自身で作詞・作曲して音楽を制作するのが趣味の人であれば、誰でも一度は「販売してみたい」と考えるのではないでしょうか。
個人での音楽の販売は、音楽配信サイトやネットショップ、スキル販売サイトに登録するなどネットを使った方法がいくつかあります。
そこで今回は、副業として個人で音楽を販売する方法やおすすめの音楽販売サイトを紹介するとともに、販売のコツや注意点についても解説していきます。
僕が作った音楽でもネットを使えば売れるのかな?
副業として個人で音楽を販売する方法はいくつかあります。今回はそのやり方や、音楽の販売におすすめなサイトも紹介していきますね。
音楽を販売する5つの方法
個人で作詞・作曲した音楽を販売するには、下記の5つの方法が考えられます。
- ・音楽配信サービスを利用して販売する
- ・音楽のストックサービスで販売する
- ・スキル販売サイトで受注販売する
- ・ネットショップを開設してダウンロード販売する
- ・ライブ配信を行う
では、それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。
音楽配信サービスを利用して販売する
音楽配信サービスとは、音楽の配信を専門に行っているプラットフォーム(サイト)です。
自身の楽曲を配信したい人は音楽配信サービスを利用することで、Apple MusicやGoogle Play Music、Spotifyなど、さまざまな音楽ストリーミングサービスに配信できます。
音楽配信サービスを利用する場合、年や月単位で利用料金を支払うパターンと、登録自体は無料なものの、売り上げた際に手数料が引かれるパターンがあります。
一定の利用料金を支払うパターンでは売れなくても利用料が取られるので、自身や楽曲の知名度が低いうちは赤字になる可能性が高いです。
そのため音楽配信サービスの利用料や還元率を事前にしっかりチェックしましょう。
音楽のストックサービスで販売する
音楽配信サービスと似たようなサービスに音楽のストックサービス(サイト)があります。
ストックサービスであるため、まずは自身が制作した音楽を登録します。
その後、ライセンス販売という形で、設定した使用料と購入・ダウンロード数に応じた印税を報酬として得る仕組みです。
音楽配信サービスは主に歌詞が付いた曲がメインですが、音楽ストックサービスでは動画やゲームのBGMや効果音などの音源を求めるユーザーに利用されることが多いのが特徴です。
なお音楽のストックサービスで音楽を販売したとしても使用権を譲渡するだけで、著作権は自身にあるため、作品をその他の方法で利用しても問題ありません。
ライセンス販売する際には事前に審査があるケースも多いため、ある程度のクオリティが求められるでしょう。
スキル販売サイトで受注販売する
ココナラのようなスキル販売サイトでオーダーを受けて作曲し、音楽を販売することもできます。
音楽のスキル販売では作曲の受注だけでなく、編曲などのアレンジの依頼もありますが、オリジナル楽曲を提供するほうが高い価格で販売できるでしょう。
また、著作権を譲渡して販売する場合は1回のみの販売となりますが、相場よりも高く売れます。
プロフィール欄にどのようなジャンルの作曲が得意かなど具体的に記載しておくとともに、わかりやすいサンプル曲も準備しておくと受注が増えるでしょう。
実績がなくまだ評価がついていないうちは、同じような内容のスキル販売を参考に価格を下げるなど、工夫することも大切です。
ネットショップを開設してダウンロード販売する
カラーミーショップなどのネットショップ作成サービスを利用してネットショップを立ち上げ、ダウンロード販売することも可能です。
ネットショップは、食品や雑貨など形のある商品しか売れなそうなイメージですが、音楽やイラストなどをデジタルコンテンツとしてダウンロード販売することもできます。
ダウンロード販売であれば物理的な在庫を抱えるリスクなく、配送の手間もないのでネットショップで扱える商品の中では、リスクの低い商品といえるでしょう。
また、初期費用・月額利用料無料のネットショップ作成サービスを利用すれば、音楽がダウンロードされた場合にのみ数%の決済手数料が発生するため、初心者でも安心して音楽販売ができます。
ただし、ネットショップで音楽を販売する場合、ショップを作っただけでは誰にも訪れてもらえないので、SNSで告知するなど自身で集客をする必要がある点に注意が必要です。
ライブ配信を行う
ライブ配信アプリを使用することで、オンラインで音楽を配信し、収益を得ることもできます。
報酬はアプリによって異なりますが、基本的には「投げ銭」、いいねやコメントの数などで決まります。
スマホひとつあれば、気軽に始められるため初心者に向いているといえるでしょう。
人気ライバーともなれば、高収入が期待できます。
また、ある程度アーティストとして人気が出ている場合は、YouTube Liveなどでの課金制のライブ配信がおすすめです。
知名度が低い場合、ライブ配信は無料で行ってまずは知名度を上げていくほうがよいでしょう。
音楽を販売するおすすめサイト7選
音楽を販売するサイトを選ぶ際には、誰向けに売るのか、どのような方法で売るのか、費用はどのくらいかかるのかなどを検討する必要があります。
ここからは、音楽を販売するのにおすすめな7つのサイトの特徴や料金をご紹介していきます。
