ネットショッピングなどで、宅配便を利用するケースは多いと思います。その代金の支払方法は、クレジットカード決済やコンビニ決済、代金引換などさまざまです。
今回は数ある支払い方法の中から、宅配業者が商品を届ける際に、購入者である受取人から代金を回収する「代金引換」のメリットや着払いとの違い、利用時の注意点について解説していきます。
僕はよくネットショッピングするんだけど、支払い方法っていっぱいあるよね。代引きを選ぶとどんなメリットがあるのかな?
代引きは商品を確認してから料金を支払えるなどのメリットがあります。今回は、代引きとはどのような支払い方法なのか詳しくご紹介します。
目次
代金引換とは?実は人気の支払い方法
代金引換は略して「代引き」ともいい、ネットショップなどで商品を購入した際に、販売業者に代わって宅配業者が商品の代金を回収するサービスです。
購入者は商品の代金を宅配業者に支払い、商品を受け取ります。その際、購入者は宅配業者に代引き手数料や送料もあわせて支払うのが一般的です。
支払いは現金払いが主流ですが、最近ではクレジットカードやデビットカード、電子マネーでの決済ができる宅配業者も増加しています。
また、代金引換はネットショップの支払い方法でいまだ人気の方法です。
下記は、カラーミーショップで2023年に利用された決済方法の割合をまとめた円グラフです。
これによると、代金引換はクレジットカード決済、銀行振り込み、ID決済に次いで4位と、まだまだ利用されることが多い人気の決済手段となっています。
代金引換と着払いはどう違うの?
代金引換とは、宅配業者が商品を届ける際に、販売会社の代わりに購入者から商品の代金を回収し、その後販売会社に代金を振り込む決済方法です。
一方で着払いとは、商品と引き換えに購入者が宅配業者に「送料」を支払う方法です。
商品の代金はあらかじめ販売会社に支払っているので、商品を受け取る際にその送料のみを宅配業者に支払います。
つまり代金引換では「商品の代金+送料+代引き手数料」を支払うのに対し、着払いは「送料」のみを支払うという違いがあります。
代引きのやり方とは?各社の手数料も比較!
代引きの場合、受け取る側は宅配業者から商品が届けられた際に、基本的には現金で商品の代金や送料、代引き手数料の合計を支払います。
商品を発送する側のショップは、モール型ECやカラーミーショップなどのネットショップ作成サービスを利用している場合、それぞれのサービスで「代引き」の設定をします。
それらのサービスを利用していない場合、各宅配業者へ代引きの利用の申込み手続きが必要となります。
基本的な流れとして、各宅配業者のホームページで申込みをした後、審査を経て、申込書に押印すれば、利用を開始することができます。
各社の代引き手数料は、下記の表の通りです。
ヤマト運輸 | 佐川急便 | 西濃運輸 | 日本郵便 |
330円 (1万円未満) |
330円 (1万円以下) |
440円 (3万円以下) |
290円 (3万円以下) |
440円 (3万円未満) |
440円 (3万円以下) |
660円 (10万円以下) |
290円 (10万円以下) |
660円 (10万円未満) |
660円 (10万円以下) |
1,100円 (20万円以下) |
290円 (20万円以下) |
1,100円 (30万円以下) |
1,100円 (30万円以下) |
2,200円 (30万円以下) |
290円 (30万円以下) |
– | 2,200円 (50万円以下) |
3,300円 (40万円以下) ※カンガルー特急便のみ |
710円 (30万円超) ※30万円超で必須のセキュリティーサービス代420円込 |
– | 6,600円 (60万円以下) |
4,400円 (50万円以下) ※カンガルー特急便のみ |
– |
– | 7,700円 (70万円以下) ※500万円が上限で以降10万円ごとに+1,100円 |
9,900円 (100万円以下) ※カンガルー特急便のみ |
– |
※価格はすべて2024年3月時点の税込み価格
代引きの料金が高くなると、各企業ではその他の手数料が発生することがありますので、利用する前に配送会社へ確認することをおすすめします。
また、代引きの料金が5万円を超えると基本的に印紙代が発生することも把握しておきましょう。
購入者が代引きを導入するメリット・デメリット
購入者が代引きを利用する際には、商品を確認してから支払えるなどのメリットがある一方、代引き手数料が発生するなどのデメリットもあります。それぞれについて見ていきましょう。
メリット
購入者が代引きを利用するメリットとして、下記のようなものが挙げられます。
