
昨今、さまざまな企業から注目があつまっている「オウンドメディア」。
「名前は聞くけど、実際どんなものなの?」「具体的なイメージがわからない」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回はオウンドメディアの意味やメリットやデメリット、運営に重要な3つのポイントについて解説していきます。

あわせて、素敵なオウンドメディアを運営する5ショップを事例として紹介していきます!
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目次
オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)は「所有する情報媒体」のことです。
具体的には、ユーザーに向けて独自の情報を発信するWebサイトのことを指します。広義では、会社案内や商品紹介冊子といったパンフレットや紙媒体も含まれます。また、ネットショップでは、ショップ自体をメディア化するという意味でメディアECとも呼ばれます。
TwitterやFacebook、Instagramなど、情報を発信するソーシャルメディアはアーンドメディア、広告や他サイトへの掲載はペイドメディアと呼ばれ、オウンドメディアと組み合わせて運用することでより多くのユーザーとの接触が可能です。
オウンドメディアが注目される理由とは
オウンドメディアが注目されるようになった理由として、スマートフォンやSNSの普及があげられます。スマートフォンの普及をきっかけに、ユーザーは常時情報に触れており、1日に得る情報量は10年間で530倍になったと言われています(※1)。
ほしい情報を自ら取りに行きやすくなったことで、消費行動が変化したのと同時に、自動的に表示される広告はユーザーによっては、拒否感を持たれてしまい効果が期待できないケースもふえてきているのです。
そこでユーザーに向けて情報発信を行い、ユーザーとの接触を増やすコンテンツマーケティングというマーケティング手法に注目があつまっています。コンテンツマーケティングとは「ユーザーに有益な情報提供をおこない、サイトに自らアクセスしてもらう」施策のことで、オウンドメディアの運営が重要になるのです。
(※1)参考:平成 18 年度情報流通センサス
オウンドメディアの目的は?
オウンドメディアの目的は前章でお話したように、ユーザーに対し有益な情報提供をおこなうことです。ユーザーが求める情報を発信することでサイトに訪問してもらい、ファンを獲得することが重要です。そのためのポイントを解説していきます。
1.コンテンツを資産化
今ある自社サイトの企業情報や商品情報を充実させるだけではユーザーは積極的にサイトに訪れてはくれません。SNSでの情報発信は流動性が高く、常に情報を発信し続けなければなりません。
そこでオウンドメディアが重要となるのです。オウンドメディアは情報をアーカイブできます。ユーザーの求める情報を探しやすくコンテンツ化(文章・映像化など)することにより、ユーザーが検索した際に目にとまり、自らサイトにアクセスしてくれます。検索をしてサイトを訪れてくれたユーザーは、その時点で潜在顧客といえます。さらに発信した情報は資産となり、ペイドメディアとの合わせ技で拡散することもできます。
2.SEO対策の実施
オウンドメディアはSEO対策(※2)としても重要なコンテンツです。ユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツを作り運営することでGoogle検索エンジンの評価が上がるため、オウンドメディアの情報を充実させるほど、検索の順位があがり認知拡大につながります。
(※2)SEO対策について「ネットショップで超重要なSEO対策「コンテンツSEO」とは?大切な4つのポイントも紹介」で詳しく紹介しています。併せてお読みください。
3.ファンを作る
情報があふれ、更新スピードの速い昨今、ブランディングや競合との差別化をはかり、企業やショップ、商品のファンになってもらうことが重要なポイントです。
オウンドメディアで継続的にユーザーに有益な情報発信をすることで、サイト閲覧数が増え検索順位があがります。結果、認知度があがり、ユーザーがSNSなどで情報発信をしてくれるようになり、さらなる認知拡散が期待できます。
オウンドメディアは広告とは違いサイトの構成も自らおこなうため、よりブランディングがしやすいコンテンツともいえます。この後の章でも解説をしますが、コンセプトを決め、運用することがファン獲得にも重要になります。あれもこれもとたくさんの情報をむやみにのせるのでなく、1つのコンセプトを持ち運営することで、サイトに統一感がでます。また言い回しや言葉のチョイス、掲載写真やイラストなどのデザインで競合との差別化をはかることでファン獲得につながります。
オウンドメディアのメリット・デメリット
オウンドメディアを運用するメリットとして、目的の章でもあげたようにファンを増やせることがあります。独自のコンテンツを通して、開発者・生産者の言葉で、商品やサービスの魅力を直接伝えられるので読者をファンにできます。
一方デメリットとして、運営者の体力が挙げられます。コンテンツの発信を継続するためには、多くの時間と労力が必要になります。ネタ切れになり、更新が止まってしまい、挫折してしまう企業も多いようです。

そこで次の章では、運用のポイントを紹介します。
オウンドメディアの運用ポイント
オウンドメディを続けるにはどのようなことが求められるのでしょう。実際にオウンドメディアを運用する際に気を付けるべき運用ポイントを紹介します。
1.更新頻度
せっかくオウンドメディアを立ち上げても、更新がされず、古い情報ばかりだとユーザーは再訪してくれません。1日1回の更新が望ましいと言われていますが、むりやり書いた記事や信ぴょう性の薄い記事を掲載してしまっては、信用を失ってしまいます。無理のない範囲で更新を継続することが重要です。
2.コンセプトを明確にする
更新頻度を意識するばかり、書くことが無く更新が滞ってしまっては、訪れたユーザーもサイトから離脱してしまいます。まずは、「誰に何を届けるメディアか」というコンセプトを明確にし運営をはじめることが重要です。コンセプトが明確だと、ユーザーにも魅力的な情報を伝えられるでしょう。
しかしながらコンセプトを固めすぎてしまうと、掲載情報の範囲も狭めてしまうことになります。「Aが好きな人は、Bにも興味があるかも」といったように、関連情報を掲載することでユーザーが再訪問してくれるといったサイクルがうまれます。少し俯瞰した視点をもちつつも、コンセプトをぶらさず運用することが大切です。
3.すぐに結果を求めない
オウンドメディアを始めたのに、閲覧数も問い合わせも全然増えないと、目で見える数字に結果を求めがちです。しかし、オウンドメディアは立ち上げてすぐに結果がでるものではありません。
コンスタントに記事を増やし、ユーザーの目に触れる機会を増やしていくことで、少しずつ検索順位があがります。検索順位が上がることでさらに閲覧数が増え、サイトのファンができます。そこでようやく商品やサービスの利用者がでてくるのです。
SEOやコンテンツマーケティングの施策でも、『最低100コンテンツは必要』といわれています。1日1コンテンツ掲載したとしても3カ月はかかります。そこからがスタートと考えると、効果が見え出すのに半年以上はかかると考えてよいでしょう。時間がかかって当然なのです。

