よむよむカラーミー
ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

作り手もお客さまも私たちも、みんなが嬉しくなる輪を作りたい。ネットショップを急成長させた自由が丘の雑貨店「カタカナ」が大切にすること

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
東京都自由が丘にある雑貨店「カタカナ」のネットショップ。「日本のカッコイイを集めたお土産屋さん」をコンセプトに、日本各地からさまざまな逸品をセレクトしています。今回はネットショップ店長の脇田 郁さんに、コロナ禍をきっかけに急成長したショップ運営についてお話を伺いました。

未経験からネットショップの店長に

カタカナさんは実店舗・ネットショップともに独自の世界観を確立されていますね。

ありがとうございます。「日本のカッコイイを集めたお土産屋さん」をコンセプトに、商品をただ並べるのではなく、その背景や作り手の思いを伝えるようにしています。商品のストーリーを知ってから買うと、使ったときの充実感って違いますよね。

脇田 郁さん

たしかに、思い入れが強くなりそうです。

そうなんです。もともと私は手作りの物や日本の物にすごく興味があって、カタカナのことは入社前から知っていたのですが、「商品のことを伝えたい!」というお店の思いがとても印象的でした。そんな思いのもとで働きたくて、求人があるかもわからないのに「ここで働きたいです」と店頭でお話して販売員になりました。

お店のファンから販売員に! その後、ネットショップの店長になったんですか?

実は、2年半勤めた後にワーキングホリデーに行くために退職したんです。1年後に帰国して違うお店で働いていたんですけど、似た業種に就いたせいか、カタカナと比べてしまって。カタカナのことが忘れられませんでした。
そんなとき、道で代表の河野にばったり会って「今、何してんの?」という話からネットショップの担当者にならないかと誘われたんです。オンラインの経験はまったくありませんでしたし、カメラも触ったことがなかったんですけど、「大丈夫だよ。一から教えてあげるから」と言っていただいて。

運命的な再会ですね。そのときからカラーミーショップをご利用でしたか?

最初は大手オンラインモールに出店していましたが、デザインの自由度が低く、カタカナの世界観を表現するには限度がありました。お客さまには実店舗とネットショップをお散歩するように、どちらも楽しんでいただきたかったので、モールとは違う方法を探して出会ったのがカラーミーショップでした。

実際にカラーミーショップを利用してみて、いかがでしたか?

モールに比べると管理画面がシンプルでとにかく見やすくて、わかりやすいです。私は知識ゼロの状態から使いましたが、初心者にも本当に優しいと感じます。
2021年にリニューアルをしたときに「新着商品管理」機能や「イチオシ商品管理」機能を使って、トップページにおすすめの商品を出せるようにしました。ひとつひとつ思い通りに表示できるのがいいですね。

ネットショップのリニューアルは制作会社に依頼されたのでしょうか?

株式会社モンキーブレッドさんにお願いしました。ミーティングを重ねて、リニューアルには半年ほどかけました。担当の方が私たちのことをよくわかってくれていて、伝えたいことや大切にしたいことをすべて汲み取っていただけました。

制作会社選びでそこは重要なポイントですよね。一番こだわったところはどこですか?

パッと見てすぐにカタカナのネットショップだとわかる世界観や温かさです。あとは、アイテムが見やすい、アクセスしやすいといった点でしょうか。個人的に気に入っているのは、商品紹介のWebフォントにうちがよく使っている「iroha」を使っているところです。ビジネスに寄り過ぎず、カタカナの砕けた雰囲気が表現されていると感じます。

コロナ禍をきっかけに、ネットショップに注力

リニューアルをした2021年といえば、コロナウイルスの影響も大きかったのではないですか?

