よむよむカラーミー
ECサイト開設・運営のヒントが見つかるWebメディア

オンラインモールへの出店から自社ECへ。ネットショップ運営が楽しくなった群馬の酒屋『高橋与商店』

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
群馬県前橋市にある酒屋『高橋与商店』のネットショップ。群馬の地酒・日本酒を中心に、本格焼酎やワインなどを取り扱っています。
今回は四代目店主の福田 祐二さん、恵さんご夫妻にオンラインモールへの出店から自社ECへと切り替えたきっかけやその後のショップ運用について伺いました。

お客さまと1対1の関係を大切に

ネットショップを始めた経緯を教えてください。

恵さん:業務用の酒販がメインだった10年前、これからは個人のお客さまとの1対1の関係を大切にして群馬のお酒を広めていこうと考えたのがきっかけです。
実店舗だけでなくネットショップも始めるために、大手オンラインモールのセミナーに通って、講習を受けて出店しました。

福田 恵さん

オンラインモールからカラーミーショップに引っ越したのはなぜですか?

恵さん:当初は主人が実店舗の配達や外回り全般をして、私がネットショップを担当していました。でも、オンラインモールのシステムはカラーミーショップほど簡単ではなかったんですね。HTMLの知識が必要だったり、電話して聞かないとわからないことばかりでした。
私の代わりに主人がネットショップの更新をして、私は受注と発送業務というふうに手分けしたんですけど、物がすごく動くわりに儲かっているのかわからない状態になったんです。繁忙月は忙しすぎて翌月に体調を壊すほどでした。これは自分たちが思っていたような方向に進んでいないと気がついて、マイペースに運用できるカラーミーショップに引っ越しました。

お引っ越しをされて、忙しいのは落ち着きましたか?

恵さん:結局、年末はオンラインモールと変わらないぐらい忙しかったです(笑)。忙しくはあったんですけど、店頭と同じような接客ができるので気持ちの面では全然違いますね。
例えば、実店舗とネットショップで在庫を共有しているため、店頭で売り切れた商品でもネットショップで買えてしまうことがあるんです。オンラインモールのときはレビューを気にして、すごく畏まった謝罪をしていました。レビューからお客さまがきてくれるので、評価が下がらないように気を張っていたんです。それが、カラーミーショップになってからは気さくに電話して直にお詫びをしています。

お客さまとの距離が縮まったということでしょうか?

恵さん:そうですね。オンラインモールよりも近く感じますし、ショップ運営が楽しくなりました。

カラーミーショップをお選びいただいた理由を教えてください。

恵さん:ネットショップの作成をお願いした広告代理店の方が、カラーミーショップならシステム関係も自分たちでできるんじゃないかと選んでくれました。

祐二さん:カラーミーショップは簡単だし、料金もずいぶん安くなりました。

福田 祐二さん

蔵元を一軒一軒訪ねて、直の声を伝える

店内を見回すと、びっくりするほど品揃えが豊富ですね。取扱商品にこだわりはありますか?

恵さん:商品は群馬の地酒に特化しています。最初のころは主人が群馬の蔵元を一軒一軒訪ねて、杜氏さんや社長さんのお話を聞いて商品ページにまとめていました。蔵元からの直の声を伝えることで、お客さまからの信用に繋がっています。

群馬のすべての蔵元に足を運ばれたんですか!

恵さん:そうなんです。

なかなか真似できないことですよね。県外のお酒は扱ってないのですか?

恵さん:そんなに多くはないんですけど、群馬県ではうちだけが扱っている県外の特約店流通の商品もあります。県外の蔵元さんだと、四年半足を運んでようやく取引できるようになったところもあります。それはとっても嬉しかったですね。

ブログは毎日更新して人気(ひとけ)を

ブログとInstagramで発信をされていますが、こちらもお二人で分担されているんですか?

