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ECサイトに利用規約は必要?役割や作成方法・ポイントを紹介!

ECサイトの利用規約は、サービスの利用に関して運営者側が定めたルールのことです。
利用規約を設けることで顧客が安心して購入できたり、未然にトラブルを防いだりなどさまざまなメリットがあります。
この記事では、ECサイトに求められる利用規約の役割や、利用規約の主な項目、作成方法などをわかりやすく解説します。

ツクルくん
ツクルくん

ECサイトの利用規約って絶対に作らないといけない義務なの?

カラミちゃん
カラミちゃん

義務ではありませんが、作っておかないと何か問題が起こった時に困ってしまうかもしれません。利用規約の役割を紹介しますね。

ECサイトの利用規約とは何?

ECサイトの利用規約とは、ECサイトの運営者が利用者向けに、サービスの利用に関するルールを定めたものです。
ユーザーがECサイトを利用する際に同意することは、契約書に署名するのと同じ法的効果があるとされています。

利用規約には、一般的にサービス内容や商品購入に関する事項、禁止事項、個人情報の取り扱いなどECサイトの利用に関するさまざまなルールが記載されています。

ECサイトに利用規約は必須?

ECサイトの利用規約は、法的に作成が義務付けられているわけではありません。
ですがECサイトは多くの人が利用するため、商品や配送などにおいて何かしらの問題が発生する可能性は高いです。

もし予期せぬ問題が起きた際に利用規約が無いと、個々のユーザーと都度交渉が必要になり、サイト側へさまざまな負担がかかってしまいます。

そのため、ユーザーとのトラブルを未然に防いだり、スムーズなEC運営を実現したりするためにも、利用規約を作成しておくことを強くお勧めします。

ECサイトの利用規約の主な役割・メリット

利用規約はECサイトに必要なものとわかりましたが、もっと具体的にどのような役割やメリットがあるのかを見ていきましょう。

利用者とのトラブルを防ぐ

利用規約には、サービス利用におけるルール、禁止事項、責任範囲などが明記されます。
そのためECサイトで利用規約を作成しておけば、想定される利用者とのトラブルを事前に防ぎ、円滑な運営に役立つでしょう。

例えば、返品・交換に関して利用規約に「未開封・未使用の商品のみ返品可能」「不良品や誤配送など特定の場合を除き返品時の送料はお客様負担」といったルールを明確に定めておくことで、返品条件に関する誤解や、送料負担をめぐるトラブルを未然に防ぐことができます。

もし問題が起こった際に利用規約が無いと、顧客に「そんな利用ルールは知らなかった」といわれ、ショップ側の説明や対応に納得してもらえない可能性があります。

購入に関するルールである利用規約があることは、トラブルを防いで顧客との良好な関係を築くために必要といえます。

対応が明確化し運営がスムーズになる

利用規約において明確なルールがあれば、それぞれのケースごとに対応を検討する必要がなくなり、時間と労力を節約できるでしょう。

顧客からの問い合わせに対して迅速かつ統一的な対応も可能になるため、顧客満足度やショップへの信頼度アップにもつながるといえます。

もし利用規約が無ければ、個々の状況に応じて判断しなければならず、対応に時間がかかったり、担当者によって対応にバラつきが生じてしまったりするかもしれません。
また、予期せぬトラブルが発生した場合にも適切な対応方法がわからず、さらなる混乱を招く恐れもあります。

利用規約は、顧客とのやり取りにおいて生じる出来事において、効率の良い対応を可能にし、運営をスムーズに進めるための重要な役割を果たします。

責任の所在が明確になる

何かしらのトラブルが起こった際に、焦点となるのが「誰に責任があるのか」ということです。
そのため利用規約によって責任の所在が明確になっていると、ショップ側も顧客側も安心して売買が行えます。

もし商品に不具合があった場合、ショップ側が責任を負ってくれるかどうかわからなければ、顧客は購入時に不安を抱えてしまうかもしれません。

また、災害や社会情勢の影響などによるサービスの遅延・停止など、ショップ側で全く防ぎようのない問題が発生した場合、顧客の損害に対して補償できないと書いておくことで、ショップ側の負担を軽減できるでしょう。

このように利用規約は、顧客側とショップ側、双方の安心のために欠かせないものです。

ECサイトの利用規約で重要な項目

利用規約には決まった雛形は無いですが、押さえておきたい基本的な項目は存在します。
ここでは主な項目をご紹介します。

利用に関する同意

ECサイトの利用規約ではまず、「利用者がサイトを利用するためには、規約の内容に同意する必要がある」ということを記載して、同意を促します。

利用者は利用規約へ同意することで、「ショップ側のルールを守る」という契約書にサインしたことになるのです。
また、規約は必要に応じて改定することがあるという旨も書いておきましょう。

サービス内容

提供するサービスの内容を明記します。
ユーザーがECサイトを利用する上で、どのようなサービスを受けられるのかを明確に理解するため、できるだけ具体的に書くことが望ましいです。

売買契約

ECサイトでは支払いと商品引き渡しのタイミングが異なるので、売買契約の成立がいつなのか、わかりづらいです。
そのため、どのタイミングで売買契約が成り立つのかを明記しておきます。

もしタイミングを明確にしておかないと、「商品注文の段階で売買契約は成立した」と顧客が思い込んでしまい、在庫切れがあった際にトラブルに発展する可能性もあるでしょう。

商品の返品・交換・返金

ECサイトでは、「イメージと違っていた」という理由での返品や、配送時の破損による交換などのケースが発生しやすいです。
ですが、すべての返品に応じていると業務を圧迫してしまう可能性があります。