- ・商品を確認してから支払える
- ・サイトからの情報漏洩を防げる
内容について具体的に説明していきます。
商品を確認してから支払える
代引きは、届いた商品と引き換えに代金を支払うため、代金を支払ったのに商品が届かないなどのトラブルを回避することができます。
悪質なネットショップにあたってしまうと、商品の購入時にクレジットカードで支払ったにもかかわらず、届かないということも、なかにはあります。
ですが代引きの場合は商品が発送され、手元に商品が届いた際に宅配業者に商品の代金を支払うので、商品が届かなかった場合は代金を支払う必要がなく、未然にトラブルを防げます。
代引きは、購入者にとって安心の決済方法といえるでしょう。
サイトからの情報漏洩を防げる
ときどき、「企業のサイト内に登録された個人情報が数万件漏洩した」などのニュースを耳にすると、自分の情報が意図せず他人に渡ってしまうリスクは避けたいと思いますよね。
その場合、どのサイトも利用しないというのが一番の対策かもしれませんが、今や当たり前となったネットショップでの買い物ができなくなるのも不便です。
クレジットカード決済でネットショッピングする場合、カードの情報のサイトへの登録は避けられませんが、代引きの場合はその必要がありません。
そのため、代金引換は情報漏洩やセキュリティの観点からも安心して買い物ができるでしょう。クレジットカードの不正利用などの心配もありません。
デメリット
購入者が代引きを利用するメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。
- ・代引き手数料が発生する
- ・必ず在宅して受け取らなければならない
では、その内容を詳しく説明していきます。
代引き手数料が発生する
代引きを利用する際には、代引き手数料を支払う必要があります。代引き手数料とは、商品の代金や送料とは別途で宅配業者に支払う手数料です。
代引き手数料の金額は購入金額などによって異なるため、事前に確認した方がよいでしょう。一般的に、購入額が高いと手数料も高くなります。
ただネットショップによっては、一定額以上購入すると代引き手数料が無料となる場合もあります。
必ず在宅して受け取らなければならない
代引きは、商品を受け取る際に代金を支払うため、購入者や代理人が必ず在宅していなければいけません。
クレジットカード決済などのように事前に支払いが済んでいないため、置き配や宅配ボックスの利用ができないことにも注意が必要です。
代引きを利用する際は、在宅して受け取れる日時を指定しましょう。
ネットショップが代金引換を導入するメリット・デメリット
商品を発送する側のネットショップが代金引換を導入するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここから、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
メリット
ネットショップが代金引換を導入するメリットには、下記のようなものがあります。
- ・販売機会の損失を防ぐ
- ・カゴ落ちを減らせる
1つ1つ具体的に説明していきます。
販売機会の損失を防ぐ
商品の決済方法として代金引換を導入すると、クレジットカード決済に抵抗がある人やクレジットカードを持っていない人も購入できるようになります。
その結果、若年層や高齢者などの幅広い世代にネットショップを利用してもらうことができるでしょう。
先述の通り、代金引換はクレジットカード決済やコンビニ決済に次いで多くの人が利用しているため、さまざまな選択肢があることで販売機会の損失を防ぐことが期待できます。
カゴ落ちを減らせる
カゴ落ちとは、ネットショップで購入者がカートに商品を入れたものの、購入まで至らないケースを指します。
代金引換を導入することで、クレジットカード情報の入力の手間が省けるため、購入までの流れがスムーズとなり、カゴ落ちを減らすことができるでしょう。
デメリット
ネットショップで代金引換を導入するデメリットには、下記のようなものがあります。
- ・受取拒否が起こる可能性がある
- ・カード決済手数料や口座振り込み手数料がかかる
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
受取拒否が起こる可能性がある
ネットショップにおける「受取拒否」とは、代金引換で商品を注文した購入者が、届いた商品を何らかの理由で受け取らず、商品がショップに戻ってきてしまうことです。
代金引換において受取拒否が起こると、ネットショップ側が往復の送料と代引き手数料を支払わなければいけません。
