コロナ禍においてネットショッピングを利用する人が増えましたが、自身の買い物だけでなく、誕生日プレゼントなどのギフトのネット購入が増えているのをご存知でしょうか。
このような需要の拡大を受けて、ギフト商品のみを販売する「ギフト専用ECサイト」も続々と立ち上がっています。
そこで今回は、ギフトECとはどのようなものなのか、市場規模やギフトECの構築方法をご紹介するとともに、ギフトECを作る際のコツや注意点についてもあわせて解説していきます。
父の日や母の日のギフトもネットショップだと充実していて便利だよね。
ネットショッピングの利用者が増加する中、ギフトもネットで購入する人が増えています。今回は、ギフトを専門で取り扱うギフトECについて説明していきます!
ギフトECとは?特徴を紹介
ギフトECとはお中元やお歳暮、出産祝いなどの贈り物をはじめ、身近な人への誕生日プレゼント、父の日や母の日の贈り物など、さまざまなシーンに対応したギフトを取り扱っているギフト商品に特化したECサイトのことです。
一般的なECサイトと比較してギフトECではギフト用の商品が豊富なだけでなく、ラッピングや熨斗(のし)、メッセージカードなどギフトには欠かせないサービスが充実しているのが特徴といえます。
また、正確な配送日時指定や複数の送付先への分割配送など、ギフトならではの機能があるのも大きなポイントでしょう。
最近では、SNSやメールを通じてギフトが贈れる「eギフト」専用サイトも増えてきています。
ギフトECの市場規模は?
オンラインギフトサービスを運営する株式会社ギフトモールによる「オンラインギフト総研」が2020年8月~2021年9月に実施した調査によると、ギフト専門のECサイトで購入した人は前年の2019年8月~2020年7月の調査結果(21.6%)と比較して、25.8%に増えていることがわかりました。
また、株式会社矢野経済研究所が2021年に実施した「商品券・ギフト券/eギフト市場に関する調査」によると、eギフトの市場規模は2020年度の2,075億円から、2025年度には4,057億円に拡大すると予測されています。
上記の調査結果から、今後ギフトECを利用する人がさらに増えることが見込まれ、それに伴い市場規模も拡大するでしょう。
カジュアルギフトを贈れるソーシャルギフトの需要も高まっている
個人間での贈り物は、厳密にいうと「フォーマルギフト」「カジュアルギフト」の2つに分けられます。
前者の「フォーマルギフト」は、結婚・出産祝いやお中元・お歳暮、仏事の返礼など儀礼的な贈り物のことをいい、熨斗を付けるなど形式が決まっています。
一方、誕生日や父の日、母の日、クリスマス、バレンタインデーなどで、形式を気にせず身近な人に贈るギフトは「カジュアルギフト」と呼ばれます。
このカジュアルギフトを贈る際、相手の住所を知らなくてもメールやLINEなどのSNSを通じてギフトが贈れる「ソーシャルギフト(eギフト)」という方法が今、人気を集めています。
ソーシャルギフトサービスの中でも有名な「LINEギフト」は、2022年7月時点で累計ユーザー数は2,500万人超となっており、2021年の累計ユーザー数に比べ1,000万人増加するなど利用者が急増していると発表。
仕事を頑張っている友人への励ましや待ち合わせの遅刻に対するお詫びなど、LINEなどを通してカジュアルに贈り物ができることから、ソーシャルギフトの利用者は今後も増えていくでしょう。
以上のようにソーシャルギフトの需要が高まっているということからも、ギフトEC市場はこれから伸びていくことが予想されます。
ギフトECの作り方とは?構築する際に必要な6つの要素
もしギフトECのサイトを立ち上げたいと思った場合、下記のような6つの要素が必要になります。
- 1.複数の配送先設定
- 2.送付先を複数登録できるアドレス帳
- 3.ラッピング方法の選択
- 4.メッセージカードなどの同梱
- 5.用途に合った熨斗(のし)の準備
- 6.名入れなどのカスタマイズ対応