そのため返品・交換・返金を受け付ける条件を明確に利用規約に記載することで、ショップ側の負担が大きくなりすぎるのを防げるでしょう。

禁止事項

禁止事項では利用者が守るべき事項をまとめて書きます。
禁止事項には例えば以下のようなものがあります。

  • ・不正アクセスや不正利用
  • ・ECサイト運営を妨害する行為
  • ・他のユーザーへの迷惑行為
  • ・著作権・肖像権など知的財産権の侵害行為
  • ・転売目的による購入 など

禁止事項は、具体的な禁止行為を明確にするだけでなく、禁止事項に違反した場合にどのような措置が取られるのかについても書いておくのがポイントです。

権利の所在(著作権)

ECサイトには、サイトのデザイン、写真、イラスト、テキスト、動画、音楽など、さまざまなコンテンツが存在します。
そこで、基本的にECサイト上のコンテンツは運営側に権利があることや、無断で二次利用することはできないことを書いておきます。

もし、ユーザーがECサイトに投稿したコンテンツ(写真やコメントなど)がある場合は、その権利の所在についても書きましょう。

個人情報の扱い(プライバシーポリシー)

購入時に顧客の名前や住所、電話番号、メールアドレスなどさまざまな個人情報をECサイトに入力してもらうため、運営側は厳重に管理するということを明記します。

また、集めた個人情報をどう安全に管理するか、第三者へ譲渡することがあるかどうか、などについてもきちんと定め、顧客に安心感を与えます。

個人情報の取り扱いについては定める内容が多岐にわたるため、「個人情報の取り扱いについて」と別ページで詳細を記載する場合もあります。

免責事項(損害賠償責任)

免責事項とは、特別な条件があった場合に、ECサイト側がその責任の対象外であることを定める項目です。
免責事項を記載することで、運営側に負担がかかりすぎることを防ぎます。

具体的には、天変地異や停電、輸送機関側の事故など、運営側では防ぎようのない災害や事故においては補償の責任は取らないことなどを定めます。

サービスの停止・終了

メンテナンスや災害などやむを得ない場合には、運営側でサービスを停止または終了できるという旨を記載します。

上記項目以外にも、ECサイトの業種や規模、サービス内容によって、記載すべき項目は異なります。
専門的な知識が必要な場合は、行政書士などの専門家に相談しながら自社のサービスに合った項目を利用規約に盛り込みましょう。

ECサイトの利用規約の作成方法

具体的に利用規約はどのように作成したらいいのか、主な方法を3つご紹介します。

利用規約のひな形を利用する

ECサイトの利用規約を作成する1つ目の方法は、利用規約のひな形を利用することです。
インターネット上で検索すると、無料で利用できるひな形が多数公開されています。

これらの利用規約のひな形は、ECサイト運営に必要な基本的な項目が網羅されているため、手軽に利用規約を作成することができるでしょう。

ひな形は、Wordやテキストファイルなどで提供されていることが多く、ダウンロードして編集することが可能です。
自社に合わせて内容をアレンジして利用しましょう。

他社ECサイトの利用規約を参考にする

多くのECサイトは利用規約を定めています。
そのため、競合となるECサイトの利用規約を参考にすることで、業界でのスタンダードな規約の内容や表現を把握し、自社のものを作成する際の参考となるはずです。

ただし、そのままコピー&ペーストすることは、著作権侵害となる可能性があるだけでなく、自社のサービスとズレてしまう可能性も高いので、避けましょう。

また、参考にする際は1つのサイトだけでなく、自社と似たようなジャンルのECサイトを複数選んで規約を比較し、共通点や相違点を洗い出して作成するのがポイントです。

ECサイトの利用規約の制作代行会社に頼む

もし時間がなかったり、自分で作るのは不安だったりする場合は、ECサイトの利用規約の制作代行会社(行政書士の事務所)に依頼するという方法もあります。

制作代行会社に依頼するメリットは、専門知識を持ったプロが対応するため、訴訟トラブルなどに発展するリスクを減らせる利用規約を作成できることです。
また、最新の法令や判例を反映した規約を作成してもらえるでしょう。

何より、利用規約を自社で作成しなくて済むので、本来のEC運営業務に集中できます。

一方、作成するには費用がかかりますし、変更や修正する際も費用が発生する可能性もあります。

依頼する際は、作成費用や更新時の費用、納期、対応範囲などを確認し、自社のECサイトに合った会社を選びましょう。

ECサイトの利用規約を作成する際のポイント

ECサイトの利用規約は消費者契約法や個人情報保護法などの法律に関係する内容を含むこともあるため、法律に沿った内容になっているかを確認しましょう。

自身で作成するのが不安であれば、制作代行会社に依頼するなど専門家に相談しながら、法律に反する内容がないか、しっかりとチェックします。
なお、法改正やサービス内容の変更などに合わせて、定期的な見直しを行うことも重要です。

また、利用規約はショップ側が定めるルールではありますが、納得感が無い一方的な内容では、顧客の反感を買い、ゆくゆくは顧客離れにつながります。

ECサイトの利用規約は、ショップを守るためだけのものでなく、顧客に安心・安全に買い物をしてもらうためのルールであることを忘れずに作成しましょう。

まとめ

ECサイトの利用規約は顧客とのトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運営を支えるものです。
特定商取引法に基づく表記のように、掲載が義務化されているわけではありませんが、掲載することで、想定外のトラブルや法的リスクへの備えとなり、運営側を守ってくれる役割を果たします。

また、返品・交換に関する規定や個人情報の保護などについて利用規約に定めることで、顧客は安心して買い物ができるようになります。

そのため、ショップ側・顧客側の双方のためにも作っておくことをおすすめします。

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