ネットショップオーナーさんの多くが一度は経験する「受取拒否」。
受取拒否はなぜ起こるのか、どういった方法で防げるのか、気になっている方も多いはず。そこでこの記事では、受取拒否によって生じるネットショップ運営のリスク、具体的な対策や対処について解説します。
また受取拒否だ! このままじゃお店が損しちゃうよ。一体どうすればいいの?
受取拒否は適切な対策をとることで被害を最小限にすることができます。一つ一つ解説していきますね!
受取拒否とは
ECにおける「受取拒否」とは、代金引換(代引き決済)で注文した顧客が、自宅に届いた商品を何らかの理由で受け取らず、商品がショップに返送されてしまうことを意味します。
ひとことで受取拒否と言っても、パターンは大きく下の2つに分かれます。
悪意のないパターン
最も多いと言われているのは、突然の出張や入院などで家を留守にしているケースです。
また、数カ月待ちの人気商品であれば、以前注文したことを忘れて旅行や引越しをしてしまった、などの事情も考えられます。
注文者本人がたまたま在宅していない場合、何も知らない家族が驚いて受取拒否してしまうケースもよく見られます。
悪意のあるパターン
上のパターンと比較してあまり多くはありませんが、はじめから商品を受け取るつもりのないイタズラ注文や、「今はお金がない」「気が変わった」などの理由で一方的にキャンセルをする、といったケースも中には見られるようです。
受取拒否によるネットショップ運営側のリスク
受取拒否における最も大きな問題は、往復送料・代引手数料をショップ側が支払わざるを得ないという点です(通常1500~2000円、大型商品はさらに高額)。配送業者と特別料金で契約している場合でも、返送分の送料は正規の料金となります。
また、梱包に費やした資材や時間が無駄になるだけでなく、返送された商品が生鮮食品・期間限定品などの場合は廃棄処分もしなければなりません。往復送料・代引手数料を注文者に請求する場合も、請求手続きのための人的コストが発生してしまいます。
受取拒否を防ぐには?3つの対策
(1) 受取拒否された場合の対応方法をショップ上に明記する
対応方法を記載することで受取拒否の予防につながるだけでなく、実際に受取拒否が発生した場合にもスムーズな対応が可能となります。以下は記載内容のサンプルです。
サンプル文例
お客様都合により商品受取を拒否された場合、「配送料・代金引換手数料・返品事務手数料」を請求いたします。受取拒否をされますと、往復送料、代金引換手数料、梱包資材、人件費がショップの損害となります。当店では、正当な理由のない代金引換の受取拒否や、保管期限切れなどによって商品が返送された場合、内容証明付き郵便にて以下の料金を請求いたします。
・往復配送料
・代金引換手数料
・返品事務手数料
・内容証明発行料
すべて実費での請求となります。
なお、長期間ご連絡がとれないなどの理由で悪質と判断した場合は、法的措置も検討いたします。
マナーを遵守したショッピングをお願いいたします。
(2) 代金引換の場合はゆうパックを利用する
「ゆうパック」なら返送時の送料がかかりません。被害を最小限にするために、代金引換の場合のみゆうパックを利用するのもひとつの手段です。
(3) 代金引換を取りやめ、他の決済手段を充実させる
ショップにおける代金引換(代引き決済)の利用割合がそれほど高くない場合は、思い切って提供を取り下げ、Amazon Pay・楽天ペイなどの便利な決済手段を充実させるのも有効です。
受取拒否が発生した場合の対処
いかなる場合にも冷静な対応が必要
実際にあなたのショップで受取拒否が発生してしまった場合は冷静な対応が求められます。
特に電話でのやりとりは記録が残りづらいため、「言った・言わない」のトラブルが発生したり、相手が感情的になってしまう事態も起こりがち。運営者側がなるべくストレスを抱えることなく淡々と対応するには、メールや書面ベースでのやりとりがおすすめです。
メール文例
長期不在により受取不能の場合
●●●様
このたびは「■■■■(ショップ名)」をご利用いただきまして、
誠にありがとうございます。
●●●様よりいただきましたご注文につきまして、
至急ご確認をお願いしたい事項があり、ご連絡差し上げました。
先日、下記の商品を発送いたしましたが、
ご不在のため配達不能の旨、運送会社より連絡が入っております。
誠に恐れ入りますが、不在通知をご確認の上、
再配達の手配を行っていただきますようお願いいたします。
━━━━━━━━━
・受注番号
・お客様情報
・配送先情報
・ご注文商品の情報
━━━━━━━━━
なお、本メールと行き違いでご対応いただいております場合は
何卒ご容赦くださいませ。
保管期限を過ぎて商品が返送された場合
●●●様
このたびは「■■■■(ショップ名)」をご利用いただきまして、
誠にありがとうございます。
先日、●●●様よりいただきましたご注文につきまして、
運送会社の保管期限までにお受け取りいただくことができなかったため
商品が当店に返送されてしまいました。
お客様のご都合による受け取り拒否の場合、
商品輸送に際して発生した往復送料・代引手数料・返品事務手数料の
ご負担をお願いしております。
つきましては、下記の通りご請求させていただきますので、
恐れ入りますが、当店指定の銀行口座へ
期日までのお振り込みをお願い申し上げます。
━━━━━━━━━
・請求額
・銀行口座
・振込期限日
・受注番号
・お客様情報
・ご注文商品の情報
※大変恐れ入りますが、振込手数料はご負担ください。
※上記の期限日までに入金が確認できない場合は、
後日お電話または内容証明郵便にて改めて確認いたします。
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大変お手数をおかけいたしますが、
至急ご対応のほどよろしくお願いいたします。
まとめ
今回はネットショップにおける受取拒否のリスクや対策について解説しました。
受取拒否によって想定される損害額をあらかじめ必要経費に組み込んでおけば、問題が発生した場合も割り切って対処することができます。受取拒否は当然あってはならないことですが、このように心構えをすることで余計な心労に惑わされることが少なくなります。
前向きにショップ運営を楽しみましょう!