折りたためるアパレルやファッショングッズもメール便に向いています。
メール便であれば配送料も抑えられるので、商品を送料無料にすれば購入率もアップするでしょう。
本
本や雑誌などを発送する際にもメール便はおすすめです。
ただし、厚さ3cm以下など厚さに制限があったり、重さに制限があったりしますので、送る前に範囲内に収まっているかよく確認しておきましょう。
1~2冊程度であればメール便のほうが良いこともありますが、まとまった冊数を送付する場合はメール便で小分けにするのではなく、宅配便のほうが費用を抑えられるケースもあります。
メール便を利用する際の注意点
メール便は営業所などに足を運ばなくても気軽に利用でき、配送料も安いため便利ですが、注意点もあります。
利用時の3つの注意点をご紹介します。
送れないものもあるので事前に確認する
レターパックを除き、メール便では信書(請求書や手紙など)は送れません。
たとえばクロネコDM便では、次のようなものの発送ができないことになっています。
- ・信書
- ・現金や小切手、株券などの金銭類やカード(クレジットカードなど)
- ・再発行が難しいパスポートや車検証など
- ・再発行できない原稿や原図など
- ・発火性や引火性のあるもの
- ・劇物や銃刀類
- ・複数の個人情報を含んだもの
- ・サンプル品や試供品 など
サービスによって多少の違いはありますが、現金類やクレジットカードなどの現金に相当するようなカード類、再発行の難しいもの、危険性のあるものは基本的に利用できないと考えたほうが良いでしょう。
発送前に、各サービスで送れないものに該当しないか確認しておくことをおすすめします。
土日や祝日は配達されないサービスもある
メール便の中には土日や祝日の配送に対応していないものもあります。
たとえば、日本郵便の提供するゆうメールは平日のみの配送です。
送り先の郵便受けに問題なく配送されれば良いですが、ポストに入らない場合は持ち戻りで対面での引き渡しになり、なかなか相手先に配送できないこともありますので注意しましょう。
配達日数がかかることを顧客に伝えておく
メール便は宅配便よりも配達までに日数がかかるということを、購入者が理解しているとは限りません。
メール便と宅配便があるということを知らないユーザーもいますので、その場合「注文したのに全然届かない」と問い合わせしてくる可能性もあります。
そのため、購入時に「メ―ル便のため配送まで〇日程度かかることを理解した」とチェックボックスを設けるなど、事前に顧客へ告知しておきましょう。
顧客がメール便であることを知らないまま購入し、配送の遅さを感じてレビューに書いてしまうと、お店の評価の低下につながってしまいます。
まとめ
メール便はポストから投函できるサービスも多いことから、簡単に発送できる点で便利なサービスです。
また、宅配便などと比較すると料金も安いので、小さな商品を送るのに適しています。
ただし、メール便では送れないものもあったり、土日や祝日には配達されないサービスがあったりと注意点もあるので、事前に利用するメール便についてよく確認しておくことが大切です。
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