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アイドルから学んだPR術とSNS活用が急成長の秘訣。抹茶ラテと“推し”がきっかけで起業した抹茶専門ブランド「千休」

いつも画面越しに見ているネットショップのむこうには、想いのつまった“モノ”とそれを届ける“”たちがいます。このコーナーでは、知られざる商品開発ストーリーやお店の裏側に迫る現場レポートをお届けします。
今回ご紹介するショップ
”日常に抹茶を取り入れることで感謝の時間をつくりだす” をコンセプトに生まれた抹茶専門ブランド「千休」。抹茶家として商品開発やプロデュース、イベント企画などを幅広く手がける代表の久保田夏美さんにネットショップのブランディングとPR術についてお話を伺いました。

インタビューを動画で見たい方はこちら

抹茶ラテと“推し”から始まった起業への道

「千休」について教えてください。

千休はECをメインにして抹茶のドリンクやスイーツを販売している抹茶専門ブランドです。他にも、駅ナカでのポップアップストアやイベント、コラボ企画を通して直接抹茶に触れる機会や抹茶の魅力が伝わる場を設けて活動しています。

久保田さんが抹茶と出会ったのはいつですか?

中学生のときです。私はコーヒーや紅茶が苦手で、友達とカフェに行ったときはジュースしか飲めなかったのですが、あるとき「抹茶ラテ」というメニューを見つけました。飲んでみるとおいしくて「ラテ」という響きも大人っぽいので、周りと馴染めた感じがしてお茶会を素直に楽しむことができました。
その後、私が好きなアイドル、いわゆる「推し」の子が「抹茶ーず」として宇治市の抹茶大使になったのを機に宇治抹茶のスイーツを食べたり、大学生になってからは京都まで行って本場の味を楽しんだり、どんどん抹茶にハマっていきました。

そこから起業に至ったきっかけというのは?

もともと、ITベンチャー企業で働き、その後独立して執筆やデザイン、PRの仕事をしていたのですが、誰かの商品を広めるうちに自分の商品をもつことへの憧れを抱くようになりました。商品を作るなら自分の好きな抹茶をテーマにしたいと思っていたら、たまたま出会った方に抹茶のイベントを一緒にやろうと誘われたのです。そのときに、個人ではできることに限りがあることがわかって会社を立ち上げました。
それまでも頭の中で商品を構想したり絵に描いたりはしていたのですが、イベントがきっかけで形になっていきましたね。

イベントは千休という名前で開催されたのですか?

そうですね。会社を立ち上げてロゴもでき上がっていたので、商品の販売記念イベントといった形で行いました。

ぱっとお茶が思い浮かぶ印象的な社名ですが、どのように決めたのでしょうか?

本当にいろいろな案を出しました。
英語やフランス語表記で読み方がわからないものがよくありますけど、そうじゃなくて日本人の誰が見ても読めて覚えやすいもの。画数や文字数が多いとぱっと見て印象付けることができないので、ごちゃごちゃしていないもの。そのような条件で、抹茶の「癒す」という効果と「上品さ」が伝わるものは何かと考えたときに「千休」というのが出てきました。

10年後を思い描いた商品開発

日本各地の茶農家さんを訪ねられたそうですが、いつごろ、どのような感じで巡られたんでしょうか?

茶農家さんは大学生のときからいろいろ訪ねていて、この産地はこういう味の抹茶だな、この地方だとこういう感じの抹茶なんだなという知識を少しずつ積み上げていきました。あとは、独立したときに時間ができたので旅行先の茶農家さんのお話を聞いたり、お店の人と話したりして自分の好きな抹茶の味を吟味しました。事前に電話やメールで「ちょっとお伺いしてもいいですか?」と連絡したら、茶農家のみなさんが優しくしてくださっていろんなものを試飲させてくれました。

そのときにお付き合いができた農家さんのお茶で商品を開発されたんですか?

そうですね。最初の商品は、そのときにお付き合いができた茶農家さんの抹茶を使用しました。現在は設立時とは違う茶農家さんと提携しています。茶農家さんの方から「私のお茶を見にきませんか?」と連絡をくれて、見に行ったらかなりのこだわりをおもちでした。葉の色もきれいで飲んでみてもおいしかったので、新しい商品はその茶農家さんの抹茶を使うことに決めました。

契約されている茶農家さんは一か所なんですね。

はい、一か所の茶農家さんといろいろな種類の抹茶をやりとりしています。

新商品はどのような軸で考えられているのですか?

