Instagramを中心としたSNSで適切にコンテンツを訴求するための撮影技法講座の第4回。
今回は撮影テクニックからは少し離れて、Instagramで訴求する際に意識したいポイントのお話をします。
撮影テクニックの上達はもちろん大切ですが、チャネルの適性に合わせて写真をカスタマイズしていくテクニックも必要になりますよね。
そこで、Instagramでの訴求に適した商材ジャンルや撮影のコツ、実際に活用しやすい小物などをご紹介していきます。
目次
1. Instagramに適した商材かどうかを見極めよう
「Instagramでの訴求に適した商材かどうか」は極めて大きなポイントです。例えば以下のようなサービスを少し考えてみましょう。
- ● 商品自体が無形物 … コンサルタントや弁護士など、有形物でないサービスの場合はビジュアル訴求よりもテキスト訴求に適しています。
- ● 商品のバリエーションが少ない … ブランドやサービスに商品が少ないと毎回似たような写真になりがちです。
この条件にあてはまる商材は、Instagramでの訴求が少し難しいかもしれません。
2. Instagramではビジュアル訴求が求められる商材を
Webマーケティングにおけるコンテンツは、画像や動画などといった「視覚的・聴覚的に訴求するほうが効果的なもの」と「テキストで訴求するほうが効果的なもの」に分かれます。
当然Instagramでは、視覚的な訴求が求められます。
あなたの訴求したい商品にビジュアル訴求が求められているかどうか、また訴求が継続可能な商品ラインナップであるかどうかをしっかりと意識してみてください。
ここからは特にビジュアル訴求に適したジャンルと、気をつけたいポイントをご紹介していきます。
3. ファッション系
ブランディングや世界観の表現が求められるため、ファッション系商材はInstagramとの相性は特にいいと言えます。
3-1. ファッション系の訴求で気をつけたいポイント
服にしてもバッグにしても、商品サイズが少し大きいのが一番の難点です。特に上からのアングルのカットなどでは三脚などが必要になる可能性も。
一枚の写真で素材感・世界観も含めたすべてを表現しようとすると、商材の大きさと比例して被写体とカメラマンとの物理的な距離がマストになります。レンタルスタジオを借りてトライするのもアリですが、費用をどうしても最低限に抑えたい場合は、まずは撮影スポットを見つけることが優先されます。
また、服は折り皺(畳み皺)がつきやすいのにも注意しましょう。自然なシワ感はアリですが、畳んでいた際のくっきりとしたシワは取り除きたいところ。スチームアイロンなどでしっかりケアしてから撮影に臨んでみてください。
4. アクセサリー・雑貨系
Instagramでも特に撮影しやすいのが雑貨系。商品も小さい場合が多いため、多様な世界観を表現することができます。
4-1. アクセサリー・雑貨系の訴求で気をつけたいポイント
商材がやや小ぶりのため、小道具で写真にアクセントを加えやすいというメリットはありますが、逆に写真がゴチャゴチャしてしまったり、似たような距離感の写真ばかり撮ってしまうことがあります。
いざ投稿をスタートしてみると、意外とうるさいギャラリーになってしまい、商品のイメージが安っぽく見えてしまうことも…。
アカウント全体のイメージをしっかり意識した上で、シンプルな写真と賑やかな写真を織り交ぜてメリハリをつけるよう心がけてみてください。また、背景色をある程度統一するのもおすすめです。
5. 美容・ヘルスケア系
世界観の訴求が特に求められるのが、シャンプー、化粧品をはじめとした美容・ヘルスケア系のアイテムです。アクセサリーや雑貨と同様、小さめな商材が多いこともメリットといえるでしょう。
5-1. 美容・ヘルスケア系の訴求で気をつけたいポイント
撮影自体で気をつけたいポイントはアクセサリーや雑貨系商品の時とほぼ同じですが、ここで少し気をつけたいのが撮影以外のポイント。美容・ヘルスケア系はビジュアル訴求以外にもテキスト訴求も効果的です。
ただキレイな写真をアップしているだけだと、フォローする理由としては少し薄くなってしまうこともあります。
