オウンドメディアを立ち上げたものの、うまくいっているのかいってないのか良くわからないと感じていませんか?
そう感じるのは、KPIやKPIを設定していないことが原因かもしれません。
この記事では、オウンドメディアでKPIを設定するメリットや設定手順などを紹介します。
オウンドメディアでもKPIを設定したほうが良いの?でも、どんなKPIの設定が最適なんだろう?
オウンドメディア運営を成功させるには適したKPIを設定することが実は重要です。これから、KPIの具体例もご紹介しますよ。
目次
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、自社が所有・管理するすべてのメディアのことです。
一般的には自社で発信した情報を掲載するWebサイトを指すことが多いですが、広い意味ではSNSアカウントやYouTube動画、メルマガ、パンフレットなどもオウンドメディアと捉えられています。
オウンドメディアを運営する主な目的として、自社の認知拡大やファン作り、採用活動につなげるといったことが挙げられます。
独自コンテンツを作成することで自社のカラーを出し、他社と差別化するのにも有効です。
オウンドメディアには費用をかけずに集客できたり、オウンドメディア経由で得たユーザーデータを企画戦略に活かせたりなどのメリットもあります。
商品が売れる仕組みをつくるためのマーケティング活動の一環が、オウンドメディアなのです。
KPIとは何?オウンドメディアになぜ必要?
KPIは、Key Performance Indicatorの頭文字を取った言葉で、日本語では重要業績評価指標といいます。
目標を達成するために必要な取り組みの、進捗具合を表す指標のことです。
例えば、「今月5件の契約を取る」という目標があった場合は、達成のために「30件の商談を行う」という行動目標がKPIになります。
商談数30件というKPIに対して実際に行った商談数を確認することで、「今月5件の契約を取る」という目標に対する達成度合いを把握できるのです。
では、そのKPIを設定する目的やオウンドメディアで設定する重要性を紹介していきます。
KPIを設定する目的とメリット
KPIを設定すると以下のようなメリットが得られると考えられます。
- ・目標達成のためにやるべきことが可視化される
- ・やることが明確になりモチベーションが上がる
- ・社員の評価を客観的に行える
- ・目標に対する進捗の遅れに素早く対応できるようになる
KPIを設定していないと、最終的な目標達成のための行動が曖昧になりがちですが、KPIがあればプロセスが明確になるので何をやるべきかが可視化されます。
やるべきことがはっきりすれば社員は「KPI達成のためにどんなアクションをすべきか」と仕事へ意欲的になれますし、KPIの数値を見ることで自分がどれだけ目標達成に貢献しているのかもわかり、モチベーションも上がるでしょう。
同時に、KPIがあれば社員の評価も客観的に行えるようになります。
また、KPIという数値を見れば、目標達成に対する進捗も把握できます。
目標の数値に達していないKPIはアプローチを変えるなど、早目に対処できるようになることもメリットといえるでしょう。
オウンドメディア運用でKPIの設定は重要
さまざまな業務において設定することが重要だといわれているKPIは、オウンドメディアにおいてももちろん大切です。
その理由は、オウンドメディアが長期的に運営するものだからです。
ファン作りやブランディングなどを目的としているため、オウンドメディアは短期では結果が表れにくいとされています。
成果がなかなか見えない中、「毎月●本の記事をリリースする」「オウンドメディアの訪問者を●人にする」といったKPIを設定することは、長期の目標達成に向けて何をすべきか明確にしたり、チームで目標を共有してモチベーションを上げたりするために重要といえるでしょう。
オウンドメディアでKPIを設定する手順
オウンドメディアにとってKPIが重要であるとわかったところで、これからKPI設定の手順を見ていきましょう。
まずはKGIを設定する
KGIとは、Key Goal Indicatorのことで、日本語では「重要目標達成指標」といい、最終的なゴール(目標)のことです。