では、それぞれについて具体的に解説していきましょう。
1.複数の配送先設定
お歳暮や結婚祝いのお返しなど、ギフトを贈る際は一度に複数の住所に届けることがよくあります。
そのためギフトECでは、複数の商品を同時に購入し、商品ごとに別々の配送先を設定できる機能が必要不可欠といえます。
複数の配送先設定ができないと家族や友人、親戚、職場の上司などへのギフトを、購入者がそれぞれ別個に注文して何度も決済することとなり、大きな負担がかかってしまうでしょう。
なお1回の注文で複数の配送先を設定できる機能を付けた場合、届け先が増えた分だけ送料が加算される機能も必要です。
また、ラッピングや名入れを配送先ごとに変更するなどの対応も求められるでしょう。
2.送付先を複数登録できるアドレス帳
お歳暮やお中元などといったギフトの場合、送り先が毎回変わるということはなく、同じ住所へ届けることが多いでしょう。
そのため、複数の送付先をECサイトに登録できるアドレス帳があると、1回入力すれば次回以降の入力の手間が省けるので非常に便利です。
アドレス帳には、配送時に必要な氏名や住所、電話番号などを登録できるようにしておきます。
ユーザーがアドレス帳に送付先を登録して利用することで、リピート購入につながる可能性も高くなるでしょう。
3.ラッピング方法の選択
ギフトECでは、ギフトを贈る相手やシーンによってラッピングの配色や包装方法を選択できる機能も必須です。
幅広いバリエーションのラッピング方法を準備し、出来上がりのイメージも事前に確認できるなど実店舗に近い購入体験ができれば、ギフトにこだわりたいユーザーから支持されるでしょう。
季節に合わせたラッピングなどを準備すると、購入率アップにつながるかもしれません。
また、特別な日のギフト用の有償ラッピングを選んだ場合、購入金額に加算されるシステムも忘れずに構築してください。
4.メッセージカードなどの同梱
感謝の気持ちやお祝いの言葉などを一言添えてギフトを贈りたいという人は多いです。
そのため、ギフトECではメッセージカードの準備も欠かせない要素でしょう。
メッセージカードの種類や文字のフォントが選べるなどユーザーの選択肢を増やすことで、他社との差別化にもつながります。
また、生け花やドリップコーヒーなどをプラスアルファで付けられるギフトECもあります。
オプションを充実させることで、顧客満足度が上がるとともに購入単価のアップも図れるでしょう。
5.用途に合った熨斗(のし)の準備
お中元やお歳暮、出産祝いなどを贈りたい人にとって、熨斗(のし)が付けられるかどうかは重要なポイントです。
熨斗には、ラッピング(包装紙)の上からかける外熨斗と熨斗の付いた商品をラッピングする内熨斗の2種類があります。
外熨斗が一般的ですが、内祝いなどでは内熨斗が用いられます。
そのため、用途によって熨斗(のし)が選択できるようにしておく必要があるでしょう。
その際、外熨斗と内熨斗の用途をECサイト上でコラムとして解説すると、熨斗の使い方を知らないユーザーの滞在率を伸ばせるのでおすすめです。
6.名入れなどのカスタマイズ対応
贈る相手の名前をギフトに入れたり、色を選択できたりするカスタマイズ対応もギフトECならではのポイントです。
たとえば、タオルや名刺入れ、お財布などに名入れをしてプレゼントとして贈ることで特別感が出ます。
名入れの文字の大きさやフォント、色などを選択できる商品の場合、最終的にどのような商品になるのか完成イメージ図を準備すれば顧客も安心して注文できるので、購入を後押しできるでしょう。
以上がギフトECを構築するために必要な要素でした。
なお、ECサイトの作成方法についてさらに詳細を知りたい方は、こちらのECサイトの作り方・構築の手順に関する記事をご覧ください。
ギフトECを構築して成功させるコツ
ギフトECを構築する場合、需要のある商品を充実させる必要があります。また、梱包や包装にこだわり、他社と差別化を図ると売上アップが期待できるでしょう。
