目次
工場の裏にどーんと現れた建物の正体は?
この建物、ずいぶん変わったかたちをしていますね。
うちの味噌のブランド名が「やまごみそ」といってロゴが「山」に「五」なんですね。なので山のかたちにしようって。地元の建築家さん・工務店さんと一緒に作りました。
ここでは一体何をされているんですか。
ここはですね、手前味噌加工スペースの「KANENTE」と言いまして…。
「手前味噌」ですか?
そうなんです。お味噌づくりのワークショップなんかを開いてます。
ワークショップですか。いったいなぜスタートすることに?
もともと近くの小学校でうちの母親が味噌作りの授業をしていたんです。それを兄が引き継いでやっていたとき、子どもたちのおかあさんから「大人向けにもやってほしい!」と声をもらったんです。
大人たちから要望があったんですね!
時代が流れがDIYとか食を見直すブームで、たまたまマッチしたんだと思います。そこから口コミで広まって年間100回以上教室をやるようになったところで「行くのが大変なら来てもらおう!」と。それでこのスペースを作ることになったんです。
なるほどー。
一度ワークショップに参加してくれたら「お茶飲んでいきなよ〜」みたいな関係になれるし、お味噌屋さんに入る敷居も下がると思って。これをきっかけに「ほかの専門店にもいってみようかな!」となったらうれしいですね。
お味噌だけじゃない。歌とダンスと絵本も作っちゃいました
ワークショップは味噌作りだけをされているんですか?
ほかのお料理もやっています。最近だと…たとえば、さっき直営店で紹介したいりこを作っている方を呼んで「だしの取り方」のワークショップをやったり、料理家さんを招いて甘酒や塩麹をつかった教室を開いたり、梅干し作りのワークショップもやりました。
お味噌以外もいろいろされているんですね。ワークショップ以外にも何かPR活動をしていますか?
今は食育に力を入れています。少し前に「てまえみその歌」っていう歌とダンスと絵本をつくったんですけど…これです。
歌とダンスと絵本を作ったんですか?!(笑)
兄とわたしで子どもたち向けのワークショップをやっていたとき「どうやったら楽しく魅力的に説明できるかな?」「歌とアニメがあったらいいんじゃない?」って。(笑) それでうちの会社案内など作っている発酵デザイナーの小倉ヒラクさんと一緒に作ったんです。
す、すごい! それにしても歌って踊って、ご兄弟とても仲良しですよね。
いやいや! 仲良くやらないとつぶれちゃうんですって。ケンカしてる場合じゃないんです。(笑)
お味噌屋さんが「伝えること」をがんばる理由
ワークショップや食育の活動で、さまざまなメディアにも出ていますね。活動報告がすごく充実しています。
そうなんです。テレビやラジオにも出演させてもらったり、イベントにワークショップで出店したり、トークショーしたり、雑誌に載せてもらったり。とってもありがたいことです。
生産者である洋子さんたちが、こうやって「伝えること」に力をいれているのは何か理由があるんですか。
うちは小さい会社だし生産量には限界があります。これから味噌を食べる人はどんどん減っていくのもわかっています。だからこそ生産量を増やすのではなく作る提案とか食べる提案を増やしていきたいなと思ってるんです。
直営店やネットショップ、PR活動をとおして他の生産者さんたちの伝えることもお手伝いしていきたい。そんな想いでいろんなことにチャレンジしています。
今日、製造現場や販売所を見せてもらって、こうやってお話を聞いて積極的な活動の理由がわかってうれしいです。
ありがとうございます。五味醤油は150年続いてる会社なんですけど、きっと理由があるから続いてきたと思うんです。いろんな人に支えられてこれまで愛されてきたものを大切にしながら、自分たちの方法でもっともっと「伝えること」をがんばっていきます!
五味醤油さんの活動をこれからも応援しています。今日はありがとうございました!
【おまけ】帰ろうとしたら…
洋子さん: あ! うちのデザインいろいろやってくれてる小倉ヒラクさんです。
ヒラクさん: あ、どもども。
は、はじめまして(お店の奥にいらっしゃったのか〜〜〜〜!!)!
洋子さん: これからわたしたちラジオ番組の収録なんですよ。
ラジオ番組? 出演されるのですか。
洋子さん: いえいえ、わたしたちの番組なんです!
お味噌屋さんのラジオ番組!?
洋子さん: たぶん世界初です。(笑) イベントなどをつうじて「人とつながっている楽しさとか食の楽しさをラジオで伝えられたらおもしろそう!」と思い立って。それでラジオ局に企画書持って行ったんです。スポンサー探して、毎回ゲストを呼んで。
おお〜。ゲストはどんな人が出演されるんですか?
洋子さん: 山梨に来てくれた方を拉致して出演してもらってます(笑) そうそう。夏には「北欧、暮らしの道具店」の青木さんも遊びにきてくれて、ラジオに出てくれたんですよ。
すごすぎて言葉が出ない…!
洋子さん: あ、ヒラクさん、今日兄が熱でいなくて。
ヒラクさん: お。じゃあ今日ふたり? え、じゃゲストもなし!?
洋子さん: そうなんです。
おふたり: ……。
ヒラクさん: でます?
えっ!わたしですか。
ヒラクさん: 今日、今から。これからなんか予定あります?
ないです。
おふたり: ほおぉ〜〜〜。
洋子さん: でましょう!!
ぬぬぬぬ…はい!
ヒラクさん: 決定〜!ゲストゲット〜! だいじょうぶ。大船に…いや。味噌船に乗ったつもりで安心してください!
(味噌船…溶けそうだよ〜!)
洋子さん: 今みたいなかんじで喋っていただければ問題ありません。じゃ、よろしくお願いします!