例えば「オウンドメディア経由で30万円を売り上げる」が最終的なゴール(KGI)とすると、「アクセス数は●件」「商品ページへの遷移数が○回」といったようなKPIが自然と設定できるようになります。
このようにKPIはKGI達成のために必要な要素であるため、KPI設定のためにはまずはKGIの設定が必須なのです。
商品の販売やブランディング、リクルーティングなどそもそものオウンドメディアの目的を元に、どのようなことをKGIにするのかをまず考えてみましょう。
オウンドメディアでの主なKPIを確認する
いきなり「オウンドメディアのKPIを考えよう」といわれても、どう設定すればいいのかわからないと思います。
以下で、よく設定されやすいKPIをご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
記事の本数
「毎週1本」や「月10本」など、公開記事の本数は、オウンドメディアを立ち上げたばかりの時期や自社発信のコンテンツに力を入れたい時期に重視される指標です。
記事を増やせば増やすほどサイトへのアクセス数アップが期待できるので、KPIとして設定されやすいでしょう。
また、オウンドメディアは成果が出るまで時間がかかり長期運用になるため、小さな目標(KPI)を設定してモチベーションを維持することが大切になります。
記事数が順調に増えていることは、記事制作のための体制が構築されているとも捉えられます。
さらに、記事を蓄積していくことで、情報網羅性などが高まりコンテンツの価値も向上します。
CV数(申し込み・お問い合わせ・会員登録)
CV数とはコンバージョン数の略で、「サイト側の目標であるアクションを、ユーザーがWeb上で行った数」といえます。
具体的にはサービスの申し込みや問い合わせ、会員登録やメルマガ登録などがコンバージョン数として設定されます。
オウンドメディアのもともとの目的や、どのような事業を行っているのかによって何をCVとするのかが変わってきますので、自社のオウンドメディアは何が最適なのかを考えてから設定しましょう。
セッション・PV・UU数
セッション数、PV数、UU数はいずれもWebページの訪問に関する数値ですが、下記のような違いがあります。
セッション数 | オウンドメディアに訪問された数のこと。訪問数と同じ意味。 |
PV(ページビュー)数 | ユーザーにページが閲覧された数のこと。同じサイト内でもページごとにカウントされる。 |
UU(ユニークユーザー)数 | 特定の期間に訪問したユーザー数のこと。同一人物であれば集計期間内に何度訪問しても1カウント。 |
たとえばAさんが1週間のうち、あるオウンドメディアを3回訪問し、それぞれ2ページ閲覧したとしましょう。
この場合、セッション数は「3」、PV数は「6(2ページ×3回)」、UU数は「1」となります。
オーガニック(自然検索)流入数
オーガニック流入数は、自然検索流入数ともいいます。
広告を介さず、ユーザーがGoogle などの検索エンジンで検索した結果から自然にサイトへ訪れた数のことです。
オウンドメディアの名前をユーザーが直接入力し、サイトを訪れてくれることはほとんどないため、オーガニック検索での流入数を稼ぐには、SEO対策を行い検索結果で自社サイトを上位表示させることがポイントでしょう。
遷移数
サービスサイトへの流入を目的として、オウンドメディアの運営を始めるということはよくあります。そのため、オウンドメディアからサービスサイトへ訪問した数、つまり遷移した数もオウンドメディアのKPIとして設定されることが多いです。
遷移先としては、LPや申し込みページ、サービス・商品の詳細ページなどが挙げられるでしょう。
SNSでのリアクション数(シェア・いいね・保存など)
SNS(XやInstagram、YouTubeやYahoo!知恵袋など)のシェア数、いいねの数、保存の数などのリアクション数もオウンドメディアの代表的なKPIです。
オウンドメディアのコンテンツをSNSに投稿して話題になれば、ブランドを知ってもらえたり、ファンになってもらえたりするきっかけが作れます。