TuneCore
TuneCoreは、自身の楽曲を一括で配信できる音楽配信サービスです。
TuneCoreに登録し、年間の利用料を支払うことで、Apple MusicやGoogle Play Music、Spotifyなど185か国・55以上のプラットフォームに楽曲を配信できます。
年間の利用料は、シングル1枚につき1,551円、アルバムで5,225円(2022年7月現在)です。
最大の特徴は、年間の利用料を支払えば、楽曲が売れた際に配信プラットフォームの手数料を差し引いた収益が100%還元される点。
配信後も楽曲の権利は保持でき、作品の制作に携わった関係者に収益を自動で分配できるシステムもあるため、本格的に音楽の配信を始めたい方やグループで音楽活動をしている方におすすめです。
Bandcamp
Bandcampとは、2008年から提供されているアメリカの音楽販売・配信サービスで、自身の楽曲を直販できます。
アカウントの作成は無料ででき、楽曲の売上の15%と支払手数料が差し引かれた金額が収益となります。
販売価格の設定や変更は自由で、固定価格で販売するか、最低価格を設定し購入者が任意の金額で購入するかの2パターンが選べます。
ただしサイトの一部は日本語に対応していないため、Google翻訳などを活用して利用することをおすすめします。
また売上を伸ばすためには、アカウントのフォロワーを増やし、メッセージなどでコミュニケーションを図ることが大切でしょう。
Audiostock
Audiostockは、自身の楽曲をライセンス販売できる日本最大級の音楽ストックサービスです。
設定された使用料と購入・ダウンロードの額に応じて印税が受け取れ、収益は売上金額に対して40%以上となっています。
Audiostockに登録した楽曲は、使用権を譲渡するだけで著作権は自身にあるため、楽曲をその他の目的で使うことも可能です。
YouTubeなどの普及に伴い、映像のBGMの利用の需要が高まっているため、個人の副業として一定の収益が得られる可能性があるでしょう。
また、Audiostockを介してApple Musicなどの配信プラットフォームへの音楽配信や、TikTokなどへの楽曲提供も可能です。
ライセンス販売する際は審査があるため、レコーディングスタジオで収録するなど曲の完成度を高める必要があるでしょう。
BOOTH
クリエイターとして創作した作品が販売できるマーケットプレイスであるBOOTHは、音楽をデジタルコンテンツとしてダウンロード販売できます。
イラスト・漫画のSNSであるpixivと連携していることもあり、アニメやゲーム系の音楽やボカロの曲などが多く出品されています。
月額固定費は無料で、販売価格+送料の5.6%+22円がサービス利用料として差し引かれ仕組みです。
販売価格に任意の価格を上乗せした金額で購入してもらえるシステムもあるため、まずは自身の楽曲のファンを増やすことが大切でしょう。
ココナラ
CMでもおなじみのココナラは国内最大級のスキル販売サイトで、楽曲の作成依頼を受注したり、完成品を販売したりすることができます。
最低出品価格は500円ですが、オーダーに応えてオリジナル楽曲を制作する場合や、著作権を譲渡して販売する場合は1万円以上の価格設定でも購入希望者はいるでしょう。
販売手数料は出品価格の22%となっているため、楽曲の制作にかかる費用を含めても利益が出るように価格設定することがポイントです。
スキル販売は現在注目を集めており、ココナラのユーザー数も多いため、需要があるカテゴリの楽曲に絞れば、多くの受注が見込めるといえます。
ただし、ユーザー数が多いため競合も多く、収益化するまでにはある程度の時間がかかるでしょう。
カラーミーショップ
カラーミーショップは国内最大級のネットショップ作成サービスです。
音楽を販売する場合は自身でネットショップを開設し、デジタルコンテンツとしてダウンロード販売することになります。
初期費用・月額利用料無料のフリープランを利用すれば、楽曲が売れた場合にのみ決済手数料が6.6%+30円(Amazon Payは6.5%+30円)かかる仕組みです。
ネットショップの作成自体は無料ででき、楽曲が売れるまでは費用が発生しないうえ、手数料も数%と他のサービスと比較して低い点が大きなメリットといえるでしょう。
また、無料・有料問わずネットショップ作成サービスの多くは、デジタルコンテンツの同時購入ができません。
そのような場合、ユーザーは購入をあきらめてしまうか、もしくは1曲のみ購入することになってしまいます。
ですがカラーミーショップでは、ユーザーがデジタルコンテンツを同時に複数購入することが可能であるため、客単価アップが見込めるでしょう。
音楽の販売が初めてで「売れるかどうかわからない」と不安な人でも、とりあえずフリープランを利用してネットショップを作成しておくと販売機会が増えるので、ぜひ挑戦してみてください。
さらに詳しく知りたい方は、カラーミーショップのサービス資料もご用意しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
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SHOWROOM
SHOWROOMとは、スマホやPCから誰でも気軽にライブ配信が行えるストリーミングサービスです。