自分のなかに10年後にこういうブランドになっていたらいいなと思い描いているものがあります。棚に商品が並んでいるイメージがあってそれに沿った商品、ラインナップを考えます。
あとは、自分が毎日食べたいと思えるものというのを深掘りしています。

まさに理想を形にされているわけですね。茶農家さんの抹茶がスイーツになるまでというのはどんな流れですか?

まず、私たちの方でスイーツの企画を出して、それが作れるお菓子メーカーを探します。見つかったら試作段階に入るので、茶農家さんに「このようなスイーツをこういった工程で作ります、味はこういうふうにしたいです」ということを伝えます。それから茶農家さんと相談して抹茶の種類を決めます。苦味が強めのもの、旨味が強いものなど、何種類かの抹茶をお菓子メーカーに送ってもらい、3種類送ったら3種類分のスイーツを作っていただきます。それを試食して、「フィナンシェだったらこれがいいね」というふうに決めていきます。

完成までにかなりの打ち合わせと試食をされているんですね。

そうですね。完成するまでには時間がかかりますし、「これだったら食べたい」と自分が思わないと販売できないので。試作は作ったものの上手くできなくてボツになってしまったスイーツもあります。

ボツにするほど譲れないポイントとは何でしょうか?

味と香りは絶対です。お菓子は火を入れたり時間が経つと抹茶の旨味が飛んでしまうのですが、そこをなんとか保つようにしています。また、スイーツの雰囲気は食べる前の香りで作られると思っているので、その香りがどこまで残っているか、どういう香りがするかというのは重要視しています。

スイーツにするには調整が難しい抹茶、そんな抹茶のいちばん好きなところはどこですか?

たくさんありますが、やっぱり落ち着けるところ、飲むだけでリラックスできるところです。
気持ちが落ち込んだときや大変なときに抹茶を飲むと、落ち着きながら集中できて心理的にも身体的にもいい効果があると実感しています。コーヒーやエナジードリンクはカフェインで交感神経を活発にさせますが、抹茶はそれにプラスしてリラックス効果があります。集中力を高めながら落ち着けるというのは抹茶にしかない魅力かなと思います。

今後、新商品の予定はありますか?

最近抹茶フィナンシェを出したので、今後もスイーツ展開はやっていこうと思っています。ただの抹茶味ではなくて、本当にいい抹茶をおいしく感じるぎりぎりの量まで濃厚にして、香料や着色料を使わず安心して食べられるものをどんどん作っていきたいです。
千休だけではなく茶農家さんやメーカーさんのこうしたいという思いを掛け合わせて、三者で作り上げていきたいと思っています。

楽しみにしています!

ネットショップの見た目はブランドの顔

起業の翌月にはネットショップをオープンされていますが、最初からネット販売することを決めていたのですか?

そうですね。食品業はどこかのお店に卸したり実店舗をもつというのが基本だと思うんですが、それだと欲しいときにすぐ買えない、遠方から買えないというのがあったので。いつでもどこにいても買えるのはECしかないかなと思って開始しました。

ECモールへの出店は考えましたか?

いつかはそういうところに出店するだろうなとは考えていたのですが、最初の一歩はかんたんに自分のペースで小さく始められる自社ECが最適だと思っています。

カラーミーショップをお選びいただいた理由は何ですか?

いちばんいいなと思ったのは、かなりカスタマイズができるところです。始まったばかりのブランドで大切なのは、どういったメッセージとストーリーがあるのかを相手に伝えることだと思っています。ネットショップの見た目はブランドの顔でありそれを伝える方法ですので、デザインの自由度、思いの届き方というのをとても重要視していました。カラーミーショップならそれを実現できたというのがあります。
あとは、オプションもいろいろカスタマイズできて管理画面の操作性がとてもよかったので使わせていただきました。

ありがとうございます。トップページに「心に、晴れのいっぷく。」という言葉がありますよね。そういったコピーやデザインコンセプトがしっかり作られていると感じました。この辺りも構想されていたものがあったんですか?