まさに、コロナ禍がきっかけでした。2020年に緊急事態宣言で実店舗が開けなくなり、1〜2週間単位で開催していたイベントができなくなってしまったんです。それで、初めてネットショップ先行で作家展を開催しました。

そのときに、近所のお客さまが買って応援してくれたんです。受注管理でお名前を見て「あの方だ、これはあの方だ、みなさん応援してくださっているんだね」と喜びました。モールはお客さまのメールアドレスがわからないようになっていて距離を感じるのですが、カラーミーショップは人の温度が伝わるようなやり取りができました。

そう言っていただけると嬉しいです。ご近所の方たちから愛されているんですね。

ありがたいですよね、本当に。近所のギャラリーも当時は閉めていたので、「よかったら撮影に使って」と言ってくれたんです。そのおかげで、とてもきれいな商品写真が撮れるようになって、売上もバーンと伸びました。

2019年の写真(左上) ギャラリーで撮影した写真(左下) 新設したスタジオで撮影した現在の写真(右)

商品の魅力がより伝わる写真へと進化していますね! 他にもコロナ禍で効果的だった施策はありますか?

スタッフが読み物コンテンツを書いたり、代表の河野がブログを更新して外部からのアクセスをかなり増やしました。ECの基盤ができたことで売上が安定し、リニューアルでさらに伸びて、コロナ前に比べると売上は8倍に成長しています。

一つの夢が叶ったカラーミーショップ大賞2022

カラーミーショップ大賞2022では、そんなショップデザインと売上成長が評価されて、優秀賞を受賞しました。壇上での脇田さんの涙も印象的でしたが、どのようなお気持ちでしたか?

作り手さんやお客さまへの感謝ですね。賞をいただいたのもすごく嬉しかったんですけど、その後、お会いするたびにみなさんが「おめでとう」って一緒に喜んでくださって。本当に感謝しかなくて、今も思い出しただけで涙が……。涙もろくてすみません(笑)。

こちらこそ、また泣かせてしまってすみません!  思いがあって入社されて、喜びもひとしおでしたよね。

あの場に立たせていただけたことが光栄でしたね。壇上に上がって欲しいスタッフが他にもいたんですけど、みんなで会場のインスタライブを見ました。作り手さんやお客さまも見てくれて、自分のことのように喜んでくださったのが本っ当に嬉しかったです。そういう間柄を目指してやってきたんですけど、ちゃんとできていたんだなと。一つの夢が叶った感じがしましたし、大賞という新たな目標もできました。

ぜひ、また会場でお会いできたらと思います。
ネットショップでなかなか成果が出ない方もいらっしゃるんですが、何かアドバイスはありますか?

私だけの目線かもしれないですが、「思いをのせる」ということが大事かなと思います。アイテムを紹介する際は、自分が思っていることだったり、作り手の方の思いだったり、いろんな視点からの思いを伝えることで、お客さまが買う動機づけを心がけています。
私はお店に立っていた人間なので、お店で説明していることと同じことをネットショップでも伝えたい、それを超えるぐらいの文章と写真で! っていう気持ちがあるんですよね。写真は商品の魅力が伝わるように、とにかく隅々までわかるように枚数を撮ります。

ただ、今は伝えたい気持ちが強すぎて、ちょっと長過ぎるのかなって。シンプルでわかりやすい文章を心がけてはいるんですけど……やっぱり長くなっちゃいますね(笑)。

紹介文は短いより長いほうが売れるそうです。ぜひ、思いを伝え続けてください……!
最後に、脇田さんがネットショップの店長として目指すところは?

一番は、お客さまとの距離感をもっと縮めたいです。
とても温かいお客さまがいらっしゃって、その方にお届けするたびに「宝物が増えました」とか「丁寧に梱包してくださってありがとうございます」と言ってくれて、いつも泣きそうになるんです。そういう方を一人でも増やせたらいいなと思います。
ネットショップはお互いの顔を見て接客ができないので、スタッフの思いや顔が見えるコンテンツを用意したり、メールやお手紙でもお礼を伝えたいですね。

もう一つやりたいのは、私たちがお客さまから作品の感想やメッセージをいただいて、作り手に届けることです。作り手もお客さまも私たちも、みんなが嬉しくなる輪を作りたいと思っています。

素晴らしい作り手がいてストーリーがあって、それを知って使うことで愛着がもてたり、そのためにがんばれたり、ほっとする時間が得られたり。そういう日常の中の豊かさというのを日本のカッコイイものを通して伝え続けたいですね。

私たちも、この記事を通して脇田さんの温かい思いが伝わるといいなと思います! 本日はありがとうございました。

▼こちらのインタビュー記事も読まれています▼