利用している年齢層は10代~20代と若く、配信者は女性が多いのが特徴で、視聴者数やコメント数、視聴者からのギフトで集まったポイントの約30%が収益となります。
初めての配信では視聴者は集まりにくいですが、初心者の配信を応援するイベントも開催されているため、イベントに参加してアピールすることが大切でしょう。
個人で活動している「アマチュア」アカウントから、企業にサポートされる「公式」アカウントに昇格することで収益が増えます。
他のライブ配信サービスと比較してSHOWROOMは公式アカウントが多いため、「公式枠昇格イベント」などに参加しランキング上位を狙いましょう。
音楽を販売して稼ぐコツ
個人で副業として音楽を販売して一定の収益を得るためには、いくつかのコツがあります。
ここからは、音楽を販売して稼ぐ3つのコツをご紹介していきます。
複数の方法で並行して販売する
上記で音楽の販売方法やおすすめのサイトをご紹介しましたが、自身の音楽や制作コストに合ったサービスを最初から見つけるのは難しいでしょう。
そのため、最初から一つの方法に絞らず、複数のサービスに登録することをおすすめします。
複数のサービスに登録することで楽曲を聴く人も増えるため、購入してもらえる可能性が高くなるでしょう。
また、サービスによって利用者の年齢層や利用目的などが異なるため、あるサービスで人気が出なくても違うサービスではよく売れるということもあります。
販売を始めた直後は複数のサービスに登録し、自身の楽曲がどのサービスのユーザーに好まれるかを見定め、徐々に販売方法を絞っていきましょう。
SNSなどを使って集客をする
音楽の販売で稼ぐためには、SNSなどを使って集客することも重要です。
とくに音楽販売では、短い動画を投稿するTikTokとの相性がよいでしょう。
その理由として、TikTokは「動画に合わせて投稿したくなる楽曲」であれば、バズりやすいからです。
TikTokで公開した自作の曲を、多くのユーザーがカバー曲として使用したことで徐々に知名度が上がっていき、その後、曲自体が爆発的なヒットにつながった例もあります。
その他のSNSと比較しても、TikTokはアーティストの知名度に関係なくユーザーに拡散されやすいため、積極的に活用しましょう。
また、TikTokの投稿をリンクとしてTwitterで告知するのも効果的です。
最初から売れなくてもあきらめずに続ける
アーティストとして知名度が高ければ、楽曲販売を開始した直後から売れる可能性がありますが、個人で音楽を販売する場合、基本的には販売が開始されていること自体なかなか周知されません。
そのため、音楽販売で収益を得るためには、ある程度の時間がかかることを念頭に置いておきましょう。
TikTokをはじめとするSNSは拡散性が高いため、ある日一夜にして有名になり、楽曲がヒットすることもあります。
ですが売れないからといって活動を止めてしまうと、全く人の目に留まらなくなってしまいます。
売れなくても諦めず、地道に続けていくことが収益化の大きなポイントです。
音楽を販売する際の注意点
音楽を販売する際は、著作権を侵害しないように気を付けなければいけません。
また、副業として一定の収入を得た場合、確定申告をする必要があります。
最後に、個人が副業として音楽を販売する際の注意点を2つご紹介していきます。
著作権を侵害しないよう理解しておく
音楽を販売する際に気を付けなければいけないのが、著作権の侵害です。
著作権とは、創作物の著作者が持っている権利で、音楽においては楽曲の他に歌詞も含まれます。
著作権を侵害した場合、罰則が科せられるだけでなく、訴訟に発展することもあるため、トラブルを避けるためにも、誰かが作った曲をマネして作るようなことは止めましょう。
また、事前に著作権についての基礎知識を身につけることも大切です。
20万円以上の収益を得たら確定申告する
副業としての収入が1年間で20万円を超える場合、確定申告をする必要があります。
この20万円とは、音楽販売で得た所得金額から必要経費を差し引いた金額です。
たとえ売上が20万円以上だったとしても経費の額によっては確定申告の必要がなくなるため、音楽の収録で必要となった機材の費用や収録のためのスタジオ代などの領収書は保管しておきましょう。
音楽販売で大きな利益が見込まれる場合には、確定申告書の作成など事前に準備を進めておくことをおすすめします。
確定申告はいくらからなのかや、やり方、何が経費になるのかについては下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、個人で副業として音楽を販売する際の方法やおすすめのサイトについて詳しく解説しました。
音楽販売は誰でも気軽に始めることができ、初期費用もかからないのが大きな魅力ですが、競合も多く、収益化するには時間がかかるのも事実です。
音楽配信サイトやダウンロードサイトで販売する際にはある程度のクオリティが求められるため、自身でネットショップを立ち上げダウンロード販売したり、ライブ配信を行ったりするほうが収入を得やすいでしょう。
ネットショップを開設する際は、初期費用・月額利用料無料のカラーミーショップのフリープランをぜひご活用くださいね。
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