よむよむカラーミー
ネットショップ運営を、
もっと楽しく。

4代目社長は配送アルバイトからの叩き上げ!通年使える家具としてのこたつを追求する「Nichibi Woodworks」

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
大正12年創業、香川県高松市に工場を構える日美株式会社。幅広いテイストのこたつテーブルをはじめ、​​ダイニングテーブル、チェア、シェルフや店舗向けの特注家具の製作、空間プロデュースなどを行っています。
今回はプランニングと商品開発を担当されている岩切 明日香さんに、ネットショップ「Nichibi Woodworks」の運営やユニークな白井社長についてお伺いしました。

4代目社長は配送アルバイトからの叩き上げ

日美株式会社の本社は香川県にありますが、岩切さんは東京にいらっしゃるんですか?

そうなんです。もともと、東京のインテリアショップで働いておりまして、おしゃれなこたつを作りたいという思いから、当時の取引先だった日美株式会社に転職をしました。
そういった経緯だったので、そのまま東京にいた方が情報収集や発信の面で便利なんじゃないかと言っていただいて、1人でリモートワークをしています。

今らしい働き方ですね! 実際に勤務されてみていかがですか?

関東のお客さまも多いので、何か商談があったときすぐに行けるのはメリットです。商品の企画やデザインに関する情報収集も東京にいた方がやりやすいですが、商品開発に関しては工場にいた方が早いこともたくさんあるので、そこは良し悪しですね。
ただ、ネットショップの仕事は離れていてもできるだろうということもあったので、カラーミーショップがなかったら雇ってもらえなかったかもしれないです(笑)。

どこからでも更新できるのはネットショップの強みですよね!

営業部の岩切 明日香さん

日美株式会社について、詳しく教えていただけますか?

創業は大正12年、当初は鉄工所として船舶エンジンの部品などを作っていました。しかし、日中戦争で軍需品の製造が増えていき、終戦後は金属加工技術を生かした装飾時計の製造を始めたそうです。「日美」という社名は当時の社名「日本美術時計株式会社」が由来です。

ふむふむ。時計からテーブルにシフトしたのはなぜですか?

本社がある香川県高松市は漆器の産地で、漆塗りの器や座卓が生産されていました。憶測ですが、バイヤーさんが座卓の買い付けに来るのにのっかって、「テーブルを作ったらいいんじゃないか」という話になったのではと思います。とは言っても、作っていたのは漆塗りではなく、金属製の猫脚テーブルに大理石やガラスの天板をのせたテーブルでした。

その後、このような座卓を作るようになったようです。

現在はこたつが主力商品ですよね。

産地のメーカーが座卓と一緒にこたつを作るようになって、弊社もこたつメインにシフトしていったという感じです。そんなわけで、香川県高松市にはこたつメーカーが多いんです。

なるほど。テーブルも座卓も、今の商品とはずいぶんテイストが違うんですね。

クラシカルですよね。今のテイストになったのは白井社長が商品開発に携わってからです。
それ以前は、海外製品に対抗して安価なものを早くたくさん作る方針だったそうですが、「それではだめなんじゃないか?」と、当時いちスタッフだった社長がデザインにこだわり始めたのが2001年、テイストをガラッと変えたのが2013年以降になります。

この動画でなんとなく伝わると思うんですけど、白井社長はおもしろい方で(笑)。

先代までは同族経営の会社でしたが、4代目の白井社長は配送のアルバイトからの叩き上げで社長になりました。

4代目に就任された経緯が気になります!

社長は香川県の人で、バンドでのメジャーデビューを目指して上京したものの、夢破れ気味で地元に帰ってきたそうです。そのときに、配送のアルバイトとして入ったそうですが、もともと工業系の学校を出ていてものづくりが好きだったことから現場に入ることになります。職人としてやっているうちに現場のトップになり、社長が交代するタイミングで声がかかったと聞いています。

非常に敏腕な方なんですね。今も現場で手を動かしていらっしゃるんですか?