また、もし商品やサービスがさまざまな人に興味を持ってもらえれば、売上にも直結するでしょう。
SNSで話題になることは企業にとって多くのメリットがあるため、KPIの設定で必須といえるかもしれません。
ですが、リアクション数を稼ごうとすると炎上行動につながることもあるため注意が必要です。
炎上リスクも踏まえた企業の行動が求められます。
資料ダウンロード数
オウンドメディア経由で、資料がユーザーにダウンロードされた数のことです。
企業向け(BtoB)のサービスや商品の場合、個人と異なり担当者が独断で決めることはほとんどなく、契約や購入に至るまで社内で検討される傾向にあるので、「製品やサービス資料のダウンロード数」がKPIとして設定されることが多いでしょう。
またBtoCの場合でも、他社と比較検討されやすい金融や保険などのサービスでは、資料ダウンロード数は重要なKPIとされやすいです。
KPIツリーを作成する
KPIツリーは、以下のようにKGIとKPIの関係をツリー状にして視覚的にわかりやすくした図です。
KGIを頂点に置き、KGIを達成するためのKPI、さらにそのKPIを達成するためのKPIを追加してツリーを完成させていきます。
KPIツリーを作成することで、KGI達成のためにはどのような要素が必要なのか、達成のために何が不足しているのかがビジュアルで把握しやすくなるでしょう。
部署内やチーム内でのKPIに対する認識がずれないようにするためにも、KPIツリーを作成して可視化しておくことをおすすめします。
正しいKPIかどうかチェックする(SMART原則)
手順に従ってひとまずKPIの設定ができたら、本当にそのKPIが適切かどうかチェックしましょう。
KPIが正しいかどうかの検証に活用できるのが、以下のSMARTの原則です。
SMARTは、Specific(明確な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)の頭文字をとった言葉です。
SMARTの原則に「達成可能か」「期限」などとあるように、設定したKPIが実際の数字や状況とかけ離れていないかどうかを確認しています。
設定したとしても到底追いかけられないような数字だったら、形だけで意味のないものになってしまいます。
SMARTの原則と照らし合わせて不可能そうな数値のときは、KPIを設定し直しましょう。
オウンドメディアの成長段階別!KPI設定の具体例
一口にオウンドメディアのKPIといっても、どのような段階なのかによって目標とすべきことは変わってきます。
そのため、フェーズに合わせて適切なKPIを設定することが大切です。
ここでは、オウンドメディアの成長段階(フェーズ)ごとにどのようなKPIを設定したらいいのか、具体例を紹介します。
【フェーズ1】立ち上げ直後~1年後(立ち上げ初期)
オウンドメディアを立ち上げたばかりの初期段階は、メディアの下地(地盤)作りの時期です。
記事数が少ないため可能な範囲で充実させて、より多くのユーザーにコンテンツを見てもらうことが最優先になります。
そのため、以下のようなKPIを設定するのがおすすめです。
- ・公開する記事数
- ・SNSのリアクション数(シェア数・いいね・保存など)
どのくらいの記事を公開するのかといった目標は、自社でコントロールしやすいので目標にしやすいです。
また立ち上げ初期は知名度があまりないので一定のPV数やUU数の獲得ではなく、記事を良いと感じてもらい「いいね」や「シェア」といった記事に対して好意的なリアクションをもらうことを目指しましょう。
SNSでリアクションをもらえるような(ユ―ザーにとって有益な情報が含まれている)記事を、できる限り発信していくことが立ち上げ初期のKPIでは大切です。
【フェーズ2】1~1年半後(立ち上げ中期)
メディア内のコンテンツが増えて下地はできているので、集客に力を入れてより多くのユーザーをオウンドメディアへ流入させることを目指すのが、立ち上げ中期です。
サイトへの集客力を把握できるのは、以下のようなKPIです。
- ・UU数
- ・PV数
- ・セッション数
- ・オーガニック検索流入数
- ・検索順位
どれくらいの人が流入して閲覧したのかを表す数値以外にも、オーガニック検索流入数を増やす要因である検索順位をKPIとして設定しても良いでしょう。