どういったブランドにするかは、3月のイベントの時点で決めていました。「女性」「20代」という私のキーワードを活かした抹茶の見せ方を考えてコンセプトを作りました。
「心に、晴れのいっぷく。」というコピーは、自分の仕事の原体験からきています。仕事で頑張っている人に少しでも癒しの時間を届けたくて、そういうところから女性に寄り添えるブランドにするにはどうすればいいのかを考えました。
デザインは、見たときにかわいいと感じてもらうというのが一番のコンセプトです。お茶のブランドはシックで高級、上品で落ち着いてる感じのものが多かったので、差別化するためにかわいらしくて上品、清楚というのを軸におきました。

ロゴや商品パッケージもかわいらしくてシンプルですが、一貫してそういったデザインコンセプトで作られたんですか?

ロゴはかわいらしいまる形なんですけど、まるには柔らかいイメージや落ち着く、平和という意味があるんです。「かわいい」にはキラキラしたかわいいと上品な大人の女性のかわいらしさと、いろいろな種類があると思います。千休は高品質なお抹茶を使っているというのもあるので、大人の女性のかわいらしさを表現するようにしています。

ネットショップの写真もすごく素敵です。写真撮影とウェブ制作はご自身でされているんですか?

トップページの大きい写真はディレクションを担当しました。私がシチュエーションや衣装を決めて、プロのカメラマンさんが撮影しています。商品単体の写真やSNSの写真は基本的には私が撮っています。ウェブ制作は制作会社にお願いしました。私がディレクションをして、細かいところをエンジニアさんに頼んでいます。運営と記事の更新は全部私がしています。

ITベンチャーにお勤めだった経験が活かされているんですね。
ネットショップを開設・運営して大変だったこと、苦労したことはありますか?

先ほど、良い点として「カラーミーショップはいろいろオプションがあってカスタマイズができる」というのを挙げましたが、その反面やっぱり0から作るということなので、どういうふうにサイトを作るか、構成をどうするかを考える初期段階はかなり時間がかかりました。エンジニアさんとのやり取りやカメラマンさんとの雰囲気の擦り合わせはとても大変だったなと思います。ただ、それができあがってしまえば、更新の部分でとくに大変なことはないですね。

反対に嬉しかったエピソードはありますか?

ある方から「商品を食べたらおいしくて友達におすすめした」という連絡がきて、またその友達が友達におすすめしてくれて、というのが3連鎖くらいしたと聞いたときです。私たちがガンガンPRするよりSNSや口コミで徐々に広まっていくのが理想だったので、とても嬉しかったです。

こちらから発信するものより口コミは信頼度が高いですよね。

SNSを使ったイベント集客とPR

登山をされての野点(のだて)やカジュアル茶会などのイベントをされていますが、茶道を習われているんですか?

ちょうど1年前くらいから習い始めました。それまでは飲んだり食べたりするのが好きで、抹茶スイーツのカフェや商品については詳しかったのですが、抹茶が広まった要因のひとつである日本の伝統文化「茶道」のことは何も知らないなと思い、習い始めました。

茶道も奥深くて道具もいろいろあると思いますが、そういったものを今後取り扱う予定はありますか?

私自身、抹茶碗などの道具が好きで集めているので、千休らしいものを販売していきたいなと思っています。

食べ物でも工芸品でも、日本の伝統文化は年齢と経験を重ねた職人の方がいらっしゃるイメージがあります。参入するにあたってやりづらかったりはしませんでしたか?

最初は少し怖いイメージもあって「入れないのかな?」と思ったのですが、敬意をもって話す、相手の立場を尊重するということを心がけるといろいろ手伝ってくれたりアドバイスをいただけたりして、やりづらいと思ったことはありません。
ただ、伝統や文化は守って崩さないようにはしています。崩すのではなく、別の路線で広げていくということを意識しています。

人と文化を尊重することが大切なんですね。先ほどのようなイベントはどのように企画、開催されているんですか?

基本的には私が楽しそうだと思ったイベントを企画して、TwitterやInstagramで参加者を募集しています。
「抹茶を楽しめる」「癒やされる」という2点を軸に何と掛け合わせたら実現できるかをいろいろ考えます。あとは気になっている人、例えば山なら山登りを仕事にされている人、茶会のイベントは茶道具屋さんの茶室を借りているんですけど、その気になる人たちとどうやったら仕事ができるだろう、イベントができるだろうと考えています。

茶農家さんの方から連絡がきたというお話がありましたが、いろんなところからコラボレーションしませんか?というお声がけがくるのですか?