「その商品にはどのような成分が含まれていて何に効果的なのか」といった使用のメリットなど、キャプション(※)の充実性が求められる傾向があります。
6. 食品・スイーツ系
飲食店ではもちろんのこと、家電・美容系などにおいても幅広く活用できるのが食品の写真です。アカウント同士の交流も盛んなため、高いエンゲージメントを獲得しやすいジャンルでもあります。
6-1. 食品・スイーツ系の訴求で気をつけたいポイント
何と言っても魅力的なレシピ、見栄えの食事を作れるかどうかが一番のポイントです。
飲食店の場合、料理のクオリティは問題なくクリアできると思いますが、店内照明の下で撮影するとどうしても平坦な写真になりがち。撮影の際の「光の使い方」に注意しましょう。
食品メーカーや家電・美容系などではアレンジレシピが中心に。どのぐらいの頻度で料理系を投稿するかといったスケジュール感の管理も必要になります。
また、キャプションの充実性も大事なポイントです。レシピや健康・美容への効果などなど、アカウントの方向性に合わせてキャプションをうまく工夫してみてください。
7. 撮影の際に重宝するおすすめ小物アイテム
Instagramでいわゆる「映え」を狙うためには商材以外にも撮影用の小物を用意しておきたいところ。ここからは撮影のジャンルを問わず、あると重宝する小物をご紹介していきます。
7-1. 生花
写真のアクセントとして大活躍してくれるのが生花です。
特に女性向けを意識した商材なら必須で用意しておきたいところ。また季節感の表現にも適しているのがポイントです。
雑貨屋さんではフェイクフラワー(造花)なども気軽に手に入れられますが、やはり生花のみずみずしさには一歩劣る印象があります。可能であれば撮影に合わせて用意してみてください。
7-2. ドライフラワー
秋冬で特に効果的なのがドライフラワー。
女性向け商材だけでなく男性向け商材にもマッチしてくれる便利なアイテムです。生花とは異なり、一度用意すれば長く使い続けられるのがメリット。
7-3. 流木や木の板などウッド系のアイテム
メンズ向けかと思いきや、かなり幅広いジャンルの商材とマッチするのがウッド系のアイテム。
流木をゴロッと置いて無骨な印象にするも良し、木の板の上にアクセサリーやコスメなどを置いて生活感を演出するのも良し。写真の印象にメリハリをつけてくれるおすすめのアイテムですが、使いすぎには気をつけましょう。
7-4. 観葉植物
観葉植物も年間を通して活用しやすいアイテム。グリーンカラーは写真によいアクセントを与えてくれます。モンステラなど夏に効果的なものもあるので、季節ごとに植物を使い分けるのもおすすめ。
7-5. 背景用の布や板、シート
背景のカラーを統一するのはアカウントの世界観を作るのに効果的。
白を基調としたい場合は、白い木目はもちろん、麻布などでも代用可能です。同系色をベースに異なる素材感を何パターンか用意しておくと便利でしょう。
湿気などで曲がってしまったり、シワがついてしまったりすることがありますので、背景用のアイテムは丁寧な保管が必要です。
まとめ
今回はビジュアル訴求のできる商材かどうかを見極めること、継続可能性に目を向けることを前提に、商材ごとの撮影で気をつけたいポイントやおすすめの小物をご紹介しました。
魅力あるアカウント、魅力あるブランドにするためには、撮影商材に合わせて小物を用意することを怠らず、妥協せずに継続的にアカウントを構築していくことが大切です。
合わせて読みたいシリーズ記事
- ● いい写真を撮るコツと心構え・理論とは【プロから学ぶ!Instagram撮影講座①】
- ● ユーザーに刺さる!写真撮影に欠かせない構図のコツ【プロから学ぶ!Instagram撮影講座②】
- ● 光を活かした撮影を。写真を引き立てるライティングのコツ【プロから学ぶ!Instagram撮影講座③】
【記事監修】
デジタル領域を軸としたマーケティング、ブランディング戦略を得意するクリエイティブカンパニー、株式会社B.O.S専務取締役。WEBマーケティング全般のコンサルティングをはじめ、自身でのフォトグラファーとしての経験を活かしてInstagramマーケティングのセミナー講師などとしても活動中。