また、この時期はただ集客するだけではなく、訪れた人にコンテンツを見てもらい満足度を高めることも大切です。
なぜならオウンドメディアの主な役割は「自社のファン作り」「サービスや商品の購入」などなので、1回訪れてすぐに離脱されていては当初の目的がなかなか達成できません。
記事を見たユーザーの満足度を確認するには、以下のようなKPIを設定すると良いでしょう。
- ・再訪問回数(SS数)
- ・ページあたりのスクロール率
- ・ページあたりの熟読率
- ・記事間の回遊率(同サイトの複数ページを訪問する割合)
立ち上げ中期は、集客とともにユーザーを自社のオウンドメディアに惹きつけることを目指します。
【フェーズ3】1年半~2年後(立ち上げ後期)
立ち上げ後期はオウンドメディアの認知も進み、潤沢なコンテンツにより一定のセッションや流入などが維持できている状態でしょう。
そのため本来のオウンドメディアの目標である、サービスや商品の購入につながるようなアクションをKPIとします。
成果につながるようなKPIの例としては、以下のようなものがあります。
- ・申込数・購入数・成約数(CV数)
- ・資料ダウンロード数
- ・遷移率
すぐに購入に結びつかなくても、サービスの紹介ページへの遷移数や資料のダウンロードといった、最終的なコンバージョンにつながる行動もKPIとして考えられます。
オウンドメディアのKPI設定を成功させるポイント
せっかくKPIを設定するなら、ただ形だけ取り組むのではなくきちんと機能させたいですよね。
最後に、オウンドメディアのKPI設定を成功させて、KGIを達成するための4つのポイントをご紹介します。
現実的な目標を設定する
SMARTの原則にもあったように、KPIは現実的な目標であることが重要です。
明らかに達成不可能な目標をしてしまうと、メンバーがそもそも目指すことを諦めてしまう可能性があります。
また、目標が高すぎるとメンバーへの負担が大きくなり、オウンドメディア運営に対するモチベーションを削いでしまうことにもつながるでしょう。
だからとって、何もせずとも達成できてしまうような簡単な目標では、オウンドメディアが成長していきません。
運営体制や自社の状況と照らし合わせながら、現実的な目標を具体的な数値で設定するのがポイントです。
KPIを多く設定し過ぎない
オウンドメディアを成長させたいという想いからKPIを増やし過ぎると、優先順位がわからなくなったり、力を入れるべき部分が曖昧になったりしてしまいます。
先ほど紹介したフェーズごとのおすすめのKPIを参考にしながら、自社のオウンドメディアの成長段階に合わせたKPIのみ設定しましょう。
その際、KPIツリーを作成して、図として見たときに多すぎないか確認するのもおすすめです。
全てのKPI管理を1人に託さない
KPIの管理を担当者1人に集中しすぎないことも大切です。
複数のKPIをすべて1人に託してしまうと、それぞれのKPI達成のための施策立案や決定に時間がかかってしまい、効率が悪くなってしまいます。
設定したKPIごとに担当を分けたほうが進捗の確認や効果測定、改善などに取り組みやすくなるでしょう。
KPIの評価はこまめに行う
長期的なKPIのみ設定してしまうと、オウンドメディアがうまくいっているのかどうなのかの現状がわからず、今の課題が見えづらくなってしまいます。
オウンドメディア自体は長期的な目線で取り組むものですが、現状を適切に把握して早期の改善や見直しを図るためには「週に○本の記事を公開する」「今月の目標CVは××件」など、短期的なKPIを設定してこまめに評価しましょう。
まとめ
KPIを設定することで目的の達成度合いを把握できるようになるため、オウンドメディアでも設定することをおすすめします。
ただし、オウンドメディアは立ち上げ時期(成長段階)によって設定すべきKPIが変わってきますので、フェーズに合わせて最適なKPIを選びましょう。
また、達成できないような無謀な数値ではなく、現実的に目指せるレベルで設定することが重要です。
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