どの企業も「自社や商品・サービスのことをできるだけ多くの人に知ってもらいたい」と考えると思いますが、その場合はオウンドメディアを始めるのがおすすめです。
オウンドメディアは集客に役立つだけでなく、自社がどんなブランドや商品・サービスを提供しているのかを世の中の人に認知してもらうのに最適です。
この記事ではオウンドメディア構築の必要性や構築方法、成功のポイントなど基本的なことについて紹介します。
オウンドメディアを始めてみたいけど、どんなことが必要なのかや方法が全然わかんないんだよね。
安心してください。これからオウンドメディア構築のための基本事項に関してご紹介しますよ。
目次
オウンドメディアとは?特徴を紹介
オウンドメディアとは、企業が管理する情報媒体のことです。
広い意味では企業の公式SNSアカウントやカタログ、展示会など企業が情報を伝えるものは全てオウンドメディアといえます。
ですが、一般的には企業がユーザーに向けて自社に関連する情報やコンテンツを発信するWebサイトがオウンドメディアとされています。
大企業が運営する本格的なWebサイトから、小規模の企業が自社のお知らせやキャンペーンなどを掲載するブログ風のWebサイトまでオウンドメディアの規模感はさまざまです。
オウンドメディアを構築する意味
多くの企業がオウンドメディアを運営するのは、主に以下のような目的やメリットがあるためと考えられます。
- ・自社のことを知ってもらうため
- ・自社やブランドのファンになってもらうため
- ・コストを抑えつつ集客につなげるため
- ・独自の切り口で他社と差別化するため
- ・自社発信の正しい情報を伝えるため
まず考えられるのが集客です。
自社の公式サイトだけでなくオウンドメディアを構築すれば、自社を知ってもらえるきっかけが増えます。
オウンドメディアの内容は自由に作成できるので、自社の歴史や商品に込めた想いなどのコンテンツを掲載することで、自社についてユーザーが深く理解し、ファンになってもらえる可能性もあるでしょう。
自社ならではの情報を発信するということは同時に、他社との差別化にもつながります。
また広告のように費用をかけなくても自社の情報を発信できるので、コストを抑えて集客できるのもオウンドメディアの大きなメリットです。
さらに、自社がきちんとした情報を発信することで、間違った情報がユーザーに伝わることを防ぐという役割もあります。
上記のような理由から、さまざまな企業がオウンドメディアのコンテンツ作成やSEO対策に力を入れているのです。
オウンドメディアを構築するのに必要な5つの要素
オウンドメディアを作る前に、どのようなことが必要なのかを知っておきましょう。
オウンドメディア構築のための5つの要素をご紹介します。
1.テーマやコンセプト
まず必要なのは、オウンドメディアを構築するうえで軸となるテーマやコンセプトです。
どのようなターゲットにどんな情報を伝えることで、自社をどのようなブランドとして認知してほしいのかなどを決めます。
テーマやコンセプトが設定されていないと、オウンドメディアのデザインやコンテンツの内容の方向性について判断ができません。
テーマやコンセプトも無く何となくオウンドメディアを始めてしまうと、発信する情報の一貫性が保てなくなり、ユーザーに何の情報も伝わらないでしょう。
どのようなサイトでどのような情報を届けているのか、ユーザーに明確にするためにもテーマやコンセプトの設定は必ず行いましょう。
2.サイトを構築するシステムとデザイン
オウンドメディアとして運営するWebサイトを制作するためには、システムが必要です。
専門的な知識がなくても構築できるWordPressのようなCMSを使う、誰でも手軽にオウンドメディアを構築できる専用のサービスを利用する、システムを構築できる専門家(制作会社)に依頼するなどさまざまな方法があります。
いずれにしろ、何かしらのシステムを利用しないとオウンドメディアは構築できません。
また、構築のためのシステムと同時に、ユーザーの目に触れる部分であるデザインも必要です。
システムやデザインは社内に人材がいれば内製、いなければ外注してリソースを確保することになります。
3.コンテンツ
オウンドメディア構築ではWebサイトだけでなく、そのサイトに掲載するためのコンテンツ(記事)も必要になってきます。
新しいオウンドメディアの場合、ユーザーにアクセスしてもらうためには少なくとも、50~100記事はあったほうが良いともいわれています。
ですが、本数が必要だからといってやみくもに質の低い記事を作っても、ユーザーの満足度やその後の購入などのアクションにはつながらず、オウンドメディアの本来の目的を果たせません。
コンテンツの量も重要ですが、質の高いコンテンツを制作することのほうがより重要です。
質の高いコンテンツとは、ユーザーニーズを満たすような満足度の高い記事をいいます。