オウンドメディアは継続することが大切。息切れしないペースで更新を続けましょう!次の章では、オウンドメディアのつくりかたを解説していきます!
オウンドメディアの作り方
1.目的を決める
企業のブランディングにつなげる、商品・サービスの購入につなげる、人材の採用・求人につなげるなど、オウンドメディアを始めるにあたって「何を目的にするか」が重要なポイントです。また、運用ポイントに記載したように、長く続けるためにもコンセプトを決め運用することが重要です。目的やコンセプトはサイト構成やデザインにも関係するので、最初に決めることが重要です。
2.環境を準備する
現在運営しているサイトに、コンテンツを作る機能の有無を確認しましょう。
(1)コンテンツをつくる機能がある
ブログ機能やWordPressを連携できる機能がある場合はそのまま利用しましょう。メインで運用しているサイトと同じドメインで運用できるため、記事やコンテンツ、ショップへの回遊もスムーズです。
(2)コンテンツをつくる機能がない
コンテンツを作る機能がない場合は、別途、ドメインを取得し、コンテンツ作成機能を持つツールを準備する必要があります。その場合メインサイトと別ドメインでの運用となるため、同じコンテンツとして認知がされにくく、オウンドメディアでのSEO施策をおこなってもメインサイトへの流入が少し遠回りになってしまうので注意が必要です。
オウンドメディアを運営している素敵なネットショップ事例5選
オウンドメディアの目的やメリット・デメリットについて解説してきました。ここからは実際にオウンドメディアを使っている素敵なネットショップさんの事例をいくつかご紹介いたします。
1.気仙沼ニッティング
宮城県気仙沼市を拠点に手編みのセーターやカーディガンをオーダーできる「気仙沼ニッティング」さん。トップページのカルーセルには商品の魅力を余すことなく伝える高クオリティな商品写真とともに、心にすっと入ってくるキャッチコピーが並びます。スクロールするとあたたかい雰囲気がつたわる制作風景を動画でみることができ、一瞬で引き込まれます。「手仕事」「海とセーター」「お店のこと」といったコンテンツも豊富。ファンの心をぎゅっとつかんでいるサイトです。
2.光浦醸造
慶応元年(1865年)創業。味噌・醤油・調味料をはじめ、フロートレモンティーなど暮らしを豊かにする保存食を製造販売する「光浦醸造」さん。トップページから導線が設けられたコンテンツページは、魅力的な写真とともに商品の楽しみ方を解説しており、読み続けると、同ページ内で商品購入ができるようカートが設置されています。商品カテゴリーからの商品ページはカートが先に設置されており、カートの下に商品説明が掲載されています。導線によって、さまざまな工夫が施されている魅力的なショップです。
3.職人醤油
昔ながらの手法で自然の中でつくる醤油を販売する「職人醤油」さん。『醤油を楽しむレシピ集』というコンテンツでは『パン+バター+醤油』『魅惑の醤油トースト』など、気になるレシピがたくさん紹介されています。豊富なレシピは醤油の種類からも探すことができ、時間を忘れて読んでしまいそう。さらに、醤油のつくり方や違いなどをシンプルで力強いイラストと臨場感が伝わる写真と共に紹介されており、気づいたら醤油の魅力にすっかり魅了されています。ショップオーナーさんの商品への思いも伝わってきます。
4.パンと日用品のお店 わざわざ
長野県東御市の薪窯で焼く自家製酵母のパンと暮らしの道具を扱うお店「パンと日用品の店 わざわざ 」さん。実店舗の空気感を細部にまでこだわったデザインで表現されたショップです。ハッシュタグ別に投稿される日々のコラムは読み応え満点。商品ページも、ていねいに撮影された写真と店主さんのレビューがつづられていて、ファンの心をがっちりとつかんでいます。
5.EDIT LIFE
“生活を立体的に編集する”をコンセプトに、メディア型のネットショップを運営する「EDIT LIFE」さん。編集者、クリエイティブディレクターがキュレーターとなり、クリエイターが手掛けるアート作品や生活アイテムを展示販売します。
まるで雑誌のような構成で作られたこちらのショップ。編集力を活かした読み物が充実しています。商品を使ったライフスタイルをイメージさせながら紹介する役割を持つ「ブログ」と、人やブランドについて読み応えのある「マガジン」の使い分けが特徴的です。
まとめ:オウンドメディアは継続更新が大切。テーマを設けこまめな更新を。
今回はオウンドメディアについて解説してきました。
オウンドメディアはこまめな更新と継続更新が重要になります。継続をしていくプロセスの中で、徐々に更新のコツもつかめてきます。そのためにも目的やコンセプトを決めることは重要なポイントとなります。無理なく更新を続けていきましょう。
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