Instagramを中心としたSNSで適切にコンテンツを訴求するための撮影技法講座。
第3回は「光」について、写真を引き立てるライティングのコツのお話です。
テレビでよく見かけるモデルの撮影シーンや、ネットショップに掲載されているキレイな商品写真などを思い浮かべると、光の使い方は難しいものに感じられてしまいますよね。
もちろん写真の種類によって使い方は大きく異なりますが、Instagramにおすすめのテクニックなら、実はそう難しくありません。
今回はInstagramで世界観を活かすために、光をどのように捉えるべきか考えていきましょう。
目次
1. なぜ光の使い方、ライティングが大事なのか
第1回、第2回でも触れましたが、「被写体=言葉」「光=語彙」「構図=文法」のようなものだということをしっかり意識しましょう。
この3要素の中でも、特に「光」は世界観に大きな印象を与えるポイントです。
クールなイメージに仕上げるのも、柔らかいイメージに仕上げるのも光次第。被写体と構図を完璧にしても、光の使い方を疎かにすると残念な写真になってしまう可能性があります。
2. アカウント上の光の使い方を統一しよう
写真のトーンが統一されているInstagramアカウントと、そうでないアカウント。前者の方がアカウントの世界観を伝えやすいことは言うまでもありません。
背景色やイメージを統一することも大切な要素ですが、光の加減の統一も実はかなり大きなポイントです。
背景を白で統一していても、フラッシュを使用した写真と自然光の写真と蛍光灯の下で撮った写真が混在していると、ちょっとギクシャクしたアカウントになってしまいます。そのためアカウントで使う光の種類はしっかりと決めておきましょう。
3. ストロボもアリ。でもInstagramの写真は自然光がおすすめ!
商品を探しに訪れるネットショップとは異なり、Instagramは世界観を楽しみに訪れる傾向が強いチャネルです。
フラッシュやストロボを使ったいわゆる「商品の置き撮り写真」が並んでいると、ギャラリーとしては少し魅力に欠けてしまうかも。また、光を当てると必要以上に陰影ができてしまうため、世界観を表現する小物などが使いにくくなってしまいます。
ここで注目したいのが自然光。
人々が日常の中で気にせず触れている「自然光」が生み出すさりげない陰影を活用することで、より共感を生みやすくなります。
4. 蛍光灯など、自宅の光の中での撮影は△
写真のライティングは、表現したい内容と共に考えられます。ですので「良い光」や「悪い光」といったものはありません。ですがInstagramに限って言うと、自宅の蛍光灯などの下で撮影を行うのはあまりおすすめできません。
なぜなら、被写体全体に上から光が当たって平坦な仕上がりになってしまうから。
瞬間で強い光を当ててはっきりとした陰影を生み出すストロボやフラッシュを使った写真、ナチュラルな雰囲気で世界観を表現しやすい柔らかい自然光を使った写真と比較すると、どうしてもチープな印象になってしまいやすいのです。
5. おすすめの光の扱い方
Instagram上で商品や料理を撮影するときは、撮影する場所にも気を配りたいところ。
光の扱い方はこの3つを意識してみてください。
- ● 順光
- ● 逆光
- ● サイド光(斜光・半逆光)
5-1. 被写体の色や形をはっきり出したい場合は「順光」
「順光」とは、被写体に正面から光を当てることをいいます。
光源 → 撮影者 → 被写体 の順番で光が当たります。
被写体に向かって真正面から光が当たるので、色や形がはっきりした写真に仕上がるのが特徴。また、被写体に影が出来にくいのもメリットです。
ですが、立体感や奥行きには乏しく、やや平坦な雰囲気になったりカメラマンの影が入りやすいのが難点。立体感を出すのにはあまり適していません。
5-2. 柔らかい雰囲気に仕上げたい場合は「逆光」
順光に対して真逆な位置関係になるのが「逆光」です。
光源 → 被写体 → カメラ の順番で光が当たります。特に料理や花などのみずみずしさやツヤ感、シズル感などが表現しやすい手法です。
ですが、配置に気をつけないと被写体が暗くなってしまったり、写真が白っぽくなる「ハレーション」が発生しやすいというデメリットもあります。
5-3. 自然な雰囲気に仕上げたい場合はサイド光(斜光・半逆光)
次は、被写体の横方向から光が当たる「サイド光」。
光源 → 被写体・カメラ という順番で光が当たります。Instagramのアカウントで使いやすいのもこのサイド光です。「サイド光」のほかに「斜光」や「半逆光」とも呼ばれていますが、それぞれ微妙に定義が異なるようです。
- ● 斜光: 被写体に対して「正面・真後ろ以外」
- ● サイド光: 被写体に対して「90度(真横)」
- ● 半逆光: 被写体に対して「真横と真後ろの間くらい」
少しわかりにくいかもしれませんが、順光のポジションから、カメラマンが被写体の横に移動して撮影するイメージです。
「柔らかく影が出やすい」「メリハリ・立体感が出やすい」といった点がメリットですが、逆に「側面に影が出やすい」というデメリットも挙げられます。
高さのある被写体の場合は、逆光で撮影するなどの工夫が必要です。
まとめ
今回は、撮影技法の中でも特に大切な「光の使い方」をご紹介してきました。
光の使い方にはさまざまな種類がありますが、まずは今回ご紹介したライティングを意識して撮影をしてみてくださいね。
上手に光を捉えられた時の写真は、より魅力的に見えるはずですよ。
【記事監修】
デジタル領域を軸としたマーケティング、ブランディング戦略を得意するクリエイティブカンパニー、株式会社B.O.S専務取締役。WEBマーケティング全般のコンサルティングをはじめ、自身でのフォトグラファーとしての経験を活かしてInstagramマーケティングのセミナー講師などとしても活動中。