コンテンツは外注するという手段もあるので、現状のリソースや予算でクオリティを維持しながら最大でどれくらいの記事が作れるのかを試算し、目標本数を決めましょう。
4.集客(SEO)
オウンドメディア構築の目的をブランド自体の集客としている場合もあると思いますが、そのためにはまずユーザーにオウンドメディアへ訪れてもらうための集客が必要です。
ECサイトやその他のサイトと同様に、オウンドメディアを構築したらユーザーがどんどん流入してくれる訳ではないので、集客を行いましょう。
オウンドメディアにおける集客で代表的なものは、検索による自然流入です。
ユーザーのニーズに応えられる良質なコンテンツを発信し続けることで、ユーザーが検索結果からコンテンツを経由してオウンドメディアへと訪れてくれるでしょう。
また、オウンドメディアにコンテンツを載せるだけでなく、SNSでコンテンツの一部を発信したり、メルマガで紹介したりすることも集客につながります。
5.運営チーム
上記で紹介したような要素を実行するためには、運営チームが必要です。
オウンドメディアの構築と運営のためには、理想をいえば以下の役割を担うメンバーがいると良いでしょう。
- ・メディアの方向性など全体統括する「プロデューサー」
- ・コンテンツの企画や品質管理を担う「ディレクター(編集者)」
- ・企画をもとにコンテンツを作成する「ライター」
- ・訪問者の行動を分析し集客につなげる「マーケター」
- ・オウンドメディアのデザインを担う「Webデザイナー」
- ・メディア設計を改善する「Webエンジニア」
本来はそれぞれに担当者を設置するのが理想ではありますが、リソースの余裕が無い場合も多いので、複数の役割を兼任することも可能です。
ただし、全ての役割を1人で担うことは難しく、オウンドメディアの運営自体が属人化してしまうため、数人で運営することをおすすめします。
また大規模なオウンドメディアにおいては、1つの役割に対して数人は必要になってくるでしょう。
内製か外注で異なるオウンドメディアの構築方法
先ほど、オウンドメディアを構築するための要素としてシステムが必要とお伝えしました。
そして内製するか外注するのかによって、構築方法(構築に使用するシステム)が異なります。
内製の場合、外注の場合の違いを見ていきましょう。
内製の場合は構築システム(サービス)を選ぶ
内製して自社でオウンドメディアを構築する場合は、Webサイト構築システム(サービス)を利用して制作を進めていきます。
主に無料のCMS、オウンドメディア作成サービス(有料CMS)、ブログ作成サービスといった方法が考えられるのでそれぞれについて概要を解説します。
無料のCMSを使う
1つ目は、無料のCMSを使ってオウンドメディアを構築する方法です。
CMSとはコンテンツ・マネジメント・システムの略で、専門的な知識が無くてもWebサイトの作成や更新が行えます。
最も有名なCMSが無料で利用できるWordPressでしょう。
独自ドメインで運用するためのドメイン代やサーバー代などランニングコストはかかりますが、無料のシステムを利用するための月額料金などはかかりません。
自社らしいオリジナリティのあるサイトにするためカスタマイズを行いたい場合は相応の知識が必要になりますが、デザインのテンプレートを利用した構築であれば初心者でもオウンドメディアの構築が可能といえます。
オウンドメディア作成サービスを使う
手軽にECサイトの作成ができるサービスがあるように、オウンドメディア作成向けのサービス(有料CMS)もあります。
「Ameba Ownd」や「Clipkit」といったサービスは、オウンドメディアの作成に特化しているので無料のCMSよりさらに知識不要で、オウンドメディアが構築しやすくなっているのが特徴です。
プランによってはサポートも充実しているので、ITやシステム関連の知識が不安な場合は、何事も自力で解決しなければならない無料のCMSではなく、企業が提供している有料のオウンドメディア作成サービスがおすすめでしょう。
ブログ作成サービスを使う
本格的なオウンドメディアではなく、お店のキャンペーン情報や新商品紹介などの簡易的な記事を載せたい場合は、ブログ作成サービスを利用してオウンドメディアを構築することも可能です。
「Amebaブログ」や「note」などのブログ作成サービスであれば、誰でも簡単にオウンドメディアを作れます。
CMSと比べて手軽に始められることがメリットでしょう。
ただし、CMSのようにカスタマイズに対応していないため、デザインでの他社との差別化が図りにくく、SEO対策も行いづらいため集客するのは難しいといえます。
外注の場合はどれくらい外注するのか決める
自社で内製せずに、オウンドメディアの構築や運営を制作会社などに外注することもできます。
一口に外注といっても、どこまで他社に委託するのか、外注方法はいくつかありますのでこれから解説していきます。