お問い合わせフォームやTwitter、InstagramのDMから「こういう事業をやっていてよかったら一緒にやりませんか?」というふうに声がかかります。

アイドルに学ぶPR術

自分から積極的にPRとして何か行動はされていますか?

PRの仕方が他とは違うかもしれないですが「商品を販売してください」「使ってください」という営業は一切していません。そのかわり、コンセプトや思いはSNSでかなり発信しています。

ネットショップへの流入は、どのSNSと一番相性がいいですか?

Twitterです。大学生のときからTwitterで活動をしているので、そのころから見守ってくれているフォロワーさんもいます、Twitterは拡散性がいちばんあります。イベントの集客をしたり、新商品を出すとそこからリンク先に飛んでもらったりということはよくありますね。

学生時代からずっと同じアカウントを使って運営されてるんですね。久保田さんのファンもいらっしゃるのでしょうか?

ファン…応援してくださる方はいらっしゃいます(笑)。

学生時代からのファンがいてくださるのは心強いですね、ファンと言えば久保田さんはアイドルがお好きなんですよね。久保田さんが書かれた「【アイドルオタが考える】なぜ、緑茶ではなく “抹茶” にこだわるのか」という記事を読んで、抹茶を広めることを「推しの布教(※)」のように捉えていらっしゃるのかなという印象を受けたんですが、アイドルオタクをしていて事業のヒントになったことはありますか?


(※)好きなアイドルのよいところを周りの人に勧めること。

それはめちゃくちゃあります! アイドルはライバルがたくさんいるなかでどうしたら目立てるかというところで自分のキャラ作りをしていると思うんですけど、その点は抹茶のブランドも同じだと思っています。どうしたら覚えてもらえるか、印象に残って応援したいと思ってもらえるかはアイドルから学んでいます。
商品を売るときもそれは参考にしていて、例えばアイドルの子がプロデュースしたコスメって、他のコスメより機能では劣るかもしれないのですが、その子を応援しているから私は買ってしまうんです。そういうことを千休の商品を見たときにも思ってほしいなというのは意識して商品を作ったりPRをしています。

アイドルが好きという経験も今の事業に活かされているんですね。

はい、アイドルと一緒に歩んでいこうと思ってます(笑)。

5年後、10年後の千休

5年後、10年後、千休をどうしていきたいですか?

長い目でみたときに買ってくれた人も中にいる人も、千休に関わってくれた人みんなが生活に余裕のある状態になるといいなというのはあります。お金や時間もそうですけど、ゆっくりとリラックスして精神的に余裕をもって生活できる人、自分をもちながら生活できる人が増えていけばいいなと思います。
もうちょっと具体的に「抹茶」という部分で見ると、今はギフト用や特別な日に買うというコンセプトなんですが、日常生活の中に抹茶がある暮らしというのを提案して、毎日の生活に抹茶を取り入れる人を増やしていきたいです。

実店舗をもつことも考えられていますか?

考えています。飲み物や食べ物って、香りや味を確かめて買うことが多いと思うんです。よほど名の知れたブランドじゃないと購入までのハードルはかなり高いので、そういう意味でも私たちの商品を実際に飲んだり食べたりできる場を設けたいと思っています。
コロナウイルスの影響で試飲や試食が難しくなってしまいましたが、じゃあどうするかというのを考えて、都内だけじゃなくいろいろなところで実際に手にとって「これいいね」と思っていただける機会を増やしていきたいです。

ネットショップでやってみたいことや展望はありますか?

2つあって、1つ目は抹茶の定期便を始めようと思っています。先ほどお話ししたように、長い目で見て日常生活に抹茶のある暮らしというのを実現するには、やはり定期便で周期的に送ってそれを受け取ってもらうというのが最適かなと思います。
それに関係することでもあるんですけど、2つ目は「楽しめる」ということです。ただ新商品を出すのではなくて、こういう思いでこういうストーリーで作りましたというのをお客さまも一緒に感じながら食べてもらって、千休がどんどん広がっていく姿をネットを通して伝えていきたいです。お客さまと一緒に大きくなっている、広がっているという感覚をネットで伝えられればいいなと思っています。

5年後、10年後のご活躍を楽しみにしています!

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