ここからは、ギフトECを構築して成功させる2つのコツについて解説していきます。
需要のある商品を充実させる
先ほども取り上げた、株式会社ギフトモールの「オンラインギフト総研」が2020年8月~2021年9月に実施した調査によると、今後オンラインギフトでは、ケーキやスイーツ、グルメ、お酒、ジュース・ドリンク、ペット用グッズの人気が出ることが予想されています。
このことから、需要が高いカテゴリーの商品を充実させることはギフトECを成功させるコツの1つといえます。
たとえば、「デコレーションでメッセージが手紙のようにたくさん書けるケーキ」や、「まるで生け花のような食べられるボックスフラワーケーキ」など、見た目にインパクトがありギフトならではの商品などは需要があるでしょう。
また、たとえば「料理のレシピとその料理に合った日本酒のセット」など、人気のあるカテゴリーで、ギフトならではの切り口の商品を充実させるのもポイントです。
人気のあるカテゴリーを分析し、ギフトとして喜ばれる他にはないオリジナルのアイディア商品を考えてみましょう。
梱包や包装にこだわり他社と差別化する
ギフトを受け取る相手が一番初めに目にするのは梱包(包装)であるため、ギフトECにおいては非常に重要です。
商品を包むラッピングのデザインが魅力的であると、贈り物としての特別感が増します。
そのため、用途や季節に合わせたバリエーション豊かな包装にこだわり、ラッピング後の画を商品画像にもきちんと掲載することで、売上アップも期待できるでしょう。
また、通常の段ボールではなく、たとえば内側にイラストが描かれたギフト用段ボールなど配送資材を利用することで、受け取り手に喜んでもらえるだけでなく、梱包費用のコスト削減にもつながります。
ギフトECを構築する際の注意点
ギフトECを構築する際は、代引き払いを設定できないようにする、送り間違いなどのミスが起きないようにするなど気を付けなければいけないことがあります。
最後に、ギフトECを構築する際の2つの注意点をご紹介していきます。
代引き払いを設定できないようにする
ギフトでは必ず送り主が商品を購入するので、支払い方法として受け取り相手が支払う「代引き」は選択されません。
そのため、ギフトECを構築する際に、支払い方法の選択肢から代引きを除外する必要があります。
購入者自身が誤って代引きを選択しないように気を付けるのはもちろんなのですが、もしものためにシステムで選択できないように制御するほうが親切でしょう。
システムの設定上、選択肢から代引きを除外できない場合は、目立つ場所に注意書きを添えておくことをおすすめします。
贈り物が台無しになってしまわないためにも、この点には店側が十分に配慮しましょう。
送り間違えなどミスが起きないようにする
ギフトの用途や内容、メッセージなどはギフトの送付先によってそれぞれ異なります。
そのため、とくに複数の送付先への発注を受けた場合は、絶対に送り間違いのないように注意することが大切です。
送付先や商品に誤りがあると、ギフトを贈った人・受け取った人双方の気持ちが台無しになり、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
注文~配送までの作業で自動化できる部分はできる限り自動化し、ミスが起きない体制作りを徹底することが重要でしょう。
まとめ
今回は、ギフトECとはどのようなものか詳しく解説しました。
インターネットの普及により現在ギフトも多様化し、SNSなどで気軽に贈れるギフトも人気があることから、今後ギフトECの市場規模は拡大することが予想されています。
ギフトECを構築する際は、複数の配送先設定など必要な要素をしっかりと押さえることが大切でしょう。
また、需要がある商品を充実させ、梱包や包装にこだわることが成功の秘訣です。
ギフトECを構築する際は、ギフト用の機能も充実しているカラーミーショップをぜひご利用ください。
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