すべて外注する場合
まずはオウンドメディアの構築(WebプログラミングやWebデザイン)からコンテンツの制作や更新、SEO対策などの運営まで、すべてを外注するパターンです。
コストはかかりますが、システム構築や運営のノウハウがあるプロの制作会社が担うため、内製するよりもクオリティが高く、集客効果のあるオウンドメディアが期待できるでしょう。
内製に比べて自社の人的リソースがほとんど割かれないので、リソース不足の企業でもオウンドメディアを運営できるのは大きなメリットです。
一方で、すべてを委託するのでそれ相応の費用がかかることがデメリットです。
また、自社の希望を叶えてくれるような制作会社を見つける際には、それなりの工数が必要になるでしょう。
立ち上げのみ外注する場合
オウンドメディアの企画(コンセプトの設定など)やコンテンツの作成などは社内で行い、Webサイトの構築のみ外注することもできます。
オウンドメディア構築に必要なシステムやデザインを専門家に委託できるため、初心者が内製で作るよりもクオリティの高いサイトになるでしょう。
サイトデザインを重視したオウンドメディアを構築したい場合や、自社やブランドの世界観をサイトにしっかり反映させたい場合におすすめの外注方法です。
立ち上げは自社で行い運用の一部を外注する場合
無料・有料CMSなどを使ってオウンドメディアの立ち上げは自社で行ってから、運用業務の一部を外注する方法もあります。
外注する業務としては、コンテンツ(記事)制作、SEO対策を含む集客・マーケティング、デザインの改善などが考えられます。
不足するリソースは専門家で補いつつできるだけ社内で業務を行うパターンなので、コストを抑えながらオウンドメディアを運用できるのがメリットでしょう。
オウンドメディア構築に必要なコスト
オウンドメディアを内製する場合は、独自ドメインの登録費やサーバー代のほか、選択する構築方法によっては初期費用やオプション費用などがかかります。
構築方法によって大きく異なりますが、数十万円~100万円くらいが目安になるでしょう。
外注でオウンドメディアを構築する場合は、規模によって費用感が異なります。
中小規模のオウンドメディア(Webサイト)の構築を依頼する場合の制作費の目安はおおよそ100~300万円です。
大規模なオウンドメディアとなると、それ以上かかると考えて良いでしょう。
ただし、機能面を充実させたりデザインを凝ったりとオリジナリティにこだわったオウンドメディアを作ろうとすると、上記の目安相場よりもさらに費用がかかります。
オウンドメディア構築を成功させるポイント
事業にメリットをもたらすようなオウンドメディアにするには、どうしたら良いのでしょうか。
成功のために押さえておきたい2つのポイントをご紹介します。
目的やコンセプトを設定する
オウンドメディアを成功させるには、何のために構築するのか、どのようなメディアにするのか、目的やコンセプトをはっきりさせておくことが重要です。
目的がないとオウンドメディアの方向性が定まらず、せっかく構築しても思うような役割を果たさない可能性があります。
また冒頭でもお伝えしたようにコンセプトが定まっていないと統一感がなくなり、情報を届けたいユーザーにきちんと伝わらなくなってしまいます。
オウンドメディアの本来の役割である認知拡大や集客を果たすには、目的やコンセプトという軸を明確にして設計することが大切です。
必要なリソースをきちんと確保する
オウンドメディアの役割はただ記事を発信し続けることではなく、きちんと成果(リード獲得や認知拡大など)につなげることです。
ですがオウンドメディア運用に割ける十分な人員を確保できないまま無理して立ち上げると、本来の目的を達成できなくなる可能性が高いです。
必要なリソースが不足していると、記事のクオリティが低いまま公開せざるを得ない、きちんとコンテンツの分析ができない、サイトのユーザービリティ改善に手が回らないなどの理由から、ユーザーにとって有意義なサイトにするのは難しいでしょう。
オウンドメディアを構築したのであれば、集客や最終的なコンバージョンにつなげるためにもリソースをしっかり確保したうえで取り組むことが重要です。
まとめ
オウンドメディアの構築方法には、内製する方法と外注する方法があります。
また、外注する場合も全てを外注するのか、一部を外注するのかで構築方法や費用が異なってくるでしょう。
内製で構築するか外注にするかは、社内のリソースや予算と照らし合わせて決めます。
なお、必要なリソースが確保できていないのに無理してオウンドメディアを構築しても、ユーザーにメリットを感じてもらえなければ、本来の構築目的を果たせません。
運用体制を整えたうえで、オウンドメディアを構築しましょう。
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