カード決済手数料や口座振り込み手数料がかかる
代金引換は基本的には現金支払いですが、クレジットカード決済にも対応している宅配業者もあります。
購入者がクレジットカードで決済した場合、カードの決済事務手数料がネットショップ側に発生します。
また、宅配業者が回収した代金をお店の銀行口座に振り込む際に振込手数料も発生するため、代金引換を決済方法として導入するときには、事前にどのくらいの手数料がかかるのかを確認しましょう。
おつりは出る?受取拒否の場合は?代引きを利用する際の注意点
購入者も発送する側のネットショップも、代引きを利用するにあたって気を付けなければいけないことがあります。購入者側とネットショップ側に分けて注意点を見ていきましょう。
購入者側が代引きを利用する際の注意点
支払い時に支払額と同額の現金を用意するなどの工夫をすることで、購入者はスムーズに代引きを利用することができます。ここで紹介することを参考に、快適なネットショッピングを楽しんでくださいね。
なるべくおつりの無いように現金を用意する
代引きを利用して商品を購入し、宅配業者から受け取る際には、なるべくおつりのないように現金を用意することをおすすめします。
もちろんおつりは出ますが、宅配業者がおつり用として持ち合わせている現金には限りがありますし、防犯上の理由からも大金は持ち歩けません。
場合によっては宅配業者側がおつりを切らせていることもあるので、スムーズな受け取りのためにも、事前に商品の代金と同額のお金を用意しておきましょう。
現金でしか払えない場合がある
代引きでは、クレジットカード決済や電子決済ができる宅配業者もありますが、現金でしか払えない宅配業者もなかにはあります。
事前に支払い方法を確認し、クレジットカードなどが使えない場合は、現金を用意しておきましょう。
商品が手元に届いたのに、現金を用意しておらず支払えない場合は、後日配達扱いになるので注意が必要です。
ネットショップが代引きを利用する際の注意点
ネットショップが代引きを利用する場合は、受取拒否のリスクを想定する必要があります。
また、代引きは各社で取り扱い金額の上限があるため、高額商品には使えません。注意点を事前に押さえ、円滑なネットショップ運営につなげてください。
受取拒否の場合もサービス料は発生する
先述の通り、購入者が受取拒否をした場合でも、往復送料と代引き手数料は発生します。通常は1,500~2,000円ですが、大型商品になるとさらに高額になります。
宅配業者と特別料金で契約している場合にも、返送時の送料は通常料金が請求されます。
代引きを導入している限り、受取拒否のリスクはあるため、ショップとして事前にしっかりとした対策が必要です。
受取拒否された場合の対応方法をショップのサイト上に明記する、返送時の送料がかからないゆうパックを利用するなどの方法を検討しましょう。
受取拒否の対策について詳しくは以下の記事で紹介しています。
高額商品には使えない
代引きで取り扱える商品には、金額の上限が設定されています。
上限金額は宅配業者で異なりますが、例えばヤマト運輸の場合、30万円が利用限度額です。
そのため、ネットショップで高額商品を売っている場合は、決済方法として代金引換が利用できないことを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、代引きについてメリットやデメリット、注意点をご紹介しました。商品の配達時に購入者が代金を支払う決済方法は、そのシンプルさからいまだに根強い人気です。
購入者にとって安心のネットショッピングができる代引きを、ネットショップ側が導入するメリットも多いでしょう。
決済方法としても代引きは一定のニーズがあるため、導入時には受取拒否への対策などをしっかりと練り、安定のショップ運営につなげてくださいね!
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よくある質問
代金引換とは、宅配業者が商品を届ける際に販売会社の代わりに購入者から商品の代金を回収し、その後販売会社に代金を振り込む決済方法です。
一方で着払いとは、商品と引き換えに購入者が宅配業者に「送料」だけを支払う方法です。
詳しくはこちらの章で解説しています。
購入者にとって、代金引換で支払うと以下のメリットがあります。
・商品を確認してから支払える
・サイトからの情報漏洩を防げる
商品を受け取る際に代金を支払うので、「お金を払ったのに商品が届かない…」といったトラブルを防げます。メリットについてさらに詳しくはこちらの章をご覧ください。