そうですね、現場に入っているときもあります。

チェーンソーという斬新な手法でこたつの天板をゴリゴリする白井社長

みなまで言わないことを意識したファンづくり

ネットショップをやっていてよかったことを教えてください。

弊社には直営店がないので、直接お客さまとやりとりできる販路が増えたことでしょうか。ネットショップがなかったときは、実際に使うお客さまよりも小売店のバイヤーに気に入られることが基準になりがちだったようです。
ネットショップはお客さまの声や反応がダイレクトに届いてすぐに対応できますし、商品開発としても、自分たちが作った商品への反応が生で見れるというのはやっぱり嬉しいです。

数あるサービスのなかで、カラーミーショップをお選びいただいた理由は何だったのでしょうか?

もともと弊社は卸が中心で、BtoCにも力を入れたくて10年前にネットショップを始めました。そのときは別のサービスを使っていたのですが、専門的な知識がないと更新できない仕様で、あまり手がつけられていない状態だったんです。
よりよい方法を探していた担当者がカラーミーショップを試してみたら、使い勝手がよくて初心者でも感覚的に操作ができたそうです。

また、カラーミーショップを使っている他のショップさんを見て、お店の顔が見えるショップづくりができると感じたこと、カラーミーショップさん自体もお店の「中の人」にフォーカスした企画をされているところに惹かれたと言っていました。

実際に、Nichibi Woodworksのネットショップは職人さんたちの写真が印象的で、「お店の顔が見えるショップづくり」ができていますよね。

ありがとうございます。この写真は、地元の「ことでん」という電車の車両をお借りしてカタログ用に撮影したものです。一応、商品は写っていますけど、なんのこっちゃですよね(笑)。

この飛び抜けた世界観は、やはり白井社長のアイデアですか?

そうです。一番奥でギターを弾いているのが社長です。ロックが好きすぎて、なんでも音楽に絡めてしまうんです。社長がディレクションしたカタログの表紙はレコードジャケットのパロディだったり、商品名をアーティストの名前からとったり。由来を聞いたら、音楽的背景を説明されてよくわからなかったこともあります。

ザ・ビートルズ「アビイ・ロード」のパロディ

これは工場近くの道路で車が少ない朝方に撮影しました。担いでいるのはこたつの天板で、このときは担ぐ用のベルトも作りましたね。

一度見たら忘れられない表紙ですね! 毎年、楽しみにしているお客さまもいらっしゃるのでは?

そうですね。「今年は何をするんですか?」と言ってくださるファンの方もいらっしゃいます。

白井社長のセンスによるところも大きいと思いますが、ファンをつくるために意識していることはありますか?

社長は「みなまで言わない」のを意識していますね。あまり説明しないで「これはなんだろう?」と思わせる、それをいかにおもしろく見せるかというのは、カタログ作りにも現れているかなと思います。

なるほど。あえて突っ込みどころを作るというのは、ネットとの親和性も高そうです。

私は説明したがる癖があるのでよく怒られます(笑)。
ただ、その辺は両方必要かなと思っています。わからなすぎると買ってもらえないし、問い合わせるのも面倒くさいと思うので。みなまで言わないことで興味をもっていただいて、「もっと知りたい!」となったときには、しっかり必要な情報を伝えられるようにしています。ネットショップ自体は、説明を強化してから売上が増えました。

ネットショップで大きな家具を買うときは、詳しい情報が知りたいですよね。
情報を伝える際に気をつけていることはありますか?

商品写真を盛りすぎないことでしょうか。実物より格好よく見せたいところですが、撮影では実物に近い色味や質感を崩さないように気をつけていますね。

実物が見れないネットショップだけに、気をつけたいポイントですね。

長く使う商品ならではの顧客対応

ネットショップのユーザー層について教えていただけますか?

いわゆるファミリー層が中心です。こたつ以外にダイニングテーブルやチェアも販売しています。商材的になかなか買い換えるものではないので、新規のお客さまが多いですね。
こたつの次にダイニングテーブルも探してますという方や、昔買ったこたつを買い替えたいという10年スパンのリピーターはいらっしゃいます。

あとは、長く使っていただいているお客さまからの修理依頼もあります。
お年を召されて立ち座りが辛くなってきた方から「こたつをダイニングテーブルに変えられませんか?」というお問い合わせもいただきますね。

そういったリデザインの依頼も引き受けているんですか?