恵さん:ブログは主人が更新して、Instagramは若い子の感性の方がいいだろうということで、娘に画像を送って投稿をお願いしています。

ブログとInstagramで雰囲気が違うのはそういうわけなんですね。

恵さん:やっぱり雰囲気が違うってわかるんですね(笑)。Instagramは「見たよ」と言ってくれるお客さまがとにかく多いです。急に定番商品が売れるようになって「なんでだろう?」と思ったらInstagramに載せていたということもあるほどです。

珍しいラベルのお酒が並んでいて見ていて飽きないですよね。お酒とInstagramは相性がいいのでしょうね。

ブログ運営で気をつけていることはありますか?

祐二さん:毎日更新を心がけています。商品ページとブログを連動させているので、更新をすると人気(ひとけ)が出てお客さまに安心感を与えられるんです。あとは、扱っている商品はできる限り飲んで、自分の感想を書くようにしていますね。

毎日更新するのって大変じゃないですか?

祐二さん:習慣づいているのもあるし、更新できずに日が空いたときは、後から書いて埋めています。店番しながらスマホをいじっていると遊んでいるように見えるんですけど(笑)。そういった時間に更新しています。

なるほど(笑)。SEO対策の効果もありますか?

日に多いときで600人弱、少なくとも280人ぐらいの方が見てくれています。おそらく、同業の方も見てくださっていて自然と検索順位が上がっています。
手前味噌になるんですけど、群馬の地酒に特化した酒屋って県内になかったので、ある意味モデルケースとして見られている面もあると思います。実際に問屋さんからは「記事に書いてくれると売れるので、書いてほしい」と頼まれたこともありますよ。

ブログ運営の理想形ですね!

蔵元と消費者をつなげる酒屋ならではのイベント

実店舗にはお酒が飲める角打ちコーナーもありますね。こちらはいつごろ始めたんですか?

祐二さん:2015年です。それ以前から角打ちをやろうと考えていて、改装も決まっていたときに『職人醤油』の高橋万太郎さんが講師のワークショップに参加したんです。職人醤油さんもカラーミーショップですよね。

そうです!まさか、高橋さんのお名前が出てくるとは思いませんでした。

祐二さん:うちの酒屋の売上を伸ばすには?というのがワークショップのテーマで、グループに別れて話し合ったんです。そのとき高橋さんから「駅前だから角打ちがあってもいいんじゃない?」というアドバイスをもらったことも後押しになりました。

そうだったんですね! 高橋さんは全国の醤油蔵を回ったとおっしゃっていました。群馬の酒蔵を回った福田さんと通じるものがありますね。

店内の角打ちコーナー

そんな角打ちですが、コロナの影響はありましたか?

祐二さん:ありました。人を集めるわけにいかないので、テイクアウトサービスとして補助金でサーバーを導入しました。

今はそちらの機械を使って角打ちをされているんですね。

祐二さん:店内に入れるのは3人までというルールでやっていますね。角打ちもそうなんですけど、前はお店の隣の駐車場でイベントもやっていたんです。それも、生活の変化に伴って難しくなりましたね。

どんなイベントをされていたんですか?

祐二さん:蔵元さんに来ていただいて、消費者であるお客さまにお酒を飲んでいただくイベントです。商品は嗜好が変わると他店に行ってしまうこともありますが、蔵元や店にお客さまがついて欲しいという思いがずっとあったので、お酒だけじゃなくて造っている人の姿を知ってもらえれば、よりお酒を飲んでみたくなるかなという狙いです。

イベント「新前橋でお酒を楽しむ会」の様子

ネットショップにもコロナの影響はありましたか?

祐二さん:個人のお客さまが増えました。12月は1日15〜20口ほど送っていて売上も過去最高でした。ネットショップは順調です。

最後に、今後の展望について教えてください。

祐二さん:やっぱり、イベントを再開したいですね。うちは敷地内でイベントを完結できるのが一番の強みだと思っているんです。お客さまは飲食費だけで済むし、近隣の飲食店さんに料理を出してもらうことで飲食店さんは宣伝にもなります。
お客さまはみなさんすごくいい方で片付けも率先してやってくれて、お客さまに守られていると感じます。そういう方たちのためにも、ぜひ再開したいですね。

またみなさんの笑顔が集う日を楽しみにしています!

▼こちらのインタビュー記事も読まれています▼