製作が可能なものについては、脚だけ作って付け替えていただくというような対応をしています。

サステナビリティな取り組みですね。こたつはテーブル部分だけでなく、ヒーター部分の故障もありますよね。

そうですね。ヒーターはテーブル部分より寿命が短いので、お客さまご自身で市販のものと交換できるようになっています。

自分で交換できるなんて! それは知らなかったです。

私もこの仕事をするまでは、そんなこと考えもしなかったです。実は弊社に関わらず、こたつのヒーターはサイズが決まっています。ヒーターだけでも買えますし、メーカーが違っても同じサイズで作っているので、ほとんどのヒーターは付け替えることができますよ。

付け替え可能なヒーター部分

コロナ禍で売上は2倍に

昨年は売上にコロナの影響もありましたか?

ネットショップも卸も、秋冬はこたつのご注文が2倍に伸びました。

在宅勤務やおうち時間が増えたからでしょうか?

そうだと思います。私自身も冬はこたつで仕事をしているのですが、「頭寒足熱」といって、足が暖かく頭は寒い状態が個人的には仕事に向いていると思います。エアコンのように暖まった空気で頭がぼーっとすることもなくておすすめですよ。

昨年はこたつ業界全体の話として、こたつとUSBポートが一体型になっている1人用のデスクこたつやダイニング用のこたつが売れたと聞いています。

そんな便利なものがあるんですね。

弊社はそういったザ・コロナ向けの商品は作っていませんが、先ほど商品の変遷のお話のときに触れたように、今の社長になった辺りからこたつ自体のあり方を変えています。

こたつ=冬物、シーズンが終わったらしまうのが当たり前の家電ではなく、シーズンが終わってもテーブルとして通年使える、家具としてのこたつを作っています。デザインもこたつといえばコテコテの和風だったり、カジュアルで安っぽいイメージが強かったのを、リビングテーブルとしても遜色のないテイストに変えました。

そこから派生して、2017年にワンランク上の高級感があるモダンな雰囲気のブランド「FolivorA」を立ち上げました。このモルタル調のこたつがネットショップでたくさん売れたので、売上アップの要因としてはその辺で単価が上がったことも言えます。

あとは、知らない間に芸能人の方がご自宅用に購入されたものをSNSで紹介してくださって、そこからお客さまが来たということもありました。

確かに、SNSで紹介したくなるほどおしゃれなこたつです。

工場敷地内にカフェをオープン

3年前から新規事業としてカフェもされていますよね。

社長の考えに「工場をもっと開かれた場所にしたい」というのがあって、社長を始めとした弊社の職人たちで敷地内の倉庫をリノベーションしました。普通は家具の工場って入る機会がないですよね?

そうですね、気軽には入れないというか。

工場にはどうしても閉鎖的なイメージがついてまわるので、カフェをやることでお客さまに気軽に来てもらって、身近に感じていただきたいんです。
カフェに置いている家具はすべて弊社のオリジナルブランド「ROUGH&TOUGH」のもので、ブランドの世界観を体験してもらう場所にもなっています。

他にも、コロナ前は定期的にワークショップなどのイベントを開催して、お客さまと直に繋がりをもてる場所になっています。

先ほどおっしゃられていたファンづくりにも繋がる活動ですよね。

ワークショップの様子

さらに「顔が見えるネットショップ」へ

今後の展望についてお伺いしてもいいですか?

さらに「顔が見えるネットショップ」にしたいというのはあります。こういう人たちがこんなふうに作っているんですよという部分をお見せして、工場が身近に感じられるコンテンツを増やしたいですね。
すぐそこにものづくりの現場があり相談できる職人がいるので、お客さまのご要望を伺いながら一緒に作り上げていくオーダーのようなサービスや、ものづくりの楽しさを共有できるような取り組みを増やしていきたいです。

私自身はおしゃれなこたつを広めたくて入社したので、こたつのインテリアといえばここ! と認識していただけるショップにしていけたらなと思っています。

工場直営だからこその情報発信、楽しみにしています!

▼こちらのインタビュー記事も読まれています▼